プログラム
format_list_bulleted通信ソサイエティ
一般セッション
- この目次は,インターネット講演申込登録のデータを元に作成されています。
- また,講演者を○,◎印で示し, ◎印は本会「学術奨励賞受賞候補者」の資格対象であることを示します。
B-1. アンテナ・伝播A(電波伝搬,非通信利用)
3月21日 13:00〜17:00 56号館 101教室 座長 幸谷 智(東京電機大)
B-1-1 |
人体遮蔽特性測定における壁面反射波の影響の低減
◎久保賢治郎・岩井誠人・笹岡秀一・伊藤優希(同志社大) |
B-1-2 |
屋内工場環境における28 GHz帯伝搬損失特性の検討
◎伊藤智史・林 高弘・山﨑浩輔(KDDI総合研究所)・中尾允彦・酒井清一郎(KDDI) |
B-1-3 |
自動倉庫における無線システムの受信レベル改善検討
○岡村 航・チン ギルバート・吉敷由起子(構造計画研)・辻 和人(村田機械) |
B-1-4 |
大規模屋内空間の電磁解析
◎嶌田斐呂・後藤 淳・前山利幸(拓殖大)・山本尚武・菱川哲也(パナソニック) |
B-1-5 |
工場内電波伝搬シミュレーションの高速化手法に関する一検討
○前野 輝・江村鉄平・濱邉太一・堀端研志・佐藤 浩(パナソニック) |
屋内環境において人体遮蔽測定を行う場合壁面からの反射波の影響が無視できない.本報告では,人体遮蔽特性測定における,測定系位置の複数化およびそれに伴う平均処理による壁面反射波の影響の低減を目的とする.今回はFDTD法による計算結果を対象とした.定量的評価の結果,平均処理によって壁面からの反射波の影響を相対的に低減した人体遮蔽特性測定が可能となった.
近年28 GHz 帯など既存の移動通信システムより高い周波数帯域を候補とする5G への取り組みが加速しており,工場の遠隔監視などの利用シーンが想定されている.本稿では
上記に向けた基礎検討として伝搬損失をITU-R のInH (Indoor Hotspot)と比較,適用可能性や差異について考察した.
IoT(Internet of Things)化に伴い製造や物流現場においても無線システムの導入が進んでいる.無線システムを導入する際には,通信トラブルの未然防止のために,実験やシミュレーションによる無線環境の事前評価を行うことが重要である.本研究では,既設建屋にも簡単に設置でき,製品受入から出荷までの一連の流れをコンピュータで一元管理するシステムが導入された自動倉庫において,無線システムの受信レベル改善検討を行った.
920MHz帯無線通信を用いたIoTの実現のためには,機器間の回線設計が重要である.特に屋内空間では,さまざまな躯体構造があるとともに什器などもあり伝搬環境は複雑となる.本稿では,大規模な屋内空間をモデル化して伝搬環境を明らかとするべく,電磁解析と実測を行った結果を報告する.数値解析値と実測値の信号強度を比較し,実測を基準にした時の実測値の差の平均値は11.04dBで,これは再現しきれていないモデルの構造体によるフェージングの影響と思われる.そのため,フェージングの深い落ち込みを再現できなく信号強度に差が発生したと考える.
工場を想定した狭空間における電波伝播を把握するためのシミュレーションを
高速化するための手法を述べる.具体的には光線追跡法で低解像度で取得した
受信電力値から,InDoorHotSpotシナリオに定義された伝播式を利用して高速化を
図り,その精度を評価した.
休 憩(14:30 再開) 座長 猪又 稔(NTTドコモ)
B-1-6 |
高基地局における電波伝搬損失測定評価
○表 英毅・緒方大悟・木村 翔・佐藤彰弘(ソフトバンク) |
B-1-7 |
三次元空間セル構成法におけるビル間電波伝搬損失特性の検討
○池田 賢(東工大)・表 英毅(ソフトバンク)・藤井輝也(東工大) |
B-1-8 |
2.4GHz帯実測データに基づく六面体アンテナを用いた伝搬損失の基礎検討
○島崎安徳(パナソニック)・栁澤昂輝・西森健太郎・谷口諒太郎(新潟大)・濱邉太一・竜田明浩・江村鉄兵・浅田拓也(パナソニック) |
B-1-9 |
車車間通信環境における遮蔽車両を考慮した伝搬損失の推定
◎山根健太郎・岩井誠人・笹岡秀一(同志社大) |
B-1-10 |
ドローンを用いたITS 融合ネットワークの構築 その3
○仲栄真一成・阿部海人・藤井 知(沖縄高専)・吉川憲昭・木下研作(サイバー創研) |
市街地や住宅地における電波伝搬損失モデルとしてITU-R 勧告P.1410-5がある。また、地物による損失であるクラッター損失のモデルとしてITU-R 勧告P.2108 がある。ITU-R 勧告P.1410-5 では移動局近傍の都市構造が考慮されており、直接波が主体な領域、反射が主体な領域及び回折が主体な領域に分割して伝搬損失を推定できるのが特徴である。ただし、基地局高の適用範囲が70m までである。著者等は基地局高150mにおける電波伝搬損失測定を行い、ITU-R 勧告P.1410-5 と比較して、回折が主体な領域では推定式は良く一致しているが反射が主体な領域では推定誤差が大きくなる場合があることを報告した。本稿ではITU-R 勧告P.1410-5 の反射係数を評価する。また、併せてITU-R 勧告P.2108 とも比較する。
近年中高層ビルの屋内オフィスで使用される移動端末が急増しており、それらの屋内での通信トラフィックを効率よく運ぶ手段が求められている。その手段として、中高層ビルの屋内にスモールセルを構成する“三次元空間セル構成”が有効である。同一周波数を使用する三次元空間セル構成を効率よく設計するには、中高層ビル内のスモールセル間の干渉を考慮する必要あり、その推定技術が不可欠である。本稿では、中高層ビル内に設置したスモールセルと異なる中高層ビル内に設置したスモールセル間の伝搬損失を高精度に推定できる伝搬損失推定式を提案する。
第5世代移動通信システム(5G)に向けた開発が進められており、多数のIoT端末が存在する環境での基礎検討として,端末側の伝搬特性を把握するための検討が行われている。本稿では市街地における周辺が比較的高い建物が多数存在するストリートセル環境にあるIoT端末を想定し,全方向からの電波を取得可能な六面体アンテナを用いて測定した各面毎の受信データを用いて2.4GHz帯における伝搬損失特性の評価結果について述べる
本報告では、車車間通信環境における遮蔽車両を考慮する場合の伝搬損失を簡易に計算する手法として、第1フレネルゾーンの遮蔽割合を用いる方法を提案し、交差点十字路を想定した2次元モデルをを用いて、その特性をUTD計算と比較した。
完全自律制御型ドローンを用い、今回、5.7GHzの電波伝搬特性を調べた。前回行ったドローン高度30mでの920MHzと5.7GHzの測定結果を比較すると、5.7GHzの伝搬特性は著しく地上からの干渉を受け、急激に減衰する場所が非常に多い。そのため、必然的に送信電力は920MHzより大きく成らざる得ないことが分かった。
休 憩(16:00 再開) 座長 表 英毅(ソフトバンク)
B-1-11 |
圧縮センシングを用いた合成開口レーダのための高密度目標の画像再生法
○戎 克知・桐本哲郎・孫 光鎬(電通大) |
B-1-12 |
大規模FDTD解析を用いた4.4GHz帯機外WAICシステム設計のための伝搬損失推定
◎関口徹也・日景 隆・山本 学・野島俊雄(北大)・二ッ森俊一・森岡和行・河村暁子・米本成人(海上・港湾・航空技術研究所) |
B-1-13 |
GPM DPR V6 降雨タイプ分類アルゴリズムの改善
○阿波加 純(東海大) |
B-1-14 |
レイトレース法による802.11ad伝搬経路の再現
○大植裕司・新海宗太郎・植田剛央・山崎 聡・山田英之(パナソニック) |
合成開口レーダ(SAR: Synthetic Aperture Radar)は,昼夜を問わない全天候型の地表イメージング技術として有用である.近年,圧縮センシング(CS: Compressed Sensing)技術を用いたSAR画像再生が注目されている.この方法では,例えば,電波法で周波数帯域が制限されるような状況においても高分解能画像再生が可能である.しかし,CS画像再生では,目標が疎であることが必要であり,その応用範囲が限られる.本研究では画像を低分解能モードと高分解能モードの2段階で再生することで疎でない目標輪郭の高分解能画像を再生する圧縮センシング法を提案する.
航空機の運用コスト低減を目的として非常用照明や気圧センサーといった装置への通信を担うワイヤハーネスを無線代替するシステムが提案されている.このシステムに用いられる無線通信規格WAICは,4.2 GHzから4.4 GHzの周波数帯の利用が提唱されている.高速・高信頼な無線通信を実現するためには,航空機内外における電波伝搬特性を考慮した無線回線設計が重要となるが,送受信アンテナの設置位置など複数の条件を考慮した実測定の実施は,コストなどの面から困難である.当研究グループでは,大規模FDTD解析の適用を提案し,WAICシステムを想定した機内外の電波伝搬特性について報告している.本稿では,WAICシステムと周波数帯が近接する電波高度計を対象とした与干渉推定を目的に伝搬損失特性について評価する.
全球降水観測(GPM)主衛星に搭載されている2周波降水レーダ(DPR)の標準アルゴリズムV6(バージョン6)による処理データは2018年10月に一般公開された。GPM DPRのレベル2(物理量算出)標準処理アルゴリズムの一つである降水タイプ分類アルゴリズムのV6における大きな変更点は、ワシントン州立大学が開発したスロープ法による対流性降雨タイプの層状性降雨タイプへの再分類を導入したことであるが、既に不具合が見つかっている。ここでは、この不具合の解消を中心に、降雨タイプ分類アルゴリズムの次期バージョンでの改善に向けた取り組みについて述べる。
工場における802.11adの伝送実験を題材に、レイトレース法によるビームフォーミングの伝搬経路再現を試み、工作機械と仕掛品を直方体の金属ブロックでモデル化する比較的簡単な方法で、実験結果と良い相関が取れることを確認できた。
3月22日 9:00〜11:45 56号館 101教室 座長 金 ミンソク(新潟大)
B-1-15 |
郊外地における高マイクロ波帯到来角度広がり特性
○北 直樹・白戸裕史・俊長秀紀(NTT) |
B-1-16 |
植生環境における上空からの電波の到来方向特性の測定
○木村 翔・緒方大悟・佐藤彰弘・表 英毅(ソフトバンク) |
B-1-17 |
19 GHz帯48素子円形アレーを用いた実環境での到来方向推定結果
◎上村早紀・西森健太郎・伊藤創一・谷口諒太郎(新潟大)・猪又 稔・北尾光司郎・今井哲朗(NTTドコモ) |
B-1-18 |
基地局側における水平面内・垂直面内電波到来角度プロファイルの同時推定モデル
○藤井輝也(東工大) |
B-1-19 |
準ミリ波帯中継器の送信性能評価
○志村竜宏・葉若秀樹・桂 勇男(住友電工) |
基地局への到来波の角度広がりは,スペースダイバーシチ,MIMO,アンテナの実照射エリアの検討等に重要な伝搬特性の一つであり,これまでにもUHF帯/低マイクロ波帯における検討が行われている.近年アセス区間にも高マイクロ波帯からミリ波帯を適用する検討が進められているが,到来角度広がりの検討は少ない.そこで本稿では,郊外地における実測結果から26GHz帯の基地局到来角度広がり特性について述べ,4GHz帯との比較結果について述べる.
移動体通信においてMIMO等の空間処理アルゴリズムを精度良く評価するためには,電波到来角プロファイル推定が重要である[1].基地局側及び移動局側の水平面電波到来角プロファイルについては,様々な環境における測定結果を基にした推定法が提案されている[2].一方,基地局側の垂直面電波到来角プロファイルについては,市街地における測定結果が[3][4]に報告されているが,移動局側の垂直面到来角プロファイルに関する報告は少ない.市街地における移動局側の垂直面電波到来角プロファイルに関する測定結果は以前報告している[5].また,植生環境における伝搬特性は[6]に報告されている.
本稿では,[6]と異なる植生環境における移動局側電波到来角プロファイルを測定したので,その結果について報告する.
第5世代移動通信システム(5G)では,ミリ波帯の使用が想定されている [1].5GではMassive MIMOの使用が想定されるため,ミリ波帯での到来方向の把握は重要である.本稿では,新潟市の市街地において19GHz帯の48素子円形アレーを用いた場合の電力・遅延時間・到来方向の関係を明らかにする.また,Beam former (BF) [2]による到来方向の推定結果を示す.
第5世代移動体通信では伝送効率を一層向上させるために、基地局アンテナとして素子を水平方向のみではなく垂直方向にも配置するMassive MIMOのような多素子2次元配置アンテナが検討されている。このようなアンテナを効率よく設計するには水平面内及び垂直面内の電波到来角プロファイルが重要である。
本稿では、筆者らが提案した散乱体モデルを拡張し、基地局側の電波到来角度特性に加えて基地局側の垂直面内電波到来角度特性を同時に扱える伝搬モデルを提案する。
試作した28GHz帯中継器における基地局から端末への系統で中継アンプとアンテナビーム指向性特性を測定した結果について報告する.
休 憩(10:30 再開) 座長 齋藤健太郎(東工大)
B-1-20 |
屋内環境におけるダイバーシチアンテナを用いた電波伝搬特性評価
○中西孝行(三菱電機)・人見健三郎(三菱電機エンジニアリング)・小竹弘晃・花井諭司・瀧川道生・米田尚史(三菱電機) |
B-1-21 |
垂直面電波到来角を考慮した人体遮蔽測定
○佐藤彰弘・緒方大悟・木村 翔・表 英毅(ソフトバンク)・日景 隆(北大) |
B-1-22 |
無人航空機を用いた移動通信における植生による伝搬損失特性に関する検討
○緒方大悟・佐藤彰弘・木村 翔・表 英毅(ソフトバンク) |
B-1-23 |
アンテナ高が低い場合の桑農場における920 MHz帯電波伝搬特性
○山田千紘・中野由顕・数井亮太・島崎仁司・門 勇一・一田昌利(京都工繊大) |
B-1-24 |
920MHz帯電波伝搬における樹木の2次元モデルの検討—大地を考慮した場合—
◎数井亮太・島崎仁司(京都工繊大) |
近年,IoT(Internet of Things)が急速に普及しており,宅内やビル管理,スマートタウン等で省配線化などを目的とした無線導入が期待されている.IoT無線機器の通信距離を適切に把握するために,電波伝搬解析技術が重要となる.著者らはこれまで屋内環境において統計モデル及び回線設計マージンについて検討してきたが,受信電力のばらつきが大きく,通信品質を維持するためにはマージンを大きくとる必要があった.そこで本報告では,屋内環境において2素子ダイバーシチアンテナを用いた電波伝搬特性評価と回線設計マージンの低減効果について検証する.
移動体通信において、人体による電波伝搬遮蔽損失の検討は重要であり、単純な直接波の遮蔽損失量だけでなく、水平面および垂直面の到来角度特性を考慮した損失モデルを検討する必要がある[1]。
高基地局、市街地環境における移動局側の水平面及び垂直面の電波到来角度は、周辺の建物の影響で建物方向からも道路方向からも高い角度(大きい仰角)から到来することが一例として報告されている[2]。また、開放地においては基地局・移動局間の仰角が大きい場合には、水平面及び垂直面の電波到来角度はいずれも基地局方向からの到来波が主となる[3]。
本稿では、仰角の異なる環境における人体遮蔽損失測定を行い、その特性を解析し、実環境での人体遮蔽損失の扱い方について検討を行う。
移動体通信のエリア設計には地形,建物等のクラッター,植生,人体による影響など基地局から移動局に電波が到達するまでの環境による影響を精度よく推定・評価する必要がある.
特に郊外地で建物が少なく直接波が建物,樹木,人体等で遮られたときに周辺からの反射波が存在しないと考えられる.このような環境では孤立した建物, 植生, または人体による回折・散乱波が主波となりこれらの特性を明確化する必要がある.植生による損失については, ITU-R勧告P.833として標準化されているが地域・樹種が限定的であり地域・樹種が異なる場合には別途検討が必要である.
本稿では植生による損失およびその季節特性について測定を行ったのでその結果について報告する.
本研究では,農場センサネットワーク構築に必要なリンクバジェットを算出するために,一例として桑農場を取り上げ,920 MHz帯で電波伝搬特性を測定した.送受信アンテナの高さを1波長(約0.32m)に固定し,アンテナ間距離を変えてRSSI(受信信号強度)の測定を行った.その際,桑の高さが0.8から3.0 mに成長する間の6通りの高さで測定した.その結果,水平偏波は,桑が成長するにつれて上部に葉が多くなると回り込む波の成分が小さくなり,伝搬損失の変化が桑の成長に対して小さくなる.一方,垂直偏波では,桑の成長に対して伝搬損失の変化が少ないことがわかった.得られた電波伝搬特性は農場センサネットワーク構築に有用である.
樹木中の920MHz帯電波伝搬特性を2次元FDTD解析し,葉の集合を2通りにモデル化したものでその損失特性を比較している.モデル1はn個のセルのうち1個を葉,(n-1)個を空気と考え,そのパターンの集合を樹木とする.またモデル2は樹木全体を葉と空気の中間の電気特性をもつ媒質と考え,葉の誘電率・導電率を1/nにしたものとする.解析領域は大地を含めた樹木を横から見た領域で行った.計算の結果,励振から70波長離れた観測点での伝搬特性を両モデルで比べてみたところ,水平偏波ではモデル1とモデル2は同等の伝搬特性が得られた.一方,垂直偏波ではモデル2の密度を4倍にしたものとモデル1とで同等の伝搬特性が得られた.
3月22日 13:15〜15:30 56号館 101教室 座長 前山利幸(拓殖大)
B-1-25 |
地上デジタル放送波とGPSを用いた高精度・高安定の発振器の検討
○沢井淳志・山本 隼・都竹愛一郎(名城大) |
B-1-26 |
長波JJY信号の受信C/Nの変動に関する研究
◎金森大輝・藪本 浩・都竹愛一郎(名城大) |
B-1-27 |
水中無線通信のための水中アンテナ試作
○小澤亮太・幸谷 智・小林岳彦(東京電機大) |
B-1-28 |
円形パッチFSS電波吸収体のノッチ数による偏波ロバスト性に関する基礎検討
◎篠崎友花・新井宏之(横浜国大) |
正確な時刻は、デジタル機器の同期や電子取引の時刻決定において重要な役割を果たしている。正確な時刻を保つためには、正確な周波数を得ることが重要である。現在、正確な周波数は、ルビジウム原子発振器やセシウム原子発振器といった原子発振器から得ることができる。しかし、原子発振器は高価であり、安価な発振器が望まれている。その1つとして、地上デジタル放送波を利用した発振器が考えられる。我々の研究室では既に、地上デジタル放送波に同期した水晶発振器を作成し、地上デジタル放送波と同等の短期安定度を得ることができている。本研究では、地上デジタル放送波に同期した水晶発振器をGPSに同期させ、長期安定度を向上させた発振器について検討している。
長波JJY信号より時刻情報を得るには,0秒から59秒までの連続した情報を正しく受信する必要がある.夜間において,長波JJY信号は電離層で反射し,受信電界強度は電離層の影響を受け,昼間より受信電界強度が高くなるため,夜間の方が時刻校正しやすいと考えられている.本研究では,電波時計の安定した時刻校正にむけて,長波JJY信号の電界強度を測定し,受信C/Nを求めた.結果,季節によっては昼間に時刻校正しやすいことが明らかになった.
水中での電波を用いた無線通信は新たな水中開発技術として注目されており,この技術を利用した水中ロボット間通信等の実現が期待されている.
そこで今回,淡水を想定した10 MHz帯水中アンテナの試作をし,所望の周波数で動作することを確認した.またこの水中アンテナを用いて淡水中での電波伝搬特性を測定し,測定値と理論値は近似するとともに,伝搬損失がおよそ61 dB/mとなる結果を得た.
薄型電波吸収体として、誘電体基板一枚による周波数選択板(FSS: Frequency Selective Surface)を用いたものが提案されている.本稿ではFSSの形状と偏波特性の関係性を明らかにするため,筆者らが以前提案していたノッチ入り円形パッチFSSを元に反射特性の解析をした.
その結果,ノッチの数が増えると偏波による影響を抑えられることを確認した.ノッチが8本の場合が二重共振となるため-10dBの帯域幅が広くなった.以上のことから,円形パッチFSS吸収体ではノッチが8本の場合が最適であると言える.
休 憩(14:30 再開) 座長 芳野真弓(日本電業工作)
B-1-29 |
スモールオフィスにおける26GHz帯の伝搬損失特性推定
吉江明花・◎山岸誠知・日景 隆(北大)・久野伸晃・中村光貴・山田 渉・鷹取泰司(NTT) |
B-1-30 |
ミリ波帯屋内超高速無線アクセス回線における準決定論的伝搬経路モデル
○岸本 悟・金 ミンソク(新潟大) |
B-1-31 |
屋内環境におけるミリ波帯イントラクラスタ特性の測定
○赤坂啓太・金 ミンソク(新潟大) |
B-1-32 |
室内光無線通信の回線設計に関する検討
◎金岡舜一・新井宏之・橋口 弘(横浜国大) |
第5 世代移動通信システムの実現に向け国内外問わず多くの研究が行われている.5Gでは現行の第4世代移動通信システムより高い周波数帯(6 GHz以上)も利用されるため,セル設計やシステム設計のための伝搬環境推定 では,人体による遮蔽や壁面粗さなどを考慮した評価が重要である.著者らはこれまで,大規模FDTD解析を用いた26 GHz帯屋内電波伝搬特性推定法について検討し,什器や人体による遮蔽影響などを含む損失推定モデルの構築を行っている.本稿では,これら大規模解析結果の妥当性検証を目的として実施した,数値解析と同一条件での小規模オフィス内における伝搬損失特性の測定結果を報告する.
近年のモバイルトラフィックの急増を受け,最大30Gbpsでの超高速無線通信が可能であるミリ波帯(60~GHz帯)の無線LANシステムが開発されている.IEEE802.11ayの伝搬経路モデルでは,既存のIEEE802.11adの伝搬経路モデルの効率と性能の向上のために準決定論的(Quasi-Deterministic: Q-D)伝搬経路モデルが採用されている.
Q-D伝搬経路モデルでは,多重波クラスタを決定論的成分(強電力をもつ正規反射成分:D-ray)と確率論的成分(散乱や多反射成分:R-ray)に分けて,伝搬経路のインパルス応答を表現する.D-ray は周囲環境により決定されるため,正規反射成分がレイトレーシング(RT)法などにより幾何光学的に生成される.一方で,R-rayは測定から得られたInter-cluster特性から確率論的に生成される.本稿では,超分解能伝搬経路推定手法\cite{subgrid}を用いた測定結果を解析し,RTの結果を照らし合わせて支配的な成分が決定論的手法により正確に予測できることを確認した.さらに,壁面反射成分のIntra-clusterパラメータを算出し,会議室環境におけるQ-Dモデルを構築した.
次世代移動通信システムに向けて6GHz以上の高周波数帯の利用が検討されており,電波伝搬特性の解明とモデル化が課題となっている.ミリ波帯においては,波長が散乱体の大きさに比べて十分短いことから,正規反射が支配的な伝搬メカニズムとなる.しかし,その正規反射において,表面の粗さが波長に比べて無視できないため,正規反射に伴う拡散散乱を考慮する必要がある. IEEE802.11ad/ayの通信路モデルでは,壁や地面の正規反射パスを複数の素波で構成されたイントラクラスタ特性として表わしている.本研究では,定速移動測定により観測した正規反射成分のフェージング特性からイントラクラスタ特性の検証を行った.
光無線通信の高速・大容量が注目されており,さまざまな環境で実証されている.しかし,室内短距離通信を目的とする光アンテナの性能については詳細な検討が少ないため,本稿では回線設計を行い光無線通信で求められるアンテナの性能を明らかにした.自由空間での光無線通信における光アンテナの性能を求めるため,回線設計を行った.これら結果より,室内での光無線通信における光アンテナのパラメータを特定することが可能になる.
B-1. アンテナ・伝播B(アンテナ一般)
3月19日 9:00〜11:45 56号館 102教室 座長 笹森崇行(北海学園大)
B-1-33 |
Characteristic Mode法による開口を有する筐体のモード解析
◎神山一貴・新井宏之(横浜国大) |
B-1-34 |
円偏波給電回路の反射特性のみを用いた軸比測定
○山本伸一・井田雄也・瀧川道生(三菱電機) |
B-1-35 |
円筒座標系のダイアディックグリーン関数を用いた近傍界遠方界変換に関する一検討
◎持木和人・今野佳祐・陳 強(東北大) |
B-1-36 |
電波の偏波表現に関する一考察
○内藤 出(新居浜高専) |
B-1-37 |
DBF/チャネライザ機能を用いたフェーズドアレーアンテナのパターン測定
○織笠光明・大倉拓也・三浦 周(NICT)・仙波新司(アクシス) |
近年のスマートフォン普及に伴い,内蔵型アンテナが主流になると,筐体を含めたアンテナの共振を利用することで,計算時間の効率化が図れる.そこで本報告は,モード解析の一種であるCM (Characteristic Mode)法を用いて,筐体のモード解析による諸特性について述べる.
反射鏡アンテナの一次放射器として用いる円偏波給電回路は、低軸比であることが求められることが多く、軸比を精度良く測定する必要がある。一般的に軸比を測定する場合、給電回路の通過特性の直交する2つの成分を測定して円偏波合成する手法を用いる。特に周波数の高いKa帯等では正確に測定することが課題となる。本稿では、通過特性を測定することなく、比較的測定が容易である反射特性のみを用いて、軸比を精度よく測定することを目的とする。
近年の情報通信社会の発展にともない,アンテナに対する要求が厳しくなっている.
その1つにアンテナの遠方界特性を高精度かつ簡易的に求める測定法の要求がある.しかし,アンテナの遠方界測定において,送受信アンテナを互いの遠方界領域に置くために十分に距離を大きくする必要があること,また屋外で行う場合は理想的な実験環境の構築は難しいことなどから,実験的に測定するのは困難である.本研究ではアンテナの近傍界を円筒走査によって測定し,円筒座標系におけるダイアディックグリーン関数と近傍電界を用いて,遠方界推定を行う手法の有用性を確認し,各種走査パラメータが遠方界推定に与える影響を明らかにした.
電波の偏波状態は,旋回方向を符号で考慮した軸比とチルト角,あるいは偏波比で表現され,幾何的表現としてポアンカレ球上の一点として表される.これらは確立されたものであるが,文献によって定義が異なったり,同一の文献中でも整合しない場合があるように見受けられ,混乱を生んでいるように感じられた.本稿では,筆者の理解に基づく表現を示し,いくつかの文献と比較した結果を報告する.
将来の衛星搭載用アンテナの高機能化,高性能化の要求に対して,情報通信研究機構(NICT)ではDBF/チャネライザとアレー素子を組み合わせたアンテナの研究開発を進めている.しかし機能・性能確認はDBF/チャネライザ自身の機能・性能のみであった.今回DBF/チャネライザの総合評価として放射素子と組み合わせたアレーアンテナの放射パターン測定を実施した.ここではその結果について報告する.
休 憩(10:30 再開) Chairperson Mitoshi Fujimoto(Univ. of Fukui)
[English Session 1]
B-1-38 |
Diagnosis of Array Antennas with Defective Elements Using Artificial Neural Network
◎Xin Wang・Keisuke Konno・Qiang Chen(Tohoku Univ.) |
B-1-39 |
Experimental Evaluation of Intersymbol Interference in Non-Far Region Transmission using 30-GHz Band Large Array Antennas
○Tuchjuta Ruckkwaen・Kiyomichi Araki・Takashi Tomura・Jiro Hirokawa・Makoto Ando(Tokyo Tech) |
B-1-40 |
Comparison of received power and channel capacity with micro and milli-meter wave bands based on outdoor propagation measurement
◎Ryotaro Taniguchi・Kentaro Nishimori(Niigata Univ.) |
B-1-41 |
Human-Body Localization Using Unsynchronized MIMO Radar
◎Abuduaini Abudusaimi・Nobuyuki Shiraki・Naoki Honma・Dai Sasakawa(Iwate Univ.)・Takeshi Nakayama・Shoichi Iizuka(Panasonic) |
B-1-42 |
Experimental Investigation of Wave-packet Propagation Dynamics in Terahertz Frequency Region
○Hana Arisesa・Yusuke Tanaka・Shintaro Hisatake(Gifu Univ.) |
A method based on NNs is designed for diagnosis of antenna arrays in this report. The near-field works as the input and the current of an antenna under test is the output in this model. The effect of size of the training dataset and the number of sampling points are investigated. The result of numerical simulation shows that the proposed model can estimate the current distribution correctly. As a result, defective elements are detected.
The intersymbol interference (ISI) in 60GHz-band l28x64-slot array antennas in non-far region transmission [1] was evaluated and compared with experimental data in [2], [4]. The ISI level, however, was high due to the non-uniformity in the antenna excitation caused by fabrication problems. In this paper, a new 64x32-slot array antenna in 30-GHz band with better performance is introduced and ISI is then evaluated.
In the 5th generation mobile communication system, it is assumed that multiple cells with different frequency bands are used for further improving the frequency utilization efficiency. In this report, we measure and evaluate the received power and channel capacity in the microwave and millimeter wave bands (5.12 and 19.55GHz).
This study investigates the frequency offset elimination technique suitable for the living-body MIMO radar in unsynchronized conditions. The phase error due to the frequency offset is successfully eliminated by using the direct path between the transmitter and receiver.The experimental results indicate that the 50-percentile of distance error was decreased from 3.5 m to 0.3 m. The result demonstrated that the proposed method can estimate living-body locations with a high accuracy even when the system has a frequency difference between the transmitter and receiver.
Previously, we developed visualization system for continuous wave in the THz band [1]. In this presentation, we demonstrate a measurement system for the experimental investigation of propagation dynamics of wave packet in terahertz (THz) frequency region based on electrooptic (EO) sensing. The wave packets are modeled by superposition of harmonic continuous wave frequencies in THz frequency. The amplitude and phase distributions of electromagnetic (EM) wave at every sequence frequency is measured then summed up to visualize the wave packet propagation dynamics in free space.
3月19日 13:00〜17:00 Room 102, Bldg. No. 56 Chairperson Ryo Yamaguchi(Softbank)
[English Session 2]
B-1-43 |
Proposal of a Polarization Switchable Active Array Antenna Integrating a Single-Lambda Slot-Ring Gunn Oscillator and PSK Modulator
◎Maodudul Hasan・Eisuke Nishiyama・Ichihiko Toyoda(Saga Univ.) |
B-1-44 |
Experimental Study of a Circularly Polarized Dual-Axis Dual-Beam Array Antenna Employing Dual-Feed Network
○Thet Paing Phyoe・Eisuke Nishiyama・Ichihiko Toyoda(Saga Univ.) |
B-1-45 |
Dual-Band Flat Lens Antenna
○Arie Setiawan・Yoshihiko Kuwahara(Shizuoka Univ.) |
B-1-46 |
Design of the Matching Coupling Slot for Parallel Plate Waveguide with Hard Walls
◎Tianyu Wang・Takashi Tomura・Jiro Hirokawa(Tokyo Tech) |
B-1-47 |
Analysis of the 2×2 Radiating Slots with the Perpendicular Corporate-feed Based on Method of Moments
○Shuang Ji・Takashi Tomura・Jiro Hirokawa(Tokyo Tech) |
A polarization switchable active integrated array antenna (AIAA) using a PSK modulator and single-lambda slot-ring Gunn oscillator for polarization switching is newly proposed for spatial modulation applications. Employing a PSK modulator in the
horizontal feed line, it is possible to flip the horizontal polarization of the antenna and hence the polarization can be switched between ±45.
This paper proposes a new circularly polarized microstrip array antenna integrating four circularly polarized antenna elements and a dual-feed network. The proposed antenna provides the pencil and conical-beam radiation patterns in the x-z and y-z planes by effectively using the planar magic-Ts. The performances of the array antenna are experimentally confirmed to highlight its features. The proposed antenna can be used in many kinds of advanced antennas such as a beam steering antenna and wide-angle rectenna.
Flat lens antenna known as the transmittarray antenna is a solution to bulky and heavy dielectric lenses. The antenna consists of a feeding antenna and planar array as phase delay or tuner. Due to the low profile, high gain, and lightweight, also effective in two frequency bands without changing the structure array, a flat lens antenna still attracted much attention for recent years. In this research, the lens antenna for dual-band and circular polarized application is proposed.
A parallel plate antenna is attractive for millimeter-wave application due to its high antenna efficiency, light weight, and simple structure. It is truncated by hard walls at the edges. This paper aims to analyze and design the matching coupling slot by HFSS.
This paper conducts the analysis of a novel 2 × 2 radiating slots sub array with the perpendicular corporate-feed based on method of moments.
休 憩(14:30 再開) 座長 松沢晋一郎(豊田中研)
B-1-48 |
5.8GHz帯ビーム型無線電力伝送用ラジアルラインスロットアンテナ
○戸村 崇・広川二郎(東工大)・古川 実・藤原暉雄(翔エンジニアリング) |
B-1-49 |
半波長間隔スリット層を用いたE面配列導波管スロットアレー送受信アンテナ間のアイソレーション向上
◎地頭所浩平・戸村 崇・広川二郎(東工大) |
B-1-50 |
Tの字型スロットと非共振クロススロットによる所望の利得を実現する同心円状配列ラジアルラインスロットアレーアンテナ
◎橘 朋美・樋熊康裕・常光康弘(拓殖大) |
B-1-51 |
ネジ締結加工樹脂導波管スロットアレーアンテナ
◎宇野 孝・中本成洋・深沢 徹・米田尚史・山本剛司・柿元生也(三菱電機)・小西善彦(広島工大) |
B-1-52 |
2×2素子を放射単位とする並列給電導波管スロットアレーアンテナのスリット層装荷によるEH両面サイドローブ抑圧の検討
荒川遥香・○広川二郎・戸村 崇(東工大) |
電気自動車やドローンへの無線給電としてマイクロ波によるビーム型無線電力伝送が検討されている.電波型無は近距離から長距離までの無線電力伝送を実現できる.筆者らはラジアルラインスロットアンテナによるビーム型無線電力伝送系の基礎検討をした.本稿ではラジアルラインスロットアンテナを設計し,電磁界解析により送受信アンテナ間の伝送量を検討する.
同一周波数同一偏波で送受信を同時に行う空間分割複信では十分な送受間アイソレーションが必要である。導波管スロットアレーを用いた場合、素子指向性からH面配列ではアイソレーションは確保できるが、E面配列ではできない。二層構造導波管並列給電スロットアレーの上にE面方向に半波長間隔のスロットのペアを設けてエンドファイア方向の放射を抑圧したが、スロットの周波数特性により動作帯域が狭かった。本稿では、スロット層をスリット層に置き換えて検討を行った。
ラジアルラインスロットアレーアンテナ(RLSA)とは,高利得・高効率の平面薄型アンテナである.衛星放送受信用アンテナや,金星探査機あかつき,小惑星探査機はやぶさ2 などに使用されている.
本報告では,放射スロットの最外周部に非共振クロススロットを用いることで反射を抑圧し,内周部にTの字型スロットを必要な周配列することで,最少1周から任意の周にかけて,反射が少なく所望の利得を実現する同心円状ラジアルラインスロットアレーアンテナを提案する.
導波管スロットアレーアンテナの課題であるコスト・重量を解決するため,樹脂導波管スロットアレーアンテナを開発している.樹脂導波管を加工する場合,ネジ締結部が必要となる.放射導波管を幅方向へ密に配列させるためには,ネジ締結部を導波管内部に設ける必要があるが,ネジ締結部の影響により放射パターンが劣化する.
本稿では,放射パターン劣化を低減させるために,導波管内に突起部を設けた,目標サイドローブレベル(以下SLL)-32 dB以下の直交二偏波樹脂導波管スロットアレーアンテナの垂直偏波アンテナについて報告する.
2×2素子を放射単位する並列給電導波管スロットアレーアンテナの開口分布にテイラー分布を適用すると,1.66波長周期の放射単位内一様励振に起因するグレーティングローブが30-40度方向に生じる.これまでに,著者らはスリット層を装荷し,E面とH面それぞれでグレーティングローブを抑圧するアンテナを設計した.これらをふまえて,本稿ではEH両面においてグレーティングローブを抑圧するアンテナを設計した.
休 憩(16:00 再開) 座長 井上和弘(東芝)
B-1-53 |
平行平板装荷シングルテーパスロットアンテナのビーム走査特性改善
○渡辺 光・山口 聡・中本成洋・深沢 徹・米田尚史(三菱電機) |
B-1-54 |
2面結合ハイブリッドとコルゲート導波管形移相器を用いた非遠方界2次元直交4多重伝送用ビーム切換回路の設計
○和田健太郎・戸村 崇・広川二郎(東工大) |
B-1-55 |
SIWを用いた広帯域導波管-MSL変換回路
○三木祐太郎・桑山一郎・山岸 傑(住友電工) |
B-1-56 |
先端開放プローブを用いた方形導波管狭壁面給電に関する検討
◎上坂昂司・中本成洋・深沢 徹・米田尚文・山本剛司・柿元生也(三菱電機)・小西善彦(広島工大) |
フェーズドアレーは,周波数帯域の上限周波数で覆域端ビーム走査時にグレーティングローブが出ないように素子間隔を決定する.したがって,広帯域フェーズドアレーでは下限周波数においては波長オーダでの素子間隔が特に密となる.素子間隔が狭いと,素子間相互結合が大きくなり,広角方向ビーム走査時のアクティブ反射が劣化するといった課題があった.本稿では,平行平板装荷シングルテーパスロットアレーアンテナにおいて,下限周波数におけるE面ビーム走査時の利得低下を改善する構造を提案し,電磁界解析により有効性を検討した結果を示す.
ミリ波帯用の空間分割多重伝送方式の一種であるOAMと等価な方式として直角座標系直交多重(ROM)方式が提案されている.著者らは,ビーム切換え回路を用いたアンテナ系を実現するために,2面結合器とコルゲート移相器を用いた4モードROM多重伝送用ビーム切換え回路を66.5GHz帯で設計した.コルゲート移相器は64-68GHzでVSWR1.1以下,移相誤差7.1°以下の結果を得た.ビーム切換え回路全体を解析し,比帯域4.6%,移相誤差15°以下の結果を得た.
ミリ波レーダアンテナ等の給電部に用いられる、導波管からプリント基板上のマイクロストリップ線路(MSL)への変換については、これまで種々の手法が提案されている。筆者らは基板集積導波路(SIW)を用いることで、広帯域な導波管-MSL変換回路を実現した。本稿ではその検討内容について報告する。
方形導波管を狭壁面からプローブで給電する場合,磁界結合をするためにプローブをL字にし,先端を方形導波管の広壁面に短絡する方法がとられる.しかしながら,プローブの加工や方形導波管との導通が必要であることから製造性に課題がある.本稿では,上記課題を解決するために方形導波管にアイリス構造を設け,方形導波管狭壁面から直線状プローブを挿入する給電構造を提案する.
3月20日 9:00〜11:45 56号館 102教室 座長 有馬卓司(東京農工大)
B-1-57 |
2つの反射位相特性を有するメタ表面を用いた2×2 LOS-MIMOのチャネル容量改善
○久世竜司・福迫 武・松島 章(熊本大) |
B-1-58 |
広帯域直交偏波変換機能を有するボウタイ型メタ表面
○野一色崇志・福迫 武・久世竜司(熊本大) |
B-1-59 |
複数の周波数で共振する球面アンテナに関する基礎検討
◎藤田佳祐(弓削商船高専) |
B-1-60 |
誘電体チューブアンテナの開口面効率と交差偏波特性
山内潤治・◎安藤 瑠・中野久松(法政大) |
B-1-61 |
隣接通信エリア構築を可能とするウエーブ型電磁波フィルタ
○甲斐 学・伴 泰光(富士通研) |
大容量の移動通信を実現する伝送方法として, Multiple Input Multiple Output (MIMO)がある.見通しでのMIMO伝送は,直接波の影響が支配的となる.よって,アンテナ素子間隔を適切に設定し設置することが重要である.この問題を回避するために,メタ表面反射板を用いたLOS-MIMOの構成を提案した.
本報告では,縁端部を中心部とは異なる反射位相特性を持つメタ表面を用いることで,縁端の影響をチャネル容量改善に寄与させる構成を提案する.
本研究報告では広帯域な直交偏波変換機能を有するボウタイ型メタ表面について提案を行う.
このメタ表面はグラウンド板を含む誘電体上にボウタイ型の金属パターンの層を単位セルとして周期的に配列されており,その単位セルは縦が1/3波長,横が1/4波長,厚みが1/8波長程度の大きさである.
具体的な性能については12x8配列の周期構造では中心周波数8.5GHz,比帯域36.4%の範囲において入射波の95%以上を偏波面を直交させて反射する.
アンテナを小型化していくと,電磁蓄積エネルギが大きくなることで帯域幅が小さくなってしまうことが知られている.従来の帯域幅限界に関する研究はアンテナが単一共振であるという前提条件に基づいていた.しかし,アンテナが異なる周波数で複数の共振を持つ場合についての理論限界は知られていない.さらに,アンテナを複共振させるための条件も明らかでない.そこで,本報告では単純な形状で解析的取扱いが可能な球面アンテナを対象にして,2つの共振を可能にする励振電磁界の満たすべき条件を求めた.
給電部に誘電体小球を有するチューブアンテナを取り上げ, 開口面効率と伝搬界分布との関係を議論する. さらに, これまで未検討であった, 円偏波励振時の交差偏波特性も検討する.
事務所や工場等において、無線LANに代表される近距離無線は、AP同士の干渉が発生する。通常は、CHを変更して干渉を低減させるが、他の通信システムが乱立する場合、CH数に限界が生じ、通信速度の低下を招くことになる。そこで、APからのビームを絞ることができ、かつ、不要なエリアまで電波を飛ばさない角状エリアを形成することの可能なウエーブ型電磁波フィルタを開発した。複数のλ/2長スロットの入った複数の金属板を所定の角度で交互に並べることで構成される。従来のモノポール式に比べ、ガードエリアを約1/10に狭くすることができ、隣接した通信エリアを構築することができる。
休 憩(10:30 再開) 座長 瀧川道生(三菱電機)
B-1-62 |
利得の安定化を図ったキャビティ装荷偏心スパイラルアンテナの測定結果
◎山浦真悟・千葉英利・山口 聡・深沢 徹・西岡泰弘・米田尚史(三菱電機) |
B-1-63 |
コニカルスパイラルアンテナにおける構造と軸比の関係性
◎内田和宏・今野佳祐・陳 強(東北大) |
B-1-64 |
海中におけるkHz帯アンテナの伝送特性
◎竹村大幹・佐藤弘康・陳 強(東北大) |
B-1-65 |
傾斜した短絡素子の装荷によるモノコーンアンテナの小型化
○松林一也・道下尚文・森下 久(防衛大) |
B-1-66 |
オングラスダイポールアンテナ特性に対する車体影響の定量的評価
○小川鉄矢・宇野 亨・有馬卓司・櫛山裕次郎(東京農工大)・加賀谷 修(AGC) |
ビームチルト特性を有する偏心スパイラルアンテナは,メインビーム方向が周波数に依存する課題を有する.本課題を回避するため、キャビティに内蔵した電波吸収体をアンテナパターン面に近接させることが有効である.これにより,所望の覆域内での最小利得を向上できる.更に,電波吸収体とアンテナパターン面の間隔(空気層)には最適値があることが報告されている.本稿では,この間隔を最適値で設計したキャビティ装荷楕円型偏心スパイラルアンテナの測定結果を示し,設計結果の妥当性を実証する.
コニカルスパイラルアンテナは入力インピーダンスが周波数に依存せず,円偏波を放射する超広帯域アンテナとして広く知られている.このようなコニカルスパイラルアンテナにおいて,軸比と構造との関係はあまり明らかにされているとは言えない.そこで本研究ではコニカルスパイラルアンテナの構造の特徴を示しつつ,どのような構造の時に良好な軸比である円偏波を放射するのかを明らかにする.
海中通信はダイバーや潜水機との通信,センサーネットワークの構築などに期待されている.本報告では, 海中においてkHz帯の電波を伝送するアンテナの特性と,伝搬特性との関係を数値的に解析した結果を報告する.本稿ではアンテナ構造を変化させたときのSパラメータをFDTD(Finite Difference Time Domain)法解析により求め,最大伝送係数τを評価した.海中における送受ダイポールおよび送受ループの最大伝送係数について,偏波及びシースの有無に対して評価した.その結果,近距離通信ではループアンテナの偏波依存性がダイポールアンテナに比べて小さく,100 kHz以下における最大伝送係数はループアンテナがダイポールアンテナに比べて高いことがわかった.
モノコーンアンテナは無指向で広帯域の特性を有するが,動作帯域の下限周波数はアンテナ寸法に依存する.本稿では,地上デジタル放送(470~700 MHz)と携帯電話(700~3600 MHz)の周波数帯をカバーする広帯域アンテナとして, 3本の傾斜した短絡素子の装荷によるモノコーンアンテナの小型化を検討する.
自動車に設置されるアンテナは意匠の観点よりガラスに直接取り付けられるオングラスアンテナを用いることが多くなっている.車載用アンテナ設計では,アンテナ単体の特性と自動車搭載時の特性が大きく異なるため,アンテナ単体だけでの評価ができない.しかし,車体を含むモデルのシミュレーションは,膨大な解析時間とメモリが必要になるという問題がある.本報告では,車載アンテナ設計に必要な計算機資源の削減を図るために,自動車の車体全体モデルから一部を省いたモデルを用いて,アンテナ特性の評価を行い,車体の影響について明らかにする.
3月20日 13:00〜17:00 56号館 102教室 座長 榊原久二男(名工大)
B-1-67 |
層厚が異なる構造を用いた350GHz帯並列給電導波管スロットアレーの広帯域化設計
◎倉本 航・戸村 崇・広川二郎(東工大)・Joachim Oberhammer(Royal Inst. of Tech.) |
B-1-68 |
導波管カプラを用いるテラヘルツ帯グーボー線路の励振
○橋爪 智・門内靖明(慶大) |
B-1-69 |
藍藻スピルリナを鋳型として作製した微小ヘリカルアンテナ
○野竹孝志(理研)・彌田智一(同志社大)・鎌田香織(防衛医大)・大谷知行・南出泰亜(理研) |
B-1-70 |
3Dプリンタを用いて構築するW帯ミリ波レーダ用ABS樹脂製反射型フレネルレンズアンテナの設計および特性推定
○二ッ森俊一・坂本信弘・曽我登美雄(電子航法研) |
B-1-71 |
準ミリ波帯における誘電体キューブアンテナの放射パターン計測
○佐村雄斗・堀尾和輝(岐阜大)・Oleg V. Minin・Igor V. Minin(Tomsk State Univ.)・久武信太郎(岐阜大) |
著者らは,表面が金メッキされたシリコンウェハを拡散接合した350GHz帯で並列給電導波管スロットアレーアンテナを試作し,ピーク利得29.5dBi、利得3dB低下帯域幅12.7%を実現した。従来は試作のやりやすさのため厚さが200μmの1種類のウェハ5枚を使用していたが,さらなる広帯域化のため厚さの異なるウェハを用い、ウェハの枚数を増やして6枚とした。本稿では、使用するウェハの厚さを考慮して放射単位である2x2スロットサブアレーを設計した。板厚を固定とし、その他の11のパラメータを調整した。反射が-15dB以下の比帯域が最大化されるように設計した結果、従来の比帯域9.1%(332.5GHz~364.2GHz)に対して、本モデルでは比帯域20.7%(326.5GHz~398.9GHz)を得られた。
300 GHz帯グーボー線路を作製・励振する新しい方法を提案する。グーボー線路とは、単一導体層およびそれを取り囲む誘電体層からなる伝送線路である。二つの導体間に電磁界を閉じ込めて伝送するマイクロストリップ線路と比べて電磁界の閉じ込めが弱いため、金属損失、誘電損失の低い伝送を実現できる。本発表では、300 GHz帯で用いられるWR3.4矩形導波管と結合したグーボー線路を設計、実装した結果を述べる。グーボー線路による低損失な伝送が可能になることで、近接する対象物のセンシングや、漏れ波アンテナの実装などに応用することができ、テラヘルツセンシングシステムの実現に資するものと考えられる。
3次元螺旋形状を有する藻類スピルリナを鋳型として、テラヘルツ光の波長程度のサイズスケールを有する微小金属コイルを製作した。このコイルを、次世代超高速テラヘルツ無線通信用ヘリカルアンテナとして応用できると考え、テラヘルツ近接場顕微鏡を用いてテラヘルツ放射パターンを高空間・時間分解能で計測した。エンドファイヤーモード及びノーマルモード放射ともに、広帯域で放射している様子が確認できた。
3Dプリンタを用いて構築する誘電体アンテナは,ミリ波レーダ等に適用して,高利得かつ低コストでアンテナを実現できる可能性がある.筆者らは民間航空用ミリ波レーダの研究開発を実施しているが,3Dプリンタ製アンテナは,上記利点のためミリ波用途に適したアンテナの一つである.一方,3Dプリンタ材料として多く用いられるABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂は非常に低コストである利点があるが,従来のミリ波用誘電体に比較して誘電正接が大きい課題がある.本稿では,ABS樹脂製高利得アンテナを実現するための基本検討として,反射型フレネルレンズアンテナを設計および解析し,アンテナ特性と材料定数との関係を議論する.
無線通信の高速化・大容量化のニーズに応えるために、高いキャリア周波数であるミリ波・テラヘルツ波通信に関する研究が多く進められている。中でも、アンテナは送受信におけるキーデバイスであり、ミリ波・テラヘルツ波帯では広帯域性、導波管への接続性、取り回しの良さなどの観点からホーンアンテナが多く使われれているが、アンテナの小型化が課題となっている。本発表では、波長程度の大きさでありながら、同じ大きさのホーンアンテナと比較して指向性が鋭く、構造が簡単な誘電体キューブアンテナ(dielectric cuboid antenna(DCA))を提案する。
休 憩(14:30 再開) 座長 桧垣 誠(東芝)
B-1-72 |
電磁バンドギャップ構造によるテーパスロットアンテナの広帯域な直接結合の低減
◎平野拓海・廣瀬 明(東大) |
B-1-73 |
進行波型直列給電ダイポールアレーアンテナの設計
○後藤 準・丸山貴史・宇田川重雄・深沢 徹・米田尚史(三菱電機) |
B-1-74 |
広角ビーム走査フェーズドアレー向けクロススロット結合パッチアンテナ
◎横川 佳・中本成洋・高橋智宏・深沢 徹・大塚昌孝・米田尚史(三菱電機) |
B-1-75 |
円形ループアンテナアレイに平面波が入射した場合の受信電流の解析
○斉藤 昭・石川 亮・本城和彦(電通大) |
B-1-76 |
モーターによる素子回転を利用したラジアルライン給電ヘリカルフェーズドアレーの実験検証
○中本成洋・鈴木雄将・山口 聡・深沢 徹・米田尚史・宮下裕章(三菱電機) |
テーパスロットアンテナを用いたSFCW(Stepped Frequency Continuous Wave)方式による地中探査レーダ(Ground Penetrating Radar: GPR)は、広帯域での測定を行うことにより深さ方向の解像度を向上させることができ、パルス波を用いた計測よりもSN比を高く保てる利点がある。また、密に並べられたそれぞれのテーパスロットアンテナで独立に一点を観測することで、合成開口処理を行わずに高い空間分解能を実現する。しかしこの時、テーパスロットアンテナ間の直接結合が問題となる。
本発表は、電磁バンドギャップ構造(Electromagnetic Band Gap: EBG)を用いた広帯域かつ低直接結合なテーパスロットアンテナを提案し、その特性の評価を行う。
進行波型直列給電型ダイポールアレーアンテナを設計法を確立した。ダイポール素子中央部を横断するように幅狭のマイクロストリップラインを配置し、変成器により各素子への電力分配およびインピーダンス整合を図ることで、ブロードサイド方向に直線偏波を放射する4素子ダイポールアレーアンテナを実現できることをシミュレーションにより確認した。
近年, 円偏波パッチアンテナを用いて広角方向にビーム走査するフェーズドアレーが検討されている. しかし, 広角ビーム走査時において, 利得低下が大きく軸比特性が劣化する課題がある. 一方, パッチアンテナを形成する基板の等価比誘電率を1.2~1.7とすることで, 広角方向の軸比特性が改善することが知られている. 本稿では, 広角ビーム走査時の軸比特性改善及び放射効率改善のため, パッチアンテナ素子を形成する基板内部に導体柱を用いて中空構造を設けたクロススロット結合パッチアンテナ素子方式を提案する.
異なる軌道角運動量を有するOAM波(高次磁気量数モード)の直交性を活用し、これを直接放射するループアンテナアレイを用いたOAM多重通信方式が提案され有用性が示されている。ここではループアンテナの磁気量子数高次モードへの感度を活用した、センサーへの応用のための基礎検討として、ループアレイに平面波が入射した場合の受信電流を解析した
高効率・高利得な平面アレーとして,ラジアルライン給電アレーがある.筆者らはこれまで,同アンテナにおいて,動的なビーム走査を実現すべく,ラジアルライン給電された各ヘリカル素子の回転角をモーターにより個別制御し,ビーム走査を実現するラジアルライン給電ヘリカルフェーズドアレーを提案している.本稿では,提案アンテナの試作検証結果を示す.試作検証の結果,良好なビーム走査特性を確認するととともに,正面方向での中心周波数におけるアンテナ利得は30.2 dBi(効率77%)で,軸比1.1 dBの良好な放射特性を確認した.
休 憩(16:00 再開) 座長 三浦 周(NICT)
B-1-77 |
誘電体板を装荷した葉状ボウタイスロットアレーアンテナ
◎蒔苗匠馬・山本 学(北大) |
B-1-78 |
電磁結合を利用した直列給電アレーアンテナ
○山ヶ城尚志・甲斐 学(富士通研) |
B-1-79 |
位相差給電による水平面内ヌル制御プリントアレーアンテナ
○田村 成・勝田 敦・新井宏之(横浜国大) |
B-1-80 |
4ブランチ切替ダイバーシチ用の簡易な2素子アンテナアレー
○西本研悟・西岡泰弘・米田尚史(三菱電機) |
高誘電率の誘電体板を平面アンテナ上に配置し,アンテナ素子と誘電体板との間隔を適切に設定することで,アンテナ単体の場合に比べて高利得化及び狭ビーム化が可能である.本稿では,本手法を用いることで,葉状ボウタイスロットアレーアンテナの高利得化及び狭ビーム化が可能であることをFDTD法による数値シミュレーションによって示す.
無線IoT技術によって製造現場の生産性向上を目指す際,管理者の異なる無線からの電波干渉が問題になる.本干渉を低減する一手法として,利得が高い指向性アンテナを用いて,限られた領域に電磁波を放射する方法が考えられる.このような目的で利用するため,電磁結合を利用した直列給電アレーアンテナを設計し,電磁界シミュレーションと実測により5GHz帯無線LANの動作周波数帯で,動作利得10dBi以上の良好な特性が得られることを確認した.
本稿では、ヌル制御範囲を-60°から60°の制約下に置くことにより、簡易的なヌル制御を可能にするアンテナを提案する。製作が容易であるプリントモノポールアンテナを2素子同一平板上に設計し、ストリップ線路を同一平面上に配置してシミュレーションによる検討を行う。また、アンテナ背面に反射板を配置したときの指向性の変化についても検討する。
マルチパス環境に設置される小形無線端末用アンテナにおいては,ダイバーシチ方式が有効であり,ブランチ数を増やすほどフェージングによる受信電力低下を低減できる.しかし,小形端末に複数のアンテナを搭載する場合にはアンテナ間の相互結合が強くなるため,多数のアンテナを用いるのは困難である.そこで,先に,1個の方向性結合器と3個の移相器を組み合わせることにより2素子アレーで4ブランチ切替ダイバーシチを実現する小形アンテナを検討したが,回路サイズが大きく損失が増大するという課題があった.ここでは,より簡易な回路構成の4ブランチ切替ダイバーシチアンテナを提案する.提案アンテナは,2素子アンテナアレー,4個のサセプタンス素子,2個の移相器から構成される.計算により低相関の4ブランチダイバーシチが実現できることを確認する.
3月21日 13:00〜17:00 56号館 102教室 座長 道下尚文(防衛大)
B-1-81 |
板状C字型寄生素子による板状ダイポールアンテナの結合低減効果
○川上由紀(福井高専)・堀 俊和(福井大)・陸田裕子・萩原弘樹(日本電業工作) |
B-1-82 |
偏波によりビーム方向の異なるリフレクトアレーアンテナの検討
○深谷芽衣・小幡亮太・牧野 滋(金沢工大)・瀧川道生・中嶋宏昌(三菱電機) |
B-1-83 |
リフレクトアレーアンテナにおける曲率半径を用いた残留収差の簡易評価法
○琴浦 葵・牧野 滋・須永 誼(金沢工大)・瀧川道生・中嶋宏昌(三菱電機) |
B-1-84 |
円型メタループアンテナの実験検証
○吉野一徳・山内潤治・中野久松(法政大) |
B-1-85 |
低姿勢円偏波ヌルステアリングアンテナ
◎阿部智希・山内潤治・中野久松(法政大) |
寄生素子付きメタサーフェスを反射板として使用することで,アレーアンテナの薄型化および低結合化が可能であることが明らかとなっている.また,メタサーフェスを反射板として利用する場合,天頂方向の利得を考慮した最適素子数があることがわかっている.
本研究では,結合低減効果の広帯域化のため,板状寄生素子を提案している.板状ダイポールアンテナの結合を低減するため,反射板として用いたパッチ型メタサーフェスに板状C字型寄生素子を組み込んでいる.解析の結果,板状C字型寄生素子を用いることで,8%の比帯域幅において5dB以上の結合低減効果が得られた.
リフレクトアレーアンテナは,金属板装荷FSRの反射位相制御機能を適用している.FSRの素子の形状や寸法を適切に選ぶことで,一次放射器から発せられた球面波を平面波に形成する.本報告では,これらの機能を応用して,偏波により独立した位相制御を行い,各偏波で異なる方向にビームを放射するリフレクトアレーアンテナの素子について検討する。
収差を球面波に近似することで簡易的な残留収差の評価が可能であることを示した.本報告では,より厳密な残留収差を評価することで,収差が回転楕円面の一部であることを示す
角型メタループアンテナおよび円型メタループアンテナを解析してきた. 本稿では円型ループアンテナを試作し, アンテナ特性の解析結果を検証する.
円偏波を放射するヌルステアリングアンテナが報告されている. このアンテナの高さは約0.07波長となっている. 本稿では, 更なる低姿勢化を行うために, メタラインを用いた円偏波ヌルステアリングアンテナを提案する.
休 憩(14:30 再開) 座長 川上由紀(福井高専)
B-1-86 |
回転対称構造フォトニックバンドギャップアンテナ
山内潤治・◎齋藤星汰・安藤 瑠・中野久松(法政大) |
B-1-87 |
ステップ状ストリップ素子を用いた超広帯域直交偏波変換反射板
◎村山輝樹・出口博之・辻 幹男(同志社大) |
B-1-88 |
遮断TE およびTM モードを用いた右手/左手系複合円形漏洩導波管の放射特性
◎仲嶋淳吾・出口博之・辻 幹男(同志社大) |
B-1-89 |
CRLH伝送線路漏れ波アンテナの位相変動の等価回路解析
○寺田一貴・長 敬三(千葉工大)・佐々木隆吉・佐藤啓介・大島一郎(電気興業)・道下尚文(防衛大) |
B-1-90 |
容量装荷小型線状メタアンテナの広帯域化
◎陳 偉一・上田哲也(京都工繊大) |
回転対称構造からなるフォトニックバンドギャップアンテナをBOR-FDTD法を用いて解析する.出力開口部で半径方向への界の振幅と位相変化が緩やかになり,高利得な漏れ波アンテナとして動作することを明らかにする.
本稿では直交偏波変換板として有用な新たな素子を提案する.提案素子はGAなどの複雑な設計法を用いることなく,簡易なステップ形状で広帯域にわたって直交偏波変換が可能なことを交差偏波の反射振幅特性の計算値を示して明らかにしたので報告する
近年,等価的に負の誘電率,負の透磁率を同時に示す人工媒質であるメタマテリアルが注目されており,今までに左手系導波管を提案してきた[1][2].本稿では,円筒導波管の仕切り壁とリッジ装荷を設けた遮断TEモードと遮断TM01モードで構成された円筒導波管の伝搬軸に沿ってスリットを設けた場合の放射特性について数値的検討を行ったので報告する.
CRLH伝送線路で構成した漏れ波アンテナが提案されている。このアンテナは周波数の変化により主ビーム方向が変化する問題がある。そこで、本報告ではCRLH伝送線路の等価回路を用い、主ビーム方向の周波数変動を低減するパラメータを検討した結果について述べる。無損失対称T型等価回路を用い、各パラメータをランダム探索し伝達移送分散特性について検討した。検討周波数は3.5[GHz]と3.8[GHz]に着目し、両周波数間の伝達位相差で評価を行った。結果、右手系パラメータの値を小さくする必要があることがわかった。
近年,メタマテリアルの一つである右手/左手系複合伝送線路を用いて,電磁界分布が一様となる0次共振器を応用したマイクロ波回路・アンテナに関する研究が行われている.0次共振アンテナの構造を,平面化・小型化することはできるが,狭帯域動作となる問題があり,広帯域化が望まれる.そこで本稿では,金属細線において周期的に容量素子が装荷されたV字型0次共振器を基にして小型で広帯域に亘り動作する線状メタアンテナを提案した.提案構造では, 0次共振およびモノポールアンテナと類似した複数の共振モードを利用することにより,動作周波数の広帯域化を図った.数値計算により,動作比帯域幅70%以上の広帯域化が可能であることを確認した.
休 憩(16:00 再開) 座長 藤本孝文(長崎大)
B-1-91 |
超広帯域システムにおけるショートスタブ構造付き小型アンテナの実測検討
○市川舜太・竹村暢康(日本工大) |
B-1-92 |
極超広帯域BORアンテナ
◎蔡 政霖・阿部智希・山内潤治・中野久松(法政大) |
B-1-93 |
滑らかな立体ボウタイアンテナの特性について
◎上田倫央・平澤泰文・何 一偉(阪電通大) |
B-1-94 |
双円錐の素子を用いたアンテナの特性
○倉本晶夫(NECプラットフォ-ムズ) |
超広帯域(Ultra-wideband: UWB)システムは,非常に広い周波数帯域を用いて通信を行うことで近距離における高速な無線通信を可能とするシステムとして広く検討されている.米国連邦通信委員会(FCC)は,2002年に超広帯域システムの使用周波数として3.1GHz~10.6GHzを認可しており,この周波数帯域を満たす広帯域な特性を有するアンテナの設計が求められている.アンテナは様々な通信機器への導入のために小形な形状が求められている.本稿では,筆者らが以前に提案したショートスタブを装荷したハーフ形状平面型UWBモノポールアンテナの試作アンテナの実測を行った結果について報告する.
BOR(回転対称体)アンテナ及びミアンダアームからなるアンテナは178%の超広帯域特性を有する. 本稿では, このアンテナのBORのみに注目し, その特性を再検討する.さらに, 本アンテナの特性を平面ファンアンテナの特性と比較する.
板状ボウタイアンテナは広帯域特性を持つため,地下探査レーダなどに広く利用されている.電流が板状に広げて流れるため,板状アンテナは一般に線状アンテナより広帯域性になることは知られている.ボウタイアンテナの小型化と広帯域化のため,終端に負荷を取り付けるなどの工夫がされている.
ボウタイアンテナの両サイドにエッジ構造を持っているため,電流が面上に均一に分布しないと考える.また,終端は直線に切断しているため,反射が大きくなる.本研究ではボウタイアンテナの終端を円形や,楕円形にし,また,ボウタイ全体にある程度の厚みを持たせ,板状の構造を3次元にして,両サイドのエッジを緩やかにする試みをした.このアンテナのインピーダンス特性や,指向性などについて検討する.
近年,電波監視や通信等の用途で広帯域・無指向性のアンテナが多用されている.広帯域のアンテナにおいては,垂直面の放射パタ-ンが周波数により変動するが,この変動が小さいことが望ましい.前回,垂直面の放射パタ-ンの主ビ-ム方向が水平方向に維持され,かつ,主ビ-ムにヌルが発生しない双円錐の素子を用いたアンテナを提案した.今回,双円錐の素子を用いたアンテンの試作・測定を実施し,0.8~10GHzでVSWR<2.1,かつ,広い帯域にわたって,垂直面の放射パタ-ンで水平方向を主ビ-ムとし,主ビームにヌルが発生しないことを確認した.今後は,双円錐の形状に対する最適化手法を検討していく予定である.
3月22日 9:00〜11:45 56号館 102教室 座長 山本 学(北大)
B-1-95 |
簡易な回路構成により放射パターン制御可能なダイバーシチアンテナの一検討
◎和田紗希・西本研悟・西岡泰弘・米田尚史(三菱電機) |
B-1-96 |
バックローブを抑圧した小形円偏波アンテナの試作評価
◎坂本寛明・柳 崇・西岡泰弘・米田尚史(三菱電機) |
B-1-97 |
透明モノポールアンテナの検証
◎田中一喜・桑原義彦(静岡大) |
B-1-98 |
小型無線機用正方形状折返しダイポールアンテナの特性解析
○蒲生城久・道下尚文・森下 久(防衛大)・山本尚武・松本一弘・菱川哲也(パナソニック) |
B-1-99 |
無給電素子を用いた平板逆Fアンテナの素子間相互結合の簡易低減手法
◎フンクァン クァン(防衛大)・グェントゥワン ハン(レークイドン工科大)・道下尚文(防衛大)・佐藤 浩・小柳芳雄(パナソニック)・森下 久(防衛大) |
920MHz帯の特定小電力無線局において、2素子アレーアンテナの励振分布を制御可能な、4つの集中定数素子で構成された簡易な減結合回路を用いた適用事例の一検討について示す。
これまでの検討で,電流源と磁流源を組み合わせることでバックローブの抑圧が可能な小形円偏波アンテナに関して述べた.本稿では,提案手法を適用した小形円偏波アンテナの試作評価結果について述べる.
近年通信機器の小型化が進むとともに,MIMOなどアンテナを複数使用するシステムの普及が進み,アンテナを置くスペースを確保することが困難になりつつある.この問題を解決する方法として,透明導電性材料を使ってディスプレーの上に構成する薄型アンテナの実現が考えられる.透明デバイスの材料は透明性および導電性を備えている必要がある.そこで本研究で用いるのが金属メッシュである.金属メッシュとは正方格子状に十分に細い導線を配置し,開口部の面積で透明性と導電性を調節して低い抵抗率と高い透過性を得る.この金属メッシュを用いて目に見えない透明なモノポールアンテナの実現可能性を検討した.
携帯端末への搭載を考慮した折返しダイポールを給電点から1/8波長で折り曲げコンパクトな構造とした折返しループアンテナが検討されている.本稿では,920MHz帯小型無線機としてグランド板のまわりに折返しダイポールアンテナを配置した構成を検討する.アンテナ構造としては,基板上に構成することから,アンテナは誘電体上の同一平面もしくは裏面を利用した折返し構造が考えられる.グランド板を正方形状とし,ここではグランド板の大きさについて検討する.
近年,Massive MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)が次世代通信の要素技術として検討されており,アンテナの素子間相互結合の低減が重要となっている.素子間相互結合の低減には,ブリッジ素子や回路素子を用いた手法が提案されている.本稿では,より多くのアンテナ素子に対応できるよう,無給電素子のみの調整による素子間相互結合低減手法について検討する.
休 憩(10:30 再開) 座長 竹村暢康(日本工大)
B-1-100 |
品質工学を用いた小形アンテナのロバスト設計に関する一検討
○柳 崇・西岡泰弘・米田尚史(三菱電機) |
B-1-101 |
スイッチング素子を用いた金属近接ロバストアンテナの一検討
◎中川雄太・グェンコン ワイ・道下尚文・森下 久(防衛大) |
B-1-102 |
四分円筒形キャビティ付きスロットアンテナのRFIDへの応用
◎西嶋 潤・島崎仁司(京都工繊大) |
B-1-103 |
UHF-RFIDシステムによる収納位置検出ユニットの開発
◎△松岡慎治・鳥屋祐樹・門野敦哉・岡野好伸(東京都市大) |
B-1-104 |
UHF-RFID二次元近接タグ識別ユニットの開発
◎△鳥屋祐樹・松岡慎治・岡野好伸(東京都市大) |
無線機器に実装する小形アンテナはアンテナの周囲構造の影響を受けるため,これらを含めた最適設計が必要である.これに対し本報告では,品質工学(タグチメソッド)におけるロバスト設計の考え方を小形アンテナ設計に取り入れ,小形アンテナの設置条件に対するばらつきを低減する検討を行った結果を示す.小形基板に実装したモノポールアンテナに対して電磁界シミュレーションによる数値実験を行い,地板からの距離やケーブルを模擬した導体の長さを変化させた場合のばらつき(3σ)を26%から15%に低減でき,本手法の有効性を示している.
アンテナのインピーダンス特性は近接物体の影響を強く受けることが知られている.この問題に対し,入力インピーダンスを適切に選択し,金属板近接時の影響を低減できることが報告されている.しかし,報告された方式では入力インピーダンスはアンテナの素子幅に依存しており,アンテナの作成後に入力インピーダンスの調整が行えない.また,アンテナ形状に依存せず入力インピーダンスを調整する方法としては外部に整合回路を用いる方法があるが,部品点数の増加による高コスト化といった問題がある.本稿では,アンテナ素子形状をスイッチング素子のみで変化させる簡易な構成で,入力インピーダンス制御の可能性を検討する.
筆者らは先に,円筒形を4分の1にした形の空洞共振器 (キャビティ)の上面にV字形の放射スロットを設けたアンテナを設計し,920 MHz 帯において複素インピーダンスをもつRFIDチップと整合を取れるよう同調スタブとして機能するスロットを付け加えたアンテナについて報告している.本報告では,このアンテナにRFIDチップを装荷し,リーダとアンテナ間の最大通信距離の測定を行った.測定は水を入れた容器にアンテナを貼り付けた状態と水の無い状態の2通りで,測定結果から計算した距離の減衰率をダイポールアンテナと比較した.これにより,作製したキャビティ付きアンテナはキャビティが無いものに比べ,キャビティ側にあるものの影響を受けにくいと評価できる.
近年,RFID技術は非接触で多角的な検品・認証が可能な認証システムとして注目されており,物流や在庫管理等の分野において広く活用されている.さらに,リーダライタの取得情報から物品の位置を検出可能なシステムが実用化されれば,物品管理業務の精度と安全性が向上する.これまでに,UHF-RFIDを用いて密集・静止したタグの精密監視が可能となる近接型リーダライタユニットは提案されている.そこで,このユニットをマトリクス状に組み合わせることで,タグ位置検出が可能なユニットの実用化を試みた.具体的には,医薬品等の試験管を想定し,UHF-RFID技術を用いた位置検出システムの開発を行う.
近年,RFIDはバーコードにかわる認証技術として物流管理等の分野で注目されている.RFIDシステムは,電磁誘導方式(HF帯)と電波方式(UHF帯)の2系統のシステムが存在する.電磁誘導方式は,密集したタグの読み取りに適している.一方,電波方式は十数メートルの読み取りが可能である.物流の綿密な管理においてこれらを合わせ持つリーダライタが存在すれば,シームレスな管理が可能となり利便性の高いシステム構築が実現できる.しかしながら,周波数が異なるこれらのシステムの統合は困難である.そこで本稿では,UHF-RFID技術を用いて2次元的に散在するタグの識別を可能にするユニットを提案し,出入庫管理ゲート及び作業台での継ぎ目の無い物品管理を目指す.
3月22日 13:00〜17:00 56号館 102教室 座長 山ヶ城尚志(富士通研)
B-1-105 |
ループアンテナを用いたOAM多重通信方式における給電ケーブルの影響の解析
○三宅久之助・斉藤 昭・大塚啓人・山岸遼平・鈴木 博・石川 亮・本城和彦(電通大) |
B-1-106 |
MBAN用マイクロストリップアンテナ
○グアン チャイユー・藤本孝文(長崎大) |
B-1-107 |
間隙付きループ装荷パッチアンテナの放射効率の円偏波放射特性依存性評価
◎髙山侑紀・久我宣裕(横浜国大) |
B-1-108 |
摂動給電を用いた平面アンテナの基礎検討
○土地将太・松井章典(埼玉工大) |
B-1-109 |
28GHz基板端ループアンテナの試作
○中嶋政幸(アンテナ技研) |
OAM通信は, 電磁界の軌道角運動量を利用して固有モード伝送を行い, 高い周波数利用効率を可能としている. ループアレイを用いたOAM通信方式において端子方位を制御することでループ半径が同じであっても偏波を用いて多重度を2倍にする方法が提案されている. この手法は同じループ半径を用いるので異なる面にアンテナを設置する必要があり, 給電するためのケーブルはループアンテナアレイを貫く形で設置している. しかし, この場合は異なるループ半径のアンテナ間でも, 通過が大幅に増大する現象が観測され, その原因を解析した.
近年, Medical body area network (MBAN)は,無線端末やセンサーを体や服に装着させ,体温・心電図等の生体情報の取得及び管理を含めた健康管理システムへの応用として注目されている.MBANでは安定な信号レベルを確保するために,人体の影響を受けないアンテナが要求される.本研究では,人体影響の少ないMBAN用平面アンテナの設計を行っている.
本稿ではパッチ素子を用いて間隙付ループを励振する円偏波アンテナの放射効率の円偏波放射特性に対する依存性を評価している. 本アンテナの円偏波動作周波数は間隙付ループの寸法に依存している. アンテナの放射効率と円偏波の軸比特性との相関を2通りの寸法において評価し,軸比条件を緩和することで放射効率が改善することを確認した.
安価なプリント基板で容易に作成できる構造で,円偏波特性が期待できる摂動給電に着目した平面アンテナを提案する. シミュレーションおよび測定の結果,ボアサイト方向において軸比が下がり所望の円偏波特性が得られた.また,基板広がり方向への直線偏波も得られた.
第5世代移動通信システムの一要素技術であるフェーズドアレイアンテナでは、一般に平面基板上に多数のアンテナ素子とその位相振幅制御を行う集積回路を実装する。平面基板の端部において基板に垂直な偏波を無調整で実現できれば、比較的実現が容易な基板に平行な偏波と組み合わせることによりビーム多重化の設計自由度向上が期待できる。本稿では、まず基板端で基板に垂直な偏波を励振する28GHz一波長矩形ループアンテナの構成を述べ、次にその入力反射特性および動作利得の測定値を計算値と比較して示し、本アンテナを用いることにより基板に垂直な偏波が無調整で得られることを述べる。
休 憩(14:30 再開) 座長 西本研悟(三菱電機)
B-1-110 |
素子面積を半分としたバラクタ装荷2周波片側短絡一層構造多リング形マイクロストリップアンテナの周波数制御に関する一検討
◎本多祥平・斉藤作義・木村雄一(埼玉大) |
B-1-111 |
バラクタ装荷円偏波周波数制御平面アンテナの反射特性改善の一検討
◎池田裕磨・斉藤作義・木村雄一(埼玉大) |
B-1-112 |
Lプローブにより給電される広帯域リング形平面アンテナの試作特性
○古川耕平・斉藤作義・木村雄一(埼玉大)・福永達也(TDK) |
B-1-113 |
Lプローブにより給電される2周波多リング型マイクロストリップアンテナの広帯域化に関する一検討
◎△木村雄樹・斉藤作義・木村雄一(埼玉大)・福永達也(TDK) |
B-1-114 |
単層偏波共用Lプローブ同軸コネクタ給電円形パッチアンテナ
○飯塚 泰・齋藤和男・大越貴行(ワカ製作所) |
バラクタダイオードを装荷したリング形マイクロストリップアンテナ(MSA)の周波数制御については、種々の研究が成されている。本稿では周波数制御マルチバンド平面アンテナの小形化を目的として、リング形素子の片側を短絡した周波数制御MSAの素子面積をさらに半分としたバラクタ装荷2周波動作一層構造多リング形MSAの周波数制御特性につき実験により検討を加えたので、ここに報告する。
可変リアクタンス素子を用いたマイクロストリップアンテナ(MSA)の周波数制御については、種々の研究が成されている[1]-[4]。方形リング形素子の各頂点にバラクタダイオードを装荷したLプローブ給電円偏波リング形MSAでは軸比が最良となる周波数において反射特性が劣化する課題があった[5], [6]。本稿では、スタブが装荷されたLプローブにより給電される二層構造バラクタ装荷円偏波平面アンテナの周波数制御法につき、実験により検討を加えたので、ここに報告する。
マイクロストリップアンテナ(以後、MSA)の広帯域化については、種々の研究が行われている[1][3]。また、Lプローブにより給電された多リング形MSA[4]広帯域化の基礎検討として、比誘電率2.6、中心周波数の約0.12波長程度の厚さを有する誘電体基板を使用したLプローブ給電リング形MSAは比帯域約28%を示すことが報告されている[5]。本稿では、厚さの大きい誘電体基板を使用したLプローブ給電リング形MSAの試作したので、ここに報告する。
マイクロストリップアンテナは小型・薄型・軽量・安価という特長を有し多面的な研究が行われている。また、Lプローブにより給電される多リング型MSAはマルチバンド平面アンテナとして良好な特性を示す。このLプローブ給電リング形MSAに中心周波数の約0.1波長程度の厚さを有する誘電体基板を用いると、約28%の比帯域(反射量10 dB以下)が得られることが報告されている。そこで、本稿ではシミュレーションにより、2リング形MSAを用いた2周波帯において広帯域特性を有する平面アンテナについて検討を行い、設計基礎資料を得たので報告する。
SMPMコネクタからLプローブを経由してパッチに給電する偏波共用円形パッチアンテナについて検討を行った.シミュレーションによる検討の結果,厚さ約0.05波長の単層基板で約9.6%の帯域を得ることができる.この帯域でポート間アイソレーション20 dB以上を確保することができる.
休 憩(16:00 再開) 座長 広川二郎(東工大)
B-1-115 |
スタブ装荷リング形マイクロストリップアンテナを素子とする平面波入射リフレクトアレーに関する基礎検討
○木村雄一・本多秀尚・斉藤作義(埼玉大) |
B-1-116 |
提案する深層学習による電波伝搬推定モデルの評価
○今井哲朗(NTTドコモ) |
B-1-117 |
Massive arrayを用いたブラインド信号処理の可能性
○西森健太郎(新潟大) |
B-1-118 |
導電媒質における微小ダイポールアンテナによる電界
○石井 望・小原大貴(新潟大)・チャカロタイ ジェドウィスノプ・和氣加奈子・渡辺聡一(NICT) |
リフレクトアレーについては、種々の研究が成されている。また、素子内側のマイクロストリップラインにより放射位相を制御する一層構造のリング形マイクロストリップアンテナをリフレクトアレーの素子アンテナとして用いた場合の反射特性について検討されている。本稿では、この素子アンテナを用いたリフレクトアレーの平面波入射時の特性についてシミュレーションにより検討を加えた。
現在,筆者等は携帯端末から収集されるビックデータの利用を想定した深層学習による電波伝搬推定法の検討を進めており,これまでに畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network: CNN)をベースとする伝搬損推定モデルを提案した.しかし,その評価は議論を簡単にするため“送受信間が見通し外かつ送受信間距離50m以上”のデータを対象としていた.本稿では提案モデルの性能を“送受信間が見通し内および送受信間距離50m以下”となるデータも含めて評価したので報告する.
第5世代移動通信システムでは,Masssive MIMOがキー技術の一つとなっており,次世代システムでもこれらの技術は基盤技術として重要となると考えられる.本稿では,最近著者がMassive array伝送の信号処理部として注目しているブラインド信号処理を取り上げ,適用領域と今後の可能性について述べる.
無線電力伝送技術の実用化に伴い,著者らはkHz帯からMHz帯における当該機器の比吸収率(SAR)測定の可能性について検討を行っている.SAR測定では,プローブによりSAR測定用液剤内に生じた電界強度を測定する.このプローブの出力電圧と実際のプローブ先端における電界強度との関連付けをプローブ較正という.本稿では,著者らがこれまでに開発を行ってきたMHz帯における送信アンテナ係数を利用したプローブ較正法を拡張し,kHz帯において適用できることを明らかにする.すなわち,簡単な数式を用いて液剤内における電界強度の距離特性についての知見を得るとともに,生体等価食塩水内における伝達係数測定によりその知見の妥当性を確認した.
B-1. アンテナ・伝播C(アンテナシステム)
3月19日 9:15〜11:45 56号館 103教室 座長 武田茂樹(茨城大)
B-1-119 |
オーバーラップ素子を導入したMIMOレーダにおける固有ベクトルを用いた送信信号誤差補正
◎△加藤秀崇・菊間信良・榊原久二男(名工大) |
B-1-120 |
MIMOレーダ方式向けアレー開口設計の一検討
○紀平一成・深沢 徹・米田尚史(三菱電機) |
B-1-121 |
送受積パターン改善のためのコヒーレントMIMOレーダ用窓関数の検討
○高橋龍平・鈴木信弘・若山俊夫(三菱電機) |
B-1-122 |
MIMO-OFDMレーダを用いた生体位置推定精度の評価
◎白木信之・本間尚樹・笹川 大(岩手大)・中山武司・飯塚翔一(パナソニック) |
近年,自動車による自動運転や危険回避システムの実現のため,高性能なレーダの開発が急務である.特に送信と受信にそれぞれ複数のアンテナを用いるMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output) 通信技術をレーダ分野に適用したMIMO レーダは,従来のレーダと比べて高精度,高分解能を有するため注目されている.しかし,同一信号切替方式を用いたMIMO レーダでは送信信号に位相誤差,振幅誤差が発生する.本研究では,仮想アレーの一部をオーバーラップさせ,重なった素子の受信信号を含む固有ベクトルを利用して信号の補正を行うことで,ターゲット方向推定の精度の向上を図る.
送受積パターンで等価的に大きなアンテナ開口を実現するMIMOレーダ方式が注目されている.この方式は受信側で送信素子毎の信号を分離抽出するので,最適な送受信ビーム形成を行うことができ,高い角度分解能が得られる.本報告では,RF部のコスト最小化の観点からアンテナ開口(送受信素子数)の導出法を検討する.
筆者らは,コヒーレントMIMOレーダにおいて,マルチパスクラッタ低減のための窓関数を提案した.この窓関数は,送出角DOD(Direction-Of-Departure)および到来角DOA(Direction-Of-Arrival)による2次元ビームパターンとなる双方向ビームパターンにて,マルチパスクラッタを捉えるサイドローブ領域に対応するDODおよびDOAにヌルを形成するMIMOビームウェイトから導出される.
上記の双方向ビームパターンにてDOD=DOAを満たすサイドローブ領域の低減を行うことで,従来送受積ビームパターン の改善が可能である.本稿は改善検討の結果を,従来窓関数であるHamming関数を用いた場合と比較する.
近年,一人暮らしの高齢者が増加しており,高齢者見守りシステムの需要が増加している.高齢者見守りシステムの一環として生体の位置推定が検討されている.文献[1]ではOFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) 信号をMIMO (Multiple-Input Multiple-Output) レーダに適用した高速生体位置推定法が提案されている.しかし,同報告では対象の位置が推定範囲の中心の1点のみに限定されており,対象が複数の位置に配置されている場合の検討がなされていない.
本報告では,MIMO-OFDM レーダを用いて1人の対象の位置推定精度を面的にシミュレーション評価した結果について述べる.
シミュレーション結果より,位置推定誤差の90%値を比較すると使用サブキャリア数1のときは6.0 mであったが,使用サブキャリア数30以上では0.1 m 以下となり使用サブキャリア数を増加することで位置推定誤差が改善することを明らかとした.
休 憩(10:30 再開) 座長 本間尚樹(岩手大)
B-1-123 |
Virtual Massive MIMO(VM-MIMO)の提案
○村上友規・大宮 陸・中平俊朗・石原浩一・林 崇文(NTT) |
B-1-124 |
高速パターン切替型仮想Massiveアレーによる伝搬環境制御
◎渡部一聖・西森健太郎・谷口諒太郎(新潟大)・村上友規(NTT) |
B-1-125 |
32×32デイジーチェーンMIMOアンテナのOTA評価実験
◎福嶋大希・生川菜々・本田和博・小川晃一(富山大) |
B-1-126 |
100 Gbps Beyond V2X向け128×128デイジーチェーンMIMOアンテナ
○生川菜々・福嶋大希・本田和博・小川晃一(富山大) |
B-1-127 |
ライスフェージング環境下でのMU-MIMO通信におけるブロック最大SNR法の特性解析
◎小川純平・米津宏亮・菊間信良・榊原久二男(名工大) |
本稿では,少数のアンテナで仮想的にアンテナを構成するVirtual Massive MIMO(VM-MIMO)を提案し,その有効性を実験結果から明らかにする.
5Gシステムのキー技術であるMassive MIMOでは,アンテナ数の増加に伴いハードウェア規模が大きくなることが課題となる.本稿では,Virtual Massive (VM)-MIMOをベースとして,高速にA/D変換を行い1シンボル内で複数のアンテナパターンを形成し,仮想Massiveアレーを実現する伝搬環境制御法を提案する.また,提案方法の基本性能と有効性を明らかにする.
我々は,車両の激しい動的変動に対してロバストな特性を具備し,全アジマス方向に対して数十ギガビットの伝送容量を達成するデイジーチェーンMIMOアンテナの開発を行っている.本稿では,2次元フェージングエミュレータOTA装置によって,32 × 32デイジーチェーンMIMOアンテナのアジマス方位-伝送容量特性を実験的に解明した.さらに固有値分布により高い伝送容量を生むメカニズムを明らかにした.
我々は,100Gbps Beyond V2X(次世代型超高速V2X)の実現に向けて,車両の激しい動的変動に対してロバストな特性を具備し,全アジマス方位に対して100Gbpsの伝送容量を達成するデイジーチェーンMIMOアンテナの開発を行っている.本稿ではデイジーチェーンアレー構造による128×128大規模MIMOシステムの構成法と伝送容量特性について述べる.
マルチユーザMIMO(MU-MIMO)通信の下り回線の線形制御技術として,BD(Block Diagonalization)法,MMSE-CI(Minimum Mean Square Error Channel Inversion)法及びブロック最大SNR(BMSN:Block Maximum Signal-to-Noise ratio)法が提案されている.本研究では,BMSN法に着目し,ライスフェージング環境下での特性をシミュレーションにより評価する.
3月19日 13:00〜16:00 56号館 103教室 座長 北 直樹(NTT)
B-1-128 |
ビーム制御機能つきミリ波伝送ユニットによる自動方向調整実験
○田邊浩介・高橋良英・木全祐介・桑原俊秀・佐々木英作(NEC) |
B-1-129 |
電力伝送におけるPower Inversion Adaptive Arrayを用いたヒト照射回避法
◎勝又亮裕・本間尚樹・長谷部 駿(岩手大) |
B-1-130 |
5G用4.65GHz帯超多素子アクティブアンテナによる空間多重性能の改善
○望月拓志・平部正司・早川 誠・菊間知裕・野勢大輔(NEC) |
B-1-131 |
励振振幅一様指向性変調アレーアンテナの動的励振分布制御に向けた一検討
○栗山 侑・紀平一成・深沢 徹・大塚昌孝・米田尚史(三菱電機) |
B-1-132 |
アレーアンテナの量子化誤差補正における最適減衰量
○藤元美俊・間宮拓朗(福井大) |
5Gではミリ波による大容量,超低遅延の無線伝送が期待されている.無線のバックホールは様々な場所へ誰でも簡単に設置できることが求められる.一方で,ミリ波のアンテナは高利得であるが故にビーム幅が細く,作業者による物理的な方向調整が難しいことが課題である.
筆者らはE帯のビーム制御機能つきミリ波伝送ユニット(以下,検証機)を試作し,自動的にビームを対向局へ指向させるための屋外検証実験を実施したので,その結果について報告する.
ワイヤレス電力伝送法の一種であるマイクロ波方式では,アンテナを用いて広範囲のデバイスに対して送電することが可能である.送電効率を向上するため,アレーアンテナによるビームフォーミングを用いる方法が検討されている[1].しかし,放射された電力が人体にも照射されるという問題もある[2].
本研究では,伝搬チャネルの時間応答から人体に対応する成分を抽出することで,ヒトに対してヌルビームフォーミングを行うマイクロ波方式の送電について検討する.実験により得られた伝搬チャネル情報を用い,PIAA (Power Inversion Adaptive Array) に基づきヌル形成を行った場合の曝露電力の改善効果について明らかにした.実験により,人体への照射電力が10 dB程度低減され,また送信電力を1 W,距離を1 mとしたときの人体曝露電力は平均で -40.0 dBWであることを確認した.
フルデジタルビームフォーミング方式を採用した超多素子アクティブアンテナシステム(AAS)内にDigital Predistortion(DPD)を搭載した4.65GHz帯AASを2台水平方向に連結し、水平方向の空間分解能を1AAS時に比して高めた結果、高出力域での非線形歪補償によるDownlink(DL)放射SINR改善と併せて、空間多重性能を維持・改善する事ができたため報告する。
通信領域を限定する指向性変調アレーアンテナにおいて,通信シンボル送信用の和パターンと干渉シンボル送信用の差パターンを同時形成する方式が検討されている.著者らは,送信機構成の簡素化を目的として,励振振幅制御を不要とする励振分布算出法を示した.一方で,通信方向外のコンステレーションを時間と共に変化させる指向性変調の動的励振分布制御が検討されている.本稿では,QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の動的励振分布制御を実現する励振振幅一様化のための符号設定条件を明らかにする.
アレーアンテナでは,各素子の信号の振幅・位相を調整することで干渉波を抑圧することが可能である.しかし,ディジタル振幅調整器・移相器を使用する場合,量子化誤差の影響によってヌル形成の精度が劣化し,干渉抑圧性能が低下する.そこで,筆者らは補助アンテナおよび減衰器を用いた量子化誤差低減法を提案した.
本報告では,減衰量の効果についてシミュレーションおよび理論的に検討し,高い量子化誤補正効果を得るための減衰量を示している.
休 憩(14:30 再開) 座長 西森健太郎(新潟大)
B-1-133 |
複数交差点環境における伝搬スプレッドを考慮した通信路容量
◎安藤由純・藤元美俊(福井大)・山口 良・豊見本和馬(ソフトバンク) |
B-1-134 |
素波間相関を考慮した2×2MIMO伝送容量特性
○本田和博・小川晃一(富山大) |
B-1-135 |
上り回線MIMO 基地局における低演算量な被干渉低減手法
◎内田圭耶・藤元美俊(福井大)・北尾光司郎・今井哲朗(NTTドコモ) |
B-1-136 |
自己干渉除去に適した近距離Full-Duplex MIMO用アンテナ配置
◎小田島祥太・本間尚樹・川越厚人(岩手大) |
B-1-137 |
E帯OAMモード多重無線屋外伝送実験における伝送特性
○平部正司・グェン トゥン・善久竜滋・宮元裕章・生田耕嗣・佐々木英作(NEC) |
B-1-138 |
両円偏波アナログOAM伝送におけるモード選択効果の測定
○本間尚樹・由利憲識(岩手大) |
コネクテッドカーなどで移動通信を行う際, 周りの電波伝搬環境によって伝送品質が変動する. 特に見通し外環境では, マルチパスの影響が大きく, 遅延時間・角度・周波数の広がり(スプレッド)が大きくなる. スプレッドは伝搬環境以外にもアンテナ指向性などでも変化するため, 状況に応じた対応が必要となる.
本稿では, 複数の交差点がある見通し外環境において,スプレッドを低減し, 高い伝送品質が得られるビーム幅を明らかにする.
MIMO端末は,端末に到来する素波の相関が無相関,端末アンテナが有相関としてモデル化し,2×2MIMO伝送容量解析を行っている.しかしながら,素波間の相関が無相関とは限らない.本研究では,素波間の相関を有相関としたときの2×2MIMO伝送容量解析を実施したので報告する.
高速かつ広帯域な通信を行うため,5Gでは同一キャリアで動的に上下リンクを切り替えるDynamic TDDの導入が検討されている.しかし基地局が密集した状態でDynamic TDDを適用した場合,様々な干渉が発生する.
本報告では上り回線MIMO 基地局が干渉を受ける伝搬環境において,低演算量で干渉を低減する手法を提案する.
近年スマートフォンなどのモバイル端末の増加によってNFC (Near-Field Communication) と呼ばれる近距離通信の利用が増加しつつある.昨今の通信速度向上と周波数資源不足を考慮するとより周波数利用効率の高い通信方式が必要である.MIMO (Multiple-Input Multiple-Output) 方式はアンテナ数に比例して周波数利用効率を向上可能であるが,小型端末では限界がある.そこで,本報告ではアンテナ配置を工夫した近距離無線通信用IBFD (In-Band Full-Duplex) MIMO方式を提案する.IBFD通信では同時に同一周波数で送受信を行うことで周波数利用効率を最大で2倍に高められる.IBFD通信では局内の強力な自己干渉によりSINR (Signal to Interference plus noise ratio) が劣化するが,送受アンテナを十字配置とし,BF (Beamforming) を利用することでSINRを抑圧する.数値解析によって他のアンテナ配置と比較を行った結果,提案法が最も良く自己干渉を抑圧でき,20 bits/s/Hz 以上高い伝送レートを達成することができた.
近年,大容量無線伝送を実現する手段として,電磁界の軌道角運動量(OAM:Orbital Angular Momentum)による多重無線伝送方式が注目されている.そこで我々は,リングアレーアンテナを用いてミリ波におけるOAMモード多重無線伝送の検討を行ってきた.本報告では,E帯におけるOAMモード多重無線屋外伝送実験で256QAM×8モード多重伝送を実現したので報告する.
本報告では,4素子の両円偏波円形アレーおよびDFT回路を試作し,OAMモード選択による伝送レート改善効果を実験的に評価した結果について述べる.提案モード選択法によって,送受信距離が5波長以上の場合に,注水定理と同等の伝送レートが得られることが明らかになった.
3月21日 13:15〜17:00 56号館 103教室 座長 塩見英久(阪大)
B-1-139 |
DODとRSSI Rangingの組み合わせによる屋内位置推定精度向上法
◎北村大地・本間尚樹・成毛一史・菊地幸汰(岩手大)・菅原雄介・三浦 淳(ERi) |
B-1-140 |
無線通信路の時空間特徴量を用いた屋内測位法の検討
◎安川 悟・金 ミンソク(新潟大) |
B-1-141 |
多重波トモグラフィーイメージング(RTI)による屋内測位法の検討
○金 ミンソク・田嵜威司(新潟大) |
B-1-142 |
圧縮センシングを用いた反復型近傍波源位置推定の一検討
◎△稲見将宏・菊間信良・榊原久二男(名工大) |
無線ビーコンを用いた屋内向け位置推定法として,信号強度情報であるRSSIを用いたRSSI Rangingや,RSSIからDODを推定する手法などが検討されている.本研究では,RSSIに基づいたDOD位置推定方式に対してRSSI Rangingを組み合わせることで,装置を拡張せずに位置推定精度を向上する方法を提案する.実験より提案法は従来法であるDODのみを用いた手法と比較し,位置推定誤差の平均値を0.57 m,中央値を0.60 m改善することを明らかにした.
近年,急速な高齢化社会に伴い,高齢者の単独世帯が増加しており,孤立死や家庭内事故の問題が年々深刻化している.そのため,高齢者の行動パターンを把握し,転倒や,トイレ・浴室から長時間出てこないなどの異常事態を検出できるシステムの開発が重要となっている.本稿では,通信路の時空間特徴量を用いることで,プライバシー面にも配慮した屋内測位を可能にする手法を検討する.マルチパス成分の変化を捉え,機械学習法で判定することにより,簡易な構成で高精度な屋内測位が可能になることをレイトレーシングシミュレーションにより示す.
本稿では,近年注目を集めているミリ波通信システムで得られる高分解能通信路特性から抽出された多重波伝搬経路を用いる多重波RTI 法を提案し,各経路の遮蔽損失の変化を個
別に扱うことにより,少ないノードで高分解能RTI が実現できることを示す.
電波の到来方向推定において波源が近傍にある場合は,波面が球面となるため遠方界到来方向推定とは異なる推定法が必要となる. 一方, 遠方界到来方向推定のアルゴリズムで圧縮センシングが注目されている. 本研究では, 近傍波源位置推定に圧縮センシングを導入する. その一つの手法として, 前回推定値を用いて角度と距離を順に求める反復推定方法を提案し, その性能を検討する.
休 憩(14:30 再開) 座長 鷹取泰司(NTT)
B-1-143 |
MIMOセンサのチャネル相関値変動に基づく人体移動方向の推定
◎乾 拓真・伊藤優希・岩井誠人・笹岡秀一(同志社大)・家田清一(アイシン精機) |
B-1-144 |
フレネルゾーンを考慮した圧縮センシングによる対象位置推定
○鈴木賢梧・笹川 大・本間尚樹(岩手大) |
B-1-145 |
MIMOアレーを用いた個人識別法の住空間における一検討
○飯塚翔一・中山武司(パナソニック)・笹川 大・本間尚樹(岩手大) |
B-1-146 |
圧縮センシングを用いた複数人数位置推定法
◎沼﨑和樹・本間尚樹・笹川 大・白木信之(岩手大)・中山武司・飯塚翔一(パナソニック) |
B-1-147 |
生体行動識別法の性能評価
○笹川 大・本間尚樹(岩手大)・中山武司・飯塚翔一(パナソニック) |
電波により人体などを検出する技術としてMIMOセンサを利用した手法がある.従来研究では,人体の有無により伝搬環境が異なることを利用したMIMO伝搬チャネルの相関値を用いて人体検出を行っていたが,本報告では,この相関値の時間変動を方向指紋とすることにより人体の移動方向の推定を行った. FDTD法による伝搬特性解析により三次元空間を模擬し,2×2のMIMOアンテナを用いた人体の移動方向推定について評価を行った.
近年,野生動物による農作物被害が増加しており,その対策としてデバイスフリーな位置推定法の需要がたかまっている.本稿では,検出エリアに置かれた複数アンテナ間の伝搬路の変化を検出し,圧縮センシングにより対象の位置を推定する方法を提案する.フレネルゾーンに対象が侵入すると,伝搬路が変化することを利用する.提案法は,5×5のマルチアンテナを用いることで平均誤差0.22mの精度で位置推定が可能であることを示した.
MIMOアンテナを用いて時変動チャネルを観測し,教師データとの相関を計算することによりバイタルサイン等の特徴から個人を識別する手法において,アンテナ配置を変更することでアンテナから離れた被験者に対して個人識別評価を行った.アレーアンテナを用いた位置推定を用いることで,被験者が環境中央以外であっても被験者6名を80%の識別率で識別可能であることを示した.
実環境における生体位置推定法として,MIMO (Multiple-Input Multiple-Output) レーダを用いた手法が提案されている.同手法ではMUSIC (MUltiple SIgnal Classification) 法を用いて生体位置推定をするが,到来波数 (生体数) が既知である必要があった.一方,圧縮センシングを用いることで到来波数情報なしに到来波方向を推定することが可能となる.しかし,圧縮センシングに瞬時の生体周波数信号を用いると,複数対象全てを検出できない場合がある.
本稿ではチャネル行列周波数応答から求めた相関行列を用いた,圧縮センシングに基づく生体位置推定法を提案する.提案法はチャネル行列の周波数応答から求めた相関行列を用いることで,到来波数情報がなくても複数対象の位置を推定する.実験により,提案法は対象数が未知であっても位置推定が可能であることを明らかとした.
著者らは転倒検知による見守りシステムのための屋内環境における生体行動識別法を提案している.同手法は2次元MIMO (Multiple-Input Multiple-Output) アレーを使用し,推定した生体の高さと生体活動に対応する反射断面積 (RCS: Radar Cross Section) の軌跡を用いて行動を識別する.本稿では,対象が教師データの位置と異なる場合およびアンテナ・対象間に障害物がある環境を想定し,生体行動識別法の性能評価を行った結果について報告する.実験結果より,同手法は対象の位置によらず行動を識別可能であることを明らかとした.また,障害物によって環境が変化した場合においても,電波を透過する石膏ボードの裏では識別精度がほぼ変わらないことを明らかとした.
休 憩(16:00 再開) 座長 井上祐樹(NTTドコモ)
B-1-148 |
LOS市街地ストリートセル環境におけるISTAを用いた20GHz帯二次元到来方向推定
◎立神光洋・藤元美俊(福井大)・北尾光司郎・今井哲朗(NTTドコモ) |
B-1-149 |
32×32デイジーチェーンMIMOアンテナにおける到来波推定精度改善
◎大坪勇樹・生川菜々・本田和博・小川晃一(富山大) |
B-1-150 |
OFDMAの上り回線における周期定常性を利用した到来方向推定
◎遠藤 丞・藤元美俊(福井大) |
B-1-151 |
TOFとDOAを組み合わせた屋内位置推定法
◎高橋優人・本間尚樹・佐藤 潤(岩手大)・村上友規(NTT) |
第5世代移動通信システムでは,システム容量増大のために,Massive-MIMOが検討されており,垂直・水平方向の到来波の情報が必要となる.また,近年では,圧縮センシングを用いた到来方向推定法が注目されており,その中でISTAと呼ばれる手法が提案されている.
本報告では,20GHz帯チャネルサウンダにより取得された実測定データに対しISTAを適用し,垂直・水平方向の二次元到来方向推定を行い,Beamformerによる推定結果と比較する.
我々は,全アジマス方向に対して超高速通信を実現できるデイジーチェーンMIMOアンテナの開発を行っている.本研究では,32×32デイジーチェーンMIMOアンテナのAOA機能について,ライス伝搬環境下における到来波推定精度を改善したので報告する.
近年の無線通信の急速な普及により,無線通信品質の保証が重要視されるようになった。
通信品質を改善する方法として,信号の周期定常性を利用し電波の到来方向を推定する手法が現在検討されている。
一方,現在主流の多元接続方式として,直交周波数分割多元接続(以下OFDMAと呼ぶ)が利用されている。
本研究では,OFDMA上り回線における所望波到来方向推定法を提案し,有効性を評価する。
電波を用いた無線局の位置推定法としてTOF (Time Of Flight) を用いた方法が検討されている.TOFを用いて位置推定を行う場合,複数のアンテナ素子を基準として算出した電波伝搬距離から位置推定を行う.しかし,TOFで高精度に位置推定を行うためには,素子間隔以上の分解能が必要になり,小形アレーアンテナでは精度が劣化する.TOFの他に電波を使った位置推定法としてDOA (Direction Of Arrival) を用いた方法が挙げられるが,広帯域を必要としない代わりに2つの異なる観測点が必要であった.
本報告では,cm級の位置推定の実現に向けて,TOFにDOAを組み合わせた手法について,実環境におけるポテンシャルを評価し,TOFにDOAを組み合わせた位置推定を行う方法について検討し,実験によりその有効性の評価を行った.TOFと5 GHzで求めたDOAを組み合わせることで,位置誤差の平均値は8.9cmに改善され,TOFのみを用いた場合よりも精度が高いことが明らかとなった.
3月22日 9:15〜11:45 56号館 103教室 座長 柳 崇(三菱電機)
B-1-152 |
同軸型非共振電界プローブの複素アンテナ係数の比較検討
◎勝田 敦・新井宏之(横浜国大)・荒井正巳(華為技術日本) |
B-1-153 |
5Gアンテナシステムを評価するためのタイムドメイン近傍界測定システムの提案
◎丸山裕介(岡山大)・新井宏之(横浜国大)・田中稔泰(マイクロウェーブファクトリー)・藤森和博(岡山大) |
B-1-154 |
近傍界より求めた導体表面電流分布を用いた遠方界推定
◎林 祐造・新井宏之(横浜国大)・岩永伸也・堀 智(小島プレス) |
B-1-155 |
FRPM管非破壊検査のためのマイクロ波信号のタイムドメイン解析
◎松川沙弥果(産総研)・吉田光佑・西村禎洸(三重大)・黒川 悟(産総研)・奥田忠弘・硲 昌也(栗本鐵工)・村田博司(三重大) |
近年の高速大容量移動体通信システムの需要増加に伴い、ミリ波帯のアンテナの研究が盛んに行われている。だがミリ波帯は波長が短い為、アンテナ測定には遠方界ではなく 近傍や極近傍での測定が必要となる。そこで、極近傍や近傍での測定を簡易的な構造かつ非共振性の高い、同軸型非共振電界プローブを提案している。本プローブの特性を微小ダイポールアンテナや微小ループアンテナと比較して波長に対して大きな構造で同様の特性が得られることを示した。そこで本稿では、実験とシミュレーションを用いた複素アンテナ係数でのプローブ構造に対する特性の比較検討を行う。
第5世代移動通信システム(5G)は従来に比べて広帯域な信号を用いることが予定されている.またMassiveMIMOなど,より多くのアンテナを用いた高速通信の技術が開発され,導入が想定されている.
RFの入力端子がある場合,測定はVNA(ベクトルネットワークアナライザ)を用いる方法が取られるが,この場合アンテナ側に入力する必要がある.しかしアクティブアンテナ等の単体で波形を出力するアンテナを通常の運用形態や動作状態において測定する必要が生じている.また5Gでは電波を任意の方向に集中させるビームフォーミング技術を活用するため,動作状態での測定が必要となる.そのため我々は近傍界でタイムドメインでの測定を行い,被測定アンテナへの信号入力を必要としない遠方界推定システムの提案を行う.
金属筐体にアンテナを接続すると筐体全体がアンテナとして動作するため筐体サイズによっては、遠方界の測定に広大なスペースを要する場合がある。また、筐体に重量がある場合、測定のための台座の取り外しが不可能となる。本報告では筐体重量が大きいことを前提とし、さらに測定時間の低減という観点から、筐体の半球面近傍電界を利用し、さらに筐体を線状要素を用いて近似して、近傍界電界と各線状要素の間に逆問題を定義し、これを解くことで得られた、筐体表面電流分布を利用して遠方界を推定する手法について述べる。
Fiberglass Reinforced Plastics Mortar (FRPM) で構成された地中埋設パイプラインを非破壊で効率よく検査・診断する技術が求められている.我々はFRPMが1-10 GHzのマイクロ波に対して比較的低損失であることに着目し,マイクロ波を用いた非破壊検査法を提案している.本研究では,管路の軸方向・周方向の2次元情報を簡便に一括して取得するため,FRPM管壁を伝搬するマイクロ波の信号に対してタイムドメイン解析を行った.その結果,マイクロ波は円筒形の管壁に沿って広がって周回しながら伝搬していることがわかり,管路の軸方向・周方向の2次元情報を信号の時間軸 (1次元) と測定アンテナ位置(1次元) に対応させて計測・診断することできた.これは,地中埋設FRPM管における欠陥・異物の有無を非破壊で検査・診断する手法として有用と考える.
休 憩(10:30 再開) 座長 石井 望(新潟大)
B-1-156 |
HAPSシステムにおける水平面内ビームパターンの基礎検討
○須藤渉一・星野兼次・太田喜元(HAPSモバイル)・藤井輝也(東工大) |
B-1-157 |
浅いニューラルネットワークを用いたアレーアンテナの近傍界分布制御法に関する研究
○飴谷充隆・黒川 悟(産総研) |
B-1-158 |
多素子アレイにおける二軸走査での欠損素子検出
◎楠瀬恭介・新井宏之(横浜国大) |
B-1-159 |
近傍界振幅情報を用いたアレーアンテナの校正法
◎淺井美佑・新井宏之(横浜国大) |
B-1-160 |
MIMOアレイレーダによる近距離イメージングのための遺伝的アルゴリズムを用いた素子配置最適化
◎小川弥夢・阪本卓也(兵庫県立大) |
本発表ではHAPSのサービスリンクアンテナに関する基礎検討として、各セルを構成するアンテナは平面アレイアンテナを仮定、その水平面を構成するリニアアレイアンテナに着目し、水平方向のビームパターン特性を確認する。まず所望のビームパターンとしてビーム幅とサイドローブレベルを規定し、それを達成するための各素子に与えるウェイトを一般逆行列から求める。その際、一般逆行列および所望パターンを表す行列のサンプリングは、任意の間隔で実施しても所望の値を満足するビームパターンが得られることをシミュレーション評価により明らかにする。
また、実際の設計を考慮し、ウェイトにランダムの位相が加算された場合でも所望の値を満足するビームパターンが得られることを確認する。
次世代の無線通信(5G)ではアレーアンテナを用いた近傍界高速通信が検討されているが,アレーアンテナによる近傍界分布制御法については,十分に検討されていない.
本稿では,過去に提案したニューラルネットワークを用いて近傍界分布からアレーアンテナの励振係数を推定する方法を用いて,ある平面における任意の近傍界分布を実現する方法について検討した.
アレイアンテナの校正評価には素子毎に位相を回転させて評価する手法があるが,製品検査などを目的として開口面電界分布の対称性を利用し,直交する二軸走査のみ,でアンテナ素子欠損を検出する手法について検討した。
近年,移動通信トラフィックの増加に伴い,大容量かつ高速な通信が求められており,多素子アレーアンテナの需要が高まりつつある.それに伴い,アレーアンテナの校正法について様々な検討が行われている.本稿では,アレーアンテナの近傍界振幅情報を用いて校正を行う方法を検討する.
4素子ダイポールアレーアンテナにおいて,近傍界に生じるヌル点に着目した時,素子に位相誤差がない場合では測定位置におけるヌル点の位置とその励振位相の組み合わせが確認できる.この情報を利用して素子の位相誤差を検出できることを明らかにした.今後の課題は複数の素子に位相誤差がある場合に拡張することである.
先進国の高齢化に伴い,健康寿命が重要視されている.健康寿命延伸のためには疾患の早期発見が重要であり,例えば心拍計測による疾患検出が報告されている.心拍の測定には脈波計や心電計が広く使われてきたが,センサ装着の不快感などが課題であった.近年,MIMO(multiple-input and multiple-output)アレイレーダを用いた非接触での心拍測定が注目されている.これまで,MIMOアレイには比較的単純な素子配置が用いられており,最適とはいえなかった.本研究では,近傍イメージングに焦点を絞り,遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm; GA) を用いたMIMOアレイ素子配置の最適化手法を開発する.
3月22日 13:00〜14:15 56号館 103教室 座長 飴谷充隆(産総研)
B-1-161 |
準ミリ波を用いた車載通信システム向け球面カバレッジの検討
○大西政彦・桂 勇男(住友電工) |
B-1-162 |
アップチャープFMCWレーダにおけるドップラ周波数の折り返し検出について
◎堀内貴裕・山田寛喜・山口芳雄(新潟大) |
B-1-163 |
ミリ波FM-CWレーダを用いた交通監視システムにおけるターゲットの識別に関する実験的検討
◎西村和真・堀内貴裕・山田寛喜・山口芳雄(新潟大) |
B-1-164 |
近距離ミリ波レーダのための波数空間分離に基づくRPM法の高精度化
◎秋山繕輝・木寺正平(電通大) |
B-1-165 |
ミリ波レーダにおける到来方向推定を用いた車両分離に関する検討
○上野 大(オムロン)・堀内貴裕(新潟大)・杉井祐太(オムロン ソーシアルソリューションズ)・齋藤啓介(オムロン)・山田寛喜(新潟大) |
5G(NR)システムでは、高速・大容量通信を実現するため、
28GHz帯を活用するが、電波伝搬を考慮して、アレイアンテナ
構成を取る必要が生じている。その結果、端末がアンテナ指向性
を有する仕様となっており、周囲方向に対する指向性を含む送信
特性を定義するため、新たに球面カバレッジという概念が導入さ
れた。
車載用途を考えた場合、一般的な携帯端末と異なり、通信機の
姿勢が限定されるため、カバレッジエリアを狭め、アンテナ利得
を高く設定することが可能であると考えられる。
そこで、シミュレーションにて、車載用のアンテナ配置方法と
その結果得られる球面カバレッジのの性能について検討を実施し
たので、その結果を報告する。
アップチャープFMCWレーダでの速度推定は,スロウタイムの位相シフトを利用してドップラ周波数を推定する手法が良く用いられる.しかし,サンプリング定理の観点から推定可能なドップラ周波数はパルス送信間隔によって制限され,上限を超えたドップラ周波数は折り返しが生じることによる誤推定が発生する.筆者らはこの問題に関して,受信パルスのファストタイム信号の全位相情報を利用して折り返し数を推定する手法を提案している. 本稿では,複数ターゲットがレンジ方向で互いに近距離に位置している条件において,提案手法の有効性を実験により評価したので,それを報告する.
近年,レーダを用いた交通監視システムが注目を集めており,ターゲットの識別と識別に必要とするレーダの観測時間は重要な研究課題となっている.本稿では,ミリ波FM-CWレーダを屋外に設置し,人間と自動車の移動している様子を観測する実験を行う.そして,取得したデータを解析することでターゲットによってドップラ周波数の時間変化に違いが生じるか検証し,観測時間を長くしたとき,人間の場合はドップラ周波数分布が広範囲になり,自動車の場合は局所的で変化がないことを示す.また,ドップラ周波数によって人間と自動車の識別を行う場合に必要とする観測時間も検討し,約0.2秒の観測時間があれば識別できることを示す.
ミリ波レーダは,光学センサが適用困難な状況(粉塵,
見通し外等) でもセンシングが可能であるため,車両衝
突防止センサや災害現場での救助センサとして有望であ
る.レーダによる3 次元画像化法として,合成開口処理
等のコヒーレント処理に基づく各種の方法が提案されて
いるが,位相不確定性や干渉性ノイズによる虚像等が問
題となる.一方,RPM(Range Points Migration) 法は,
各素子で観測される距離点群を目標境界上の散乱中心点
群に写像する方法であり,共焦点法の種々の問題を解決
する[1].また,ドップラ速度の統合とデータクラスタ
リングによる高速化・高精度化等が進められている[2].
一方,同手法はインコヒーレントな処理に基づき,角度
分解能は基本的に距離分解能で決定されるため,比帯域
幅が小さいミリ波レーダ等の信号モデルでは精度が劣化
する.本稿では同問題を解決するため,波数空間変換に
基づく距離分解法及びクラスタリング処理を導入する.
幾何光学近似に基づく数値計算データにより,本手法の
有効性を示す.
自動運転社会において,より精度の高い車両・歩行者検出用インフラセンサの要求が増している.その中で,ミリ波レーダは屋外のロバスト性が高いことから,次世代インフラセンサとして期待されている.本稿では,ミリ波レーダを車両の検知に適用した場合,車両の分離が難しい同距離同速度で並走するシーンに対して検討を行った.車両を分離する手段として,高分解能アルゴリズムであるMUSIC法を適用し,結果として,近距離(30m)において並走車両が分離されていることを確認した.今後は,遠距離での分離および,歩行者の分離について検討する.
B-2. 宇宙・航行エレクトロニクス
3月20日 9:00〜11:45 52号館 101教室 座長 田中 真(東海大)
B-2-1 |
電磁波を用いた3次元海中位置推定システムの検討
◎加藤涼介・高橋応明(千葉大)・陳 強(東北大)・石井 望(新潟大)・吉田 弘(海洋開発研究機構) |
B-2-2 |
航空レーザ測深(ALB)を用いた水棲生物追跡システムの研究
◎△角至悠希・天野 亮・今宿 亙・光永 靖・鳥澤眞介・前田佳伸(近畿大) |
B-2-3 |
GNSS観測における樹木による遮蔽の影響の検討
○古川 玲・江森洋都・吉敷由起子(構造計画研)・久保信明(東京海洋大) |
B-2-4 |
2受信局と3衛星間のTDOAを用いた未知電波源の非同期追尾
○網嶋 武・鈴木信弘(三菱電機) |
B-2-5 |
TOA測位におけるTaylor級数推定法と直接法
○小菅義夫・古賀 禎・宮崎裕己・呂 暁東(電子航法研)・稲葉敬之(電通大) |
水難事故の発生件数はここ数年ほぼ一定で、ほとんど減少が見られない。水難事故の際に救助活動を行うのはダイバーであるが、海中には様々な漂流物が存在し、救助中のダイバーに常に危険が伴う。本研究では、水中におけるダイバーの位置の特定により、救助活動を支援することを想定し、中波以下の低周波数帯の電波を用いた海中位置推定システムの検討を行う。先行研究において、10kHzの超長波電波は、理論上1mあたり3.5dB減衰し、30m以上の距離を伝送できる。また、深さ方向における2次元の位置推定についてはすでに報告されている。本研究では、10kHzの電磁波を用いた海中位置推定システムにおける受信電力強度(RSS)使用の優位性について述べる。また、RSSを用いた深さ2mから8mまでの3次元位置推定シミュレーションを行ったので、併せて報告する。
本研究では,水棲生物の位置をリアルタイムで測定するためにレーザ光源,再帰性反射シートを用いたシステムを提案する.このシステムは,水棲生物に取り付けられた再帰性反射シートが緑色レーザ光源から照射される光を反射し,レーザ光源の検出システムがその反射光を検出する.航空レーザ測深(ALB)を用いて実験を行い,高度約500mから緑色レーザを照射して,カプセルレンズ型再帰性反射シート取り付けたイサキの位置を推定した.ALB測定を用いてリアルタイムで水棲生物を追跡する方法を実証した.
衛星測位の精度は,衛星数,衛星配置と観測情報の品質に大きく依存する,衛星毎の観測情報の品質は,衛星-受信機間を信号が伝搬する経路に存在する電離層,大気圏,建物,樹木などの影響を受ける.
樹木の遮蔽がある場合,信号強度の低下やマルチパス誤差が発生すると言われており,無線通信向けにはITU-R 勧告P.833の植生による信号の減衰式があるが,マルチパス誤差や測位にどのような影響が出るかについては不明である.
本稿では樹木に遮蔽される環境と遮蔽されない環境において,GNSS信号を同時に取得し,信号強度とマルチパス誤差について分析を行った.
衛星通信に生じるアップリンク干渉の電波源を追尾する方法として,3衛星間の到来時間差(TDOA: Time Difference of Arrival)が知られている.一方,地上受信局数が2局しかない場合,衛星へのアンテナ指向を切り替えてTDOAを非同期計測する必要がある.この計測値に対し,従来の同期計測を仮定した追尾方式を適用すると,切り替えに要する時間に移動体が移動するため,追尾誤差が生じる.本稿では、非同期追尾方式を提案する.
受信局と目標間の距離観測値を使用したTaylor級数推定法による目標位置推定(TS法と呼ぶ)について述べる.TS法は,距離の線形近似のため目標位置初期値を設定する必要がある.このTS法では,受信局と目標位置初期値を結ぶ直線上のベクトルのうちいずれか3個が1次独立なら解が存在する.従って,TS法で解を求めるには,最低3個の受信局が必要である.一方,目標位置初期値なしで,距離観測値自乗の受信局間の差より作成した連立方程式を直接解いて目標位置を推定する方法が報告されている(D法と呼ぶ).D法では,最低3個の距離自乗差,従って4個以上の受信局が必要である.本稿では,同一平面上にない4個の受信局が存在する場合,D法で解が一意的に求まるとともに,TS法でも解が求まることを示した.従って,同一平面上にない4個以上の受信局で求めたD法の解を初期値にして,TS法で目標位置が推定可能である.さらに,この場合,TS法の推定精度は,D法以上であることを示した
休 憩(10:30 再開) 座長 網嶋 武(三菱電機)
B-2-6 |
ホールディングポイント近傍における変則的飛行の検出に関する研究
◎鳥村瑠那・田中 真(東海大) |
B-2-7 |
宙空より落下する物体の衝突確率に関する基礎研究
◎永島 柚・田中 真(東海大) |
B-2-8 |
ILSローカライザー信号における干渉波の実験結果
本田純一・松永圭左・○毛塚 敦・田嶋裕久(電子航法研) |
B-2-9 |
無人航空機用通信における920MHz 帯の伝搬特性の検討
◎渡辺拓哉・北沢祥一・上羽正純(室工大) |
B-2-10 |
固定翼UAV用の無線映像伝送システムの開発
○古賀 禎(電子航法研) |
航空機は着陸の許可が得られるまで管制官の指示にてホールディングを行い,場合に応じてTime Approachと呼ばれる縦に積み重なる形をとる.
上下方向に他の機体が存在する状態は,機体部品の落下やエンジントラブル等が生じた際に,他機を巻き込む事故に発展する可能性がある.
従って,管制官だけでなくパイロット自身も他機とのクリアランスを意識できるような情報提供が必要であると考えた.
本研究では,ホールディングポイントにおける変則的飛行を検出するシステムの基礎研究を行い,ホールディングが安全に実行できているという判断基準の明確化とホールディングポイントを大きく外れた変則的飛行の挙動を検出することを試みた.
日本国内には空港,原子力施設,石油基地,重要通信施設,自衛隊基地,米軍基地など多くの重要施設が存在する.現在,航空機や人工衛星およびスペースデブリはその重要施設のほぼ真上を通過する時刻も存在する.宙空を飛行する物体から,一部の部品またはその全部が自由落下運動を経て地上に到達することは確率的に表現することが可能である.これまでは,落下物体が地上に到達する確率は非常に小さな値として認識され,めったに起こらない事象として理解されていたが,近年,航空機からの落下物の問題が浮上し,その対策が急務となっている本研究では,日本における重要施設と航空機やデブリなど宙空の飛行物体からの落下物の関係性に着目し,大局的な衝突の影響評価を行うことを目指した.
計器着陸システム(ILS)の一つであるローカライザー(LOC)は,航空機に着陸コースの水平方向の位置を知らせる重要な役割を担っている.しかし,建物や航空機からの散乱波が誤差要因としてしばしば問題となっている.本研究は,ILSの電波干渉を数値解析するための計算アルゴリズムの開発を進めている.本稿は,計算結果の検証用として,実環境で発生する干渉波について,仙台空港内で実験を行ったのでその結果を紹介する.実験から建物からの干渉波と見られる信号を得られることが分かった.
UAVに搭載した920MHz帯無線機と地上局との電波伝搬特性を評価した。
本稿は,固定翼UAV用の映像無線伝送システムの開発について紹介する。
3月21日 13:00〜17:00 52号館 101教室 座長 秋田 学(電通大)
B-2-11 |
ガウス混合モデルとEMアルゴリズムに基づくRPM法のパラメータ最適化法
◎高橋蹴人・木寺正平(電通大) |
B-2-12 |
近距離車載レーダのためのデータ統合によるRPM法の高精度化
◎大森知樹・木寺正平(電通大)・赤峰悠介・礒野友輔(SOKEN) |
B-2-13 |
自動車用FMCWレーダにおけるターゲット検出のための反復CFAR法
◎△奥田健夫・牧野祐也・梅比良正弘・王 瀟岩・武田茂樹(茨城大)・黒田浩司(日立オートモティブシステムズ) |
B-2-14 |
送信周波数差を利用する速度曖昧さ解法の性能評価
○三本 雅・諏訪 啓・若山俊夫(三菱電機) |
B-2-15 |
HPRFパルスドップラレーダ向け仮検出型目標検出方式
◎小幡 康・亀田洋志・和泉秀幸(三菱電機) |
B-2-16 |
レーダーシステムの不要発射測定サイトの評価について
○塩田貞明・町澤朗彦・川原昌利・北澤弘則(NICT)・井上 朗・中村 透・村川真一・石井義弘(ラボテック・インターナショナル) |
B-2-17 |
レーダースプリアス測定用オープンサイトのマルチパス対策の予備検討(周波数特性)
○町澤朗彦・川原昌利・北澤弘則・塩田貞明(NICT)・井上 朗・中村 透・村川真一・石井義弘(ラボテック・インターナショナル) |
B-2-18 |
レーダースプリアス測定用オープンサイトのマルチパス対策の予備検討(ハイトパタン)
○川原昌利・町澤朗彦・塩田貞明・北澤弘則(NICT)・井上 朗・中村 透・村川真一・石井義弘(ラボテック・インターナショナル) |
マイクロ波・ミリ波レーダは,粉塵,濃煙及び悪天候下でも測定可能であるため,自動車の衝突回避センサ等に有用である.レーダによる画像化法として,RPM(Range Points Migration)法が提案されている\cite{RPM}.RPM法は,各素子位置の距離データから抽出される距離点と呼ばれる離散点の集合から,到来方向分布をカーネル密度推定で推定する手法であり,多数の散乱点が混在する場合でも高精度な画像化を実現する.しかし,同手法ではカーネル密度推定のパラメータを事前に決定する必要がある.本稿では,RPM法の分布推定においてガウス混合基底(GMM:Gaussian Mixture Model)を導入し,EM(Expectation Maximization)アルゴリズムで各パラメータを自動的に決定する手法を導入する.数値計算に基づく性能評価により,本手法の有効性を示す.
マイクロ波・ミリ波帯の電磁波を用いた近距離レーダシステムは,光学センサ等の適用が困難な,壁越し・粉塵・見通し外環境等での目標探知が可能であり,自動車の突防止センサとして有望である.
上記応用に資する画像化法の一つとして,目標境界抽出に特化した高精度画像化法であるRPM 法(Range Points Migration) が提案されている.
車載レーダ応用においては,ultiple Input Multiple Output)レーダ側が走行に従って移動することが想定され,同開口面積の増大により更なる高精度化が望める.
各アレイでのデータ統合及び実空間上での連続的なクラスタリング効果を新たにRPM 法の評価値に組み込むことで精度改善を図る.
精緻な車両モデルを用いたFDTD(Finite ifference Time Domain)法により,本手法の有効性を示す.
自動車用ミリ波FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダでは、近接した複数ターゲットを分離するため20[cm]程度の分解能が必要で、これらを自動で分離・検出する必要がある。ターゲット検出には、ターゲット周囲の平均値を基準に検出しきい値を設定するCFAR(Constant False Alarm Rate)法がある。しかし、近接の複数ターゲットを分離する場合、レーダ断面積の大きなターゲットによりCFARの設定しきい値が大きくなり、レーダ断面積の小さなターゲットの検出率が低下する問題がある。レーダ用として、クラッタの影響を低減する改良CFAR方式等が提案されているが、今回の問題には適用できない。本稿では、しきい値設定とターゲット検出を反復して実施する反復CFARターゲット検出法を提案し、計算機シミュレーションにより有効性を確認したので報告する。
Chirp Sequenceレーダで折り返しによる速度曖昧さの解法として,送信周波数差を利用する方法を提案しており,シミュレーションによる性能評価結果を示す.
レーダの低S/N目標検出について,目標の動きを補償しながら信号を積分する方式が知られている.しかしながら全積分時間に渡る信号の蓄積が必要なため,HPRF(High Pulse Repetition Frequency)パルスドップラレーダに適用する場合には装置規模の拡大が課題である.本稿ではより簡易な処理での目標検出を目的とし,低検出閾値で一旦仮検出した信号群から,多目標追尾アルゴリズムで目標信号のみを抽出する方式を提案する.
レーダーシステムから発射される不要発射を測定するためのサイトを構築する技術を開発するため、サイト候補地を決定し、サイト候補地における伝搬特性の評価を行った。評価はサイトの電波伝搬特性(サイト挿入損(Site Insertion Loss))を測定値と理論値(自由空間伝搬損失)を比較することにより実施した。今回実施した測定では、受信アンテナの高さを変えた時のSILの変化を確認する目的で実施したが、測定中のサイトの状態(表面の状態)の変化による影響も測定結果に含まれていると考えられる。今後は、サイトの状態は可能な限り同条件下で測定を実施する必要がある。
レーダースプリアス測定用オープンサイトのマルパス対策として草地のみと多重金属フェンスを追加した場合について通路利得係数の周波数特性を評価した。測定の結果、送受信間が20m程度の距離に対して周波数帯域7-25GHzでは、草地のみの方が通路利得係数の周波数変動が小さく優れていた。
レーダースプリアス測定用オープンサイトのマルチパス対策として、草地のみと多重金属フェンスを追加した場合のハイトパタンの測定を行った。測定の結果、送受信間距離20m及び周波数帯域7~25GHzにおいてはハイトパタンの測定においても草地による効果のほうが多重金属フェンス設置による効果よりもすぐれていた。
休 憩(15:15 再開) 座長 星野赳寛(三菱電機)
B-2-19 |
アジマス方向のデジタルビーム形成を用いた可変PRF合成開口レーダの画像再生処理方式
◎宮本麻由・土田正芳・中村聖平・横田裕也・諏訪 啓(三菱電機) |
B-2-20 |
PiSAR-X2データを用いたSAR画像散乱体高さ分離方式の評価
◎片山由美子・諏訪 啓(三菱電機) |
B-2-21 |
ESPRIT法を用いたXバンド航空機SARによる建築物観測データの高分解能高さ方向再構成
○牛腸正則・山田寛喜・山口芳雄・佐藤亮一(新潟大)・児島正一郎(NICT)・有井基文(三菱電機) |
B-2-22 |
PSクラスタリングと地図データに基づく合成開口レーダを利用した建物の2次元変位解析
◎生藤大典・田中大地・宝珠山 治(NEC) |
B-2-23 |
AMSR時空間データを用いた変動パターン解析
○今岡啓治(山口大)・可知美佐子(JAXA) |
B-2-24 |
振幅・位相特性に着目した特定電波源識別技術の検証
○△杉本 司・名坂純哉・有馬 聖(立命館大)・小林正明(AOC)・熊木武志(立命館大) |
B-2-25 |
ミリ波レーダを用いた非接触心拍測定のための精度推定法
○阪本卓也・山口玲偉(兵庫県立大) |
合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar; SAR)システムにおける、高分解能化と広域化のトレードオフの緩和を狙う方式として、アジマス(Az)方向のDBF (Digital Beam Forming)を応用した方式(アジマスマルチビーム形成)や、エレベーション(El)方向のDBFと可変PRF(Pulse Repetition Frequency)を組み合わせた方式が提案されている。本稿では、上記トレードオフの更なる緩和を狙い、El方向のDBFおよびアジマスマルチビーム形成と可変PRFを全て組み合わせる方式を提案する。特に、Az方向に不等間隔なサンプル位置を等間隔にリサンプルする際の誤差を低減する画像再生方式に焦点を絞って報告する。
衛星に搭載されたSAR(Synthetic Aperture Radar)で撮像されたSAR画像中の散乱体を高さ方向に分離するため,異なる軌道で複数のベースラインのSAR画像の位相差を組み合わせた方式を提案している.本発表では,この提案方式を情報通信研究機構が運用するPiSAR-X2により撮像されたSAR画像に適用し方式を評価した.その結果,衛星搭載SARと同様に,SAR画像中の散乱体を高さ方向に分離することが明らかになった.
地球観測の分野において災害観測などの様々な用途に航空SAR(Synthetic Aperture Radar) が活用されており,特にSAR を用いた三次元イメージング手法の1つであるTomoSAR(SAR Tomography)は近年注目を集めている.TomoSAR ではマルチベースライン観測データをアレー受信信号と見なし,到来方向推定手法を適用することで仰角,すなわち高さ方向に重畳した信号を分離する.しかし建築物や植物の大きさに対し,TomoSARの分解能は不十分である.本稿ではこの問題を改善するためにESPRIT法を利用し高精度かつ高分解能な高さ方向イメージングが実現可能であることを示す.
本稿では,都市部における建設物や道路監視のために,PS (Persistent Scatterer) 点クラスタリングと地図データに基づく合成開口レーダを用いた2 次元変位解析手法を提案する.提案手法は,時間的に反射強度が安定した反射点"PS 点" に対して, PS クラスタリングを利用することで同一構造物からの反射によるPS 点をひとつのクラスタにまとめ,各クラスタを地図データ上の適切な構造物と対応付ける.そして,異なる観測方向ごとに,対応付けられたPS 点を統合解析することで,構造物単位で2 次元変位を得る.解析結果から,都市部の構造物の変位解析に本手法が有効であることを確認する.
1970年代から継続的に行われてきた人工衛星搭載型マイクロ波放射計による観測により,現在では30〜40年規模のデータが蓄積され,ようやく気候変動の一端を捉えることができるようになった.近年様々な分野で用いられる機械学習的なアプローチは,このような人工衛星データ解析にも有用と考えられる.本報告では,熱帯太平洋域におけるマイクロ波放射計AMSR-Eによる海面水温データに対して自己組織化マップ(SOM)を適用することにより,代表的な気候変動パターンとしてエルニーニョ現象の解析を試行し,監視海域におけるインデックス等との比較を行った.
近年,情報通信技術が発展する一方,無線LANの不正利用や,サイバー犯罪等の事件に巻き込まれるといった情報セキュリティに係る問題が増加してきている.
本稿では,特定電波源識別技術が新しいセキュリティの一手法に成りうる可能性を提示する.
特定電波源識別(Specific Emitter Identification : SEI)とは,電波に含まれている,発信者が意図しない変調成分等を無線通信機器固有の特徴とみなし,無線通信機器の個体を特定する技術である.
特定電波源識別技術確立のための基礎検証を受信波形の振幅位相特性に着目して行ったところ,各無線機器に固有の特徴があることが判明した.
現在,心拍測定には脈波計や心電計などの接触型デバイスが用いられているが,不快感や皮膚アレルギー等の問題が指摘されている.一方,レーダを用いた非接触心拍測定が注目を集めているが,姿勢や体動による精度低下が報告されており,測定された心拍数の精度を推定する手法が不可欠である.本研究では,受信信号の特徴を用いた心拍測定精度の推定法を提案し,その性能を評価する.
B-3. 衛星通信
3月19日 9:15〜11:30 52号館 102教室 座長 辻 宏之(NICT)
B-3-1 |
無線通信用鉄塔点検へのドローン活用に関する一検討
○柴山大樹・原田耕一・野村智之・五藤大介・山下史洋(NTT) |
B-3-2 |
地上/UAV共用携帯電話システムのSTBC適用による性能改善
◎粂野康司・岡本英二(名工大)・辻 宏之・三浦 周(NICT) |
B-3-3 |
無人航空機を用いたユーザ位置検出における初期値選定手法の拡張
○斉藤祐貴・堀川裕貴・石川博康(日大) |
B-3-4 |
無人航空機を用いた位置検出手法における最大誤差推定方式の検証
○堀川裕貴・斉藤祐貴・石川博康(日大) |
無線通信用の鉄塔の点検の安全性向上に向けた取り組みとして,ドローンを利用した撮影映像による点検の実施方式および実地検証結果について述べる
これまで地上/UAV共用携帯電話システムの伝送スループットを計算機シミュレーションにより算出し,十分な性能が得られていることを明らかにしてきた.さらに,code division multiplexing (CDM) 適用によるダイバーシチ効果を得る手法,及びOFDMAのリソース割り当てスケジューリングによる性能改善について検討を行った.しかしながらその伝送特性にはまだ改善の余地があった.そこで本稿では,地上/UAV共用携帯電話システムにおいて,space-time block code (STBC) を適用し,送信ダイバーシチ効果による伝送性能改善が可能であることを示す.
無人航空機システム(UAS: Unmanned Aircraft System)では,時速40~100km/hで高度150~1,000mの上空を無人航空機(UAV: Unmanned Aerial Vehicle)が旋回飛行することを想定していることから,UAV-送受信機間の視線速度の変化によって生じるドップラーシフトを複数のUAVに対して観測することにより,ユーザの位置検出が可能となる.これまで,最小二乗法の初期値を選定するアルゴリズムである,初期値選択アルゴリズムを提案し,評価解析を行ってきた.同提案アルゴリズムでは,複数ある候補の中から適切な初期値を選択できないケースが生じる.
そこで,本研究では,アルゴリズムの拡張を図り,円旋回する2機のUAVによる飛行モデルで評価したのでその結果を報告する.
無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)と地上制御局等から構成される無人航空機システム(UAS:Unmanned Aircraft System)では,UAVが周回飛行することによりUAV-ユーザ端末間の送受信信号の周波数にドップラーシフトが生じる.このドップラーシフト量を観測することで,ユーザ端末の位置を検出することが可能である.我々はこれまで,ドップラーシフトに基づく測位精度指標,並びに,測位精度指標に基づく最大・最小位置検出誤差推定方式を提案した.
本研究では,2機のUAVが円旋回するモデルにおいて,最小2乗法による位置検出誤差特性と,位置検出誤差推定方式により導出した最大推定誤差との関係を評価・解析し,同推定方式の有効性を検証したので,その結果を報告する.
休 憩(10:30 再開) 座長 柴山大樹(NTT)
B-3-5 |
直接波測位時間率によるリレー型GPSの送信周期の検討
◎村井宣文・早川俊成・杉山隆利(工学院大) |
B-3-6 |
高層ビル郡環境におけるGPS反射回数に基づく擬似距離近似制御法の提案
◎早川俊成・村井宣文・杉山隆利(工学院大) |
B-3-7 |
クリッピングとフィルタリングを用いた帯域分解合成伝送の隣接チャネルに与える影響
◎小俣澄夏・白井 基・杉山隆利(工学院大)・浦田 泉・山下史洋(NTT) |
B-3-8 |
スペクトラム圧縮伝送へのMLD適用によるマルチチャネル環境下でのシステムスループット向上効果
◎白井 基・小俣澄夏・杉山隆利(工学院大) |
近年,携帯端末などの位置情報を取得する手段としてGPS(Global Positioning System)が広く普及しているが, 都市環境においては障害物によって測位に必要な4機以上のGPS衛星からGPS信号を受信できずに測位が不可能になる場合がある.この問題を解決する手法としてリレー型GPSが提案されている.しかし, リレー型GPSの擬似衛星携帯端末はスマートフォンなどの携帯端末を使用することを想定しているため,バッテリーの消費電力の問題上GPS衛星のように常時GPS信号を送信するわけにはいかない.本稿では,目標のGPS受信機の直接波測位時間率と擬似衛星携帯端末のGPS信号送信周期との関係をシミュレーションにより明らかにしたので報告する.
近年GPS衛星を使った測位が広く普及をしている.しかし高層ビル群環境では多数反射波を受信する.反射波の擬似距離をそのまま測位演算に利用した場合,測位精度が劣化する問題がある.そこでGPS受信信号電力から反射回数を推定し,反射回数ごとに反射波の擬似距離から直接波の擬似距離へ近似を行う擬似距離制御法を提案する.本稿では,擬似距離近似制御法の測位誤差改善効果を従来のGPS測位と比較して計算機シミュレーションによって評価する.
衛星通信では回線交換ベースの要求多元接続方式によって生じる未使用帯域が散在することで,周波数の有効利用が実現できない問題がある.これを解決する方法として帯域分解合成伝送が検討され,その有効性が示されている.さらに,サブスペクトラムへの分解数に伴い増大するPAPR をクリッピングにより低減させる方式が提案され,その特性も評価されている.本稿では,クリッピングを適用した帯域分解合成伝送信号が隣接チャネルに与える影響を計算機シミュレーションにより評価する.
近年,周波数帯域の枯渇が深刻化しているため,「スループット/所要帯域幅[bps/Hz]」で定義される周波数利用効率を向上させる技術が必要となっている.そこで,スループットを出来るだけ維持したまま,変調スペクトラムの所要帯域幅をナイキスト帯域幅未満に狭帯域化することで周波数利用効率を向上させるスペクトラム圧縮伝送が提案され,その有効性が示されている.しかし,圧縮伝送ではISIの影響により伝送品質が劣化してしまう.そこで,伝送品質改善のために,圧縮伝送にMLD(Maximum Likelihood Detection)の適用を検討してきた.本稿では,MLDを適用した場合のマルチチャネル環境下におけるシステムスループット向上効果を定量評価したので報告する.
3月19日 13:15〜17:00 52号館 102教室 座長 山下史洋(NTT)
B-3-9 |
ニーズに合わせて通信容量や利用地域を柔軟に変更可能なハイスループット衛星通信システム技術の詳細設計の状況
○三浦 周・森川栄久・吉村直子・岡田和則・織笠光明・大川 貢・若菜弘充・山本伸一・高橋 卓(NICT)・川本雄一・加藤 寧(東北大)・坂井英一・須永輝巳・堀江延佳・金指有昌・角田聡泰(三菱電機)・川崎和義・菅 智茂・佐藤正樹・小園晋一・大倉拓也・阿部侑真・豊嶋守生(NICT) |
B-3-10 |
ハイスループット衛星通信システムの状態変化を考慮した周波数フレキシビリティ性の定量評価に関する一考察
◎亀井大樹・川本雄一・西山大樹・加藤 寧(東北大) |
B-3-11 |
ハイスループット衛星通信システムにおけるACMに対する非線形歪の影響
○大川 貢・若菜弘充・三浦 周(NICT) |
B-3-12 |
ハイスループット衛星における周波数フレキシビリティの性能とトラヒック変動の特徴量に関する一考察
◎阿部侑真・大川 貢・三浦 周・岡田和則・秋岡眞樹・豊嶋守生(NICT) |
B-3-13 |
技術試験衛星9 号機搭載用 マイクロ波モジュール試作評価について
○角田聡泰・稲沢良夫・尾野仁深・草野正明・須永輝巳・金指有昌・堀江延佳・坂井英一(三菱電機) |
B-3-14 |
技術試験衛星9号機搭載 可変ビーム用アンテナの基本設計
○金指有昌・高谷侑希・稲沢良夫・尾野仁深・草野正明・須永輝巳・角田聡泰・堀江延佳・坂井英一(三菱電機) |
B-3-15 |
ハイスループット衛星通信システムにおけるビーム指向性制御を伴った効率的な電力リソース割当に関する検討
◎高橋昌希・川本雄一・西山大樹・加藤 寧(東北大) |
大容量化と周波数割当のフレキシビリティを主眼とする衛星通信技術の確立を目的とした「ニーズに合わせて通信容量や利用地域を柔軟に変更可能なハイスループット衛星通信システム技術の研究開発」の詳細設計を実施した。平成28年度に研究開発を開始し概念設計・基本設計を実施し、平成30年度は詳細設計フェーズである。設計進捗に伴う中継器構成の見直しと最終化、解析モデルの環境軸変化に関する検討や制御システムの時間変化に対する動的性能の検証、最終年度に行う総合評価の詳細検討を進めている。またチャネライザとアンテナ/給電部の開発では衛星搭載用試作モデルの基本設計を完了し基本設計審査を受審し、詳細設計を行っている。
今日,航空機インターネットや海底資源調査船での通信といった地上通信網の届かない地域などに通信環境を提供する衛星通信に注目が集まっている.近年では,高速・大容量通信を実現するHTSの研究・開発が進んでいる.しかし,現在のHTSでは各ビームへの周波数リソース割当が固定であり,通信リソースの有効利用ができていないのが現状である.そのため、HTSのフレキシビリティ性を付与する技術の研究・開発が進んでいる.本研究グループでは,これまでにHTSのフレキシビリティ性の定量的な評価を可能とするシステム解析モデルの構築に取り組んできた.本研究では,これまでのシステム解析モデルを拡張させた上で,デジタルチャネライザを用いた周波数リソース割当手法のフレキシビリティ性の評価を実施する.
近年, ハイスループット衛星通信(HTS)システムにおいて,多値変調方式を用いた適応通信(ACM: Adaptive Coding and Modulation)が使用され,周波数利用効率の向上が図られている.ヨーロッパ(ETSI)で規格化されたDVB-S2XはBPSKから256APSKまでの変調方式が設定され,種々の性能評価が行われている.中継器の非線形歪みの影響もその一つであるが,多値数が多くなると非線形歪みによりBER特性が劣化する.また,複数波が共通増幅された場合,相互変調干渉の影響を受ける.ACMの前処理で非線形特性を理想的に補償する技術が有効であるが,ボルテラフィルタを用いた非線形歪補償の効果および相互変調雑音(IM)を低減する周波数チャネル配列について検討した.
近年,ブロードバンド衛星通信の需要増加に伴い,大容量なハイスループット衛星が求められている.さらに,通信トラヒックの変動に合わせて柔軟に割り当て帯域を変更できる周波数フレキシビリティ機能も重要である.これまで,航空機トラヒックや災害時トラヒックの時間変動の解析や周波数フレキシビリティの評価が行われてきた.本稿では,着目すべきトラヒック変動の特徴量を検討し,シミュレーションによってその特徴量と周波数帯域割り当てアルゴリズムの性能指標を比較する.
技術試験衛星9号機では、Ka帯のHTS衛星に向け利用周波数帯域のフレキシビリティ化による周波数利用効率向上と空間的変動に対応したフレキシビリティ(エリアフレキシビリティ)の実現を目指した研究開発を行っており、採用を検討しているモジュールについて評価結果を報告する.
平成33年度に打ち上げ予定の技術試験衛星9号機の開発に関し,平成29 年度~平成31年度(予定)にて,総務省委託研究「Ka帯広帯域デジタルビームフォーミング機能による周波数利用高効率化技術の研究開発」を受託した.ディジタル回路を利用し振幅位相を制御することで可変ビームを生成し,空間的変動に対応したフレキシビリティ(エリアフレキシビリティ)を実現できる中継器等を開発中である.本稿では搭載用に開発している,可変ビーム用アンテナの基本設計の結果を報告する.
衛星通信ネットワークにおける利用用途の多様化に伴い,衛星通信システムにおける通信需要が年々増加している状況下で,大容量通信を可能とするHTS(High Throughput Satellite)の研究開発が進んでいる.しかしながら,現行のHTSではマルチビームへの電力リソース割当が固定であり,通信需要の変動に対応不可能である点が課題である.近年では,通信需要の変動に合わせて各ビームの電波を柔軟に制御可能な機能としてビームフォーミングが注目を集めている.本稿では,ビームフォーミング機能を持つマルチポート増幅器が搭載されたHTSから地上へ複数のビームが照射される状況を想定し,通信需要の地理的偏りに応じた柔軟性の高い電力リソース割当手法を提案する.
休 憩(15:15 再開) 座長 筋誡 久(NHK)
B-3-16 |
BFNにおける励振位相量子化による利得劣化の考察
○尾野仁深・稲沢良夫・角田聡泰・須永輝巳・草野正明・金指有昌・堀江延佳・坂井英一(三菱電機) |
B-3-17 |
ゲーティング処理を用いたアレーアンテナの系統誤差校正の測定パラメータ解析
◎大倉拓也・三浦 周・織笠光明(NICT)・仙波新司(アクシス) |
B-3-18 |
スペクトラム分解伝送による干渉回避に関する一検討
○山下史洋・五藤大介・今泉 豊・原田耕一(NTT) |
B-3-19 |
深層学習を用いた2波LEO-MIMO制御信号のドップラー周波数推定
○桶間 椋(名大)・五藤大介(NTT)・山里敬也(名大)・柴山大樹・山下史洋(NTT) |
B-3-20 |
複数低軌道(LEO)衛星を用いたMIMO伝送による大容量化の検討
○五藤大介・山下史洋・柴山大樹(NTT)・山里敬也・桶間 椋(名大) |
B-3-21 |
衛星通信における高可用基地局構成の提案
○松井宗大・松下 章・今泉 豊・原田耕一・山下史洋(NTT) |
B-3-22 |
離島衛星通信のKu帯統合化に向けた品質確認に関する一検討
○原田耕一・今泉 豊・五藤大介・山下史洋(NTT) |
静止通信衛星システムにおけるニーズに応じたリソース配分のエリアフレキシビリティ向上に向けて,DBF (Digital Beam Forming)技術の開発を行っている.DBFはデジタル移送器を用いたAPAA(Active Phased Array Antenna)に比べてより細かな位相制御が可能なため,ビーム形状のフレキシビリティの向上が見込める.今回,DBFとAPAA方式との比較として,特定規定点利得の最適化をした理想的な励振位相と,特定のビット数で量子化した励振位相とで,ビームの形状や利得の比較を行った.これにより,量子化ビットの精度向上による利得向上を確認した.
DBF アレー給電反射鏡アンテナにおいて所望の指向性を精度良く形成するためには給電部の系統誤差の校正が重要であることから,軌道上において系統誤差を衛星内で直接測定,校正する自己校正技術の確立を目指している.これまでに,ピックアップアンテナを用いてアレー給電部との結合特性を測定し,ゲーティング処理により給電部の各素子の振幅及び位相を推定し,あらかじめ取得した基準値との差分から校正係数を算出する手法を提案している.本報告では,ゲーティング処理における時間幅の変化に対するピックアップアンテナの検出量の変化を明らかにし,時間幅が0.05 µs以下で振幅は0.5 dB以内,位相は2 deg.程度の差で変化量を検出可能であると確認できた.
スペクトラム分解伝送を干渉波回避に適用した検討結果を報告する。
本稿では,複数の低軌道(LEO)衛星を用いたMIMO通信(LEO-MIMO方式)において,伝送容量向上の為に衛星間の全信号を重畳させ,端末では深層学習によるドップラー周波数推定を行う手法を提案する.衛星の様なチャネルモデルや通信状況が地上に比べてシンプルな環境では,ある程度受信パターンが制限されるため,機械学習によるブラインド推定で検出できる可能性がある.本稿ではそれぞれ異なるドップラー周波数が発生する2衛星の重畳信号の受信波形情報から,深層学習によるドップラー周波数推定を行うことを検討する.
筆者らは,低軌道衛星(LEO)システムにMIMO技術を適用するLEO-MIMOの検討を行っている.本システムはLEOが複数衛星を用いる特徴を生かし,複数アンテナを所有した端末局が複数のLEO衛星と同時に通信を行うMIMO伝送を行うものである.本稿では,複数衛星からの同時伝送を考慮した帯域割当を想定した伝送容量評価を報告する.
本稿では、複数の小型アンテナを連携させる分散アレーアンテナ技術及び,高出力増幅器を冗長構成にした適応冗長HPA構成技術を組み合わせた、高可用基地局構成を提案する。
NTTでは,これまで地球局の可搬性の観点から,Ku帯を用いた災害対策用衛星通信システムと,サービスエリアの広域性の観点から,C帯を用いた離島衛星通信システムを開発してきた.一方で,近年船舶や航空機でのKu帯の利用が進み,Ku帯のサービスエリアが拡大傾向にあることから,現在C帯でサービス提供している離島衛星通信をKu帯に統合化する検討を開始した.
本稿では,離島地域でのKu帯の通信品質を把握するための初期検討状況を報告する.
3月20日 9:15〜11:30 52号館 102教室 座長 小島政明(NHK)
B-3-23 |
ニューラルネットワーク型DPDによる低バックオフ動作時のEVM改善
○安藤暢彦・田島賢一(三菱電機) |
B-3-24 |
Preliminary Design of an Intersatellite Lasercom Experiment Between a LEO CubeSat and a GEO Relay Satellite
○Alberto Carrasco-Casado・Dimitar Kolev・Yasushi Munemasa・Hiro Kunimori・Morio Toyoshima(NICT)・Do Xuan Phong・Takayuki Hosonuma・Shinichi Nakasuka(The Univ. of Tokyo) |
B-3-25 |
大気ゆらぎ予測モデルの経時による適合度低下について
○竹中秀樹・遠藤寛之・藤原幹生・北村光雄・都筑織衞(NICT)・清水亮介(電通大)・佐々木雅英・豊嶋守生(NICT) |
B-3-26 |
ハイスループット衛星通信システムにおけるビームホッピング利用とフレキシビリティ性の関係に関する一考察
○川本雄一・加藤 寧(東北大) |
衛星搭載向け増幅器では,その動作点を低バックオフに設定することが一般的である。しかし、増幅器の非線形性により歪みが発生するため、歪み補償(DPD)の適用が有効である.DPDの方式は多項式型が一般的であるが、多項式型DPDは低バックオフ領域での補償精度が悪い。
本発表では、多項式型とは動作原理が異なるニューラルネットワーク型DPDを用いて低バックオフ領域における補償精度をシミュレーションにより求め、多項式型より補償精度が良いことを示す。
NICT and the University of Tokyo are preparing an experiment to demonstrate the technologies needed to perform LEO-GEO intersatellite lasercom links by using a CubeSat as the LEO terminal for the first time with the goal to achieve datarates as high as 10 Gbit/s to communicate with the ETS-IX GEO satellite. Some of the biggest challenges of this mission are the extremely low size, weight and power available in the CubeSat, the accurate pointing precision required for the lasercom link, and the difficulties of closing the link at such a high speed as 10 Gbit/s.
近年,衛星機器に搭載されるセンサ類の高性能化に伴い,衛星通信における通信速度の向上が求められている.現在,宇宙通信で広く使われている電波通信においては,電波干渉問題やキャリア周波数の制限などから,通信速度の高速化は困難である.そのため,解決策の一つとして衛星光通信が注目されている.
衛星光通信では,地表における大気ゆらぎの影響により,受信光強度が時々刻々とランダムに変化し,通信品質を著しく劣化させる.しかし,この受信光強度の変化は完全にランダムな現象では無く,これまでの時系列情報と相関を持っている.そのため,この相関を利用することで受信強度の予測が可能になると考えられる.
本講演ではこの点に着目し,機械学習を用いた受信光強度の予測法の検討について述べる.また,機械学習結果からある一定時間経過した場合の入力データでの予測と比較し,当該手法の拡張性を検討する.
衛星通信システムの高速化・大容量化への需要の高まりに伴い,ハイスループット衛星 (HTS: High Throughput Satellite) の開発が進んでいる.またHTS実現のための技術の一つとしてビームホッピング技術に注目が集まっている.ビームホッピング技術ではHTSが有する複数ビームの照射位置を一定時間毎に切り替えて利用することで衛星に搭載する信号増幅器数を削減可能となり,システムのコスト削減につながる.本稿ではこのビームホッピング技術を搭載したHTSの性能評価として,我々の研究グループがこれまで評価モデルの構築に取り組んできたフレキシビリティ性[1]に与える影響について検証した結果について報告する.
休 憩(10:30 再開) 座長 髙橋 卓(NICT)
B-3-27 |
Ground-to-Satellite Laser Uplink Pre-Compensation Study for Future Missions in NICT
○Dimitar Kolev・Alberto Carrasco-Casado・Yoshihiko Saito・Morio Toyoshima(NICT) |
B-3-28 |
光通信デバイスの衛星搭載用途スクリーニング手法の検討
○中村純一・小竹秀明・合田拓朗・橋本陽一・大島 浩(NEC) |
B-3-29 |
光コヒーレント送受信部の衛星搭載に向けた放射線耐性評価
○安藤俊行・原口英介・長谷川清智・松田恵介・竹本裕太・矢島雄三(三菱電機) |
B-3-30 |
光周波数雑音特性に基づくアナログ光位相制御回路の設計
○原口英介・安藤俊行(三菱電機) |
Satellite laser communications, especially the optical feeder link possibilities between ground and geostationary (GEO) satellites, are gaining popularity because of the low size, weight and power consumption together with much higher possible data rates compared to radio-frequency-based solutions. For efficient uplinks, however, uplink beam pre-compensation technique is required and different solutions are investigated. In this paper we discuss the current available solutions and their problems and propose our simple solution that we are developing at the moment.
衛星通信の大容量化のニーズが高まる中、衛星搭載用10 Gbit/s級光空間通信コンポーネントの開発を進めている。この開発にあたり、衛星搭載向けに製造された光通信デバイスは無く、品質保証されたデバイスの入手が課題であった。今回、開発中のコンポーネントに地上用光通信デバイスを使用するべく、宇宙環境耐性を確認・確保するためのスクリーニング手法を検討したので報告する。
将来の10Gbps超級の光衛星通信や衛星搭載光ビームフォーミングには、高感度な光コヒーレント送受信技術が有効である。ここでは地上用の光コンポーネントによる実現に向け、キーコンポーネントである狭線幅基準光源の放射線耐性評価を行ったので報告する。
多値度が高い変調方式ではシンボル間のSN比確保の為,狭線幅,高安定な光源が求められている.また,衛星間光通信に用いられるようなアナログコヒーレント光通信や,光位相同期による光周波数変換では,光位相雑音の特性が重要なパラメータとなる.ここでは光源の線幅狭窄化を例として,光周波数雑音の特性を用いたアナログ光位相制御回路の設計結果について述べる.
B-4. 環境電磁工学
3月19日 13:15〜17:00 54号館 404教室 座長 後藤 薫(NICT)
B-4-1 |
チャネルボンディングを考慮した5GHz帯Wi-Fiチャネル決定アルゴリズムの提案
○吉岡 博・野瀬昇一・平澤徳仁・伊藤秀紀・西脇 博(NTT東日本) |
B-4-2 |
既存の無線通信による5Gの通信品質への影響評価
○大室雅司・池本喜代美・石渡 祐(村田製作所) |
B-4-3 |
伝導ノイズによるL2スイッチの通信品質劣化メカニズム解明
○マハムド ファーハン・岡本 健・奥川雄一郎・加藤 潤(NTT) |
B-4-4 |
10-50 MHzインプラントIR通信における波形等化に関する一検討
◎藤井雄基・山田亮祐・安在大祐・王 建青(名工大) |
IEEE802.11n等のWi-Fi通信規格においては、複数のチャネルを束ねて通信するチャネルボンディング等により高速化が図られている。NTT東日本においても、それらの高速化技術を採用したギガらくWi-Fi等の通信サービスを提供しており、円滑なサービス運用に務めている。近年は、Wi-Fi利用者の急増に伴うアクセスポイント(AP)の増加により、電波干渉が発生しやすい状況となっている。本稿では、混雑した環境においても電波干渉が少なく、高いスループットが得られるチャネルを決定するチャネルボンディングを考慮したアルゴリズムを提案する。
次世代通信規格5Gではミリ波帯の採用が決定されたが,イントラEMCで問題となる既存の無線通信から発生するスプリアスの影響が明らかとなっていない.そこで,本稿では外来ノイズとして5Gの信号周波数に近接するノイズがミリ波回路に結合した際の影響を評価した.結果,LO信号にノイズが結合することで5Gの通信特性に影響を与えるスプリアスが発生することを確認した.
筆者らは,伝導ノイズによるL2スイッチ(L2SW)等のネットワーク機器の通信品質劣化の予測に向け,伝導イミュニティ評価法や,通信品質劣化メカニズムの解明について検討している[1].本稿では,L2SWの動作に基づいて伝導ノイズによる通信品質劣化メカニズムを推定し,実験により検証した結果を報告する.
近年,生体情報のセンシングから診断・治療までを統合するインプラント通信が期待され,その実現には微弱無線周波数帯の活用が注目される.インプラント通信では,人体内の電波伝搬により信号に歪みが生じ,符号間干渉が発生するため,信頼性の高い高速伝送の実現には符号間干渉の影響を除去することが不可欠である.先行研究においては、10-50MHz帯IR(Impulse Radio)方式での波形等化を適用することで通信特性の改善が確認されている.本研究では,更なる高速な20Mbpsの伝送速度において波形等化による通信特性の改善効果について検討し,その有効性を示す.
休 憩(14:30 再開) 座長 花澤理宏(UL Japan)
B-4-5 |
金属平板とスイッチを用いた電磁界攪拌機の動作周波数の広帯域化に関する検討
◎濱本将太郎・須賀良介(青学大)・滝沢幸治(TDK)・橋本 修(青学大) |
B-4-6 |
kHz帯からMHz帯における銅メッシュの近傍磁界シールド効果に対する設計チャート
土屋明久(産総研)・◎瀬戸貴大・吉原岳志・須賀良介(青学大)・菅間秀晃(産総研)・橋本 修(青学大) |
B-4-7 |
電磁ノイズ抑制のためのCo-Zr-Nb膜を配置したCPWの配線抵抗
○室賀 翔(秋田大)・遠藤 恭(東北大)・田中元志(秋田大) |
B-4-8 |
散乱マイクロ波測定による電解質の濃度推定
◎渡辺智章(秋田高専)・黒澤孝裕(秋田県産技セ)・駒木根隆士(秋田高専) |
B-4-9 |
放熱性能を考慮した電磁シールド用パンチングメタル形状の検討
○若槻友里・渡辺哲史(岡山県工技セ) |
電磁界攪拌機は,電波の反射方向及び反射量を変化させ,空間に均一な電磁界を発生させる装置であり,その小型化が要求されている.
筆者らは小型な電磁界攪拌機として一列に並べた金属平板をスイッチで接続し,スイッチのON,OFFによりRCS(Rader Cross Section)を変化させる構造について検討している.
本研究では動作周波数の広帯域化を目的として,電界方向の金属平板寸法の変化によるRCSの周波数特性を電磁界解析により評価した.
kHz帯からMHz帯における近傍界の漏洩磁界を遮蔽する方法として金属製のメッシュ材料が用いられており,その寸法と磁界シールド効果の関係が報告されている.しかし,漏洩磁界を遮蔽したい周波数とメッシュ材料の寸法の関係についての報告は少ない.本稿では,文献で表される理論式を応用し,メッシュ材料の近傍界における磁界シールド効果を計算し,任意の磁界シールド効果が得られる設計チャートについて検討した.
磁性膜の強磁性共鳴(Ferromagnetic resonance, FMR)損失を用いて電磁ノイズエネルギーを制御する手法が提案されているが,設計指針は確立されていない。本研究では,伝導ノイズ抑制を目的として信号線幅8 um,線路長2 mmのコプレーナ線路(CPW)上に膜厚0.5 umのCo85Zr3Nb12(Co-Zr-Nb)膜を配置した場合について,CPWの配線抵抗への影響を磁気回路を用いて定量的に導出した。配線抵抗の解析値は実験値とおおよそ一致し,実効的なFMR周波数6.7 GHzにおいて約35 Ωの極大値を得た。さらに,FMR損失による配線抵抗の増加が極大となる周波数およびその極大値の膜厚依存性を磁気回路により導出し,電磁ノイズ抑制体の設計パラメータを考察した。以上の結果より,本研究で提案する磁気回路が設計に有用であることを示した。
液体の濃度を,試料のサンプリング不要で非接触で推定するために,マイクロ波の散乱強度と高周波誘電率の関係を利用する手法を検討した.食塩濃度を変えた実験の結果,散乱波電力スペクトラムの中で,電力が大きい2GHz帯の成分における塩分濃度と受信電力の関係は塩分濃度の上昇に対して受信電力が単調に減少し,報告されている電解質溶液の誘電率の濃度変化と傾向一致した.このことから,あらかじめ濃度が分かる試料を測定してリファレンスとすることで,塩分濃度と散乱波受信電力から濃度推定が可能であることが示された.
電子機器の筐体に用いるパンチングメタル構造には十分な電磁シールド性能と放熱性能が同時に求められる.このような構造の設計を目的として,本報告では理論式から,パンチングメタルの形状に対する漏えい磁界および圧力損失の関係を求め,電磁シールド性能と放熱性能を両立するための形状を検討した.圧力損失係数がパンチングメタルの開口率に依存し絶対的な孔半径の影響は小さいのに対し,漏えい磁界の方は孔半径の値が大きく影響するため,シールド性能と放熱性能を両立させるためには孔半径を極力小さく,かつ開口率が大きくなるような形状にする必要がある.
休 憩(16:00 再開) 座長 豊田啓孝(岡山大)
B-4-10 |
ESD電流をハーネスに印加した時の特性解析
◎侯 俊・上 芳夫・肖 鳳超・萓野良樹(電通大) |
B-4-11 |
ウェアラブル機器の静電気放電の等価回路
◎張 戈弋・上 芳夫・肖 鳳超・萱野良樹(電通大) |
B-4-12 |
ESD間接放電試験環境における垂直結合板近傍での電界分布測定
◎森永育宏・長井渓之介・安在大祐・王 建青(名工大) |
B-4-13 |
基板内配線に誘起されるESDノイズ電圧の定量的評価
○堀口嵩浩・中本藤之・福井範行・宮崎千春(三菱電機) |
静電気放電(ESD)現象とは,ある物体の電荷が突然他の物体に向けて激しく放たれる現象である.このような静電気放電は電子回路に誤作動を引き起こしたり,回復不能な損傷を与えたりする可能性がある.シミュレーションはESD対策を見つけることに役立つ.
ESDガン等価回路と連携し,3 次元電磁界フルウェーブ解析シミュレータを用いたシミュレーションはESDガンの製品の質,特性,使い方によっては試験に影響を及ぼすことの影響を考慮しなくて済み,また試験場を構築する必要もなく試験できるため有効である.
本研究では,ISO規格に従ってハーネスのESD耐性のシミュレーションにESDガン等価回路と連携する方法を検討することである。
近年,ウェアラブル製品が急速に普及してる.ウェアラブル機器が人体装着するとき,静電気放電(ESD: Electrostatic discharge)より,他の電子機器に損傷を与えたり, 他の電気製品の影響を受けるという問題がよくある. この潜在的リスクを考慮し,ウェアラブル機器のESD耐性を検証する必要がある.シミュレーションよりESD耐性を検証するとき,電流波形が模擬的に発生できる等価回路モデルを設計する必要がある.
本研究では,先行研究の実測されたウェアラブル機器の放電電流波形より,人体の異なる位置に装着しているウェアラブル機器の静電気放電の等価回路を求めることを目的とする.
近年普及しているウェアラブル機器に対し,国際電気標準会議規定のIEC 61000-4-2に準拠した静電気放電 のイミュニティ試験を行うことで,外部電磁界に対するイミュニティ性能を確認する必要がある.しかし,IEC61000-4-2 では試験対象の詳細な位置が規定されていないことに加え,垂直結合板から発生する電界が一様でない場合,試験配置によってEUT が受ける影響が異なると考えられる.そこで本研究ではイミュニティ試験結果の試験対象配置位置依存性を検討することを目的として垂直結合板近傍での電界分布の測定を行った.
本発表では,ESD試験を模擬した電磁界解析モデルを構築し,製品を想定した評価基板に生じるノイズ電圧が定量的に評価可能となったことを示す.
3月20日 9:00〜11:45 54号館 404教室 座長 萓野良樹(電通大)
B-4-14 |
周期構造を有する隣接差動線路間のディファレンシャルモードクロストークの低減メカニズム
◎王 晨宇・竹田大晃・五百旗頭健吾・豊田啓孝(岡山大) |
B-4-15 |
Sパラメータを用いた差動伝送用ケーブルの対内スキュー解析
○杉山剛博(日立金属) |
B-4-16 |
多導体伝送線路のクロストーク低減のための固有モードに着目した伝送方式に関する検討
◎佐藤匠弥・松嶋 徹・福本幸弘(九工大) |
B-4-17 |
コモンモードノイズによる誤動作発生の指標となるICの波形観測の検討
○佐々木秀勝・佐野宏靖(都産技研) |
B-4-18 |
PLCのスケールモデルに対するコモンモード電流の解析
◎小池大一朗・三島脩平・松嶋 徹・福本幸弘・市坪信一・奥村浩幸(九工大) |
本稿では,多線条線路系でのクロストーク現象の解析理論によって,周期構造を有する隣接差動線路間におけるこれらディファレンシャルモードクロストークの低減メカニズムを調べたので報告する.ディファレンシャルモードのみに着目した理論式から得られた結果は,3次元電磁界シミュレータANSYS HFSSで得られた結果と概ね一致した. まだ,周期構造を有する場合,ディファレンシャルモードにおける偶モードと奇モードの特性インピーダンスと位相定数の値の差は通常構造の場合に比べて小さくなっており,クロストークが低減したことが理論式より見て取れる.以上により,ディファレンシャルモードにおける偶モードと奇モードの特性インピーダンスと位相定数に着目することで周期構造導入によるクロストーク低減メカニズムを説明できた.
差動伝送用ケーブルでは,2芯の線路間に製造上のばらつきに起因する僅かな伝搬時間差(対内スキュー)がある.近年のデータ伝送速度の高速化に伴い,僅かな時間差でも信号品質に与える影響が無視できなくなっており,対内スキューの低減が課題となっている.本報告では,差動伝送用ケーブルのSパラメータを使って対内スキューの導出を実施,対内スキューの劣化要因について分析した.その結果,対内スキューは,ケーブル2芯の対称性に関係するパラメータと,差動モードと同相モードの伝搬時間差の関係するパラメータの積に関係していることを明らかにした.
信号伝送において、クロストークや多チャンネル化による信号本数の増加などの課題がある。本報告では伝送線路の固有モードに着目しクロストークを抑制する伝送方式について検討しており、今回は4線の信号線を用いた10mケーブルをモデルにシミュレーションを行った。その結果、これまでの信号伝送においてクロストークによりアイパターンが閉じているのに対して、提案法についてアイパターンの開口は十分であった。
コモンモードノイズにより誤動作した電子機器の対策として、コモンモードノイズを直接低減する方法が一般的に用いられている。しかし、低減するレベルの具体的な指標が示せないことが課題である。この課題を解決する方法として、コモンモードノイズによる誤動作時のIC端に発生するディファレンシャルモードノイズの周波数成分に着目し、誤動作との関係を調査した。また、パルスノイズに対しても同様の結果が得られることを確認した。
大規模構造物であるPLC回路網の電磁特性を評価するためにスケールモデルを構築した。このモデルの実測とシミュレーション、および実スケールモデル(実モデル)の実測の結果を比較したところ、傾向はよく一致したが、スケールモデルの実測が大きくなるという結果が得られた。これは周波数が高くなることで無視できなくなった、終端や始端の寄生容量の影響をシミュレーションで再現しきれていないことが原因だと考えられる。
休 憩(10:30 再開) 座長 肖 鳳超(電通大)
B-4-19 |
2つのLCL計算式の同一性について
○脇坂俊幸・三村政博・古賀久雄(パナソニック)・桑原伸夫・松嶋 徹・福本幸弘(九工大) |
B-4-20 |
FDTD法を用いた有限なグランド平面の電位変動によって生じる電磁ノイズ現象の定量化
◎△神野崇馬・木虎秀二・土岐 博・阿部真之(阪大) |
B-4-21 |
両側磁気結合を用いたノイズフィルタのIC動作状態における性能検証
○小林玲仁・大和田 哲・宮崎千春(三菱電機) |
B-4-22 |
層間ズレによる特性変動を抑制可能なESLキャンセル回路の実測結果
○熊本武文・米田 諭・廣瀬健二・小林玲仁・佐々木雄一(三菱電機) |
B-4-23 |
PSD手法を用いたビアレス・オープンスタブ型EBG構造の設計
◎金尾 奨・奥山友貴・五百旗頭健吾・豊田啓孝(岡山大) |
現在,LCLは通信機器の試験時に使用されるISN (Impedance Stabilization Network)の平衡度を評価するための指標として広く使用されている.平衡度は,グラウンドを含む被測定機器の通信ポートを見たT型の回路で表す事により理論値を求めることができるが.異なる方法で求められた2つの式があり,これが同一のものであるのか不明であった.今回,2つの式の同一性について検証を行ったので報告する.
我々の研究グループでは、これまでにマクスウェル方程式とオームの法則、連続の式から導出した電位と電流に関する伝送方程式を用い、2次元平面回路における数値計算を実現した。
数値計算では、FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法を用いて時間領域で数値計算を行う。
一般的に、分布定数回路理論を用いた計算ではグランド導体は無限の大きさを持つ導体として見なされているため、その形状による影響を考慮することができない。そこで本報告では、有限な大きさを持つグランド平面内の電位変動が及ぼす電磁ノイズ現象を一般的な2本線回路と我々がこれまで提案してきた3本線対称化回路を用いて定量化した。
これまで、シャントコンデンサで構成されるノイズフィルタの高周波領域の性能向上のため、両側磁気結合フィルタを提案した。本稿では、IC搭載の評価基板を作成し、実使用条件と同等のIC動作状態における、両側磁気結合フィルタのフィルタ性能を実測評価した。その結果、両側磁気結合フィルタは、IC動作状態における実機と同等の負荷インピーダンス条件においても、従来の磁気結合の無いフィルタよりフィルタ性能が向上することを明らかにした。
層間ズレによる特性変動を抑制可能なESLキャンセル回路について検討した。直交配置型矩形結合ループを用いると,垂直積層型矩形結合ループを用いる場合よりも100kHz~1GHzにおけるSdd21のばらつきが抑えられるとともに,最大劣化量も約22dBから約5dBに低減できることがわかった。また,設計結果と実測結果もよく一致した。
多層プリント回路基板に実装された部品や回路間で電磁干渉が発生するイントラEMCで問題となっているGHz帯のノイズ対策として電源とグラウンド層の2層で構成できるビアレス・オープンスタブ型EBG構造を我々は提案している.
ビアレス・オープンスタブ型EBG構造の実用化に向け,PSD手法を用いて阻止域の拡大と阻止量(減衰定数)の増加を解析的に検討した.阻止域を拡大すると減衰定数が小さくなるというトレードオフの関係がある場合において,複数の構造パラメータwb,ws,aを同時に設計できる.
結果として,PSD手法で得られた構造パラメータの範囲解は従来設計で得られた値を含んでいる.そして,要求性能を厳しくした条件では,従来設計で得られたws = 0.2 mmを含まない範囲解が得られた.これにより従来設計の妥当性を確認するとともに,PSD手法によるEBG設計の有効性を確認した.
3月20日 13:00〜17:00 54号館 404教室 座長 森岡健浩(産総研)
B-4-24 |
インバータ電源装置近傍における不要電波と移動通信への干渉評価
◎椙本祥史・渡邊 航・三浦典之・永田 真(神戸大)・宮澤安範・田中 聡・山口正洋(東北大) |
B-4-25 |
車載通信システムのイミニュティ評価用BAN(Broadband Artificial Network)の高周波化に向けた改良
◎三井悠也・福本幸弘・松嶋 徹(九工大) |
B-4-26 |
高周波コモンモード電力注入による車載機器の新しいイミュニティ試験法
◎山本拓実・大井凌也・久門尚史・和田修己(京大) |
B-4-27 |
1次元Van AttaアレーによるBPSK変調再帰反射波の入射角度特性評価
◎鎗田純輝・西方敦博(東工大) |
B-4-28 |
セシウム原子の多重共鳴を利用した低周波帯用交流磁界センサの初期検討
○石居正典(産総研) |
B-4-29 |
アンテナ間位相差検出に基づく放電ノイズの3次元到来方向可視化装置の構築
◎栗原昌伸・大橋恒太・安在大祐・王 建青(名工大)・田中洋佑・山下有三(ホッコー)・西川 久(アールエフネクスト) |
B-4-30 |
水道電界通信を用いた流入土砂検出に関する検討
◎鍬釣 一・芳野裕樹(熊本高専) |
B-4-31 |
MHz帯における電気定数測定のための同軸プローブ設計に関する検討
◎清水悠斗・佐々木謙介・和氣加奈子・渡辺聡一(NICT) |
近年、無線通信の通信量は急増すると予測されており、無線通信に用いられる周波数はますます拡大される。一方で高速パワーデバイスやそれを用いたインバータ機器や無線電力給電(WPT)などの新たな電波利用機器の普及が見込まれており、これらの機器の近傍における不要電波が移動通信等の無線信号に及ぼすノイズ干渉が顕在化する恐れがある。
本研究では、WPT用インバータ電源装置から放射される不要電波のLTE移動通信への干渉を評価するとともに、磁性扁平粉がポリマー中に分散された複合構造のノイズ抑制シート(NSS)によるノイズ低減効果をLTE移動通信性能を指標として評価した。
伝導性妨害波の評価方法であるISO11452-7の高周波化を行うにあたり,従来のBANでは低周波帯域および高周波帯域では規定を満たせないものであった.本研究では,低周波帯域と高周波帯域それぞれに対応したBANを製作することで解決を試みた.その結果,低周波帯域の規定値を満たすBANを構築でき,高周波帯域も1GHz周辺まで規定値と同等の性能を有するBANを実現した.
自動車内の通信ネットワークには高速・大容量・低遅延・高信頼性が要求されており, これらの実現には通信機器のEMC性能の向上は不可欠であるため, EMC試験法が注目されている. 従来のBCI法や高周波(RF)電力の直接注入法は, 再現性の不十分さや周波数帯域の不足が課題として挙げられる. 本報告では車載機器のイミュニティ試験法として, 再現性が高く, 高周波領域にも応用が期待される新たなコモンモード妨害波注入法を提案する.
複数のアンテナを規則的に配列,配線することで電波に対する再帰反射性が得られるVan Attaアレーの応用により,レーダに検出されやすい薄型小型な再帰反射体の実現を目指して試作・評価を行ってきた.Van Attaアレーの伝送線路上に付加した電子スイッチを制御することで反射波に変調をかけ,制御信号としてPN系列を使用することで高い検出性能を得る方法を検討している.本報告では,電子スイッチによって2つの経路長を切り替えることでBPSK変調が可能な再帰反射体を試作し,コンスタレーションにおけるシンボル間距離の入射角度特性の改善を確認した.
本研究では,交流磁界とセシウム原子の相互作用を利用する次世代型の交流電磁界センサの実現に関する研究を行っている.本報告では,対象周波数帯の低周波化に向けてゼーマン副準位間のエネルギー差に着目し,低周波帯用の磁界センサの実現に向けた研究開発に関する初期検討を行ったので報告する.
電力設備や配電線設備の故障・停電は社会の経済的損失・生活の不安等につながる.
これらを未然に防ぐために先行事例として,故障の前兆現象である部分放電の箇所同定技術が報告されている[1].
しかし,現有の測定方法には測定時間や装置の大きさ,使用者のスキルに依存することなどの課題が残っている.
本研究では地上からの巡視・点検が可能なポータブル型計測装置の設計,及び部分放電発生箇所の可視化ツールの構築・評価を行う.
[背景]災害により水道管が破損した場合,迅速な破損個所を特定する方法として水道管を通信経路とした水道電界通信を考案している.
[目的]過去研究で水道電界通信は断水箇所の検出が可能であることが得られたため,本研究では,断水個所から土砂が流入したとき,断水箇所を検出することが可能であるか調査することを目的としている.
[方法]水道管を砂利で満たし,電極を用いて電界を印加させ距離ごとの出力電圧を測定する.
[結果]砂利を入れた状態,水で満たした状態,空気で満たした状態とで出力電圧に顕著な差が現れた.
[結論]水道電界通信は土砂が流入した場合でも断水箇所を検出することが可能である.
生体組織の実質的な電気定数のデータベースとなっているGabrielらの測定において,同軸プローブを用いた測定が行われている.しかしながら,この測定において50 MHz以下において不確かさ評価を含む詳細な議論が行われておらず測定結果の妥当性検証が十分とは言えない.また,既存の反射係数を用いた同軸プローブ測定では100 MHz以下の測定が困難である.そこで,本研究ではMHz帯における電気定数測定精度向上のための基礎検討として,2種類の同軸プローブを試作し,それらを用いた測定システムの不確かさ評価を行った。その結果、測定精度向上のためには同軸プローブの内導体及び外導体の直径を大きくすることが有効であることが示された。
休 憩(15:15 再開) 座長 和氣加奈子(NICT)
B-4-32 |
散乱電界計測に基づく人体を透過する電力密度の測定方法に関する基礎的な検討
◎松本 涼(青学大)・李 鯤・佐々木謙介・渡辺聡一・和氣加奈子(NICT)・須賀良介・橋本 修(青学大) |
B-4-33 |
マンホール型基地局周辺のRF 電磁界ばく露計算のための係数
○東山潤司・河野義幸・井山隆弘・大西輝夫(NTTドコモ) |
B-4-34 |
マイクロ波帯WPTシステムにおける局所SARの距離特性
◎藤田直希(青学大)・和氣加奈子・清水悠斗・長岡智明・渡辺聡一(NICT)・須賀良介・橋本 修(青学大) |
B-4-35 |
車室内ワイヤレス給電システムのSAR評価
○松沢晋一郎・渡辺俊明(豊田中研)・菅藤 徹・婦木慎一郎(豊田合成) |
B-4-36 |
透明ファントムを用いた埋込み金属プレートによるSAR上昇の実験的評価
◎伊藤涼音・松田映美・日景 隆・野島俊雄(北大)・長岡智明・渡邊聡一(NICT) |
B-4-37 |
500 kHz Muscle Phantom Development for Evaluation of Radiofrequency Transcatheter Renal Denervation
○Rakhmadi Aditya・Kazuyuki Saito(Chiba Univ.) |
B-4-38 |
6 GHz超の電波ばく露による眼球温度上昇に対する角膜の熱伝達率依存性
◎西川周吾(青学大)・長岡智明・渡辺聡一(NICT)・須賀良介(青学大)・和氣加奈子(NICT)・橋本 修(青学大) |
ICNIRPガイドラインの次期改定案では,6 GHz以上の周波数において,人体へ透過する電力密度(以下,透過電力密度)が新たな電波ばく露への人体防護のための評価指標として提案されている.そこで,本稿では散乱電界測定に基づいた透過電力密度の測定法を提案し,2次元FDTD法を用いて提案手法の有効性を検証した.
有効性検証の結果,提案手法による透過電力密度の推定結果は散乱体への入射角が0°および45°の場合において,それぞれ-2.9 %および0.3 %で理論値と一致した.
マンホール型基地局について,計算に基づく適合性評価に適用すべき係数の検討のため,設置環境の異なる実証実験局にて複数の周波数帯の評価を行った結果について報告する.設置環境や周波数帯の異なる基地局であっても,報告済みの評価結果と同様に,電力密度の測定値は係数4を乗じた計算値以下であった.
近年,マイクロ波帯を利用したWireless Power Transfer (WPT)システムの検討が進められている.このシステムの特徴は,EV (Electric Vehicle)等で用いられる非放射型のWPTシステムと違い,アンテナで電力の電力伝送を行うことである.電波防護指針では,周波数100 kHz以上の局所ばく露 (波源からの距離20 cm以下)に対して,局所10 g平均SAR (Specic Absorption Rate)の指針値が示されている.非放射型のWPTシステムでは,既に人体ばく露に対する評価方法が検討されている. しかしマイクロ波帯WPTシステムに対しては,電波防護指針に対する適合性評価手法が十分確立しているとは言えない.そのため本研究では,マイクロ波帯WPTに対するばく露評価手法を確立することを目的として,近傍に配置された場合を想定した局所SARの評価方法について検討した.
スマートフォンの普及に伴い、ワイヤレス充電が普及しつつある。そのためのQi規格[1]が策定されている。Qiのシステムでは、送受電間の距離が数mm以内と短いことが課題である。その解決のため、ISM(Industry-Science-Medical)バンドの6.78MHz帯の磁気結合を用いるシステムが検討されている。磁気結合方式を用いたシステムでは、磁界漏えいによる人体ばく露が懸念されることから、ICNIRPガイドラインに対する評価が不可欠である。そこで、車内におけるコイル近傍の人体の電磁ばく露についてシミュレーションにより評価した。ICNIRPガイドラインでは、刺激作用を示す体内誘導電界と、熱作用を示すSAR(Specific Absorption Rate)の両方の評価が必要である。体内誘導電界については基本制限以下であることをシミュレーションで確認している。本発表では、SARの評価結果を示す。
体内に金属を埋め込んでいる場合,指針値以下でも局所的なばく露量増加(温度上昇)の可能性が示唆されている.医療用金属プレート等の装着者が該当し,指針適用性の検討が重要となっている.筆者らの研究グループではこれまでに,数値解析によるSARの推定を行い,金属製プレートが2枚平行に埋め込まれた場合に,その空隙部においてSAR 値が上昇する可能性があることを明らかにしている.本稿では,新たに開発された半透明ファントム材料を用いて,骨折治療用金属プレートが埋めこまれた人体下顎部を再現したファントムを作成し,骨に近接して平行に埋め込まれた2枚の金属プレート空隙部における温度上昇特性を実験的に評価する.
Transcatheter renal denervation (RDN) is a treatment to reduce hypertension by using a catheter inserted through an artery and ablates a specific area of nerve outside the blood vessel. The method is based on a concept by ablating specific renal nerves around blood wall using radiofrequency current (500 kHz). To understand the heating depth and temperature distribution of the RF current, similar dielectric properties conditions between simulation and real experiment is necessary. A phantom that matches in term of dielectric properties is essential for the RDN evaluation.
スマートフォン等の普及に伴い、モバイル端末の顔面前方における使用機会が増加している。第5世代移動通信システムでは、これまでより高い6 GHz超の電波も使用予定であるため、新たな周波数帯の電波による眼の影響が懸念される。先行研究によると、電波ばく露に起因した眼球温度上昇を推定する際に用いる熱伝達率に幅があるため、本稿では眼球温度上昇に対する角膜の熱伝達率の依存性について検討した。その結果、熱伝達率を変化させた際の角膜の最大温度上昇は、熱伝達率が60 W/m2・℃に対して定常時では69.8%以上、短時間ばく露では84.2%高くなったことから、熱伝達率の変化による眼球の温度上昇変化は無視できないことが示唆された.
3月21日 15:00〜17:00 54号館 404教室 座長 松嶋 徹(九工大)
B-4-39 |
散乱パターンのニューラルネットワーク解析による電磁波到来方向推定手法
○飯塚達哉・伊丹 豪・鳥海陽平・加藤 潤(NTT)・酒井 道(滋賀県立大) |
B-4-40 |
リバブレーションチャンバーにおけるDe-embedding手法の適用に関する一検討
◎谷口晃大・青柳貴洋(東工大) |
B-4-41 |
電磁界センサによる低周波近傍界ポインティングベクトルの計測
○中島宏進・八木谷 聡・尾崎光紀(金沢大)・大前 彩・Umberto Paoletti(日立) |
B-4-42 |
A Study on Measurement Deviation of the AM Signal by Nonlinear Detection Characteristics of an Electric Field Probe
○Ifong Wu・Yasushi Matsumoto・Kaoru Gotoh・Soichi Watanabe(NICT) |
B-4-43 |
LED電球から生じる放射雑音の確率モデル化―パルス発生間隔を考慮したモデルに関する検討―
◎上利健太・後藤 薫・松本 泰(NICT)・須賀良介・橋本 修(青学大) |
B-4-44 |
測定器の簡易的接地に向けた対地静電容量の見積もり手法の提案
◎荒井稔登・岡本 健・加藤 潤(NTT) |
B-4-45 |
近接放射イミュニティ試験に用いるTEMホーンプロトタイプの評価
○張間勝茂(NICT)・久保崇将・石田武志(ノイズ研究所) |
B-4-46 |
モノコーンアンテナを用いた標準アンテナ法によるバイコニカルアンテナの校正
○藤井勝巳・佐藤洋平・酒井孝次郎・杉山 功・西山 巌(NICT) |
筆者らは,広帯域な電磁波に対応する小型な到来方向推定システムの実現のため,散乱体周期構造を介した電磁波の重ね合わせによって形成される定在波分布(散乱パターン)を用いて,周波数帯を限定しない到来波の方向・周波数を推定する手法を提案してきた.到来波の方向及び周波数により散乱パターンが変化することを確認していたが,得られた散乱パターンから散乱原理に基づいて到来方向を推定するモデル式の導出は難しい.
そこで本稿では,機械学習手法の一つであるニューラルネットワーク(NN)の適用について検討した.散乱パターンを入力として,到来方向と周波数を出力するNNを作成し,電磁界シミュレータHFSSを用いて取得した様々な散乱パターンを学習させた後,推定精度を評価した.
電磁波における測定場の一種であるリバブレーションチャンバー(Reverberation Chamber, RC) 内の電磁界分布は,実験や数値計算による評価が必要であり,設計のためには多量の計算が必要となる.そこで,本研究では,計算時間の低減とスターラーによる効果のモデル化を目指し,その影響を分離(De-embed) するための円筒波展開を用いた手法について基本的な検討を行った.その結果,2次元RCにDe-embedding 手法を適用した場合に,電界分布を直接モーメント法で計算する場合と同程度の精度で計算することができた.
電子機器が放出する不要な電磁波ノイズが他の機器に悪影響を与えるEMC問題が深刻となっている.この対策として,電磁波ノイズを計測し電磁波源を特定することが有効である.我々は,低周波帯(100 kHz~10 MHz)において電界3成分と磁界3成分の両方を同時に計測可能な小型電磁界センサを開発し,平面電磁波の計測が可能であることを確認した.本研究では,電磁界センサを用いて,低周波帯における球面電磁波の計測及び評価を行った.
Due to the nonlinear characteristics of the electric field probe, the electric field measurement of communication signals using this type of the probe calibrated with the unmodulated signal may cause a measurement deviation, especially in the high-electric-field-strength region. In this paper, the deviation factor of the measured value of the communication signal is investigated by using the electric field probe with diodes. The AM signal is chosen as an example of the communication signal.
電磁雑音によるデジタル通信への電磁干渉を統計的かつ定量的に評価するためには,電磁雑音のモデル化が有効と考えられる.これまでに,Middleton class A モデルやMarkov-Middleton モデルによるLED雑音のモデル化を報告したが,パルス雑音の継続特性を表現することが困難であった.本稿では,状態継続特性を柔軟に扱うことのできる準マルコフ過程を従来のMiddleton class A モデルに適用し,本提案モデルから生成される模擬雑音を用いてデジタル通信へ与える影響を検討した
筆者らは,電磁ノイズの測定の際に測定器のグラウンドと大地間に生じる静電容量を見積もる事で,測定器で測定された電圧を正確なノイズの電圧に補正する測定手法を検討している.本報告では,その際に必要となる,静電容量の見積もり手法に関する提案と,実験と回路解析を行った結果について報告する.
IEC規格で規定される近接放射イミュニティ試験に用いるアンテナとして、短縮指数関数テーパーTEMホーンのプロトタイプを作製した.プロトタイプについて実験および数値シミュレーションによる評価結果から,試験周波数をカバーできる広帯域性,試験基準を十分に満足する反射特性.また,高周波数域においても偏りの少ない電界均一領域を維持できることを示した.
試作したモノコーンアンテナを送信アンテナとして用いた「標準アンテナ法」により,バイコニカルアンテナの校正を行った.産業技術総合研究所による校正結果と比較したところ,±0.6 dB以内の差で一致する結果だった.
B-5. 無線通信システムA(移動通信)
3月19日 9:00〜11:45 52号館 301教室 座長 眞田幸俊(慶大)
B-5-1 |
28GHz帯スモールセルのシステム設計に関する一検討
○中村弘希・大澤 魁・剱持郁也・大塚裕幸(工学院大) |
B-5-2 |
3Dビームフォーミングを適用した時分割リレー通信の一検討
◎宇多津裕貴・薮田龍平(工学院大)・増野 淳・須山 聡(NTTドコモ)・大塚裕幸(工学院大) |
B-5-3 |
LTEシステムにおけるWSPF-MIMOスケジューリングの提案と評価
◎小竹啓輝・服部 武・小川将克(上智大) |
B-5-4 |
ローカルスポットセルへのシームレスハンドオーバを実現する事前仮想接続
○伊深和雄・松村 武・石津健太郎・村上 誉・児島史秀(NICT) |
B-5-5 |
Radio over Fiberを用いた上りリンクにおける大システム極限を利用した信号検出に関する一検討
◎△田中誠二・大澤 昇・衣斐信介・三瓶政一(阪大) |
高速,広帯域化を目的として高周波数帯を利用する移動通信の研究が盛んである.特に,第5世代移動通信システム(5G)においては,28GHz帯の利用が想定されている.しかしながら,28 GHz帯はこれまでの周波数帯に比べ伝搬損失が大きいため,システム設計が難しいという問題点がある.
本稿では,送信パラメータをもとにセルレイアウトすなわち基地局間距離(ISD; Inter-site distance)を決定し,そのシステムパラメータを用いて28 GHz帯スモールセルシステムのユーザスループット特性を明らかにする.
次世代移動通信システムでは,セル端も含めてシステム全体の通信品質を向上することが重要である.それを実現する方法として,基地局eNBとユーザ端末UEとの間にリレー基地局RNを設置しリンクバジェットを改善する技術がある.また,電波のビーム幅を鋭くしかつその指向性を制御できるビームフォーミングBFがある.これまで筆者らはバックホールリンク(eNB-RN)及びアクセスリンク(RN-UE)に3D-BFを適用した場合の特性評価を行ってきたが,eNBとそのeNBに接続するUE(eNB-UE)には3D-BFを適用していない.本稿では,時分割リレー通信においてバックホール,アクセスリンクに加え,eNB-UEに3D-BFを適用した場合のユーザスループット特性を明らかにする.
システム全体の通信容量を増加させるためには,基地局近傍UE(ユーザ端末)に無線リソースを多く割り当てる必要がある.本稿では,UEを位置に応じてグループに分類し,グループごとに通信品質を制御するために,各グループに所属するUEの平均通信容量比に対応するWeightを指定し,システム全体の通信容量を増加させるスケジューリング方式としてWSPF-MIMO(Weighted Stochastic Proportional Fair for MIMO)を提案する.提案方式により,基地局近傍UEの通信容量を増加させつつ,基地局遠方UEに対してWeightに基づく通信容量を確保する.単位時間当たりのシステム全体の通信容量及び各UEの通信容量の標準偏差により提案方式の有効性を示す.
第5世代移動通信システム(5G)の自営利用を目的としたローカル5Gの検討が始まっている.そこで筆者らは,独立した自営スモールセル(ローカルスポットセル)のサービスを移動端末に効率的に提供するための事前仮想接続技術が提案している.しかし,この技術は,ローカルスポットセルでスムーズにサービスを享受できるが,ローカルスポットセル外における公衆網等を利用するアシストセルでのデータ通信をシームレスにハンドオーバできない.本稿では,アシストセルとローカルスポットセル間でシームレスハンドオーバを実現するための事前仮想接続技術を提案する。
RoF (Radio over Fiber)はDU (Distributed Unit)において無線信号と光信号を変換してアナログ中継することにより,ユーザ端末と遠隔地にあるCU (Central Unit)の間で通信を行う技術である.MU-MIMO (Multi-UserMulti-Input Multi-Output)を行うRoF伝送システムを介した上りリンクは,ユーザ端末とDU間の無線通信路と,DUとCU間の光ファイバ通信路が複合された通信路行列によって表される.本検討では,ユーザ数に対してDUのアンテナ数が十分に大きいシステムを想定し,大システム極限を利用したRoFにおける信号検出を提案する.
休 憩(10:30 再開) 座長 村岡一志(NTTドコモ)
B-5-6 |
ミリ波帯大容量伝送におけるSpatial-Wideband effectによるサンプル信号分散量の多項式回帰
◎田中 健(neko9 Laboratories)・丸田一輝(千葉大)・菅 宣理(neko9 Laboratories)・中山 悠(青学大) |
B-5-7 |
Gibbs Samplingを用いたMIMO復調方式における乱択アルゴリズムの適用
○宮澤道志・眞田幸俊(慶大) |
B-5-8 |
Quantized Range Control of Low-resolution Analog-to-Digital Converters in Massive MIMO System
○Greyson Gao・Sanada Yukitoshi(Keio Univ.) |
B-5-9 |
A Simple Stochastic Model of Edge Caching Based on Queueing Networks
○△Tetsuki Taniguchi(Tokyo Tech) |
B-5-10 |
Performance Bound Approximation for Nonlinear Estimation with a Closed-Form Expression
○Lu WANG・Tomoaki Ohtsuki(Keio Univ.) |
近年大容量通信のためにミリ波帯による広帯域伝送が注目されている。
しかし,Spatial-Wideband effectにより,MIMO合成時に無雑音下でも受信信号の分散が生じるという課題がある。高品質伝送のため、規定された分散値以下となるアンテナ素子の選択が必要となるが、本稿ではこれを目的としてアンテナ素子数により分散値を多項式回帰により表現したので報告する。
近年,Multiple-Input Multiple-Output(MIMO)伝送技術の研究が行われている.MIMO伝送技術は送信側と受信側で複数のアンテナを用い, 移動体通信の大容量化・高速化を実現する. Gibbs Sampling(GS)を用いたMIMO復調方式は, より少ない計算量で最尤復調に近い特性を得ることができる. 本稿では,GSで計算されるメトリックの値に応じて送信シンボル候補をランダムに選択する方法を検討する.
The low-resolution analog-to-digital converters (ADCs) have been commonly applied in a massive MIMO base station (BS). In our proposed system, the quantization range is specified based on the mean power of received signals and the span of the input amplitude is bound to eliminate thermal noise. Numerical results illustrate that the performance with low-resolution ADCs can be better than that with an infinite-resolution case.
This manuscript describes a simplified stochastic model based on queueing networks focusing on the effect of edge caching for the analysis of wirelss systems equipped with edge cloud (EC).
Through computer simulations, the effectiveness and problems of the proposed model are presented.
In this report, we work on the convergence and asymptotic analysis of the separation approach, where the nonlinearity of the mixture function is extracted by the flexible approximation and the nonlinear problem is solved linearly in the feature space. The analysis stems from the performance of a mismatched estimator that accesses the finite sample size. By providing a closed-form expression of the mean squared error (MSE), we can present a novel algebraic formalization as well as derive an upper bound on the estimation error. The simulation results show that if the nonlinearity of mixing functions can be extracted by the flexible approximation, the consistency of numerical MSE and analytical MSE can be achieved as the sample size tends to be infinity.
3月19日 9:00〜11:45 52号館 304教室 座長 須山 聡(NTTドコモ)
B-5-11 |
組織的Polar符号化MIMO-OFDMにおけるHTRCI及びパンクチャリングによるスループット改善
○丸茂 稜・田沼直也・渡辺滉也・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-5-12 |
周波数変調を用いたブロック伝送におけるパンクチャド畳込み符号用シンボル復号法
○東中雅嗣・佐野裕康・岡村 敦(三菱電機) |
B-5-13 |
直交Gold系列を用いた音響スぺクトル拡散通信方式
◎豊田 遥・白數優一・佐野隆貴・下村和輝・久保博嗣(立命館大) |
B-5-14 |
伝送路予測多重遅延検波を用いた差動トレリス符号化変調
◎久保哲朗・高橋拓也・下村和輝・久保博嗣(立命館大) |
B-5-15 |
OFDM伝送におけるキャリア間干渉を考慮したチャネル及び干渉信号電力結合最大事後確率推定
○工藤雅大・大槻知明(慶大) |
Polar符号は符号器の構造上,符号長が2の乗数に制限される。この問題を解決するために,符号語の中から所定数の箇所を間引きして送信することで上記の制限を取り払うとともに,符号化率を上げることで伝送効率を高めるパンクチャリングと呼ばれる手法がある。しかし,一般にはパンクチャリングでは,BER特性が劣化してしまう。本研究では,組織的Polar符号の特徴に注目し,BER特性の劣化を抑え,スループットを改善可能とするパイロット伝送及びパンクチャリング手法を提案する。また,チャネル推定法として,MIMO-OFDM伝送において複数のパスのチャネル推定を1シンボルで実現可能とするHTRCIによるパイロットを用いることで,さらなる伝送効率の改善を図る。
周波数変調を用いたブロック伝送は,低PAPRという特徴から電力制約が厳しい環境に適した方式である.M値FSKと2値畳込み符号を連接した場合の復号方法として,シンボル単位で遷移するトレリス線図を用いたシンボル復号法が知られているが,適用可能な符号化率Rに関して,シンボル当たりのビット数と1/R が公倍数の関係になる構成に限定されるという制約があった.本稿では,シンボル復号器をパンクチャ周期と整合させたトレリス構造を用いて動作させることで上記制約を緩和し,良好なビット誤り率特性と高い伝送速度を両立することを示す.
近年,スマートフォンなどのスピーカ・マイクを装備し,信号処理能力を有する電子機器を活用した陸上音響通信が検討されている.現在の陸上音響通信の主流は下り回線のみを用いた放送モードである.本稿では,陸上音響通信において上り回線を実現するために,直交Gold系列によりCDMA (code division multiple access) を実現する,音響スペクトル拡散 (SS) 通信方式を提案する.
高速フェージングには,差動符号化PSKに伝送路予測のPer-Survivor Processingによる多重遅延検波 (PSP-MDD) を適用することが有効である.しかし,予測形PSP-MDDは受信感度が劣化するという課題がある.本稿では,受信感度の劣化を抑圧するために,差動トレリス符号化変調 (DTCM) に予測形PSP-MDDを適用する方式を提案する.次に,計算機シミュレーション結果から,提案する予測形PSP-MDDを用いたDTCMは,従来の差動符号化PSKによる手法に対して,受信感度を改善するのみでなく,伝送路変動に対する追随性も改善可能であることを明らかにする.
現在,放送波にはOFDM伝送が利用されており,中継放送などで番組素材を伝送する際のFPUでも利用されているが,FPUの伝送帯域には複数システムの信号が混在する.このような環境を想定し,我々は干渉信号を検出・推定する手法の1 つとして,OFDM伝送におけるチャネル及び干渉信号電力結合最大事後確率推定法を提案した.同手法では送受信機で周波数同期が取れている場合を想定しており,キャリア間干渉は考慮されていない.一方,キャリア間干渉を考慮したチャネル推定では干渉信号が存在しない環境での推定法が提案されている.本稿では,キャリア間干渉及び干渉信号が存在する環境下でのチャネル及び干渉信号電力の推定法を提案する.
休 憩(10:30 再開) 座長 牟田 修(九大)
B-5-16 |
多目的最適化問題における低信頼中継局を用いたPLNCの位置変動による安全性の検討
◎池内 剛・田久 修(信州大)・藤井威生(電通大)・大槻知明(慶大)・笹森文仁・半田志郎(信州大) |
B-5-17 |
低信頼中継局によるWireless MIMO SwitchingとPLNCを用いた物理層セキュリティの検討
◎高橋 新・田久 修(信州大)・藤井威生(電通大)・大槻知明(慶大)・笹森文仁・半田志郎(信州大) |
B-5-18 |
下りリンクカオスNOMA伝送手法における復号演算量削減の検討
◎枡田佳大・岡本英二(名工大)・山本哲矢(パナソニック)・伊藤啓太(名工大) |
B-5-19 |
カオス畳み込み変調における演算量削減に関する検討
◎伊藤啓太・枡田佳大・岡本英二(名工大)・山本哲矢(パナソニック) |
B-5-20 |
電波暗号化非直交多元接続手法のコードブック定振幅化の検討
○岡本英二・枡田佳大・伊藤啓太(名工大)・山本哲矢(パナソニック) |
中継局を用いた通信において,高効率な伝送技術である物理層ネットワークコーディング(PLNC:Physical Layer Network Coding)では,中継局において二つの信号が混信するため,一方の信号を復調する際にもう一方の信号が干渉となることで所要の信号電力対干渉雑音比(SINR:Signal to Interference and Noise Ratio)を満たさなくなる.その結果,復調が困難になり情報漏洩の抑制が可能となる.しかし,二つの信号が同時に中継局にアクセスする際に各信号で電力差が生じるキャプチャ効果により各信号の復調が可能になってしまう.そこで,中継局から各送信局へ通信路状態情報(CSI:Channel State Information)を定期的に通知することによって送信電力制御を行うことでキャプチャ効果の抑制を可能にする.ここで中継局が低信頼である場合,中継局が盗聴に優位になるようにCSIを偽装し情報を搾取する可能性がある.本稿では,二つの正規通信局と低信頼中継局から構成されるPLNCにおいて,低信頼中継局の位置を変えたときのシステムの安全性への影響を評価した.
複数アンテナを有する中継局を経由して,複数端末間で情報交換をするWireless MIMO Switchingが提案されている.しかし,中継局のアンテナ数が$N$のとき,交換可能な端末数は$N$に限られていた.非再生中継と干渉キャンセラを利用して,自局が発した信号を除去し,他局の発した信号を受信する物理層ネットワークコーディング(PLNC)が提案されている.PLNCは,アンテナ数より1つ多い端末での情報交換を可能にし,時間効率に優れ,さらに過負荷状態を確立できるため,中継局での情報漏洩を抑制できる.本稿では,Wireless MIMO SwitchingとPLNCを融合した情報交換法を提案する.
第5世代移動通信システム(5G)において,より大容量かつ高速な通信を行う手法の一つとして非直交多元接続手法(non-orthogonal multiple access: NOMA)が検討されている.我々はその検討の一つとして,物理層秘匿性と高信頼な通信を実現する手法としてカオスNOMA伝送手法[1]を提案し,検討を行ってきた. しかし,これまでの検討においては,重畳全ユーザの信号を同時に推定し復号を行う統合的な最尤系列推定(maximum likelihood sequential estimation: MLSE)を用いて復号を行っており,復号演算量が重畳ユーザ数に対して指数関数的に大きくなるという問題があった.そこで,本稿ではNOMAの代表的な復号手法である逐次干渉除去(succesive interference cancelation: SIC)とMLSEを組み合わせることで,カオスNOMA伝送における復号演算量の削減を行い,その際の演算量とビット誤り特性を示す.
我々は,電波そのものを暗号化することで対象者以外が復調することを困難にするカオスMIMO(multiple-input multiple-output)伝送方式を提案している[2].この手法は伝送ビット系列に相関を持つカオス信号と送受信側で共有する共通鍵から生成したガウス信号を送信信号として伝送する方式である.送信側における伝送ビット系列の畳み込みと共通鍵により,カオスMIMO伝送方式は符号化率1の通信路符号化効果と物理層における秘匿性を有する.カオスMIMO伝送方式では,送信シンボル生成のためにビットの畳み込みを用いているため,受信側ではMLSE(maximum likelihood sequence estimation)による最尤系列探査を行う必要がある.そのため,復調における演算量はカオスの変調ブロックに対し2のべき乗に比例して増加する.そこで,本稿では新たにリスト型の系列探査により,既存手法に対し演算量を削減したMLSE手法を提案する.
第5世代(5G)や次世代の移動通信システムのmassive machine type communications(mMTC)シナリオを実現する手法の一つとして,非直交多元接続手法が提案されている.我々は物理層秘匿性を有する電波暗号化即時送信型非直交多元接続手法(grant-free sparse chaos code multiple access: GF-SCCMA)を提案した[1].この手法はInternet of things(IoT)端末上りリンク伝送などに適用することを考えているため,省電力化のためにpeak to average power ratio(PAPR)を低減させることが重要である.しかしこれまでの検討では,送信コードブックは振幅変動を伴う擬似ガウス分布信号であったため,PAPRはorthogonal frequency division multiplexing(OFDM)と同様で大きくなっていた.そこで生成した既存手法コードブックの位相情報のみを用いて振幅を一定にする手法を提案し,その伝送性能を計算機シミュレーションにより評価する.
3月19日 13:00〜17:00 52号館 301教室 座長 金子めぐみ(NII)
B-5-21 |
衛星搭載AISにおける伝送路推定並びに衝突パケット分離検出
◎清水星哉・張 裕淵・府川和彦(東工大)・平原大地(JAXA) |
B-5-22 |
HAPS システムにおけるフィーダリンク用アンテナのビーム方向制御検討
○松浦一樹・太田喜元(HAPSモバイル) |
B-5-23 |
複数ゲートウェイHAPSシステムにおけるフィーダリンク干渉低減の検討
◎藤井隆史・太田喜元(HAPSモバイル) |
B-5-24 |
HAPSモバイル通信におけるセル構成の設計に関する一検討
○柴田洋平・金沢 昇・星野兼次・太田喜元・長手厚史(HAPSモバイル) |
B-5-25 |
Outage Probability Analysis of Sensor Nodes Served by an ULA Equipped UAV-BS
○Hendrik Lumbantoruan・Koichi Adachi(The Univ. of Electro-Communications)・T. Z. Hui Ernest・R. P. Sirigina・A. S. Madhukumar(Nanyang Technological Univ.) |
公海等遠洋でもAIS (Automatic Identification System) を利用可能とする,衛星を用いたAIS通信システムは,複数のパケットが衝突し伝送特性が大幅に劣化する.このため,SIC (Successive Interference Cancellation) による衝突パケットの分離検出が検討されてきたが,伝送路パラメータの推定精度が不十分で,所望のビット誤り率を達成できないという問題があった.そこで本稿では,判定信号を使ってパラメータの推定精度を高め,遅延検波ではなく多シンボル遅延検波を導入してBER特性を更に改善する.
成層圏プラットフォーム (HAPS)を用いた地上のセルラ携帯端末と直接通信する携帯通信サービスは,サービスエリアの拡大,災害時の通信手段として非常に魅力的である.HAPSの通信回線は地上に固定設置されたゲートウェイ局とHAPS 間を結ぶフィーダリンク,HAPS とUser Equipment間を結ぶサービスリンクから成る.HAPS は飛行に応じて,回転や傾きが生じる.そのため,HAPSに搭載するフィーダリンク用アンテナでは,GW 局とのリンクを維持するためのビーム方向制御が必要不可欠である.そこで本稿では,HAPSの姿勢変化に耐性のあるFL アンテナのアンテナ構成及びビームフォーミング制御を提案する.
成層圏プラットフォーム(HAPS)を用いた地上のセルラ携帯端末(携帯端末)との直接通信サービスは、サービスエリアの拡大、災害対策として非常に魅力的である。HAPS通信システムは, HAPSと携帯端末間の通信であるサービスリンクと HAPSと地上基地局(ゲートウエイ)間の通信であるフィーダリンクで構成される. HAPSのサービスリンクの通信容量はその中継周波数であるフィーダリンクの通信容量で決まることから、フィーダリンクの周波数有効利用技術が不可欠である。本稿では,フィーダリンクの周波数有効利用技術について検討を行った
HAPS(High-Altitude Platform Station)では高度20kmの成層圏で運用される飛行船等から超広域の移動通信サービスを提供できる。また、LTE等の地上移動通信網と同じシステムを適用可能であることから、日常使用する端末で直接接続可能であり、災害に強いネットワークを実現できる。HAPSモバイル通信においては機体に搭載可能なセル数によって様々なセル構成が考えられるが、搭載可能なセル数に応じた最適なセル構成についてはこれまで検討が十分に行われていない。本稿では、任意のセル数に適用可能なセル構成の最適化手法を提案する。
An unmanned aerial vehicle (UAV) with a uniform linear array antenna (ULA) has been proposed to tackle the high outage probability due to the low transmit power of sensor node (SN) and the existence of interfering SNs [1]. The purpose of this manuscript is to analytically evaluate its effectiveness.
休 憩(14:30 再開) 座長 福田英輔(富士通研)
B-5-26 |
HetNet構成におけるMIMO対応送信干渉キャンセラーの最適制御
◎谷口怜奈・藤井輝也・表 英毅(東工大) |
B-5-27 |
HetNet構成における上り回線干渉キャンセラーの検討
◎金田拓也・藤井輝也・阪口 啓(東工大) |
B-5-28 |
Sparse Power and Spectrum Allocation Scheme for HetNet
◎Ahmed Nasser・Osamu Muta(Kyushu Univ.) |
B-5-29 |
3.4GHz帯を用いた異周波HetNetにおける適応制御型CREの効果
○藤澤研斗・大澤 魁(工学院大)・増野 淳・須山 聡(NTTドコモ)・大塚裕幸(工学院大) |
B-5-30 |
28GHz帯3セクターピコセルを用いた異周波HetNetのユーザスループット特性
○剱持郁也・大澤 魁(工学院大)・増野 淳・須山 聡(NTTドコモ)・大塚裕幸(工学院大) |
マクロセル内部に同一周波数を用いた複数スモールセルを設置したHetNet (Heterogeneous Network) 構成は、周波数利用効率を向上させる技術として期待されている。HetNet構成では干渉除去技術が不可欠である。筆者等はマクロセルの下り回線の干渉除去技術として、SISO(Single-Input Single-Output)を対象として、各スモールセル基地局が、端末が受信するマクロセル信号をキャンセルするための干渉除去信号を自セルの送信信号に重畳して送信する“スモールセル送信干渉キャンセラー”を提案し、自セル信号と干渉除去信号の送信電力の最適分配について検討した。本稿では、2×2 MIMO(Multi-Input Multi-Output)を対象として、送信干渉キャンセラーを適用した場合の自セル信号と干渉除去信号の送信電力の最適分配制御を検討する。
マクロセル内部に同一周波数を用いた複数のスモールセルを設置して構成するHetNet (Heterogeneous Network) 構成は、周波数利用効率を向上させる技術として期待されている。この構成では同一周波数を用いることから干渉回避(除去)が不可欠である。スモールセルにおけるマクロセルからの干渉除去技術として、下り回線を対象に協調制御ネットワークを用いた“スモールセル送信干渉キャンセラー”が提案されている[1],[2]。しかし、上り回線の干渉除去技術に関しては殆ど検討されていない。本稿では下り回線と同様に、協調制御ネットワークを介して上り回線の干渉を除去する“上り回線干渉キャンセラー”を提案する。
In this article, we propose a novel interference management technique in terms of power and resource block (RB) allocation for heterogeneous networks (HetNets) based on compressive sensing (CS) theory. In HetNet, the same RB (i.e., frequency or time) is sparsely reused among all base stations (BSs). In other words, a limited, i.e., `sparse', number of BSs should be active in a dedicated RB. Based on this idea, we propose to relax the NP-hard problem of the power and RB allocation in HetNet into a sparse l1-norm problem that gives a near-optimum solution.
移動通信システムでは,システム容量を増大するためにヘテロジーニアスネットワークHetNetの積極的な導入が検討されている.また,データ通信の高速化を目的として256-QAM, 1024-QAMの研究開発も盛んである.HetNetにおいては,マクロセルからピコセルに負荷分散するCRE技術が重要であり,筆者らは,パーソナルセルを指向する適応制御型CREを提案し,その特性評価を行ってきた.
本稿では,2GHzで動作するマクロセルと3.4GHzで動作するピコセルから成る異周波HetNetにおいて, 256-QAMを適用した場合の適応制御型CREのユーザスループット特性を明らかにする.
次世代の移動通信システムではシステム容量を増大するためにヘテロジーニアスネットワークHetNetの研究が盛んである.また,さらなる高速化を目的として広い帯域幅を利用出来る高周波帯の利用も注目されている.しかしながら,帯域幅の異なる異周波HetNetの検討は十分行われていない.本稿では,2GHzで動作するマクロセルと28GHzで動作しマクロセルの10倍の帯域幅を有するピコセルのHetNetについて検討する.特に,ピコセルへの負荷分散を促進するCell Range Expansion (CRE)技術に対するユーザスループット特性を明らかにする.
休 憩(16:00 再開) 座長 三上 学(ソフトバンク)
B-5-31 |
SL列車への5G無線伝送実証試験
○増野 淳・村岡一志・須山 聡・奥山達樹・野中信秀・奥村幸彦(NTTドコモ) |
B-5-32 |
5G移動通信環境における8K映像無線伝送の取り組み
○留場宏道・設楽彰一・彦惣桂二・浜口泰弘(シャープ)・村岡一志・増野 淳・須山 聡・奥村幸彦(NTTドコモ) |
B-5-33 |
5G向け低SHF帯超多素子アンテナを用いた屋外端末移動環境におけるデジタルビームフォーミング性能評価
◎野勢大輔・菊間知裕・丸田 靖(NEC)・奥山達樹・村岡一志・増野 淳・須山 聡・奥村幸彦(NTTドコモ) |
B-5-34 |
都市部鉄道環境における28GHz帯5G下り伝送実験
○村岡一志・野中信秀・高橋雄太・奥山達樹・増野 淳・須山 聡・奥村幸彦(NTTドコモ) |
本稿ではNTTドコモが実施主体となり総務省より請負った,平成30年度「屋外において平均4-8 Gbpsの超高速通信を可能とする第5世代移動通信システム(5G)の技術的条件等に関する調査検討の請負」における試験の一部として,観光産業への5G活用を想定し東武鉄道,日本電気,シャープ,インフォシティの協力のもと2018年11月に実施された,SL(Steam Locomotive:蒸気機関車)列車への5G 無線伝送実証試験について報告する.
本稿では,5G移動通信環境を想定した8K映像無線伝送に関し,観光産業への活用を想定した5Gのユースケースの実証試験として,2018年11月に実施した,地方観光資源として復刻運行されているSL(Steam Locomotive:蒸気機関車)の乗車体験を向上させるための8Kライブ映像無線伝送試験について報告する.
筆者らはデジタルビームフォーミング(BF)方式を採用した超多素子アクティブアンテナシステム(AAS)に着目しており、国土交通省国土技術政策総合研究所の試験走路で移動端末に対するデジタルBFの有用性を検証してきた。本稿では東武鬼怒川線SL鉄道に端末を載せて移動させた場合のデジタルBF追従性能を評価したので報告する。
第5世代移動通信システム(5G)では,超広帯域を利用できる可能性がある高周波数帯の活用が期待されるが,その際には高周波数帯の伝搬損失を補償する超多素子アンテナによるビームフォーミングが必須となる.このとき,移動するユーザに対しては,ユーザ方向にビームを適応的に切り替えるビーム追従が求められる.筆者らは,これまでにビーム追従機能を備えた28 GHz帯5G伝送装置を用いて,郊外の鉄道環境において直線の線路上を走行する列車に対する伝送実験を行ってきた.本稿では,都市部の鉄道環境でカーブする線路沿いに28 GHz帯5G基地局を配置した伝送実験を実施したので,実験で得られた下り伝送特性について報告する.
3月19日 13:00〜17:00 52号館 304教室 座長 村上 誉(NICT)
B-5-35 |
OFDM方式における圧縮センシング外挿を用いた伝搬路推定に関する一検討
◎新保薫子・菅沼碩文(早大)・留場宏道・難波秀夫・小野寺 毅(シャープ)・前原文明(早大) |
B-5-36 |
キャリア間干渉自己キャンセラを用いた2重差動OFDM
◎田中優花・中井 唯・久保博嗣(立命館大) |
B-5-37 |
差動OFDMのための多重開ループ周波数オフセット推定によるAFC
◎中井 唯・田中優花・久保博嗣(立命館大) |
B-5-38 |
Windowed-OFDM信号におけるCPの不完全巡回性の影響に関する一検討
◎木澤雅和・井家上哲史(明大) |
B-5-39 |
低ACLP・低PAPRを達成するOverlap-Windowed-OQAM-DFTs-OFDM方式
◎△今井水輝・岡本拓也・岡野貴大・梅比良正弘・王 瀟岩(茨城大) |
OFDM方式において,伝搬路推定は多値化を施す際に不可欠となるだけでなく,その精度の向上は,周波数有効利用の観点から重要な課題である.本稿では,通常適用されるLS (Least Square)の特性向上をねらいとして,圧縮センシング(CS : Compressed Sensing)による外挿を用いた伝搬路推定法を提案する.具体的には,LSにより得られた周波数応答に対して,CSにより得られたガードバンド部分の周波数応答を外挿し,時間領域の雑音軽減を実現するものである.また,雑音軽減効果を高めるべく,CSとLSにより得られた有効サブキャリヤ内の周波数応答の相関によりCS外挿の可否判断を行うことを特色としている.さらに,提案方式の有効性を,LSを比較対象にとってBERの観点から計算機シミュレーションにより検証する.
マルチパス伝搬環境に対しては,複数のサブキャリアを用いるOrthogonal Frequency Division Multiplexing (OFDM) が有効である.しかし,OFDMではサブキャリア間隔が狭くなり,移動環境においてドップラーシフトに起因するキャリア間干渉 (ICI) への対応が課題となる.本稿では,大きなドップラーシフトが存在する下で,ICIの影響を低減するために,OFDMにintercarrier interference self-canseller (ICISC) と2重差動符号化を用いる方式を提案する.
本稿では,時間的に変動する周波数オフセットに有効な,1つのサブキャリアをトーンとした差動OFDM (orthogonal frequency division multiplexing) のためのAFC (automatic frequency control) 方式を提案する.周波数オフセットが時間的に変動する場合,短いトーン観測時間にて周波数オフセットを推定する必要がある.しかし,短いトーン観測時間では,周波数オフセットの推定精度が低下する.この問題を解決するために,本稿では,広いカバレッジと高い推定精度を両立する多重開ループ周波数オフセット推定 (MOLFE)によるAFCを用いた差動OFDMを提案する.次に,計算機シミュレーションにより,提案するMOLFEを用いたAFCにより,短いトーン観測時間にて,良好なBER (bit error rate) 特性を実現できることを示す.
次世代無線通信システム(5G)の実現に向け,限られた周波数資源を有効に活用することは重要な課題であると考えられる.現在広く採用されているOFDM変調方式では,高い帯域外放射電力が問題視されており,各々のOFDMシンボルに窓関数処理を行うWindowed-OFDM(W-OFDM)方式が提案されている[1].しかしながら,窓処理によってCP(Cyclic Prefix)の一部に不完全な巡回性が生じ,有効なCP長が短くなるため長い遅延パスに対してブロック間干渉(IBI)を引き起こすことが考えられる.本稿では,W-OFDM方式における遅延パスに対する性能をBERの観点から評価するとともに, IBIの影響を軽減するために時間領域等化FIRフィルタ(TEQ)を用いた場合の検討を行う.
5G/B5GではeMBB(enhanced Mobile Broadband)に加え、mMTC(massive Machine Type Communications)によるIoT(Internet of Things)サービスが期待されている。mMTCでは、非同期通信のための低ACLP(Adjacent Channel Leakage Power)、端末低消費電力化のための低PAPR(Peak to Average Power Ratio)が要求される。本文では、低ACLP・低PAPRを達成するため、筆者らが提案しているOQAM (Offset Quadrature Amplitude Modulation)-DFTs-OFDM(Discrete Fourier Transform spreading Orthogonal Frequency Division Multiplexing)にオーバーラップウィンドウ処理を適用したOverlap-Windowed-OQAM-DFTs-OFDM方式を提案し、計算機シミュレーションにより基本特性を評価したので報告する。
休 憩(14:30 再開) 座長 石井直人(NEC)
B-5-40 |
LR-SE-VPへのAアルゴリズムの適用
◎二階堂 健・髙畑文雄(早大) |
B-5-41 |
Massive MIMOダウンリンクのMFプリコーディングにおける端末マルチアンテナ環境下でのアウテージ確率解析
◎伊藤香貴・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-5-42 |
マルチセルMassive MIMOにおけるセミブラインドMMA及びMMSE-SMIによる多値信号適用時の動作改善
○丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-5-43 |
PFスケジューリングを考慮したMU MIMO THPのシステム容量特性
◎田口華蓮・水谷亮太・新保薫子・菅沼碩文・前原文明(早大) |
B-5-44 |
Massive MIMOにおけるブロック対角化を用いたハイブリッドビームフォーミングのパラメータ推定
○柘植健太・張 裕淵・府川和彦(東工大)・須山 聡・奥村幸彦(NTTドコモ) |
VP (Vector Perturbation)に基づくプリコーディングを採用したMU-MIMO (Multi User-Multiple Input Multiple Output)において,所要送信電力を最小化する最適摂動ベクトルを検出するLR-SE-VP (Lattice Reduction-Sphere Encoding-VP)の摂動ベクトル探索へ,最深部までの予想メトリックを用いるAアルゴリズムを適用した際の特性を明らかにする.計算機シミュレーションによる特性評価の結果として,基地局アンテナ数が4,8,16のとき,Aアルゴリズムを適用することによる基準BER=10^(-3)と10^(-6)を達成する所要SNRの劣化量は0.5[dB]以内であり,摂動項の探索回数の削減効果は送信アンテナ数の増加に伴い大きくなることを明らかにする.
Massive MIMOは多数の送信アンテナを持つことにより,ヌル制御をしないMatched-Filter(MF)プリコーディングを適用しても,ユーザの増加による干渉の影響を抑え通信品質を向上させることができる.これまでの研究では,ユーザあたり1つの受信アンテナを持つ場合におけるアウテージ確率に関する数式モデルが提案されている.本稿ではこれを拡張し,ユーザが複数の受信アンテナを持つ場合について性能評価および定式化をする.
Massive MIMOシステムにおいて容量増大のために空間多重数を増加する場合,チャネル推定に必要な直交系列数には上限があることから,それらは各セルにて繰り返し用いることになり,その結果パイロット信号によるセル間干渉(パイロット汚染)が生じる.このためセル間干渉(ICI)に加えユーザ間干渉(IUI)も十分に抑圧できない.これまでに,チャネル推定値に基づくウェイトを初期値としたセミブラインド(SB)定包絡線及アルゴリズム(CMA)及び判定帰還型チャネル推定(DFCE)を用いたアップリンク干渉抑圧方式を提案した.CMAはその特徴から複数の振幅を持つQAM信号への対応が課題であった.本稿では,セミブラインド多値定包絡線アルゴリズム(SBMMA)及びデータ部を利用したMMSE-SMIを適用することによるQAM信号への適用領域の拡大を図る.
MU-MIMOの非線形プレコーディングの一つであるTHPは,線形プレコーディング(LP)と比較して雑音強調を抑圧できることから,より一層の大容量化が実現できる.特に,THPでは,LPと異なり,modulo lossの影響が生じることから,その影響を考慮した上で,上位のユーザスケジューリングを含めた特性をシステムレベルで評価することが重要と考えられる.THPのシステムレベル評価では,modulo lossの影響を0.5dBの固定劣化として算入したものがあるが,その影響を正確に考慮したものは見当たらない.本稿では,ユーザスケジューリングとしてProportional Fairness(PF)が適用されたときのTHPのシステム容量をmod-Λチャネルを用いて正確に算定する.また,PFのメトリックの算出に対して,mod-Λチャネルに基づく正確な方法とシャノン・ハートレーの定理に基づく簡易な方法が与える影響についても考察する.
Massive MIMOにおいて,BB回路およびRF回路の数を大幅に削減できるアナログ・デジタルハイブリッド型構成が検討されている.しかしながら,受信信号の自由度が大幅に減少するため精度良くインパルス応答が推定できず,送信ウェイトを制御することが困難となっていた.そこで本稿では,上り回線でチャネル推定を行い,下り回線では推定したチャネルインパルス応答を用いて,AB(Analog Beamforming)行列を推定する.その後,等価チャネル行列を基に,ブロック対角化を実現するようDB(Digital Beamforming)のプリコーディング行列を制御する方法を提案する.
休 憩(16:00 再開) 座長 久保博嗣(立命館大)
B-5-45 |
多素子MIMO-OFDMにおける余剰アンテナを活用したピークキャンセラの歪み補償に関する検討
◎△景山知哉・牟田 修(九大) |
B-5-46 |
共通共分散行列を用いたSMI法の判定帰還による干渉抑圧特性改善
◎島 康介・妹尾克哉・後藤健太・赤尾貴志・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-5-47 |
DSTBC復号後の推定SINRに基づきビーム選択を行う干渉抑圧方式
◎佐々木 慧・増田進二・中島昭範・佐野裕康・岡村 敦(三菱電機) |
B-5-48 |
非同期システム間干渉を考慮したFBMCとOFDMのシステム容量評価
◎田端寛樹・西田紘基・菅沼碩文・前原文明(早大) |
OFDM では, ピーク電力対平均電力比(PAPR) の低減が課題となる. 著者等は帯域外輻射および帯域内歪み電力を許容値以下に抑えながらOFDM のPAPR を低減させるピークキャンセラ方式を提案した. 本稿では, 多素子MIMO-OFDMシステムにピークキャンセラを適用した場合に, 余剰のアンテナ自由度を活用した歪み補償技術を検討する. 計算機シミュレーションにより帯域外輻射電力(ACLR) およびビット誤り率(BER) 特性を評価し, その有効性を示す.
ビームフォーミングを行うアダプティブアレーアンテナの重み推定法としてSMI(Sample Matrix Inversion)法がある.これまでSMI法の改善として共通共分散行列を用いる手法が提案されてきたが,重み推定精度の向上とパイロットシンボル数増加による伝送効率の低下はトレードオフの関係にある.そこで本稿では,パイロットシンボル数を増加させることなく重み推定精度を向上させることを目的とし,従来の共通共分散行列を用いたSMI法で判定した初期解を用いた判定帰還による重み推定を行う手法を提案する.
無線通信における自システム内の同一チャネル干渉は受信性能低下を引き起こす.そこで,既知系列により推定したSINR を用いて複数の固定ビームを選択・合成することで干渉を抑圧する方式が検討されている.また,差動時空間ブロック符号(DSTBC)方式は高速移動環境で安定した通信に有効な方式である.しかし,高速移動によるチャネル推定精度の劣化で,差動復号前のSINR を用いるとビームを選択・合成できない課題があった.そこで,既知系列を用いてDSTBC 復号後のSINR を推定し,ビームを選択・合成する方式を提案する.本稿では,計算機シミュレーションにより,提案方式の受信性能を評価し,提案手法の有効性を示す.
OFDMは,ガードインターバルの挿入により,マルチパスフェージングを1タップの等化処理で克服できるものの,方形波伝送の適用により,帯域外輻射が大きくなることから,非同期システム間の隣接チャネル干渉問題が特に深刻となる.一方,FBMCは,波形整形された波形の適用により,帯域外輻射を抑圧できることから,システム間干渉の軽減に有効となる.本稿では,FBMCあるいはOFDMからなる非同期システムを対象として,隣接チャネル干渉を考慮したシステム容量を隣接システム間のD/Uやガードバンドをパラメータにとって評価する.
3月22日 9:00〜11:45 52号館 302教室 座長 山本高至(京大)
B-5-49 |
周波数スケジューリング型車車間協調伝送手法のシステム性能解析に関する一検討
◎石川隼土(名工大)・岡本頌平・岡田 啓(名大)・牧戸知史(豊田中研)・岡本英二(名工大) |
B-5-50 |
Q学習を用いたLTE-LAAの干渉制御
◎和田健史郎・大槻知明(慶大) |
B-5-51 |
電波環境データベースを用いたLPWA向け周波数共用手法の検討
◎山崎悠大・藤井威生(電通大) |
B-5-52 |
V2Vにおいて高信頼性を達成するためのリソース選択方式
○青木 寛(モバイルテクノ)・ウー ジャンミン・下村剛史・陳 紅陽・成 慧テン(富士通研) |
B-5-53 |
高信頼低遅延無線通信システムにおけるRTS および拡張CTSを用いたメトリック合成型マルチユーザ検出の伝送遅延時間特性
○宗 秀哉(東工大)・征矢隼人(neko9 Laboratories)・府川和彦・張 裕淵(東工大) |
近年自動運転の研究開発が盛んに行われている.面的最適化を伴う自動運転システムの実現には無線通信が不可欠であり,その無線通信リンクは高速に移動する移動体のための伝搬路変動による劣化が大きく,また制御信号の遅れが事故にもつながることから,さらなる高品質低遅延伝送の実現が求められている.我々のグループでは,これに対し,車車間通信リレー協調伝送を活用した基地局遠方車両の高品質化手法をこれまで提案してきた[1].本稿では,より実際的な環境における伝送性能改善を目指し,SUMO (Simulation of Urban MObility)移動シミュレータを用いて車両の動きを模擬し,道路ネットワークにおける車車間協調通信のペアリング確率を算出した.そして道路上の車両数を増やし,多元接続を行いつつ信頼性を確保するようなスケジューリング手法の適用を行った際の提案手法の有効性をシミュレーション解析により明らかにした.
無線帯域資源不足への対策として, LTE の周波数帯域を免許不要帯域に拡張するLTE-LAA (LTE-Licensed Assisted Access) が検討されている.しかし,免許不要帯域は主にWi-Fi が使用しているため,干渉制御が必要となる.LTE-LAAでは,干渉制御としてLBT (Listen Before Talk) が用いられる.LBT において,LTE-LAA BS (Base Station) は, まずキャリアセンス(CCA : Clear Channel Assessment) を行い,キャリアを検知した場合はランダム時間待機(バックオフ) し,再度キャリアセンスする.一方,キャリアが検知されなければ,パケットを送信する.しかし, これだけでは,もしWi-FiユーザがLTE-LAA ユーザに比べて多い場合に,Wi-Fi ユーザのスループットが大きく低下するなど,WAP (Wi-Fi Access Point) の送信が妨げられる.本稿では, WAP の送信を妨げず,LTE のスループットを上げるようなLTE-LAA の干渉制御を目的として,Q 学習を用いたLTE-LAA BS の送信待機時間と送信時間の制御法を提案する.
現在,IoT デバイスの需要が増加するにつれ,低コスト長バッテリー寿命の端末が求められている.その解決策の一つとしてLPWA(Low Power Wide Area:低電力広域)の活用が考えられている.多くのLPWAではSub-GHz帯でスペクトラム拡散技術や超狭帯域技術を用いて通信を行うことで長距離通信を可能にし,単純なプロトコルとトポロジを用いることで消費電力や端末コストを削減している.その中でも特に注目されているのがオープンスタンダードであるLoRaWANである.しかし,既存のLoRaWANでは各LoRa端末のDutyCycleを1\%の固定値としており,周辺システムの影響やLora端末数の変化に対応したデータレートが得られないという課題があった.そこで本稿では,許容干渉時間比率と許容パケットロス率に応じてDutyCycleを設定するアルゴリズムを提案し,その有効性について検討する.
C-V2X(cellular vehicle to everything)の内,車両同士が直接通信するV2V(vehicle-to-vehicle)ではmulticastやbroadcastで隊列走行や事故防止等に用いる通信が想定されており,99.999%以上のPRR(packet reception rate)が要求されている.筆者らは高信頼性を満たすためにBi-modeを検討し,本稿はその評価結果を報告する.
伝送遅延時間に厳しい制約のあるIoTシステムにおいて,アンライセンス帯でCSMA/CAにより通信する場合,端末(UT)数の増加に伴いパケット衝突が多頻度で発生し,伝送遅延時間が非常に長くなる.この問題を解決するため,本稿では,RTS および拡張CTS(eCTS)を用いたメトリック合成型マルチユーザ検出(MUD)を提案し,その伝送遅延時間特性を明らかにする.
休 憩(10:30 再開) 座長 岡本英二(名工大)
B-5-54 |
包絡線変動量を抑圧するFSK用位相回転送信ダイバーシチ方式
○山口歌奈子・東中雅嗣・佐野裕康・岡村 敦(三菱電機) |
B-5-55 |
URLLCにおける周波数ホッピングパターンの特性評価
○中村 理・浜口泰弘(シャープ)・衣斐信介・三瓶政一(阪大) |
B-5-56 |
フルデュープレクスにおける変調方式に対する繰り返しディジタル自己干渉キャンセラのブロック誤り率特性
◎山田大貴・大友崇裕・佐和橋 衛(東京都市大)・齊藤敬佑(NTTドコモ) |
B-5-57 |
NRにおけるPVS送信ダイバーシチを用いたときのセルID検出確率特性
◎志村 彩・太田恭吾・佐和橋 衛(東京都市大)・永田 聡(NTTドコモ) |
B-5-58 |
NRにおける同期信号バーストの多重間隔に対するセルID検出確率特性
◎太田恭吾・志村 彩・佐和橋 衛(東京都市大)・永田 聡(NTTドコモ) |
包絡線変動量が小さく優れた電力効率を特長とするFSK(Frequency Shift Keying)方式により変調された信号に対し,更なる信頼性向上のために送信ダイバーシチとしてSTBC(Space-Time Block Code)方式を適用した場合,STBC符号の影響により一方の送信アンテナにおける信号では周期的に振幅値0への落ち込みが生じ,包絡線変動量増大による送信電力効率の低下を招く.そこで、本稿ではSTBC符号へ位相回転処理を付加することでアンテナ間の包絡線変動を一定とし,さらに,振幅値0への落ち込みを抑止することで包絡線変動量の増大を抑圧する,FSK用位相回転送信ダイバーシチ方式を提案する.
NRのアップリンクでは,信頼性確保のため,PUSCH (Physical Uplink Shared Channel)の繰り返し送信が仕様化されおり,符号化利得獲得のため,繰り返し毎にリダンダンシーバージョン(RV)の変更が可能となっている.加えて,周波数ダイバーシチ効果獲得のため,送信スロット間の周波数ホッピング(FH)も適用可能である.
本稿では,繰り返し送信におけるRVパターンとFHパターンについて検討し,伝送特性を計算機シミュレーションにより評価する.
本稿では,Full Duplex (FD)[1]における自己干渉(SI: Self-Interference)と希望波信号の推定値を生成して交互に受信信号から差し引く繰り返しディジタル自己干渉キャンセラ(DSIC: Digital Self-Interference Canceller)[2]を用いたときの平均ブロック誤り率(BLER: Block Error Rate)の観点から,変調方式に対するSIの推定精度を評価する.
本稿では,5G New Radio (NR)の同期信号を用いたときの,Precoding Vector Switching (PVS)送信ダイバーシチを適用した場合の物理セルID (PCID: Physical Cell Identity)検出確率を計算機シミュレーションにより評価する
本稿では,5G New Radio (NR)の同期信号を用いたときの,同期信号を含む同期信号バーストセット (SSBS: Synchronization Signal Burst Set)の多重間隔に対する物理セルID (PCID: Physical Cell Identity)検出確率を計算機シミュレーションにより評価する.
3月22日 9:00〜11:45 52号館 304教室 座長 衣斐信介(阪大)
B-5-59 |
16点SCMA大規模システムのガウス確率伝搬法による信号検出特性の評価
◎李 仁杰・西村寿彦・大鐘武雄・小川恭孝・萩原淳一郎(北大) |
B-5-60 |
重畳型16QAMを用いた大規模MIMOのDAMPによる信号検出
◎渡部泰成・西村寿彦・大鐘武雄・小川恭孝・萩原淳一郎(北大) |
B-5-61 |
軟入力の振幅制限を行う過負荷繰返し線形MIMO受信機
井上 翼・◎田野 哲・侯 亜飛(岡山大) |
B-5-62 |
遅延推定に基づくマルチパス分離によるチャネル予測に関する考察
◎高野裕太・小川恭孝・西村寿彦・大鐘武雄・萩原淳一郎(北大) |
B-5-63 |
深層学習を用いた到来方向推定の検討
◎加瀬裕也・西村寿彦・大鐘武雄・小川恭孝(北大)・来山大祐・岸山祥久(NTTドコモ) |
現在,IoTなどのデバイス間通信に向けて超多数の多元接続方式が検討されている.その一つとして,SCMA (sparse code multiple access)がある.SCMAは0を含む変調信号点とスパースな周波数拡散行列を用い,多数端末の同時接続を実現する手法である.本稿では,複素信号点を有する16点SCMAを用いた100端末の同時接続を想定し,周波数相関性が異なる伝送路において,ガウス確率伝搬法 (GaBP) による検出性能評価を行った.
大規模MIMOシステムの信号分離では,演算量を削減できるGaBP法が有効である.しかし,多値化への対応は簡単ではなく,16-QAM信号をQPSK信号の重畳表現することを提案した.
このとき,送信アンテナ数と受信アンテナ数が同程度の場合,重畳により実際上は過負荷となるため特性が劣化する恐れがある.これに対し,DAMPが提案されている.本稿ではGaBPとDAMPを用いた検出特性の比較を行う.
本稿では,軟入力の振幅制限を行う過負荷繰返し線形MIMO受信機を提案する.私たちがこれまで検討してきた過負荷MIMO通信路における繰返し軟判定復号によって,MLDを上回るBER特性を得ることができたが,BER特性がフロアを引いてしまうという問題があった.そこで,軟判定信号値が閾値を超える場合に信号値の入力制限を行うことで,誤った尤度をもつ信号の影響を低減する方法を提案し,そのBER特性を計算機シミュレーションにより評価する.
マルチユーザMIMOシステムでは,事前に干渉を除去するプリコーディングを行うために下り回線のチャネル情報 (CSI)を必要とする.しかし,チャネルは時変動するため,その追従には頻繁にパイロットシンボルを送信する必要がある.未来のチャネルを予測することで,その送信頻度を抑えることができる.チャネル予測手法として,マルチパスの分離・予測・再合成を行うSOS法は予測範囲を広げることが期待できる.本稿では,OFDM信号において各サブキャリアのCSIを用いて連立方程式を立て,それらの近似解を求める手法と圧縮センシングを適用する手法のそれぞれについてマルチパス分離を行い,チャネル予測精度を評価する.さらに従来のIDFTを用いた手法との特性の比較を行う.
電波の到来方向推定は,無線通信端末の位置推定や各種レーダに応用される技術である.計算資源が発展した近年では,計算量が多いものの従来手法より高い精度で推定できる圧縮センシングを用いた手法が提案されている.筆者らは,Hintonらの研究を皮切りに画像,音声,言語などの分野で盛んに研究されるようになった深層学習を用いた推定手法を提案し,整数角度条件での検討を行った.本項では実数角度に拡張し,性能評価を行う.
休 憩(10:30 再開) 座長 安達宏一(電通大)
B-5-64 |
FDEを用いるLOS-MIMOにおけるCDMパイロット信号多重を用いたときの周波数領域のチャネル応答の平均化効果
○青野佳奈・鄭 斌・佐和橋 衛(東京都市大)・神谷典史(NEC) |
B-5-65 |
分割ブロック符号における繰り返しチャネル推定の二次外挿による性能改善
◎本杉晃一・米井賢太郎・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-5-66 |
改良型HTRCIチャネル推定によるパイロットコンタミネーション除去
◎黒木 駿・松原 駆・勝野将人・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-5-67 |
MIMO SC-FDEにおける受信ウェイト行列の演算量削減手法の評価
◎齋藤剣聖・小川恭孝・西村寿彦・大鐘武雄・萩原淳一郎(北大) |
B-5-68 |
SC-FDE方式の伝送特性改善に関する検討
○松崎敬文・山岸史弥・山里亜紀子・岡部 聡・居相直彦(NHK) |
周波数領域等化(FDE: Frequency Domain Equalizer)を用いるLine-of-sight (LOS)-Multiple-Input Multiple-Output (MIMO)の受信機構成が提案されている[1].本稿では,FDEを用いるLOS-MIMOにおけるCode Division Multiplexing (CDM)パイロット信号多重を用いたときのビット誤り率(BER: Bit Error Rate)に対する周波数領域のチャネル応答の平均化効果を計算機シミュレーションにより評価する.
移動体通信において高速フェージングによる時間変動するチャネルを推定する方法として、受信信号を判定帰還し繰り返しチャネル推定を行う方法(ICE)がある。 この方式にブロック符号を用いると、受信側での復号の際、全てのデータの受信を待つ必要がありブロックサイズが大きい場合遅延が大きくなる。この問題を解決するため、本研究ではデータを分割しブロックサイズを小さくすることで処理遅延を低減しつつ、性能の改善を可能にするチャネル推定法を提案する。
移動体通信において,所望のセルの基地局からのパイロット信号と同じ信号を他のセルが使用し,パイロット信号が混信してしまいチャネル推定精度が落ちるパイロットコンタミネーション(pilot contamination)が生じる.またチャネル推定法の一つであるHTRCI(High Time Resolution Channel Interferometry)は,MIMO伝送において複数パスのチャネル推定を1シンボルで実現可能であり,受信側で観測されるインパルス応答を加算することで雑音の低減されたチャネル情報を推定できる.本研究ではこのHTRCIを改良し,パイロットコンタミネーションを除去する手法を提案する.これにより複数セル間に亘るチャネル推定を行い,端末局においてMLDを適用し,セル間干渉を除去する.
MIMO SC-FDE では,空間多重による高速伝送を実現可能であるが,受信側で伝送路等化と信号分離の両方を実現するウェイトを計算する必要がある.送受信アンテナ数と周波数ポイント数が多くなると,その演算量が増加してしまう.逆行列演算を含む最適なウェイトを求める周波数ポイントをに減らし,その間を補間することによって演算量を削減することが可能である.また,受信アンテナ数の多いシステムでは,最大比合成ダイバーシチ (MRC)のウェイトを用いることも有効である.筆者らはこれまで,主に平均誤り率の観点から特性評価を行ってきたが,特定の変調方式と誤り率訂正に限定される.
本稿では,達成可能スループットを用いて演算量削減の評価を行う.
4K・8K映像の伝送が可能なミリ波SHVワイヤレスカメラの伝送方式として一般的に電力増幅器の歪の影響を受けにくく電力効率に優れたSingle-Carrier – Frequency Domain Equalization (SC-FDE)方式の適用を検討している.SC-FDE方式では,パイロット信号のUnique Word (UW)を挿入し,データシンボルの平均電力よりもUWの平均電力を大きく(ブースト)することでチャネル推定精度を高める伝送特性の改善を進めている.本報告では,UWをブーストした時のMMSE基準等化における信号対雑音電力比の補正,及びチャネル推定の精度を向上する手法を提案し,シミュレーションにより所要C/Nが低減することを確認したので報告する.
3月22日 13:00〜16:30 52号館 302教室 座長 宮路祐一(豊橋技科大)
B-5-69 |
CFR-Less RF Frontend Architecture for 5G
○Alexander N. Lozhkin・Toru Maniwa・Hiroyoshi Ishikawa(Fujitsu Labs.) |
B-5-70 |
Report on 5G hardware trial equipment and evaluation of 5G propagation characteristics
○Qiaozhi Hua・Ryoichiro Tazawa・Hlaing Myint San・Keping Yu・Zheng Wen・Chengkai Yan・Ngoc Nguyen Quang・Kiyohito Tokuda・Takuro Sato(Waseda Univ.) |
B-5-71 |
超高密度分散アンテナシステムにおける送信点設計のための屋内伝送実験
○奥山達樹・須山 聡・村岡一志・増野 淳・奥村幸彦(NTTドコモ)・小林崇春(富士通)・秋山千代志(富士通研)・筒井正文・関 宏之・箕輪守彦(富士通) |
B-5-72 |
オフィス環境における5G向け低SHF帯超多素子アンテナを用いたアクセスポイント間協調ビームフォーミングDL伝送実験
◎泉井康平・江 奕・山崎健一郎(NEC)・奥山達樹・村岡一志・増野 淳・須山 聡・奥村幸彦(NTTドコモ) |
B-5-73 |
5G 超高密度分散アンテナシステムにおけるスケジューリング周期短縮時の高無線スループット化手法
○有川勇輝・坂本 健・重松智志(NTT) |
The energy efficiency should be a main design target for 5G RF front-ends (RFFEs) in order to achieve a low network operation cost. In this work we investigated the effect of the Tx signal processing architecture on RFFE total DC power consumption and the quality of the transmitted signal in terms of ACLR and EVM. We show that crest factor reduction can be successively excluded from the Tx signal processing chain in order to increase RFFE efficiency and simplify the hardware design.
Using our Waseda 5G hardware design equipment, we explored the transmission performance in the environment of indoor and outdoor at the Waseda campus. The experiment frequency is 28GHz band and the specification for conducting the 5G trial is corresponding to 3GPP documents based on Verizon specifications. The evaluation is achieved on the conditions of long-distance transmission experiment in the courtyard and short transmission experiment in the hall.
第5世代移動通信システム(5G)における大容量通信実現のため,超高密度分散アンテナシステムが提案されている.本システムでは多数のアンテナ素子を多数の送信点(Transmission Points: TPs)に分散し,TPを超高密度に分散配置することで,端末基準の仮想的なセルを構築・動的制御することで各端末の受信電力を向上させ大容量化を図る.従来検討では,屋内外実験による分散配置による容量向上効果の検証や集中配置と分散配置の比較,送信点の素子選択などのアルゴリズム検討がされている.本稿では,送信電力の観点も含め,屋内環境で最適なエリア構築に資する送信点設計指針を屋内伝送実験により導く.
アクセスポイント間協調ビームフォーミング (CB)DL伝送実験結果について報告し,CB効果によりオフィス環境にて多重端末数15UEまでは多重端末数に比例した推定DLシステムスループットが得られることを確認した。
第5世代移動通信システムでは,送信アンテナを超高密度に配置し,それらの無線送信を協調制御することにより,システム容量の向上を図る超高密度分散アンテナシステムが検討されている.本システムでは,電波干渉を考慮しながら,全送信アンテナと端末とを対象に,最適な送信組合せを決める協調無線リソーススケジューリングを行う.この処理では大量の計算を行うのに対し,処理に費やせるスケジューリング周期は最短数百マイクロ秒程度にまで短縮されることが検討されている.本稿は,スケジューリング周期が短縮され,1 端末あたりの計算時間が十分に確保できない場合において,無線スループットを改善する手法を提案する.
休 憩(14:30 再開) 座長 鬼沢 武(NTT)
B-5-74 |
28 GHz帯を用いた5G無線アクセスにおけるInter-BBU HOを用いたモビリティ実験
○栗田大輔・来山大祐・岸山祥久(NTTドコモ) |
B-5-75 |
メタマテリアル技術を適用した反射板による見通し外における28GHz帯5Gエリアの補間
○来山大祐・栗田大輔・宮地健介・岸山祥久(NTTドコモ) |
B-5-76 |
28GHz帯車両ガラス設置型アンテナを用いた下り伝送特性
○猪又 稔・今井哲朗・来山大祐(NTTドコモ)・佐山稔貴・加賀谷 修・東海林英明・竹内彰一・信岡 淳(AGC) |
本稿では,Ericsson社・Intel社との実験協力による基地局・移動局のビームフォーミング・ビームトラッキング技術について報告する.これまで,準ミリ波(28 GHz)を用い,超多素子アンテナ(Massive MIMO)を用いた移動局・基地局ビームフォーミングを実装した5G伝送実験を用いて,屋内外伝送評価を実施した.本稿では,お台場に構築した5Gトライアルエリアにおけるモビリティ検証を基地局ベースバンドユニットを跨いだハンドオーバー機能(Inter-BBU HO)を実装した5G伝送実験装置を用いて実施し,実験結果について報告する.
本報告では見通し外環境における通信品質の改善に向けて,反射波の伝搬方向およびビーム幅を反射板の設置方法によらずに自由に設計可能なメタマテリアル技術を適用した反射板による5Gエリア補間技術を検討した結果について報告する.
5G では,28 GHz 帯が有力な候補バンドとして検討されており,高周波数帯を用いた伝送実験としてセルラーV2X の検証が進められている.5G では高い伝搬損失を補うため超多素子アンテナを用いたビームフォーミングの利用が想定されているが,車両の走行位置に応じて適切にビームを受信するため,車両に設置するアンテナは無指向性かつ,車両による侵入損失を抑制できることが望ましい. 本稿では28GHz 帯車両ガラス設置型アンテナを用いた下り伝送特性を報告する.
休 憩(15:30 再開) 座長 張 裕淵(東工大)
B-5-77 |
ハイブリッドビームフォーミングを用いる高SHF帯マルチユーザMassive MIMO における低演算量2段階ユーザ選択法
◎野中信秀・村岡一志・須山 聡・増野 淳・奥村幸彦(NTTドコモ) |
B-5-78 |
5Gにおける高SHF帯・広帯域Massive MIMOシステムを用いた屋外環境SU-MIMO伝送実験
◎酒井 学・中川兼治・蒲原健一郎・井浦裕貴・岩山直文・岡崎彰浩(三菱電機)・野中信秀・須山 聡・増野 淳(NTTドコモ)・岡村 敦(三菱電機)・奥村幸彦(NTTドコモ) |
B-5-79 |
5G高SHF帯・広帯域Massive MIMOの超稠密環境におけるアンテナ配置及びプリコーディング方式の比較評価
○西本 浩・平 明徳・岡崎彰浩・岡村 敦(三菱電機) |
B-5-80 |
基地局アンテナアレーの分散化とプリコーディングの関係について
◎鈴木裕也・西村寿彦・大鐘武雄・小川恭孝・萩原淳一郎(北大) |
第5世代移動通信システム(5G) の実現のために,高SHF帯においてハイブリッドビームフォーミング(BF)を用いるマルチユーザ Massive MIMO 技術を用いたFBCP (Fixed analog BF and CSI-based Precoding)の検討を行われている.マルチユーザMIMOではスループットを向上するにはユーザ間のチャネルの直交性が高いユーザを選択する必要があるが,演算量の削減が課題となる.本稿では,低演算量ながら,ユーザ間の公平性を考慮しつつ高いシステム効率を実現するユーザ選択法を提案する.
第5世代移動通信システム(5G)の実現に向け,著者らは高SHF帯におけるActive Phased Array Antenna(APAA)によるアナログビームフォーミングと,Multiple-Input Multiple-Output(MIMO)におけるディジタルプリコーディング処理を組み合わせたハイブリッド・ビームフォーミング技術の検討を行い,28GHz帯APAA-MIMOシステムを開発し,これまでに,電波暗室におけるシングルユーザMIMO(SU-MIMO)16ストリーム空間多重伝送実験を行っている.本稿では,屋外環境における28GHz帯500MHz帯域幅APAA-MIMOシステムを用いたSU-MIMO16ストリーム空間多重伝送実験結果を報告する.
第5世代移動通信(5G)における空間利用の高度化に向けて,Massive MIMO(multiple-input multiple-output)を用いたマルチユーザMIMO(MU-MIMO)が盛んに検討されている.5Gでは高SHF(super high frequency)帯等の高周波数帯の利用が見込まれており,適用シナリオの1つとして端末が密集する稠密環境も想定されている.本稿では,超稠密環境における高周波数帯Massive MIMO下りリンク伝送について,基地局アンテナ配置及びプリコーディング手法による特性比較を行う.評価結果から,基地局アンテナを集中配置させ,更に非線形プリコーディングを適用することで良好な特性となることを明らかにする.
近年急増しているトラヒック量に対応するために,5Gでは,大規模MIMOシステムにおける分散アンテナシステムの研究が盛んに行なわれている.著者らはこれまで,ユーザ端末 (UE)が一つのアンテナ素子を有する場合の分散アンテナシステムについて検討してきた.本稿ではUEが二つのアンテナ素子を有する場合について,ブロック対角化 (Block Diagonalization, BD)法,ブロック最大SNR (Block SNR Maximization, BSM)法の二つによりプリコーディングを行った際の集中配置と分散配置のチャネル容量特性の比較を行う.
3月22日 13:00〜15:30 52号館 304教室 座長 丸田一輝(千葉大)
B-5-81 |
5Gバックホール向け送受信装置を用いた屋外フィールド試験
○内田大輔・河口民雄・依田大輝・佐野 誠・秋田耕司(東芝)・Evgeny Tsimbalo・Magnus Sandell(東芝欧州研究所) |
B-5-82 |
OAMモード多重とE-SDMの等価性について
○山本綾乃・西村寿彦・大鐘武雄(北大)・旦代智哉・内田大輔(東芝) |
B-5-83 |
OAM波を生成するループアンテナと円形アレーアンテナの関係
○鈴木 博・斉藤 昭・本城和彦・石川 亮(電通大) |
B-5-84 |
OAM-MIMO多重伝送における異なる偏波の利用に関する実験検討
◎八木康徳・笹木裕文・山田貴之・加保貴奈・李 斗煥・清水敬司(NTT) |
近年,第5世代移動通信システム実現に向けた検討が盛んに行われており,無線バックホールへの期待も高まっている.我々は伝送距離5km,伝送速度20Gbpsを目標に,広帯域が確保可能なEバンドをターゲットとして試作機開発を行ってきた.本報告では,試作機を用いて900mの伝送距離で行ったフィールド試験結果を示す.
軌道角運動量(Orbital Angular Momentum: OAM)モード多重では,等間隔円アレー(Uniform Circular Array: UCA)を送受信側にそれぞれ配置することを前提として,チャネルを離散フーリエ変換/逆変換行列によって固有値分解する.一方,固有ビーム空間分割多重 (Eigenbeam-Space Division Multiplexing: E-SDM)はチャネルの特異値分解によって直交ビームを生成する.本稿では,レイトレーシングで取得したチャネル情報を用いて,既に他の文献でも述べられている両者の等価性の確認を行う.さらに,大地反射波が存在することでOAMモード多重の直交性が崩れる場合での通信容量の評価を行う.
近年,電磁波の角運動量をベースとした直交モードを用いて情報伝送を行うための研究が行われている.このモードの生成法には,ループアンテナを用いる方法と,円形アレーアンテナを用いる方法が知られてる.これらの方法の球座標系におけるベクトルポテンシャルを求め,両者の関係について述べる.
無線通信の大容量化の実現手段として電磁波の軌道角運動量(OAM: Orbital Angular Momentum)を用いた空間多重伝送方式が注目されている.OAM多重伝送はOAMモードの直交性を利用した空間多重伝送方式であり,円形に配置したアレーアンテナ(UCA: Uniform Circular Array)を用いることでOAMビームを生成することができる.これまでに,複数のUCAを用いたOAM-MIMO多重伝送技術により28GHz帯・10mで100Gbps超の伝送に成功しており,さらなる伝送容量の増大には偏波を用いて空間多重数を倍増させることが考えられる.本稿では,OAM-MIMO多重において交差偏波の干渉を加えた状態で,各偏波100Gbps超の伝送実験結果を報告する.
休 憩(14:15 再開) 座長 中島昭範(三菱電機)
B-5-85 |
コネクテッドカーによる歩行者の位置情報送信の効率化に関する一検討
◎三浦竜也・三瓶政一(阪大) |
B-5-86 |
コネクテッドカーと手動運転車の混在状況における効率的な位置情報送信に関する一検討
◎西壅智哉・三瓶政一(阪大) |
B-5-87 |
複数基点に設置したLiDARによる閉空間内移動体認識に関する一検討
○林田直人・三瓶政一(阪大) |
B-5-88 |
LiDARを用いた屋内動態管理システムにおける遮蔽への対策に関する一検討
◎道見大成・三瓶政一(阪大) |
B-5-89 |
車載ミリ波レーダの時系列情報に基づく物体識別
◎中村崇志・豊田健太郎・大槻知明(慶大) |
現在,交通事故の解消を達成することを目的として自動運転技術の開発が進められている.自動運転車の代表例であるコネクテッドカーは歩行者の位置情報をLTE(Long Term Evolution)セルラシステムで取得し,近距離を前提とした通信では通信不可能な離れた他車と共有することができる.本稿では,車道に近く飛び出す危険性が高いと判断される歩行者のみ位置情報を送信することで,コネクテッドカーが送信する情報量を抑える手法を提案する.また,複数のコネクテッドカーが同じ歩行者を検知している場合,その歩行者と最短距離であるコネクテッドカーのみにその位置情報の送信を担当させることで,歩行者の位置情報の重複を防ぐ手法も提案する.
コネクテッドカーの普及期でも手動運転車が一定量は存在すると予想されるので,コネクティドカーの制御に際しては手動運転車の情報収集も必要である.提案方式では,手動運転車はコネクテッドカーに検知され,その位置情報が運行管理システムに送信されるが,その効率的運用のためには無線リソースの効率的利用が必要である.提案方式では複数のコネクテッドカーが同じ手動運転車を検知している場合,その手動運転車と最短距離であるコネクテッドカーのみにその位置情報の送信を担当させるとともに,担当している手動運転車が検出範囲外に出た場合における当該手動運転車の位置情報取得を他のコネクテッドカーに引き継ぐハンドオーバ処理を行う
本研究では,屋内空間内における自動運搬車の軌道計画に用いる動態情報取得のためのセンサを屋内空間に設置するシステムを想定し,センサとして周辺物体との距離を広範囲で正確に把握できる測域センサ(LiDAR)を用いる.LiDARは最も近い物体しか計測できず,不検出領域が存在するため,複数地点にLiDARを設置し多方向から取得した情報を統合することでLiDARの不検出領域を少なくすることを検討する.また,LiDARの計測データは点群であり,そのままでは動態情報として使用できないため,統合情報を基にしたクラスタリング及びID送受信による移動体のトラッキング,移動の有無に基づいた物体の種別による,動態情報の位置精度を向上させる物体認識手法を提案する.
本研究では,屋内空間に複数のLiDARを設置し,取得した動態情報を各運搬車へブロードキャストすることで各運搬車の自律走行を実現するシステムを想定する.LiDARは最も近い物体しか計測できないため,どのLiDARからも計測不可能な遮蔽空間が存在する可能性があり,遮蔽空間内では運搬車は自己位置と不可視エリア内に存在する他の運搬車の位置の把握ができないため自律走行が不可能となる.そこで,各運搬車が遮蔽空間内では自己位置を推定し,その情報を管理システムにアップロードすることで遮蔽空間内においても各運搬車が互いの位置を把握する手法を提案する.また,推定位置の誤差による影響を抑制することについても検討する.
交通事故防止のために,ミリ波レーダを使用した車外物体識別の需要が高まっている.レーダを用いた方法では,電波を物体に照射し,反射波を解析して得られる物体との相対速度・相対距離・信号強度といった情報に基づいて,教師あり機械学習を用いて識別する.しかし,従来手法では,1サンプル時間ごとに特徴量を抽出しており,抽出した特徴量の時系列的な変化を捉えられない.本稿では,算出した特徴量の時間変化を,時間窓を設定し,その中の平均および分散を算出することで,物体の動きをより正確に捉える手法を提案する.実際に歩行者,自転車,缶,ボールなどを車両前方で横断させた実験を行い,提案法によって識別精度が向上することを確認した.
B-5. 無線通信システムB(無線アクセスネットワーク)
3月19日 9:00〜11:45 52号館 101教室 座長 西村寿彦(北大)
B-5-90 |
BLE信号の多次元観測による屋内位置推定に関する一検討
◎鳥居寛享・衣斐信介・三瓶政一(阪大) |
B-5-91 |
BLEと角度情報を用いた機械学習による屋内位置推定に関する一検討
◎田﨑宏大・衣斐信介・三瓶政一(阪大) |
B-5-92 |
無線センサネットワークにおけるレートレス符号を用いたパケット伝送方式
◎樋田有記・張 裕淵・府川和彦(東工大) |
B-5-93 |
省電力高信頼無線マルチホップネットワークにおける接続管理方式
◎長久保咲絵・佐方 連(東芝) |
B-5-94 |
Clustering of Service Robots Based on Available Radio Resources in Robotic Wireless Networks
○Rui Teng・Shirayuki Araki・Satoru Shimizu・Kazuto Yano・Yoshinori Suzuki(ATR Wave Engineering Labs.) |
近年,位置情報を利用したサービスの需要が拡大している.屋外での位置推定には GPS (Global Positioning System) の利用が一般的であるが,屋内では NLOS (Non Line of Sight) 環境となり推定精度が低下する.そのため,屋内位置推定では,小型かつ省電力で普及率の高い BLE (Bluetooth Low Energy) の RSSI (Received Signal Strength Indicator) を用いた位置推定手法などが提案されている.本稿でもこれを用いてRSSIのフィンガープリントを多クラスSVM (Support Vector Machine) により判別し位置推定を行う.さらにSVMにより得られた時系列の位置情報を事前情報とし,これに対して推定対象の運動モデルに基づくカルマンフィルタを適用することで推定および追跡能力の向上を目指す.以上を市販のBLEドングルを装着した送受信機を用いて屋内位置推定実験により実証する.
近年,位置情報を利用したサービスが拡大している.屋外での位置推定には全球測位衛星システムの利用が一般的であるのに対し,屋内では NLOS (Non Line Of Sight) 環境となり推定精度は低下する.屋内位置推定の一種として,小型で省電力かつ普及率の高い BLE (Bluetooth Low Energy)の RSSI (Received Signal Strength Indicator) を用いたフィンガープリントによる位置推定手法が提案されている.観測した RSSI の分布を解析的にとらえることは困難であることから,本稿では機械学習を用いた試行的手法を利用することで推定を行う.送信機が無指向性であっても,屋内環境では送信機の微妙な位置や向きの違いで RSSI 分布の特性が変化する.また,スマートフォンのような多機能端末にはジャイロセンサも標準搭載されていることが多いことから,本稿では,BLE の RSSI を用いた多数の受信機による大規模観測に加え,ジャイロセンサによる角度情報を利用して,推定精度をより向上させる手法を検討する.
Wireless Sensor Networkは,広範囲な領域に多数の無線センサを配置し,無線センサからの情報を伝送及び収集する通信ネットワークであるが,電力供給困難な場所に配置されるため,省電力化が求められる.
従来のパケット伝送方式では,送信誤りが生じるとNAKを返送しパケット再送を行っていたが,伝搬環境が劣悪な場合には,頻繁に送信誤りが生じるため,再送回数の増加に伴い消費電力が増大するという問題があった.
この問題を解決するため本稿では,再送を行わず,レートレス(LT)符号を適用して誤りに耐性のあるパケット伝送及び収集法を提案する.計算機シミュレーションにより,提案方式のパケット誤り率特性を明らかにする.
近年、インフラの老朽化や自然災害による事故の予防手段として無線センサネットワークが注目されている。本稿では、様々な環境でロバストに活用できるよう、時変動の速さが異なる伝搬路でも適切に無線通信先を管理しセンサネットワークを維持する通信方式を提案する。
An important goal of robotic wireless networks
(RWNs) is to successfully accommodate a number of
robots in resource-constraint wireless networks such as
wireless LANs (WLANs). This paper proposes a clustering
scheme based on available radio resources in order to
increase the number of operatable robots.
休 憩(10:30 再開) 座長 小川将克(上智大)
B-5-95 |
3D Massive MIMO における空間相関を利用した平面分割によるチャネル補間
○栗山真純・大槻知明(慶大) |
B-5-96 |
Low-Complexity MMSE Channel Estimation in Massive MU-MIMO System
◎Yunfeng Deng・Tomoaki Ohtsuki(Keio Univ.) |
B-5-97 |
Massive MIMOにおけるパイロット汚染存在時の学習に基づくチャネル推定法
○廣瀨大輝・大槻知明(慶大) |
B-5-98 |
Massive MIMO におけるノイマン級数を用いた逆行列近似による線形プリコーディング
○石井 龍・Yuwen Cao・大槻知明(慶大) |
B-5-99 |
フィールド試験結果を用いた5G向けビーム制御の評価
◎内野大地・石岡和明・武 啓二郎・岡村 敦(三菱電機) |
Massive MIMO (multiple-input multiple-output) では,その膨大なアンテナ数ゆえ,チャネル推定に利用するパイロット信号や,チャネル状態情報(CSI)のフィードバック量が問題となる.この削減法の一つとして,一部のアンテナからのみパイロット信号を送信し,残りのアンテナのチャネルを,空間相関に基づき補間する手法が存在する.また,補間に必要な計算量を減らすため,平面アンテナ配列全体を線形方向に分割して補間する方法がある.しかし,この方法ではチャネル推定精度がある一定以上に改善されない.本稿では,全体をいくつかの小さい平面に分割して補間する方法を提案する.シミュレーションにより,提案法は分割しない場合に比べアンテナ数の増加に伴う計算量の増加を抑えつつ,線形分割法よりチャネル補間精度が改善することを示す.
Massive multi-user MIMO (MU-MIMO) systems are regarded as a promising technique to satisfy high speed, low delay, and high capacity demand for wireless communications. MU-MIMO system requires accurate channel state information (CSI) to exploit spatial diversity. However, accuracy of CSI is usually degraded by pilot contamination. The MMSE estimation is a good method to mitigate pilot contamination, however, with high computational complexity. In this report, we propose a low-complexity MMSE channel estimation method which restricts the dimensions of long-term channel covariance matrices in MMSE estima-tion and share simulation results.
TDDに基づくMassive MIMOでは, チャネル推定のため, ユーザから基地局にパイロット信号を送信する. パイロット信号の長さはチャネルの時変性に制限され, 直交パイロット信号の数は有限個となる. それゆえ, 近接セルでは共通のパイロット信号が再利用される. そのため, 近接セルからの干渉を受けてチャネル推定精度が劣化するパイロット汚染が生じる. 本稿では, ニューラルネットワークを用いて, パイロット汚染発生時の受信信号に対応する所望チャネルを学習することで, パイロット汚染の影響を低減するチャネル推定法を提案する. 計算機シミュレーションにより, 提案法が従来法と比較してチャネルのMSE特性を改善することを示す.
Massive MIMO では,送信側のチャネル状態情報(CSI) 等を用いてプリコーディングを行うが,その計算量はチャネル数の増加と共に増大する.最適な線形プリコーダの1 つにRegularized Zero Forcing (RZF) があるが,逆行列計算のため計算量が多い.そこで,プリコーディングの計算量削減を目的として,逆行列を行列多項式で近似するTPE (Truncated Polynomial Expansion) が提案されている.しかし,TPE では近似行列多項式の項数が増えると,計算量がRZF 以上に増える問題点がある.本稿では,ノイマン級数(NEU)を用いた逆行列近似を用いて,より少ない計算量で同等のレートを達成できるプリコーディング法を提案する.
5GではDCをサポートしており、Massive MIMOによる狭域ビームを用いるときに、SgNB候補の切替に失敗する場合がある。その解決一手法として複数ビーム利用接続確立方式を提案している。
本発表ではフィールド試験で測定したRSSI値を用いて上述の方式におけるSgNB切替失敗率をシミュレーションにて評価した。
3月19日 13:00〜16:30 52号館 101教室 座長 谷口健太郎(東芝)
B-5-100 |
深層強化学習による画像からのミリ波通信プロアクティブハンドオーバ
◎香田優介・中島功太・山本高至・西尾理志・守倉正博(京大) |
B-5-101 |
Intelligent User Association in mmWave Network
◎Yuva Kumar Sadagopan・Fereidoun H. Panahi・Tomoaki Ohtsuki(Keio Univ.) |
B-5-102 |
帯域内全二重における深層学習を用いた自己干渉除去
◎田齊広太郎・上原秀幸・宮路祐一・小松和暉(豊橋技科大) |
B-5-103 |
USRPによる帯域内全二重におけるディジタルプリディストーションを用いた自己干渉除去
◎Teong Zhe Chua・小松和暉・宮路祐一・上原秀幸(豊橋技科大) |
ミリ波通信における通信路遮蔽への対策として,カメラ画像から抽出される遮蔽者の位置,速度を用いて遮蔽を予測し,事前にハンドオーバ制御を行う,プロアクティブハンドオーバを検討してきた.本研究では,カメラ画像からハンドオーバの意思決定を直接下すフレームワークを提案する.画像には遮蔽者の位置,速度はもちろんのこと,遮蔽者の数,体格などの情報が含まれている.本フレームワークは,制御に必要な情報の抽出からハンドオーバの方策の獲得までを自動的に行える.ハンドオーバの方策の獲得には,画像を制御情報とする他のタスクでの方策獲得に成功している深層強化学習を用いる.2人の遮蔽者が歩行する状況で得たカメラ画像と受信電力に基づく評価において,1人の遮蔽者に対して行った先行研究と同様のスループット特性を示すことで,本フレームワークの実現可能性を示す.
Millimeter-Wave (mmWave) technology has been showing big promise for 5G. However, mmWave frequencies experience large propagation path loss and are very sensitive to blockages like human bodies and buildings. In this report, we propose a Multi Armed Bandit (MAB) based User Association (MBUA) for a typical user equipment (UE) in mmWave networks to reduce the number of blockages experienced by UE. We consider a mmWave network where base stations(BSs) are distributed in the landscape such that each UE will be served by secondary beam once the UE experiences blockage in the initial beam.
帯域内全二重では同一周波数で同時に送受信するため,既存の複信方式と比べ,周波数利用効率の向上が期待される.しかし,端末が自身の送信信号を強い自己干渉と して受信してしまうため,所望信号の復調を困難にする.本研究では,深層学習により送受信機全体の非線形性を考慮した自己干渉除去ができる可能性があると考え,深層学習のみによる自己干渉除去手法と,線形自己干渉キャンセラを組み合わせた自己干渉除去手法の有効性について確認する.
同一周波数で同時に送受信する帯域内全二重は既存の複信方式と比較して周波数利用効率の向上が期待される.しかし,自端末の送信信号が自己干渉として受信され,相手端末からの所望信号の復調を困難にする.自己干渉除去の手法として,線形自己干渉キャンセラがあるが,自己干渉が非線形歪みを有する場合は除去性能が劣化する.
本研究では,USRPで帯域内全二重の端末を構成し,ディジタルプリディストーションを用いて電力増幅器の特性を線形化することによって線形自己干渉キャンセラにおける除去量の改善を図る.
休 憩(14:15 再開) 座長 西本 浩(三菱電機)
B-5-104 |
屋外実環境におけるNOMAと送信BF併用伝送のユーザ選択法の検討
○白澤嘉樹・西森健太郎(新潟大) |
B-5-105 |
FIR型送信ビーム形成と双方向受信等化を適用した広帯域シングルキャリアMIMOシステム
◎栗山圭太・福園隼人・吉岡正文・立田 努(NTT) |
B-5-106 |
複数のUCAを用いたOAM多重伝送においてアンテナ軸ずれがシステム容量に与える影響
◎伊藤有希・齋藤周平・菅沼碩文(早大)・小川賀代(日本女子大)・前原文明(早大) |
B-5-107 |
Efficient Transmit Antenna Grouping for Correlated GSM-MIMO System
◎Yuwen Cao・Tomoaki Ohtsuki(Keio Univ.) |
近年,マルチユーザMIMO技術と基地局アンテナ数を超えたユーザと同時通信する技術を併用し,Successive Interference Canceller (SIC) を用いた非直交多元接続 (Non Orthogonal Multiple Access : NOMA)とZero Forcing (ZF) による指向性形成を併用した多元接続が提案されている.しかしながら,NOMAでは選択したユーザによって通信の成否が決定される.本報告では,屋外実環境のデータを用いてNOMAとZFの併用伝送の性能を評価する.さらに,この併用伝送の成功確率を高めるためのユーザ選択法を新たに提案し,その効果を検証する.
長遅延波環境における広帯域シングルキャリアMIMOシステムでは,シンボル間干渉とストリーム間干渉を抑制する必要がある.これに対し,筆者らはCIR伝達関数行列の逆行列を送信ウェイトとして干渉を抑制するFIR型送信ビーム形成法を提案した.しかしながら,CIR行列の行列式が非最小位相の場合,送信ウェイトのタップ係数が発散する課題があった.
本稿では,CIR行列の逆行列を随伴行列と行列式の逆応答に分離し,それぞれ送信ウェイトと受信等化ウェイトに用いるシングルキャリアMIMOシステムを提案する.提案法では,受信側で双方向等化を行うことで,行列式が非最小位相の場合もタップ係数の発散を回避する.
UCAアンテナによるOAM伝送では,搬送波周波数,アンテナ素子数やアンテナ径といったパラメータにより,送信信号の空間的な電力分布及び位相分布が大きく変化し,通信距離により,受信特性が大きく変動することから,UCAの各種パラメータと通信距離を考慮した通信方式設計は極めて重要である.これまでに,複数のUCA を同心円状に多重させて,アンテナ径に冗長性を与える方式が提案されており,OAM信号の受信特性の安定化に極めて有効と考えられる.本稿では,アンテナ軸ずれといった現実的な条件が複数のUCAを用いたOAM多重伝送のシステム容量に与える影響を,UCA多重数をパラメータにとって取得・評価する.
This report first devises a correlated generalized SM-MIMO (GSM-MIMO) system with transmit antenna groups (TAGs). To alleviate the influence caused by channel correlations, we consider the interleaved grouping that provides an important insight for conceiving the proposed transmit antenna grouping. Finally, Monte-Carlo simulations are conducted to verify the analysis and reveal the performance gain of the proposed scheme.
休 憩(15:30 再開) 座長 石原浩一(NTT)
B-5-108 |
5GHz帯マイクロ波給電と無線LANとの共存に関する検討
○谷口健太郎・パビセティ サントシュ・森 浩樹(東芝) |
B-5-109 |
マルチビームMassive MIMOのための公平性アクセス制御方式
○森野善明・平栗健史・吉野秀明(日本工大)・西森健太郎(新潟大) |
B-5-110 |
マルチセル環境下での逐次干渉除去を用いたALOHAにおけるスループット劣化の影響評価と対策
◎佐野裕大・宮路祐一・上原秀幸(豊橋技科大) |
B-5-111 |
屋内無線ネットワークにおける複数の分断経路を考慮した同期制御方式の拡張
○三宅裕士・青山哲也・武 啓二郎・岡村 敦(三菱電機) |
近年,ケーブルの制約を受けずにメートルオーダで電力を送電可能なマイクロ波給電が注目を集めている.マイクロ波給電は,ITU-Rにおいても標準化に向けた取り組みがなされており,送電用周波数として5GHz帯が候補に挙げられている.5GHz帯を利用することでアンテナ素子を小型化することができ,狭ビーム生成・制御によって高効率な給電が期待できるが,一方で既存の無線LAN(WLAN)との適切な共存が求められる.そこでマイクロ波給電とWLANとの共存方式の検討を行った.
Massive MIMO (Multiple Input Multiple Output)伝送は,次世代無線通信において重要な技術として注目されており,既存のMU (Multi User)-MIMO伝送などと比較して飛躍的な通信速度の向上が期待されている.本研究では,CSI (Channel State Information)推定が不要となるマルチビームMassive MIMOのアクセス制御を考案し,ユーザの公平性を保つ手法の検討を行った.本報告では,ユーザの公平性を考慮した方式において高い伝送効率が得られることを確認したため報告する.
Contention Resolution Diversity Slotted ALOHA
(CRDSA)は,時分割送信される複数の同一パケッ
ト(レプリカ)を逐次干渉除去により受信し,高いス
ループットを達成するメディアアクセス制御である.し
かし,マルチセル環境において,周辺セルからの干渉を
受けると,逐次干渉除去ができずにスループットが低下
することが予期される.
本稿ではCRDSA における評価セルのスループット
を向上させるために,評価
セルの端末数に対する周辺セルの端末数の比に応じ
て評価セルのレプリカ数とフレーム長を制御した.
その結果対策手法を用いてレプリカ数とフレーム長を制御するこ
とで評価セルの端末数に対する周辺セルの端末数の比が0.3 の
ときスループットを1.6 倍向上させることができた.
ローカル無線ネットワークにおいて,無線を用いる無線機間の同期確立手法が検討されている.遮蔽物によって経路が分断すると,無線を活用した同期制御では,各経路で同期誤差が蓄積し,TDMA ベースの無線ネットワークの場合,局間でフレームタイミング差が発生し,干渉の原因となる.
本稿では,3 つに分断した経路において,経路間のフレームタイミング差の縮小する同期制御方式を提案する.
3月22日 9:00〜11:15 52号館 101教室 座長 中村 理(シャープ)
B-5-112 |
RoFを適用したミリ波FWAシステムの提案
○白戸裕史・伊藤耕大・菅 瑞記・後藤和人・俊長秀紀・北 直樹(NTT) |
B-5-113 |
ミリ波RoF-FWAシステムにおけるビームフォーミングのためのファイバ長推定方法
○菅 瑞紀・伊藤耕大・白戸裕史・北 直樹(NTT) |
B-5-114 |
ミリ波RoF-FWAシステムにおける波長固定ビームフォーミング手法の提案と評価
◎伊藤耕大・菅 瑞紀・白戸裕史・北 直樹(NTT) |
B-5-115 |
ミリ波RoF-FWAシステムにおけるスループット特性改善方法
○後藤和人・俊長秀紀・白戸裕史・北 直樹(NTT) |
近年,海外を中心にアンライセンス帯ミリ波を用いた大容量伝送システムを光NW未提供エリアへのインフラ用途(アクセス/エントランス)に用いる検討が行われている.本検討では,ユーザを収容する無線基地局の設置性向上・設備の収容効率向上を図るため,基地局の信号処理機能と送受信機能を分離しRoF(Radio over Fiber)を介して配置する方法を提案する.本稿では,従来の課題とそれに対する提案システムの概要を示す.
ミリ波RoF-FWA (radio over fiber – fixed wireless access) システムでは,BS (base station) の構成を簡易化してCS (central station) でビーム制御を行うことが望ましい.本稿では,BSの各アンテナに入力する波長を固定し,CSで位相制御を行うビームフォーミング手法を提案する.この手法ではファイバ長情報が必要であるが,ひとつのCSに複数のBSが接続されているミリ波RoF-FWAシステムに既存のファイバ長推定方法をそのまま適用することは難しい.そこで,時刻同期によりCSからWT (wireless terminal) が接続するBSまでのファイバ長を推定する方法を提案し,その性能を評価する.
著者らはミリ波RoF-FWA (Radio over Fiber – Fixed Wireless Access) システムを提案している.本システムはミリ波を使用するため,利得確保のためのビームフォーミングが必須となる.RoFにおけるビームフォーミング手法として,波長分散を利用し,波長を調整してRF位相を調整する手法が提案されている.しかし,これらの手法には波長利用効率が悪い,光ファイバの距離情報が必要,BS (Base Station) を制御不要としたときのBS構成が複雑,光ファイバが長い・RF周波数が高いときの波長調整量が小さく高精度化が必要といった課題が存在し,ミリ波RoF-FWAシステムへの適用は困難である.本稿では,上記課題を解決する新たな波長固定ビームフォーミング手法を提案し,その性能評価を行う.
筆者らは,ミリ波RoF-FWA(Radio over Fiber – Fixed Wireless Access)システムを提案している.RoF-FWAシステムでは,光ファイバと無線を介して接続されるCS(Central Station)とWT(Wireless Terminal)間の距離は数km以上離れることがある.この場合,伝搬遅延が増大し,伝送特性が劣化することが問題である.当該問題に対して,増大した伝搬遅延に起因して発生する衝突を回避することで伝送特性を改善する方法は提案されているが,長遅延に伴い発生する無線帯域の空き時間を有効活用することはできない.
そこで本稿では,当該空き時間を有効活用することで,伝送特性を改善する方法を提案し,その性能を評価する.
休 憩(10:15 再開) 座長 大塚裕幸(工学院大)
B-5-116 |
地上放送高度化方式における水平・垂直偏波電界強度測定
○神田正則・宮坂宏明・成清善一(NHK) |
B-5-117 |
地上放送高度化方式における移動受信特性の評価
○宮坂宏明・竹内知明・中村円香・土田健一(NHK) |
B-5-118 |
5Gモバイルフロントホールへの無線適用に関する一検討―遅延波環境における小型アンテナを用いるミリ波無線フロントホールの性能評価―
○黄 俊翔・白戸裕史・黒崎 聡・北 直樹(NTT) |
B-5-119 |
5Gモバイルフロントホールへの無線適用に関する一検討 ~ アンテナ小型化に伴う同一チャネル間干渉の影響 ~
○俊長秀紀・白戸裕史・黄 俊翔・伊藤耕大・後藤和人・北 直樹(NTT) |
NHKでは次世代の地上放送の実現に向けて、地上放送高度化方式を検討している。この中で、より大容量化を実現する手段の一つに水平偏波と垂直偏波を用いる偏波MIMO伝送方式がある。今回、名古屋地区に整備した親局規模の実験試験局から水平・垂直両偏波の電波を同時に発射し、移動受信による電界強度測定を行った。
2018年12月より衛星による4K8K放送が始まり,次世代の地上放送への取り組みが注目されている.これまで筆者らは,現行の地上テレビジョン放送よりも周波数利用効率が高い伝送方式(以下,地上放送高度化方式)の検討を進めてきた.今回,野外実験により,地上放送高度化方式の移動受信特性を評価したので,その結果を報告する.
第5世代移動通信システム(5G)において,都心部の市街地環境にスモールセル基地局を設置する際に,光回線に加え,ミリ波帯の無線装置等も活用することで,フロントホールを効率的に構築することが期待されている.こうした無線装置は設置容易性を確保するため,アンテナの小型化が望ましく,比較的に小型なアレーアンテナ等の利用が想定される.しかしながら,アンテナの小型化に伴い指向性が広がり,ミリ波帯においても環境に起因する遅延波の影響が無視できなくなる.本稿では,10Gbps程度の伝送レートを有するフロントホールインタフェースを想定し,市販ミリ波無線装置と小型アンテナを使用し,アンテナの指向性と設置条件に対して遅延波の影響を実験的に評価し,その適用領域を明確化する.
2020年以降の5G商用サービス開始/拡大を目指した研究開発が急ピッチで進められている.本検討では,フロントホールの集約基地局(CS)―アクセスポイント(AP)間の一部区間を無線化する適用例において,CS配下に複数APを収容する形態を想定して装置・アンテナの小型化に起因する課題について設置条件の一例について検討し,アンテナ半値幅が7~8deg以下であれば,干渉の影響は軽微であることを確認した.
3月22日 13:00〜16:30 52号館 101教室 座長 宮本伸一(和歌山大)
B-5-120 |
無線リソース最適化のための戦略管理アーキテクチャ(WiSMA)における端末通信品質に基づく動的マルチインタフェース制御法
○中平俊朗・アベセカラ ヒランタ・村上友規・石原浩一・林 崇文(NTT) |
B-5-121 |
階層型クラスタリングを用いたIEEE 802.11ax無線LANの協調制御
◎中山章太・河村憲一・若尾佳佑・岸田 朗・山田知之・守山貴庸・鷹取泰司(NTT) |
B-5-122 |
無線LANにおけるダイナミックスペクトラムアクセスのための三次元協調キャリアセンス手法の提案
◎大宮 陸・村上友規・石原浩一・林 崇文・鷹取泰司(NTT) |
B-5-123 |
無線LANスループット改善のためのグラフ畳込みを用いたチャネル選択則の強化学習
◎神矢翔太郎・中島功太・大津一樹・山本高至・西尾理志・守倉正博(京大) |
B-5-124 |
A Q-Learning-based User-to-Multiple Access Point Association Method for Heterogeneous Quality of Service Provision
Thi Ha Ly Dinh・○Megumi Kaneko(NII)・Keisuke Wakao・Hirantha Abeysekera・Yasushi Takatori(NTT) |
B-5-125 |
複数周波数帯同時利用無線LANに対するレート制御手法
○夜船誠致・周東雅之・雨澤泰治・佐藤慎一(モバイルテクノ) |
B-5-126 |
920MHz帯を活用した複数周波数帯同時利用無線LAN試作装置の評価
○周東雅之・夜船誠致・雨澤泰治・佐藤慎一(モバイルテクノ) |
今後増大が見込まれる無線トラヒック,および無線端末を効率的に収容するため,アンライセンス無線システムのさらなる活用が重要となる.筆者らは,自律分散制御と集中制御を組み合わせ,全体最適化を行いつつ環境変動への追従性を高めることでアンライセンス無線の無線リソース利用効率向上を目指した制御方式として,WiSMAを提案している.本稿ではWiSMAを活用し,次世代無線LAN規格802.11ax (以後11ax)で採用予定であるSR (spatial reuse)の効果を引き出すため,AP (access point)のマルチインタフェースに対する動的制御法を提案し,その効果を計算機シミュレーションにより明らかにする.
5G時代のマルチアクセス環境において、筆者らはモバイル回線と連携した制御により、高密度環境下でのシステム容量を増大させる無線LANシステムを提案している.本稿では、IEEE 802.11axを想定し、上りマルチユーザ伝送制御の隣接セル間で階層クラスタリングを用いた協調制御を行い、通信品質を改善する手法を提案する.
モバイル端末の爆発的な普及に従い,モバイルのトラヒック量も増加し続けている.これまで,既存無線局に支障を来さない範囲で空き周波数を再利用することで高速化を実現するコグニティブ無線の検討が進められてきた.本稿では空き周波数再利用技術の無線LANへの適用を検討する.空き周波数の効率的な再利用には広帯域かつ複数方向のキャリアセンスが必要だが,これらを規定時間内に行うのは難しい.そこで本稿では,事前に取得した統計情報から各端末でキャリアセンスを実施する際の周波数チャネルおよび3次元空間の方向を指定し,即座にその結果を共有することで,高効率かつ複数方向の周波数チャネルの空き状況を検出する手法を提案する.
高密度な無線LAN利用環境下においては,効率的な周波数利用を促す無線リソース制御が重要である.特に無線LANのアクセスポイント(AP)は,近傍の同一帯域を用いるAPと時分割的に動作するため,これを考慮したチャネル制御がスループットの改善に有効である.
本稿では,強化学習を用いて,実際の経験をもとに,スループットを改善するチャネル選択則を獲得する方法を検討する.その際,スループットの経験を紐付ける要素として,AP同士のキャリアセンス関係の利用を提案しており,特徴抽出器としてグラフ畳込み層を用いることによって,無線LANに適した学習系の構築を目指している.
With small cell densification and service diversification, smart distributed optimization methods will become ever more important to ensure robustness to dynamic environment changes and to core network failures in future wireless access networks. This paper investigates the issue of user-to-multiple AP association, where a user requiring several applications may be served by several APs simultaneously. The problem is formulated as a network sum-rate maximization subject to the required QoS constraints for each user and application, and AP load constraints. We propose a distributed user-to-multiple AP association method, where each user takes an optimized decision locally, leveraging reinforcement learning techniques. Simulation results show the effectiveness of proposed method.
筆者らはISM 帯の周波数利用効率の向上を目指し,単一端末で複数周波数帯を同時利用する複数周波数帯同時利用無線LAN システムを検討してきた.本システムでは,符号化後のデータを同時利用可能な周波数帯(空きチャネル)に分割・同時送信するため,復号系列に対する誤り検出結果(FCS)でレート制御を行うARF(Auto Rate Fallback)では各周波数帯で最適な変調方式を選択できない.そこで本稿では,既存無線LAN装置との後方互換性を維持しつつ,複数周波数帯に対する変調方式と符号化率の最適な組合せを選択可能なレート制御手法を提案する.
筆者らはISM帯の周波数利用効率の向上を目指し,単一端末で複数の周波数帯を同時利用する無線LANシステムを検討し,周波数帯間の伝搬損失差を有効活用して特性の改善を図ってきた.今回,本技術を搭載した試作装置を開発し,920MHz帯の活用について実証実験により評価した結果について報告する.
休 憩(15:00 再開) 座長 光山和彦(NHK)
B-5-127 |
無線LAN保護のための仮想専用チャネル構築法における飽和スループットの理論解析
◎藤澤健太・宮本伸一(和歌山大) |
B-5-128 |
無線LAN保護のための仮想専用チャネル構築法における媒体予約期間通知領域の動的制御に関する一検討
◎山田健志・藤澤健太・宮本伸一(和歌山大) |
B-5-129 |
Q-Learning Based Concurrent Transmissions for WLANs with Identification of Interfering Transmitters
◎Bo Yin・Koji Yamamoto(Kyoto Univ.)・Hirantha Abeysekera(NTT) |
B-5-130 |
CTS 信号の制御による無線LAN における低遅延通信のための品質改善
○河村憲一・中山章太・若尾佳佑・岸田 朗・山田知之・守山貴庸・鷹取泰司(NTT) |
B-5-131 |
複数無線基地局同時制御による無線LAN稠密環境下での低遅延サービス収容に向けた品質改善
◎若尾佳佑・中山章太・山田知之・岸田 朗・河村憲一・守山貴庸・鷹取泰司(NTT) |
B-5-132 |
フレーム間LDPCによる複数APからの無線LANブロードキャスト通信の高信頼化技術
○篠原笑子・井上保彦・林 崇文(NTT) |
不特定多数のBSS(Basic Service Set)が同一周波数チャネルを共有する無線LANでは,個々のBSSの伝送性能を保証することはできない.この問題に対し,我々は,比較的広域なプライベート空間を対象とし,空間内に分散配置した端末から外来者が運用するBSSに対して媒体予約期間を周期的に通知することで,空間所有者専用チャネルを仮想的に構築する手法を提案した.本稿では,媒体予約期間を通知するNAVフレーム送信電力の設計指針の確立を目的として,NAVフレーム送信電力と飽和スループットの関係の理論解析を行う.
不特定多数のBSS (Basic Service Set) で周波数資源を共用する無線LANでは,個々のBSSの伝送性能を保証することは不可能である.この問題に対し,これまで我々は,比較的広域なプライベート空間を対象とし,エリアオーナによって設置された端末(守衛端末)から継続的に媒体予約期間を報知することで,外来者のBSS(外来BSS)の割り込みを排除する仮想専用チャネル構築法を提案した.本稿では,仮想専用チャネル構築法を導入した場合の周波数資源の有効利用を目的として,エリアオーナが運用するBSSの位置に応じて媒体予約期間を通知する領域を動的に制御する手法を提案し,その有効性を明らかにする.
An efficient way of improving spatial channel reuse in dense wireless local area networks (WLANs) is facilitating concurrent transmissions among overlapping basic service sets (OBSSs), i.e., co-located WLANs that operate in the same frequency channel. In this work, we propose a Q-learning based concurrent transmissions for WLANs, where a transmitter identifies the interfering transmitter before exploiting concurrent transmissions.
第5世代移動通信(5G)の特徴の1つは低遅延性であり、5G時代にはIoT用途を中心に低遅延な無線サービスが拡大することが予想され、無線LANに代表される自律的な無線アクセスにおいても、低遅延・低ジッタな品質を必要とする用途への要望が拡大することが予想される。しかしながら、無線LANの通信品質は、環境によっては周囲からの干渉等により安定しない点が課題である。本稿では、周囲の無線LANからの干渉をCTS(Clear to Send)信号の送信により抑制することで、保護すべき通信を優先制御する方式を提案し、遅延の改善効果を評価した結果を報告する。
近年, VRなどのサービスの普及につき, 無線LANにも低遅延通信収容の需要が高まっている. 無線LANの低遅延通信収容においては, 複雑な無線干渉環境の中で, 従来の非低遅延通信の帯域を犠牲にし過ぎることなくいかに低遅延通信の輻輳を回避するかが重要となる. 本発表では, 制御サーバーによるEDCAパラメータの集中制御により, 低遅延/非低遅延通信共存を指向した無線LANシステムを提案する.
多数の無線LAN端末向けに同報的な通信を可能にする新たな通信規格の策定のためIEEE 802.11ではTGbcが設立された.BCSではAPとSTAとの間で接続処理を実行しないで無線フレームを受信させることから、大多数のSTAが宛先となる場合にユニキャストと比較して無線リソースを非常に高効率で使用できると考えられる.しかしながら,ブロードキャストはユニキャストが使用する応答フレームを使用しないため,ユニキャストと比較して通信の信頼性が低くなってしまうことが課題となっている.本稿では,複数APからのブロードキャスト通信時に欠損したフレームを補償する技術としてフレーム間LDPCを採用し,その効果を理論計算により明確にする.
B-6. ネットワークシステム
3月19日 9:00〜11:45 52号館 202教室 座長 宮坂昌宏(NTT西日本)
B-6-1 |
MECサーバの地理的階層を考慮した仮想リージョンの提案
◎小野孝太郎・石橋亮太・中原悠希・桑原 健(NTT) |
B-6-2 |
デバイスのサービス有効度を用いた最適配置選択方式
◎片岡 操・野口博史・磯田卓万・山登庸次(NTT) |
B-6-3 |
IoTデバイスのデータ処理におけるネットワーク上のリソース最適配置の提案
◎磯田卓万・野口博史・片岡 操・山登庸次(NTT) |
B-6-4 |
物理CPUへの効率的なVM配置についての一考察
○木村紗也佳・山下誉幸・三好淳平・桶田雄紀・黒川 悟・加藤英司(ドコモ・テクノロジ) |
B-6-5 |
サーバ移動サービスにおける最小支配集合を用いたワークプレース容量設計法の性能改善
◎伊藤嵩真・福島行信(岡山大)・村瀬 勉(名大)・横平徳美(岡山大) |
マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)環境では,端末に近接配置されたサーバ(MECサーバ)により,低遅延/大容量通信が要求されるようなMEC特有のサービス(MECサービス)が提供される.本稿では,MECサービスの要件充足とリソースの効率的な利用を両立するために,地理的に階層構造をとるMECサーバのリージョンとして,MECサーバやネットワーク(NW)といったNW事業者のリソース状況を考慮してMECサービスの要件毎に設定される可変の仮想リージョンを提案し,MECサービス提供者がMECサーバのリージョンを直接指定する方法とNW事業者が定義する仮想リージョンを指定する方法について,MECサービスの要件充足とリソースの効率的な利用の両立の観点で定性的に比較評価した.
ネットワーク上に点在する多数のデバイスをサービスに関わらず利用できるOpen IoTの将来では、NW上のどのマシンでデバイスデータを処理するアプリケーションを実行するかだけではなく、サービスに有効な意味データを持つデバイスの選択もトラヒックやサービスにかかる時間に大きな影響を与える。本稿では、サービス達成時間およびTR量の削減を目的に、あるデバイスのあるサービスにとってのデバイスデータ有効度合(以下サービス有効度)を用いた、デバイスとAPL実行マシンの組み合わせを求める方式を提案する。
現状のIoTサービスはサービス利用者の所有するIoTデバイスからデータを取得し, クラウドサーバでデータ収集・解析を行なっている. 将来, 多様なIoTサービスを低コストで開発, 運用するには, IoTデバイスとサービスを分離し, 水平分離的に相互利用できることが必要になる. しかしながら, 相互利用による通信トラヒックの増大が懸念される. 通信トラヒックの低減に向けて, IoTデバイスの全てのデータをクラウドサーバで処理するのではなく, IoTデバイスとネットワーク上の距離が近いサーバで処理させることが求められる. 本稿は, IoTデバイスからのデータを処理するアプリをネットワーク上に分散されたリソースに最適配置する手法を提案する.
移動体通信分野では仮想化システムへの移行が進んでいる.仮想化のメリットとして,専用ハードで実現していたシステム構成を汎用サーバで実現する事によるCAPEXの低減が挙げられる. そこで,汎用サーバ上へ効率的にVMを配置することによって,CAPEXを低減させることを目指し,物理CPUへの効率的なVM配置条件を考察した.
IaaS型クラウドサービスで稼働するネットワークアプリケーション(NW-App)の通信品質を改善するためにサーバ移動サービスが提案されている.このサービスではNW-Appのサーバが稼働できる計算機(WP)がネットワーク(NW)内に分散配置されており,サーバはより良い通信品質が得られるWPへ移動できる. サーバ移動サービスプロバイダの経済性を高めるためには,NW内の各WPに割り当てられるリソース量を必要最小限に抑えつつ,NW-Appに対して良好な通信品質を提供することが重要である. 本研究では,最小支配集合問題に帰着して解く従来法に対して,配置されるWPの間でのサーバの移動可能性を考慮するように拡張を施すことにより,その性能改善を図る.
休 憩(10:30 再開) 座長 谷田直輝(日立)
B-6-6 |
FPGAを活用したSPPのスケール性拡張検証
○大谷育生・赤松雄貴・堀米紀貴(NTT) |
B-6-7 |
P4を用いた複数ルーティング構成法の実装に関する検討
○橘 拓至(福井大)・平田孝志(関西大) |
B-6-8 |
P4による複数ルーティング構成法の実装評価
○平田孝志(関西大)・橘 拓至(福井大) |
B-6-9 |
VNFインスタンス移行時のフロー転送断時間制御方法
○杉園幸司・河野伸也・岡田昭宏(NTT) |
B-6-10 |
仮想スイッチにおけるRSS利用の課題についての一考察
○澤崎文彦・荒岡 誠(NTT) |
DPDK(Data Plane Development Kit)を用いて高速に物理NIC・VM間やVM・VM間を接続するSPP(Soft Patch Panel)に関して、FPGA(Field Programmable Gate Array)を活用してスケール性を向上する検討を行っている。
本稿では先行研究の方式検討結果に基づき、Layer-2振分け機能を含むFPGA内機能の実装を行い、FPGA搭載NICを2つ用いて性能検証を行った結果について述べる。
通信ネットワークの高速障害復旧を実現するために,予備のルーティング構成を事前に用意する複数ルーティング構成法(Multiple Routing Configurations: MRC)が提案されている.本構成法では,障害が発生すると障害発生箇所を使用しないルーティング構成に切り替えることで,高速な障害復旧を実現する.本稿では,複数ルーティング構成法の新たな実現例として,ネットワーク機器のデータプレーンプログラミングが可能なP4を用いた実装について検討する.実装結果から,P4によって予備ルーティング構成の切り替えを実現できることが示された.
通信ネットワークにおいて高い可用性を提供するためには,障害発生時において迅速な障害復旧が必要である.このような通信ネットワークの高速障害復旧を実現するために,これまでに複数ルーティング構成法(Multiple Routing Configurations: MRC)が提案されている.本稿では,Software-Defined Networking(SDN)においてネットワーク機器のデータプレーンのプログラミングを可能とする言語であるP4を用いて,このMRCをMininet上に実装し,その検証を行う.
データ完全同期による仮想化ネットワーク機能実行ソフトウェア(VNFI) サーバ間移行方式では, VNFIのデータ更新によるサーバ間データ不整合状態継続解消のためVNFIを停止する.停止中の転送データ量削減が可能な場合,VNFI 停止時間を短縮できる.移行VNFI が大容量トラヒックを処理する場合, 既存転送技術を用いたVNFI停止時間短縮が困難になり, フローの要求転送断時間を実現できない状況が生じる.
本稿では,VNFI 同期用帯域によるVNFI 停止時間短縮が可能な量までVNFI 入力トラヒックを制限し, 転送断時間短縮要求フローを優先的に処理することで, 要求フロー転送断時間を実現する手法を提案する.
DPDKとRSS(Receive Side Scaling)と呼ばれるハードウェアアクセラレーション技術を組み合わせて数百Gbpsクラスのスループットを出した仮想スイッチが報告されている。一方、データセンタで頻出するネットワーク設計パターンにおいてRSSとVXLAN等レイヤ3をアンダーレイとする仮想ネットワークの組み合わせはスケールしない課題がある。本稿は左記課題と対応策について検討した結果を述べる。
3月19日 13:00〜17:00 52号館 202教室 座長 中平佳裕(OKI)
B-6-11 |
BGP Flowspec および VRF を用いたサービスチェイニング方式の一検討
○西岡孟朗・井上里美・大澤 浩(NTT) |
B-6-12 |
BGP Flowspec および VRF を用いたサービスチェイニング実現方式における,導通確認試験方式
◎三好勇樹・工藤伊知郎・大澤 浩・西岡孟朗・鈴木裕志・林 裕平(NTT) |
B-6-13 |
Segment RoutingとBGP flowspecを用いた5GネットワークスライスにおけるTraffic Engineering手法の提案
◎宮坂拓也・北原 武(KDDI総合研究所)・丹羽朝信・熊木健二(KDDI) |
B-6-14 |
複数サービスチェインに対するモデル予測制御を用いたVNFインスタンス管理法
○熊崎雅哉・橘 拓至(福井大)・小蔵正輝(奈良先端大) |
B-6-15 |
サービスチェイニングにおける要求使用率とパス帯域の関係
○山崎裕史・本間俊介・杉園幸司(NTT) |
近年,複数のサービスファンクション (SF) 間でトラヒックを柔軟に転送し,多様なネットワークサービスを実現するサービスチェイニング技術の検討が行われている.本稿では,BGP FlowspecおよびVirtual Routing and Forwarding (VRF) 機能を用いたサービスチェイニングの実現方式を提案し,従来方式との定性的な比較評価を行う.
近年,複数のサービスファンクション (SF) 間でトラヒックを柔軟に転送し,多様なネットワークサービスを実現するサービスチェイニング(SC)技術の検討が行われている[1].我々はBGP Flowspec および Virtual Routing and Forwarding (VRF) 機能を用いたSCの実現方式を提案してきたが,本稿では,上記SC実現方式における導通確認試験においての方式を提案し,考察と評価を実施した.
3GPPにおいて標準化が進められている次世代移動体通信規格(5G)では,Network Slice (NS)を用いることで通信要求の異なる複数のサービスを同一の物理ネットワークに収容可能となる.しかしながら3GPP標準規格では5Gノード間のIPトランスポートネットワークにおいて,各NSの通信要求を保証するための機構は規定されていない.
本稿では,現状の5Gの標準規格を変更せずに,Segment RoutingとBGP flowspecを用い, 5Gのユーザプレーンを構築する5Gノード間のIPトランスポートネットワークにおいて,NSの通信要求を満たすTraffic Engineering (TE)を実現する手法を提案する.
複数のVNFを適切な順序で使用するサービスチェイニングの研究開発が盛んに行われている.ここで,VNFのデータ処理能力はVNFインスタンス数に依存するため.トラヒックの変動に応じて適切にVNFインスタンス数を管理する必要がある.しかし,VNFインスタンスの増減には時間ががかるため,トラヒックが急増した場合にはデータの棄却が発生する可能性がある.そこで本稿では,複数サービスチェインに対するモデル予測制御に基づくVNF管理法を提案する.数値例から,モデル予測制御を用いて将来のバッファの状態を予測してVNFインスタンス数を管理することで,データの棄却を抑制できることが分かった.
サービスチェイニングにおいて、これまでに提案した方法によりパス帯域を決めた場合に、要求するリソース使用率とパス帯域の関係について評価した結果について報告する。
休 憩(14:30 再開) 座長 山垣則夫(NEC)
B-6-16 |
小型自立移動式災害対策支援ユニットにおける通信システムの構築
◎田島氷河・鈴木浩平・水野 修(工学院大) |
B-6-17 |
D2D型SNSにおけるカスケード障害を低減する自律分散制御法
◎横井花深・橘 拓至(福井大) |
B-6-18 |
大規模ネットワーク故障時のネットワーク縮退化に着目した復旧順序決定法
◎笹生孔太・源田浩一(日大) |
B-6-19 |
仮想環境における部分バックアップとリストア方式に関する検討
○朱 瑋・三原孝太郎・木村伸宏(NTT) |
B-6-20 |
多装置ネットワークのソフトウェア更新スケジューリング手法
○中務諭士・高橋 賢・吉岡弘高(NTT) |
大規模な都市災害時において,災害対策本部からユーザに対して,災害情報の収集・配信が必要である.そこで,自立移動式災害対策支援ユニット(D-ZEV:Disaster-robust Zero Energy Vehicle)およびD-ZEV miniを開発している.本研究では,D-ZEV miniに車載する通信システムとして,DTN機能を実装した無線LANアクセスポイントを構築した.また,通信システムの実験を行い,送信する適切なデータサイズを決定した.実験結果より,10~20MBのデータサイズを送信することで,通信システムを有効に使用できることを確認した.
Device-to-device (D2D) 型ソーシャルネットワークサービス(D2D 型SNS) は,D2D 通信を行う物理網とユーザが交流するソーシャルネットワークで構成され,両階層の接続状況に応じてデータ通信が行われる.このような2 階層構造のデータ通信では,一方の階層で発生した障害がもう一方の階層にも影響し,障害が連鎖して大規模化するカスケード障害が発生する.本稿では,D2D 型SNS に対して,カスケード障害を低減する自律分散制御法を検討する.提案法では,ソーシャルネットワーク内のユーザに対して新たな交友関係を自律分散的に追加する.また,提案法の性能を数値シミュレーションで評価する.数値例において,自律分散制御を適用することで,カスケード障害に強いD2D 型SNS を運用できることを示す.
大規模なネットワーク故障が発生した際にネットワークを効率的に回復するためには,設備の復旧順序が重要である.しかし,大規模ネットワークの復旧順序決定には多大な時間を要する.本検討では,ネットワーク規模を縮退することで,大規模ネットワークの故障においても適切な復旧順序を現実的な時間で決定する方法を提案する.
大規模電話系システムに適用する基幹系SIPサーバは従来,専用サーバによって構成されてきたが,仮想化技術の普及により将来は汎用サーバ上に構成されると考える.また,激甚災害に対応するために,二重化激甚構成や現用局から遠隔の激甚局へ定期的にバックアップファイルを転送する方式を採用している.本研究では,仮想環境でバックアップサイズや転送量,リストア時間を減少できる効率的な部分バックアップとリストア方式を検討する.
ネットワークを構成する装置について、新プロトコル対応やバグ改修のためにソフトウェア更新作業が必要になった際、特段のポリシを設定せずに更新処理を行う装置を選択するのではなく、必要な信頼性要件を満足しながら更新する装置を選択してスケジューリングする手法について提案する.
休 憩(16:00 再開) 座長 上 豊樹(パナソニック)
B-6-21 |
パーソナルデータ流通基盤の検討
○須加純一・小倉孝夫・光延秀樹・伊藤 章(富士通研) |
B-6-22 |
クラウドネイティブ型ネットワーク機能アーキテクチャの検討
○篠原健太・堀米紀貴(NTT) |
B-6-23 |
5GC サービスベースインターフェース実装に関する一検討
○野島大輔・池田憲宏・山田 曉・岩科 滋(NTTドコモ) |
B-6-24 |
仮想環境における再開方式に関する一考察
◎戸田貴都・三原孝太郎・木村伸宏(NTT) |
情報銀行や PDS(Personal Data Store)といった個人のパーソナルデータを管理し,個人の同意の上,第三者の事業者(利用者)にパーソナルデータを提供する仕組みの構築が進んでいる.現在検討されている情報銀行は,パーソナルデータを,個人の同意を得た上で,集約して管理し,利用者に提供する形態をとっている.本形態では,パーソナルデータ管理のために,大容量のストレージが必要なだけでなく,最新データへの更新の対応といった運用のコストも大きい.そこで,筆者らは,現状の情報銀行の形態をベースに,各種パーソナルデータの特性から,情報銀行に集約するデータの管理と,保有者の拠点にデータ本体を残し,そのデータ本体の概要を示すメタデータのみの管理を行うハイブリッドな形態での基盤を提案する.
ネットワーク機能の仮想化がNFV を中心に進められている.NFV のアーキテクチャは図1 に示す通り,VNF,NFVI,VNFM,VIM といった機能部が定義さ
れている.一方で,クラウドネイティブとよばれる技術革新がWeb 系の領域を中心に進められている.それに伴い,NFVのアーキテクチャには状況の変化に対応できていない点が出てきているため,本稿では,クラウドネイティブなネットワーク機能アーキテクチャの在り方について検討する.
3GPP では,5G時代の多種多様なサービスの実現に向けて,5G Core Network (5GC)をRelease 15仕様として策定した.サービスを迅速かつ柔軟に提供するために,5GCのControl-Planeにマイクロサービスアーキテクチャを適用したサービスベースアーキテク
チャ(SBA)が採用されており,Network Function (NF)間ではサービスベースインターフェース(SBI)と呼ばれるインターフェースを介して接続される.本稿では,OpenAPI Generatorを活用したSBIの実装方法について述べる.
現在の通信システムにおいては,サービス提供の信頼性確保のためのACT/SBY構成によるサーバ二重化に加え,故障検知時の自動復旧機能では故障の影響範囲の局所化および復旧にかかる時間短縮のために再開範囲を少しずつ拡大するエスカレーションの機構を取り入れている等の工夫をしている.また近年,通信システムの低コスト化を目的として,IAサーバを用いた仮想環境への移行が提案されており,これによってハードウェア(HW)そのものに加え維持管理コストの低減が期待される.本稿では,コスト面だけでなくサービス提供の面からも,仮想化の活用によって現行のシステムから更に信頼性を高める方式を提案する.
3月19日 9:00〜11:45 52号館 204教室 座長 松井健一(NTT)
B-6-25 |
通信系伝送装置における音声系障害検出方式の検討
○金光卓生・佐藤教之(NTT) |
B-6-26 |
通信系伝送装置における音声系障害時機能停止の検討
○佐藤教之・金光卓生(NTT) |
B-6-27 |
Streaming Telemetry対応光アクセス装置の検討
○片山久嗣・井上 徹(住友電工) |
B-6-28 |
ENUMを利用した特定番号への輻輳制御方式の提案
○杉本 駿・清水 宏(NTT) |
B-6-29 |
キャッシュを利用したOpenFlow通信の高速化
◎祐野雅範・三輪 忍・八巻隼人・本多弘樹(電通大) |
デジタル処理を行うエコーキャンセル機能を持つ通信系伝送装置において、装置内での演算処理誤りによる雑音等の音声系障害の発生時に音声データのみが異常となった場合は、エコーキャンセル機能の動作特性から異常の検出が難しく、障害が継続してしまう懸念がある。今回提案する障害検出方式を採用することで、エコーキャンセルを含む音声処理前後での音声データの変化によらず該当の通話チャネルの正常性の確認が可能となる。
デジタル処理を行うエコーキャンセル機能を持つ通信系伝送装置において、装置内での演算処理誤りによる雑音等の音声系障害の発生時に音声データのみが異常となった場合は、エコーキャンセル機能の動作特性から異常の検出が難しく、障害が継続してしまう懸念がある。今回提案する障害検出方式を採用することで、異常の検出のみでなく装置の機能停止が可能となる。
ネットワーク機器の管理プロトコルとして従来からのSNMPやNETCONFが存在している。
これらは管理システムから機器情報のデータモデルに対する要求を発行し、その応答を受信することで情報取得を行う。
一方、機器から管理システムへ定期的に情報発信するStreaming Telemetry技術(以下、Telemetryと略)が昨今注目されており、機器情報をリアルタイムに収集し、状態変化に応じた自律的機器制御を実現する要素として期待されている。
本報告では、光アクセス装置へTelemetryを導入し、従来方式との性能比較、及びTelemetry方式の考察を行う。
通信事業者間のIP相互接続後の接続構成において、新しく導入されるENUMサーバを利用し、企画型輻輳に対する輻輳制御方式を提案し、提案方式による効果を評価する。
クラウドサービスの登場、サーバ仮想化、携帯端末とコンテンツの爆発的増加などの要因により、ネットワーク業界ではSDN (Software Defined Network) が注目されている。
SDNの代表的なプロトコルであるOpenFlowでは、従来のネットワークスイッチの管理・制御処理をOpenFlowコントローラが、転送処理をOpenFlowスイッチが行うことで、ネットワークを一元的に管理・制御できる。
OpenFlowスイッチにおいてパケット転送時に行われるテーブル検索処理が性能上のボトルネックとなっていることから、本研究ではその性能を改善する。
休 憩(10:30 再開) 座長 藤橋卓也(愛媛大)
B-6-30 |
低レートDoS検知に有効なL3,L4ヘッダ内の重要変数の検討
◎林 裕平(NTT)・鈴木彦文(信州大)・西岡孟朗(NTT) |
B-6-31 |
制御ネットワークシステムにおけるフレーム認証に関する演算負荷削減方法の一検討
◎井川昂輝・坂上太一・遠山 治・伊東輝顕(三菱電機) |
B-6-32 |
DNSトンネリング経由標的型攻撃に対するキャッシュヒット率を用いた検知手法の検討
◎石倉直武(阪府大)・近藤大嗣(Univ. of Lorraine)・戸出英樹(阪府大) |
B-6-33 |
ブロックチェーン上のスパムメッセージの分析
◎清野隼史・後藤滋樹(早大) |
B-6-34 |
災害時における認証されていないノードの信頼管理に関する一考察
○クルボノヴ ウルグベク・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大)・西垣正勝・大木哲史(静岡大)・河辺義信(愛知工業大) |
近年,HTTP FloodやSlow DoS等の,低いレートでもWebサーバをサービス不能にできる攻撃が脅威となっている.これら攻撃は,ルータの従来の情報取得技術であるNetFlowがパケットサンプリングを伴うため,ルータを用いた網での検知が困難だった.一方,ルータからパケットのL3,L4ヘッダ(以降,ヘッダと呼ぶ)の一部をサンプリング無しで容易に送出することが期待できる技術が昨今現れ始めている.本稿では,ヘッダ情報から算出可能かつ低レートDoS検知が可能な特徴量計算法の確立に向け,検知におけるヘッダ内の重要変数の選定とその考察を行う.
制御システムにおけるマスタ・スレーブ間の通信では,産業用Ethernet上の通信プロトコルの導入が進んでいるが,通信フレームのセキュリティに関しては規定されていない場合が多い.通信フレームのセキュリティ対策の1つとして,成りすましや改竄の防止を目的としたメッセージ認証符号の導入が挙げられるが,演算負荷の増大が課題となる.
本稿では,制御システムで一般に用いられる,マスタとN個のスレーブがライン接続されたネットワーク構成において,通信フレームにメッセージ認証符号を導入した場合を想定し,その際に生じる演算負荷を削減する手法を検討する.
標的型攻撃による情報漏洩は,セキュリティ脅威の一つとして恐れられている.また,多くの企業はDNSプロトコルの利用制限を行っていないため,DNSトンネリング経由の標的型攻撃が近年確認されてきている.本研究では,従来にない新たな視点として,一般的なクライアントアプリケーションに基づく正常DNSトラヒックとDNSトンネリングに基づく異常DNSトラヒックのキャッシュ特性の違いに注目し,キャッシュヒット率の時系列データからDNSトンネリングの検知を目指す.
Bitcoin以降に登場した仮想通貨には,送金取引だけではなく,スマートコントラクトの機能を持つものが存在し,メッセージのやりとりなどにも利用されている.スマートコントラクトによるメッセージのやり取りがメジャーになるにつれて,メールやSNSと同様にスパムメッセージが現れるようになった.これに対して,現状では主要な仮想通貨においてスパムフィルタのような機能が存在しない.また,現在までブロックチェーン上におけるスパムメッセージの実態調査は行われておらず,どれぐらいの数のスパムメッセージが存在しているのかも未知数である.本研究ではブロックチェーンに汎用的に適用できるスパムメッセージ判別法を提案し,提案手法を用いてNEMにおけるスパムメッセージの分析を行う.
災害時に災害救援組織は、正確な情報を収集する必要であるが、信頼性が不明なボランティアや被災者からSocial Networking Service (SNS) を用いて発信された情報を、そのまま利用することは望ましくない。これに対して、本稿では、これらのメンバが協力して、信頼性の高いボランティアや被災者からのメッセージだけを災害救援組織に送信するフレームワークを提案する。
3月20日 9:30〜11:30 52号館 202教室 座長 小島英春(阪大)
B-6-35 |
ETSI ISG ENIの活動状況と今後の展開に向けて
○桐葉佳明・中尾彰宏(東大) |
B-6-36 |
機械学習を用いたP2PTVトラヒックの分類
◎林 晃司・三好 匠(芝浦工大) |
B-6-37 |
機械学習を用いたP2PTVトラヒックの時系列分析
◎大岡里奈・林 晃司・三好 匠・山崎 託(芝浦工大) |
B-6-38 |
通信分析と機械学習によるデバイス識別手法に関する検討
○野口博史・片岡 操・磯田卓万・山登庸次(NTT) |
人工知能 (AI)や機械学習 (ML)を用いた情報通信ネットワ ーク制御・管理技術に関して、欧州の電気通信標準化機構である ETSIのISG (Industry Specification Group)にて、議論が進められている ENI(Experiential Networked Intelligence)の最新の活動状況と、今後の展開課題に関して報告する。
近年,動画利用者数の増加に伴い,P2P(Peer-to-peer)方式の映像配信サービス(P2PTV)が注目されている.P2PTVではコンテンツごとにピア数やスループットが大きく変動するため,トラヒックの制御が困難である.そこで,ピア数とスループットに着目してP2PTVトラヒックを分類し,モデル化する手法が提案されている.しかし,これらの手法では分析者の主観によってトラヒックを分類しており,分類の基準が曖昧である.本稿では,特徴量に基づいてデータを分類するクラスタリングによって,P2PTVトラヒックの分類を行う手法を検討した.また,約400本のP2PTVトラヒックを用いて分類を行った結果,4つのクラスタに分類されることが分かった.
近年,ユーザ端末(ピア)間で直接通信する P2P(Peer-topeer)方式を利用した動画配信サービス(P2PTV)が注目され ている.P2PTV ユーザの参加・離脱は変動するため,動画視聴 中にトラヒックが変化する可能性がある.P2PTV のネットワー ク品質を維持するためには,トラヒック特性の分析が重要な課題 である.本稿では,機械学習を用いて P2PTV トラヒック特性の 変動に対応できる時系列分類手法について検討する.
今日,IoT(Internet of Things)が急速に拡大を続けており,ネットワーク管理者には,多様多数のデバイスの性質や状態を把握して適切かつ安全に管理することが求められている.我々は,これまでに多種多様なデバイスの種類や個体を識別して自動で管理する手法を提案した.本稿は,先行研究における通信データの特徴量化処理と,特徴量を用いた類似性算出処理への改善を提案し,ネットワークカメラを用いた実験により識別正解率向上への効果を示した.
休 憩(10:45 再開) 座長 國頭吾郎(NTTドコモ)
B-6-39 |
ネットワークデータへの次元圧縮手法の適用に関する一考察
○仲川宜秀・風戸雄太・中谷裕一(NTT) |
B-6-40 |
取引履歴の解析に基づくダークマーケットの所有するBitcoinアドレス識別
○金村晃太・豊田健太郎・大槻知明(慶大) |
B-6-41 |
ネットワーク予約サービスにおける機械学習による予約受付判定法
◎伊豆田昂彦・源田浩一(日大) |
昨今、ネットワーク分析やセキュリティ分析にて、ネットワークデータ(以下、NWデータ)を用いて機械学習を行う事例が増えている。しかしNWデータの特徴量が膨大になると、学習に大量のリソースが必要となり、計算時間も増大する。その解決策の1つとして、次元圧縮手法を用いて、事前に特徴量を削減する方法がある。本論文では複数の次元圧縮手法をNWデータに適用し、その有用性について考察する。
Bitcoinは,銀行の口座番号に相当するBitcoinアドレス間で送金を行う仮想通貨の一つであるが,その匿名性ゆえに,違法薬物や武器を扱うダークマーケット (DNM: Darknet Market) の決済手段に用いられている.本稿では,科学捜査の観点から,未知のDNM運営者によって所有されるBitcoinアドレスの識別手法を提案する.一般に,DNMは複数のBitcoinアドレスを所有しており,それらの取引の特徴は類似していると考えられる.提案法では,識別対象のBitcoinアドレスから,同一ユーザによって所有される複数のBitcoinアドレスを推定する手法であるアドレスクラスタリングを用いる.同一ユーザが所有する複数のBitcoinアドレス毎に送受金額,送受頻度といった特徴量を抽出し,それぞれ教師あり分類器を用いてラベル付けし,最も多く分類されたラベルを分類結果とする.複数のBitcoinアドレスの分類結果を利用するため,従来法と比較して高い精度で識別できる.提案法の有効性を実データを用いたシミュレーションにより示す.
ネットワークをホテル予約のように利用者が使いたいときに使いたい分だけ予約できるサービス(NW予約サービスと呼ぶ)はさらなる普及が期待されている.NW予約サービスでは予約受付率の向上と素早いレスポンスタイムが求められる.本稿では,高速なレスポンスとリクエストされた時間での受付率向上を可能とする機械学習による予約判定方法を提案し,一次評価を通しその有効性を確認した.
3月20日 13:00〜16:30 52号館 202教室 座長 高野知佐(広島市立大)
B-6-42 |
IoTワイヤレス機器に対する広域ネットワークスキャン技術の研究 ---全体概要---
○鈴木義規・矢野一人・江頭直人・栗原拓哉・清水 聡・阿野 進・中村 徹・大槻弘幸・坂野寿和(ATR)・川本雄一・加藤 寧(東北大)・和氣弘明(NTT-AT) |
B-6-43 |
IoTワイヤレス機器に対する広域ネットワークスキャン技術の研究 ‐無線通信量・消費リソース量削減技術‐
○矢野一人・江頭直人・栗原拓哉・清水 聡・鈴木義規(ATR) |
B-6-44 |
IoTワイヤレス機器に対する広域ネットワークスキャン技術の研究―無線端末属性把握技術と予備実験―
○江頭直人・矢野一人・栗原拓哉・清水 聡・鈴木義規(ATR) |
B-6-45 |
IoTワイヤレス機器に対する広域ネットワークスキャン技術の研究‐無線LANを対象としたネットワークスキャンによる通常通信スループットへの影響の評価‐
○橋田紘明・川本雄一・加藤 寧(東北大) |
B-6-46 |
IoTワイヤレス機器に対する広域ネットワークスキャン技術の研究―スキャン制御フレームワーク―
○栗原拓哉・江頭直人・矢野一人・鈴木義規(ATR) |
B-6-47 |
IoTワイヤレス機器に対する広域ネットワークスキャン技術の研究―通信量削減に向けたスキャン頻度/スキャンポート最適化技術―
○大崎光洋・石岡 裕・和氣弘明(NTT-AT) |
近年,IoT(Internet of Things)機器の数は著しい増加傾向にあり,2017年に世界で流通しているIoT機器の数は約275億台に及び,2020年までに403億台まで増加すると予想されている.一方,既に流通しているIoT機器においては脆弱なものも数多く存在し,IoT機器の脆弱性を狙ったサイバー攻撃が急増,DDoS攻撃により大量の不正通信が発生した例もある.そのようなサイバー攻撃に対する対策として,広域ネットワークスキャン(以下,NWスキャン)技術を用いて,サイバー攻撃の標的となる脆弱なIoT機器を特定し,対策を講じる手段が有効と考えられる.一方,今後増加が容易に予想される無線接続されるIoT機器(以下,IoTワイヤレス機器)に対して,既存のNWスキャン技術をそのまま適用すると,大量の無線通信を伴い周波数の逼迫を惹起するおそれがある.
本稿は,IoTワイヤレス機器に対して,既存の通信への影響を与えることなく,効率的にNWスキャンを実現するための研究開発について概説し,研究計画を述べる.
筆者らは大量のIoTワイヤレス機器に対して,既存の通信への影響を与えることなく効率的にネットワークスキャンを実現するための研究開発を実施している.本稿では筆者らが検討を行っている,所要のスキャン頻度を充足しつつネットワークスキャンに必要な無線トラヒック量や無線リソース量を削減する技術について概説する.
筆者らは,無線接続される大量のIoT(Internet of Things)機器に対して,既存の通信への影響を与えることなく効率的に広域ネットワークスキャン(NWスキャン)を実現するための研究開発を実施している.所要のNWスキャン頻度を充足しつつNWスキャンに必要な無線トラヒック量や無線リソース量を削減するには,NWスキャン対象となる無線端末が存在するネットワークを特定し,当該無線端末の通信環境が良好な状況を狙ってNWスキャンを実施することが重要である.そのためには,当該端末の属性(有線・無線の判別,無線システムの種類等)をNWスキャン結果から把握する必要がある.本稿では,無線端末属性把握技術について説明し,実験による検証結果について報告する.予備実験結果から平均遅延によって有線・無線接続を区別可能な見通しを得た.
IoT機器の普及が進む中,そのセキュリティ対策としてネットワークスキャン(NS)が注目を集めている.NSでは短時間に多くのprobeパケットを送信することになるため,ネットワークの輻輳を惹起する恐れがある.そのため,輻輳を低減するためのスキャン制御をすることが求められる.しかし,NSでは膨大な数のIoT機器が対象となるため,端末ごとにスキャン制御を行うことは非現実的である.そこで本研究グループは,スキャン制御区分が同一であるネットワークをひとまとめにするクラスタリング手法の開発を行っている.
本稿では,クラスタリング手法における初期検討として,個々のネットワークにおけるNSによる通常通信スループットへの影響について検討を行う.通常通信スループットとは,NSにより発生するトラフィックを除く,データ通信のスループットのことを指す.
著者らは,大量のIoTワイヤレス機器に対して,既存の通信への影響が小さい,効率的なネットワークスキャン技術の研究開発を実施している.これを実現するためには,スキャン対象無線機器及びその周辺の無線通信状況を推定し,その情報をもとに無線通信の少ないタイミングを選ぶようなスキャンタイミングスケジューリングを実施する必要がある.本稿ではそれを実現するための枠組みとして,スキャンスケジューラ,スキャン解析マネージャ,クラスタリングマネージャから成るスキャン制御フレームワークと,整数計画法を用いたスキャンタイミングスケジューリング手法を提案する.
近年、IoT機器の数は著しく増加しており、これらのIoT機器に対するサイバー攻撃も増加している。このようなサイバー攻撃を防ぐためにも、国内のIoT機器に対して網羅的にポートスキャンを実施してセキュリティ設定を調査する広域ネットワークスキャンの実施が不可欠な状況となってきている。
本研究では、広域ネットワークスキャンにおいて、スキャン対象とするポート数およびスキャン頻度の最適化を図ることにより、スキャンに係る通信量の削減を目指す。今回は、最適化の効果を検証する前段の調査として、IoTを含む全ての機器を対象としてポートスキャンを実施し、機器が使用しているポートおよびスキャン頻度の標準的な値の調査を検討する。
休 憩(14:45 再開) 座長 小島祐治(富士通研)
B-6-48 |
移動/固定マルチアクセスのIoTサービスを実現するネットワーク方式検討
◎永徳はるか・谷田康司(NTT) |
B-6-49 |
IoTデバイス間の用途を考慮したPCRFのポリシールール調停方式
○栗田佳織・岩橋宏樹・西原英臣・松尾和宏(NTT) |
B-6-50 |
データ空間分割によるHash衝突回避手法の提案
○金子 斉・西木雅幸(NTT) |
本研究は、5G時代のIoTサービスを見据え、移動/固定マルチアクセスを実現することで、IoTサービス提供形態とIoTサービスそのものの多様化を促進することを目的としている。特に、固定網に接続する固定端末が移動網へ接続し、移動網独自のIoTサービスを受ける形態を想定し、その実現方式の検討を行った。実現方式として、移動網での認証に用いるIMSI情報及び認証情報の機能配備箇所毎に固定網内(案1)、移動網内(案2)、固定端末(案3)の3案を仮定し、それぞれの接続手順を検討した。さらに、移動/固定網とユーザへのへのインパクトの観点から、各案の比較評価を行った。
近年のIoTデバイスの多様化に伴い,ポリシー制御によるデバイス種別に応じた柔軟な通信サービスの制御が求められている.各デバイスに対する複数のポリシールール間で要求帯域のリソース競合が発生した場合,PCRFは書くルールを適切に調停し,帯域を最大限に活用した上で優先度の高いルールを選択する必要がある.本発表では,調停方式を提案し,アプリケーション用途に応じたパラメータを考慮した評価結果を示す.
転送システムにおけるルール検索において、ハッシュ法は、すぐれた高速検索手法であるが、ハッシュ衝突がその課題の1つであった。本稿では、検索データ空間を分割して木構造を構成することにより、ハッシュ衝突を回避する手法について提案している。
休 憩(15:45 再開) 座長 笹部昌弘(奈良先端大)
B-6-51 |
位置依存形P2Pと端末間通信による情報配信方式
◎勝 智実・山崎 託・三好 匠(芝浦工大) |
B-6-52 |
位置依存形P2Pによる危険性を考慮した歩車間通信システム
◎尾嵜真帆・下村勇介・三好 匠・山崎 託(芝浦工大) |
B-6-53 |
Peer-to-Peer方式サーバ管理システムにおけるファイル共有方式の検討
○谷 昂樹・北村光芳・清水陽太(東京工芸大) |
移動体通信網や高性能な携帯端末の普及より,位置情報を用いて特定の情報を必要とする人へ配信する様々なサービスが提供されている.このようなサービスでは,サービスを享受したいユーザに位置情報に応じて情報を配信する.その1つとして,位置情報に基づいたP2P(Peer-to-peer)方式を用いて近隣端末間でデータの送受信を行うシステムや,通信設備を介さず近隣端末間で直接データの送受信を行う,端末間通信方式が提案されている.本稿では,位置依存形P2P と端末間通信を併用した情報配信方式を検討する.
交通事故による死者数は歩行者が36.5%と最も高く,脇見運転や安全不確認といった運転者による不注意が原因で発生する場合が多い.そこで,従来手法では,GPSとLTEを用いて位置情報に基づくP2Pネットワークを構築し,周辺の自動車と位置情報を共有することで交通事故を予防する車車間通信方式が提案されている.しかし,本方式では,スマートフォンによる実装が検討されているものの,歩行者への情報通知に関してはまだ考慮されていない.本稿では,自動車と歩行者事故の削減を目的とし,位置依存形P2Pネットワークを用いた歩車間通信を検討する.
近年,情報化社会の発展により,クラウドコンピューティングやeコマースなどの重要性が増している.今後,さらなる需要の増加が予想されるため,それらのサービスを支えるサーバシステムの高可用性は非常に重要となる.そこで,特定の管理サーバを必要としないPeer-to-Peer(P2P)方式サーバ管理システムが提案されている.P2P方式では管理対象サーバを管理する上で必要となる管理ファイル等を各管理サーバが共有する必要がある.そのため,Fileサーバが重要な役割を果たす.そこで,本報告ではFileサーバを使用せずにファイル共有を可能とするファイル管理方式について検討を行う.
3月21日 13:00〜17:00 52号館 202教室 座長 木村達明(阪大)
B-6-54 |
福岡空港における無線LANの利用状況に関する実験評価
○田村 瞳・茶谷祐太郎(福岡工大)・野林大起・塚本和也(九工大) |
B-6-55 |
電子レンジ漏洩電波の無線LAN Ch.帯域幅時間領域特性
◎小林武史・喜田健司(東洋大)・石川博康(日大)・篠永英之(東洋大) |
B-6-56 |
IEEE 802.11ax無線LANにおける各局の送信フレームバッファリング量に着目した上りOFDMA伝送の検討
◎高橋良一・谷川陽祐・戸出英樹(阪府大) |
B-6-57 |
高密度Wi-Fiにおける周波数チャネル割当の一検討
◎泉澤拓弥・野島大輔・勝間田優樹・山田 曉(NTTドコモ) |
B-6-58 |
高密度Wi-Fiにおける端末情報を用いたAccess Pointの設置位置推定
◎勝間田優樹・野島大輔・泉澤拓弥・山田 曉(NTTドコモ) |
公衆無線LANが普及し,さらにモバイルデータオフロードのための無線LANも敷設されているため,市街地や公共交通機関などユーザが多く集まる場所において無線LANが多く利用されている.我々は2013年1月,2016年12月に市街地において無線LANの普及/利用状況を定量的に評価するための調査を行った.本研究では,市街地とは異なる利用目的で人々が集まる公共交通機関のひとつである福岡空港においてこれまでと同様の調査を行い,無線LANの普及/利用状況について過去の実験結果と比較し,無線LAN技術に関する課題について議論する.
電子レンジ漏洩電波は2.4 GHz帯無線LAN通信に影響を与えるが、各無線LANCh.に対して与える影響はわかっていない。そこで、まず著者らは電子レンジ漏洩電波の周波数スペクトラムの時間領域特性をCh.1,5,13相当の帯域毎に測定し、漏洩電波をパターン毎に分類し、発生確率を算出した。結果、電子レンジ干渉下において、漏洩電波が存在しない時間帯があることから、通信可能な時間帯が存在すると考えられる。この割合を通信可能時間率とすると、Ch.1では37.6 % 、Ch.5では23.5 %、Ch.13は32.8 %となり、Ch.毎に漏洩電波が異なる時間領域特性をもつことが考えられる。
近年,スマートフォンなどの普及により無線LANに接続する端末局数が増加しており,端末局あたりのスループットが低下するなどの問題が生じている.多くの端末局を無線LANに効率的に収容するための一手法として,IEEE 802.11axではOFDMA伝送が規定されている.本稿では,基地局と端末局から発生するフローに対して十分な通信帯域を全局に割り当てるための上りOFDMA伝送法を検討,提案する.
無線LANのエリア設計では, Access Point (AP) のカバレッジ・接続ユーザ数・隣接APからの干渉等を総合的に考慮し, ユーザ体感品質の向上を図る必要がある. 特に, 人口密度の高い集客施設等においては, APを高密度に設置する高密度Wi-Fiと呼ばれる運用形態がとられている. 高密度Wi-Fiでは, エリア設計時の課題が多いことから, 様々な技術が検討されている. 本稿では, 高密度Wi-Fiにおける各APの周波数チャネルの時間占有率の低減に向けた周波数チャネル割当手法を提案する. また, 実環境での評価を行い, 従来の手法と比較してエリア全体の周波数チャネルの時間占有率が12.6%改善できることを示す.
無線LANのインタフェースを持つ端末を個人が複数持つ時代が到来し,人口密集地でのユーザ体感品質向上は喫緊の課題となりつつある.特に,人口密集地でのユーザ体感品質向上に向けては,周波数チャネルを適切に割当て高品質な通信エリアを形成することが望ましいものの,現在では人の手の介在なく自動で周波数チャネルを適切に割当てることは難しい.APの位置を推定できれば,周波数チャネルの自動割当が可能となるものの,現在検討されているAccess Point(AP)情報のみを用いたAPの位置推定では精度が不十分である.本稿では,端末(STA)情報を用いて位置推定を行うことで,約72.6%の推定誤差低減が見込めることをシミュレーションにより示す.
休 憩(14:30 再開) 座長 塚本和也(九工大)
B-6-59 |
カバレッジの異なる異種無線ネットワーク間連携手法の検討
◎永吉涼佑・谷川陽祐・戸出英樹(阪府大) |
B-6-60 |
無線マルチホップネットワークにおけるノード性能差を考慮した自律分散型チャネル割当
○佐藤芳則・木下和彦(徳島大) |
B-6-61 |
直列無線センサーネットワークにおける逆方向通信干渉を考慮した転送スケジュール
◎△木村亮太・柴田将拡・鶴 正人(九工大) |
B-6-62 |
受信信号強度の変動を考慮した無線センサネットワーク協調形UAV経路制御手法
◎内田悠太・山崎 託・三好 匠(芝浦工大)・上田清志(日大) |
B-6-63 |
ZigBee ネットワークにおける無線 LAN 通信の併用による通信負荷および同ー周波数帯無線LANからの干渉の軽減に関する検討
◎松本 輝・谷川陽祐・戸出英樹(阪府大) |
無線LANは使用料や使用契約が不要であるという利点をもつため,スマートフォンやタブレット端末のユーザの多くは,無線LANが利用可能な状況において他の無線ネットワークよりも無線LANの使用を望む.そのため,無線LANのような使用料や使用契約が不要である公衆無線アクセス網の広域普及が望まれている.本稿では,そのような公衆無線アクセス網の低コストでの普及のため,1つの基地局のカバレッジ拡大を指向した無線LANと,より長距離の通信が可能な無線ネットワークとの間の連携法を検討する.
近年, IoT(Internet of Things) の発展に伴い,無線通信の更なる広範囲化から無線マルチホップネットワークが有用となることが想定され,これまで以上に逼迫する周波数資源を有効利用する方法を検討する必要がある.
異なるチャネルを使用し複数の通信を行うことで,センサネットワーク内の送信パケットの衝突を回避する方式や,少数の高性能ノードを導入し,クラスタリングを用いて周囲のデータを集約した効率のよいシンクへのデータ転送を行う研究がある.
本稿では,少数の高性能ノードを導入し,それぞれの通信状況に応じて動的にチャネル割当を行うことで,通信の効率化を図る方式を検討する.
我々のグループでは,通信インフラの整っていない環境での直列マルチホップ無線ネットワークを対象としている.先行研究では各リンクのパケットロス率や,伝送速度が異なる場合に,パケット到達率を最大化させる静的スロット割り当てを解き,導出したスケジューリングの有効性を,より現実的なシミュレーションが可能なScenargieを用いて示してきた.しかし,先行研究の手法では,干渉の影響によってパケットロス率の増加や伝送速度の低下が発生する.そこで本研究では,干渉の影響を低減するスケジューリングを提案し,Scenargieシミュレータを用いて有効性を評価する.
近年,国内外においてUAV(Unmanned aerial vehicle)を用いた研究開発やサービスが注目されており,物流や宅配といった分野での活躍が期待されている.しかし,UAVが落下した場合における安全性の問題等から,市街地での運用は困難である.一方で,市街地においては無線センサネットワークの普及が進んでいる.本稿では,無線センサネットワークとUAVが協調して飛行経路を構築する手法を提案する.シミュレーション評価では,実環境に近い電波伝搬環境下において,UAVの動作を検証する.
近年,IoTや無線センサネットワークの発展により,短距離無線通信規格であるZigBeeが注目されている.しかし,ZigBeeは低伝送速度かつ省電力な運用が想定されており,通信負荷の抑制が必要である.また,同ー周波数帯を用いる無線LANからの電波干渉が問題となる.そこで本稿では,無線LANから電波干渉を受けるZigBeeネットワークを想定し,干渉を軽減しつつZigBeeフレームの一部を無線LANを用いて転送することでZigBeeネットワークの負荷を軽減する手法を提案する.
休 憩(16:00 再開) 座長 木下和彦(徳島大)
B-6-64 |
CDNを用いた動画像ストリーミング配信システムにおけるコンテンツ複製を考慮した光パス設定に関する一検討
○藤本章宏(和歌山大)・廣田悠介(NICT)・戸出英樹(阪府大) |
B-6-65 |
Geo-Centric情報プラットフォーム上におけるPublish/Subscribeを用いた時空間コンテンツ流通に関する検討
◎永島 薫・長尾健太郎・樋口伸伍(九工大)・妙中雄三(奈良先端大)・塚本和也(九工大) |
B-6-66 |
適切なユーザ移動を伴う最適コンテンツ配置制御の提案
◎森 雄大・橘 拓至(福井大) |
B-6-67 |
伝送優先度に基づき複数パケットを結合するパケット転送方式
○青山哲也・武 啓二郎・岡村 敦(三菱電機) |
動画像ストリーミングの需要の増大により,多数のリクエストを効率よく収容でき,かつ,高品質な通信が可能な配信基盤が求められるようになった.
本稿では,細粒度の周波数資源を柔軟に割り当て可能なエラスティック光ネットワーク(EON: Elastic Optical Networks)上に構築されたCDN (Content Delivery Network)において,動画コンテンツの配置・複製制御と連携して光パスを設定する方式を提案し,ネットワーク資源とサーバ資源の双方の利用効率の向上を目指す.
近年,IoT技術の発達により地域で生成される多様な異分野IoTデータ連携させるIoTデータ流通サービスが注目されている.しかし,異分野IoTデータを連携させて生成したコンテンツの流通方法が課題となっている.我々は,連携されるデータは物理的に近い位置にある点に着目し,地理空間を意識したコンテンツ(時空間コンテンツ)流通を行う地理指向情報プラットフォーム(GCIP:Geo-Centric Information Platform)を提案した.本研究はIoTデータ収集,及び配信手法として適していると考えられるPublish/Subscribe(Pub/Sub)通信に着目し,GCIPにPub/Subを適用する方法を提案し,既存のPub/Sub手法を用いた実験評価を通じて,時空間コンテンツ流通に対する課題を検討する.
ICN(Information Centric Networking)に代表されるコンテンツ配信はコンテンツをユーザの近隣へ移動させることで伝送遅延を減少させる。本稿では従来のコンテンツ配置制御に加えてユーザの移動を用いてさらなる伝送遅延減少を目的とする。
提案方式は最適化問題によって制御する方式であり、提案法の性能をシミュレーションによって評価する。シミュレーション結果から、提案法はコンテンツのみ移動させる従来法よりも目的関数値が常に下回ることを示した。また,ユーザの移動距離についても調査し,提案法は従来法よりも迅速にコンテンツを発見できることを示した。
社会インフラの基盤となる制御システムでは,リアルタイム性や信頼性が求められることから,従来,固定局間のネットワークは有線で構築されていた.今後は,敷設コストの低減,メンテナンスの効率化から固定局間を無線マルチホップネットワークで構築することが考えられる.
本稿では,高速道路や鉄道等の沿線に大容量な無線マルチホップネットワークを構築し,移動端末に対する通信サービスのインフラとして活用する際の技術課題を挙げ,制御系パケットの転送方法について検討する.
3月22日 9:00〜11:45 52号館 202教室 座長 川手竜介(三菱電機)
B-6-68 |
多量のIoTデバイスに対する死活監視方式
○河野伸也・木村明寛・岡田昭宏(NTT) |
B-6-69 |
ネットワークスライス技術を用いたIoTサービストラフィックにおけるコアネットワークの自律運用管理手法
◎城 哲・加須屋悠己・宮澤雅典(KDDI) |
B-6-70 |
NFV環境における障害監視制御方式の一考察
○三原孝太郎・左野利史・木村伸宏(NTT) |
B-6-71 |
API連携アプリの可用性を向上する転送制御に関する一検討
○宮城安敏(NTT) |
B-6-72 |
特定の管理サーバを必要としない省電力サーバシステムの開発について
北村光芳・○清水陽太・谷 昂樹(東京工芸大) |
近年、IoTサービスの普及が進んでおり、デバイス数が爆発的に増加している。当該サービス事例の一つとして、センサ等による情報収集が一般的である。本稿では、センサ等のIoTデバイス数が増大した場合でも、IoT収容装置に対する死活監視の負荷増化を抑制可能な死活監視方式を提案する。
スマートホームやスマート工場を筆頭に、IoT(Internet of Things) を活用したサービスに対する関心が高まっている.政府が目指すSociety5.0時代ではあらゆる産業がネットワークにつながるスマート社会の構想となっており,今後,この傾向は益々加速することが見込まれる.これに伴い,様々な目的やサービスにそったIoTデバイスからの多種多様な特性を持つトラフィックがエリアネットワークを介してコアネットワークを流れるようになるため, 障害・災害・イベント時のようなトラフィック傾向が変化する状況下においてサービスを継続的に提供するため,ネットワークを安定的に管理・運用することが求められる.特に,複数のIoTサービストラフィックにおいて共通ネットワークであるコアネットワークの安定稼働が重要となる.
筆者らは本課題への対策として,ネットワークスライス技術を用いたコアネットワークの自律的運用管理手法を検討した.
従来のキャリアシステムをNFV(Network Functions Virtualization)化するに際して現行の障害監視制御方式が使えなくなることを課題提起し、基盤側の複雑性を吸収し、かつVM側で統一的な障害ハンドリングできる方式として物理障害は直接監視せず抽象化されたリソースをエンドツードンドで監視する方式と、基盤側で物理障害を監視してリソース影響に翻訳してVMに通知する2案を提案。
各案について障害検知性能と実装難易度の観点で比較評価を行い、従来級の信頼性の担保のためには後者の案が望ましいと結論を得た。
APIを組み合わせたアプリでは使用するイネーブラ毎に処理性能等が異なるため、イネーブラ毎のレスポンス差異が大きく、アプリ全体としての可用性が低くなる課題がある。また、イネーブラの仕様変更があった際にアプリ修正が完了するまでユーザは正常にアプリを利用できない。そこで、各イネーブラの負荷やサービス提供状況をAPI-GWで把握し状況に応じてリクエストを変換、転送することにより可用性を高める転送制御方法を提案する。
近年,ネットワークの高速化およびクラウドコンピューティングの普及により,インターネットサービスは我々の生活にとって必要不可欠となっている.そのため,そのサービスを支えるサーバシステムの省電力化および高可用性を実現することが重要となる.省電力サーバシステム(PSS)では,特定の管理サーバがサービスを提供しているサーバの負荷状態を測定し,その状況に応じた構成にサーバシステムを変更することによって省電力化を実現している.そのため,特定の管理サーバに対する冗長化による制御方法の複雑化やコストの増加および管理対象サーバ数に伴う,管理のための負荷の増加が懸念される.そこで,本報告では特定の管理サーバを必要としないPSSの構築方法およびその動作概要について示す.
休 憩(10:30 再開) 座長 萩谷範昭(NTTドコモ)
B-6-73 |
通信の公平制御における制御対象ユーザ数最適化方式の提案
◎岩橋宏樹・西原英臣・栗田佳織・松尾和宏(NTT) |
B-6-74 |
マイクロバーストに対するDCTCPの性能評価
○菅原大輔(関西大)・白木長武(富士通研)・山本 幹(関西大) |
B-6-75 |
映像配信における帯域確保時のビットレート選択に関する一検討
○北田裕之・奥山隆文・安川正祥(NTT) |
B-6-76 |
VM構成における仮想サーバ内ネットワーク遅延性能評価
○藤本 圭・的場光平・荒岡 誠(NTT) |
B-6-77 |
システム-ネットワーク統合シミュレータの基礎検討
○小野 豪・武田栄里子・早瀬茂規(日立) |
ベストエフォート型の通信サービスでは,一部の大量の通信を行うヘビーユーザにより通信帯域が逼迫し,その他のユーザの通信が阻害され,ユーザ間での公平性に偏りが発生する.ヘビーユーザの通信を抑え公平な通信制御を実現する方式として,一定の監視周期毎に各ユーザの通信量を計測し,通信量の多い上位Nユーザに対して次周期での通信帯域を制限する方式があるが,ユーザの通信状況によっては,Nが過大となりヘビーユーザ以外のユーザも制限してしまい回線容量を効率的に使用できない,あるいはNが過小となり制限対象ユーザの通信帯域が極端に小さくなるといった問題があった.本稿では最適な制限対象ユーザ数Nの決定方式の提案とシミュレーションによる評価行う.
データセンタネットワークにおいては,短期的にトラヒックが集中し発生するマイクロバーストによるパケットロスが問題となっている.本稿では,HadoopにおけるMap ReduceのReduce処理にみられるような,複数フローの1リンクへの集中到着をマイクロバーストの発生モデルとして取り上げる.このモデルにより,データセンタに適した輻輳制御として提案されているDCTCPを用いた場合に,マイクロバーストが与える影響について評価した.評価により定常的なフローが存在する状況においてDCTCPがマイクロバーストに対し,ある程度の耐性をもつことを示す.
映像配信サービスの品質を高める技術として,回線状況に応じて,クライアントが動的にビットレートを選択するABR(Adaptive Bit Rate)が広く利用されている.本稿では,実環境での映像トラヒックを計測し,帯域確保を実施した際のABRによる選択ビットレートの動作を分析する.
VM構成において仮想サーバ内のネットワーク遅延をeBPFバイトコードを用いて計測を実施した.仮想サーバ内のネットワーク遅延発生区間,及び,遅延発生状況の確認結果について報告する.GuestがCPUを専有する場合においても,1台の仮想サーバを介するだけで,数ms程度の遅延が発生する結果を得た.
IoTシステム構築では,有線/無線の熟練技術者が,顧客のIoTシステムに要求されるシステム稼働率などのシステム要求を達成可能なネットワーク要件を割り出し,そのネットワーク要件を満たすネットワークシステムを構築しなければならない.しかし,一般的にIoTシステムは分野によって求められる要求事項が様々である為,システム性能見積もりや最適システム構成の見積りが難しく,IoTシステム構築のリードタイムが長くなる恐れがある.この解決に向けて,報告者らはシステム要求の評価とネットワークの評価を統合した統合シミュレータを試作すると共に初期評価を行ったので,この結果について報告する.
B-7. 情報ネットワーク
3月19日 9:00〜11:45 52号館 303教室 座長 平山孝弘(NICT)
B-7-1 |
DTNによる災害時情報共有システムにおける地理的要件を考慮した性能評価
◎澁谷海斗・小林亜樹(工学院大) |
B-7-2 |
Delay Tolerant Networkingにおけるノードの送信総データ量に基づく送信制御方式
○小板橋由誉・井上勇気・内山翔太・水野 修(工学院大) |
B-7-3 |
ネットワークのカスケード故障を抑制する迂回ルーチングの制御
◎見雪雄哉・林 幸雄(北陸先端大) |
B-7-4 |
ユーザ提供型モバイルネットワークにおける最適な接続先選択
◎小野寺 俊・中山 悠・戸辺義人(青学大) |
B-7-5 |
SR-MPLSにおけるラベル数削減方式に関する一検討
◎鋒 幸洋・小島久史・桑原 健(NTT) |
大規模災害時などの既存の通信インフラが機能しない劣悪な通信環境において,避難所などを拠点に通信ノードを自律分散的に構築し,USBメモリなどの可搬ストレージを通信媒体とする災害情報システムについて提案してきた.これまでは通信ノードの配置を規則的なものとしたモデルでの分析であり,地理的に不均等な実配置下での有効性については不明であった.そこで本稿では,実避難所配置を反映したモデルにおける各避難所へ効率的にコンテンツを転送するための可搬ストレージへのコンテンツ選出アルゴリズムについて提案する.シミュレーション評価により,実避難所配置を反映した場合においても本システムが一定の有効性を示すことを確認した.
移動端末のみを用いた通信方式としてDelay Tolerant Networking(DTN)が提案されている.DTNにおける所定のルーティング方式では,ノードの移動に伴い繰り返し通信を行うため,ノードのバッテリ切れが発生する恐れがある.
本稿では,ノード消費電力の削減を目的とし,ノードが送信してきたデータの総データ量に基づいた送信制御方式を提案し,送信総データ量を基にノードが蓄積している送信データを廃棄することで,送信制御を行いノード消費電力の削減を実現する.また,提案方式の有効性を確認するため,シミュレーションによって評価を行った.その結果,ノード消費電力を削減し,既存のルーティング方式よりバッテリ残量を最大で40%増加できることを確認した.
現実の多くのシステムに共通するスケールフリーネットワークでは,多くの結合を持つハブノードを除去すると連結成分が極端に分離される脆弱性があり,この脆弱性を打破した玉葱状ネットワークが提案されている.また,電力崩壊や渋滞など過負荷が連鎖するカスケード故障の防止策として,いけにえ法によるものが提案されているが,負荷に注目した迂回ルーティングは更に有効であることが示されている.既存手法では送信元sと受信先tをランダム順に選択しており,s,tの選び方の順序に検討の余地がある.本稿では,s,tの選び方の順序にコストに基づいた優先順位を付けることを提案し,シミュレーションによりその妥当性を示す.
モバイルトラヒックは,第五世代移動通信システム(5G)普及とともに今後も爆発的に増大することが予想 される.さらに,その特性として時空間的な変動が顕著であり,高周波数帯の利用を想定した場合,その影響はより大きくなる.従来型のネットワークでは,エリアごとのピークレートに合わせた設備計画を行う必要があるが,上記の変動を考慮すると効率性が低いという課題があった.この課題に対し,ユーザ提供型モバイルネットワーク(mobile user-provided network; mobile UPN)が有効である.ただしモバイル通信状況は,ユー ザや基地局の分布に加え,地形や建築物などの周辺環境 によって大きく変動する.本稿では,モバイル UPNにおける最適な接続先選択に関する初期検討の結果について報告する.
トラヒックエンジニアリング(TE)を実現する技術として,Segment Routing(SR)が注目されている.本稿では,ingressでプッシュできるSID数に制限がある場合でも経路を柔軟に制御するため,ingressにおけるSID数削減方式を提案する
休 憩(10:30 再開) 座長 今井尚樹(KDDI総合研究所)
B-7-6 |
名前通信を用いた位置ベース検索の性能評価に関する一考察
◎栗原佳輝・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大) |
B-7-7 |
情報指向型センサネットワークプラットフォームにおけるネットワーク構築用制御プロトコルの設計
○木村圭吾・望月寛大・水野 修(工学院大) |
B-7-8 |
NDN網におけるDoS耐性のあるPublish/Subscribe通信プロトコルに関する一考察
◎村井穏永・武政淳二・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大) |
B-7-9 |
Ceforeを用いたモバイルエッジ連携型位置コンテンツ配信の一検討
◎植田一暁・田上敦士(KDDI総合研究所) |
B-7-10 |
ICNネットワークにおけるインネットワーク計算処理を用いた位置ベースサービスの実装
◎澁谷広軌・栗原佳輝・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大) |
筆者らは、Named Data Networking(NDN) 網で、Publish/Subscribe 通信を行うContent Oriented Pub/Sub System (COPSS) を用いて、位置とデータを指定した要求をマルチキャストすることで、複数の IoT デバイスが持つ 位置に紐づくデータ (位置データ) を収集する手法を提案している。本稿では、指定する位置の広さと要求数の関係を、シミュレーションにより評価する。
複数のM2Mサービスを実現するネットワークについて,情報指向型センサネットワークプラットフォーム(ICSNP:Information-Centric Networking-based Wireless Sensor Network Platform)を提案している.ICSNPには,サービスの目的を実現するためにセンサネットワークで実現するべき要件が存在する.要件を満たすために,様々な手法を提案し,要件に合った手法を実行している.しかし,ネットワーク構成の変化におけるプロトコルは未検討である.本稿では,ICSNPにおけるネットワーク拡張のための制御用信号の設計を行う.
非同期グループ通信は、ミッションクリティカルな作業中のメンバへのメッセージ同報に有用であり、Named Data Networking (NDN) 網において、多数のPublish/Subscribe 通信プロトコルが提案されている。しかしながら、プッシュ型のマルチキャスト通信であり、 多数のメンバに無駄なパケットを送りつけるDenial of Service Attack(DoS攻撃)が容易に実現できる。これに対して、本稿では、NDN 網において、メンバが情報をプル型で要求するプロトコルを提案する。
Information-Centric Networking (ICN)を用いて位置に紐づいたデータを配信する時空間分散DBとしてOpenGeoBase (OGB)が提案されている.我々はOGBを拡張し,モバイルエッジにデータを直接格納する方式を提案し, Cefore を用いてプロトタイプ実装した.
Internet-of-Things (IoT) デバイスが収集した位置データを用いた、クラウドベースの位置ベースサービスが普及しているが、全データをクラウドに収集することによるトラフィック量や遅延の増加が課題である。本稿では、Information Centric Networking (ICN) ネットワークにおいて、エッジルータやデバイスでインネットワーク計算処理を行うことで、これらの課題を解決する位置ベースサービスを設計、実装する。
3月20日 9:00〜11:45 52号館 302教室 座長 川原憲治(九工大)
B-7-11 |
トラヒックエンジニアリングにおけるフロー配置アルゴリズム:ネットワークトポロジの影響
○嘉藤 学(有明高専)・川原憲治(九工大) |
B-7-12 |
パケット・トレーラによるIoTトラフィックQoS制御の検討
○山本 周・桐葉佳明・中尾彰宏(東大) |
B-7-13 |
OpenFlowを用いたIoTパケットのIPv6/IPv4フロー制御
○浅田裕紀・藤井哲郎(東京都市大) |
B-7-14 |
並列TCP接続によるネットワークリソースの動的有効活用と安全性に関する一考察
○舟阪淳一・石田賢治・小畑博靖(広島市立大) |
B-7-15 |
ENUM/DNSパケットにおける緊急呼の輻輳制御方式の提案
○杉木優太・清水智史・中村憲一・山本高大(NTT) |
SDNの進展でフローレベルでのトラヒック制御が可能となり、TE(Traffic Enginnering)による負荷分散が実現できる。
筆者らは\cite{Kato}でランダム・グラフ、\cite{Kato2}でスケールフリーネットワークを評価対象としてリンク負荷を平滑化するようにトラヒックフローを配置するアルゴリズムを提案した。
本稿ではこれらのアルゴリズムの性能に及ぼすネットワークトポロジの影響を調べる。
特に、高次数ノードが少数、低次数ノードが多数存在するスケールフリーネットワークにおいてフロー配置が困難な状況、その状況でのアルゴリズムの効果を明らかにする。
様々なデバイスや機器がネットワークに接続されるIoTでは、各々のトラフィックに要求されるネットワーク伝送品質に応じて、個別にQoS制御できることが望ましい。コア・ネットワークのIPネットワークでは、パケット・ヘッダ情報によりトラフィック識別が行えるが、トラフィックのフローとアプリケーションを紐づけるには、例えばDPIによりトラフィック内容を検出することが必要になる。しかし、パケットのデータ部分監視は電気通信事業法の規定に触れる可能性があり、また暗号化への対応は難しい。
そこで、パケットにユーザ同意により、フローの先頭パケットのトレーラにメタ情報を付加し、その情報に基づきトラフィック制御を行う手法が有効であることを報告している [1] 。今回は、TCPに加えUDPにも対応し、パケット・トレーラを用いたトラフィックQoS制御を行うネットワーク構成と実験評価について報告する。
近年、設置されたIoTの数が爆発的に増えており2020年には約400億台に達すると言われている。IoTではデータ収集にインターネットを使用する。既に、IPv4グローバルアドレスは枯渇しており、IPv6アドレスを用いたIoTシステムの開発となる。本稿では、OpenFlowを用いることにより、IPv4環境に設置されたサーバに対するIoTパケットの配信にIPv6ルーティングヘッダを用いてフロー制御により実現する方式を提案する。これにより、ISPが設置するNAT64などへの負荷を大幅に軽減できる。
広帯域ネットワークリンクの利用において、1本のTCP接続で帯域を使い切れない場合は複数の並列TCP接続を利用することが考えられる。従来研究において、複数の並列TCP接続を確立することで、遅延やパケットロスが発生する場合でもファイルを高速に転送可能であることが示されている。またクラウドとエッジの連携を想定するエッジコンピューティングでは、エッジにおいて実行可能ファイルを受信しながら実行することも考えられるため、並列TCP接続を用いて分割して送信される部分ファイルの到着順序にも配慮が必要である。本稿ではエッジコンピューティングを想定し、並列TCP接続によりネットワークリソースを十分に、かつ安全に利用する方法について議論する。
現状の電話網である、PSTN網からIP網へ移行を予定している。IP網では接続先へドメインでルーティングするようになり、ENUMサーバがドメイン情報を保持している。緊急呼もドメインルーティングを実施するため、ENUMサーバ輻輳時において緊急呼を優先的に処理する必要があり、その方式を提案する。
休 憩(10:30 再開) 座長 村瀬 勉(名大)
B-7-16 |
待ち行列理論を用いた被災地呼優先受付制御のモデル化
◎△川瀬達也・宮田純子(芝浦工大) |
B-7-17 |
L1ノルム最小化によるパケット損失率推定における計測パスの選択方法
◎吉川泰司・中川健治・渡部康平(長岡技科大) |
B-7-18 |
カオスアトラクタを用いた短期的トラヒック予測方式
◎△鈴木奈保人・宮田純子(芝浦工大) |
B-7-19 |
無限関係モデルを用いたHTTPS通信の分析
◎佐藤弘毅・後藤滋樹(早大) |
B-7-20 |
Twitterのトレンドワード抽出によるアーリーアダプターの発見
◎竹田涼人・汪 雪テイ・山崎俊彦・相澤清晴(東大) |
大規模災害発生時における受付制御として,119 番通報以外の通信を指す一般呼を,被災地内から発生した呼と被災地外から発生した呼に区別した被災地呼優先受付制御が提案されている.しかし,119 番通報などの重要度の高い通信である緊急呼の存在を考慮されておらず,モデル化に至っていない.そこで,本研究では緊急呼及び被災地呼を優先しつつ被災地外呼を最大限収容する受付制御を提案し,提案手法の有効性を示す.
通信事業において,ネットワーク内部の把握が重要な問題となる.パケット損失率推定においては,アクティブ計測とパッシブ計測を併用したEMアルゴリズムによる推定[1]及びそれを高速化したL1ノルム最小化法がある.本研究はL1ノルム最小化法において推定を行うためにアクティブ計測を行うパスの選択について考え,任意のリンクでパケット損失が発生した場合においても推定可能なパスを選択方法を適用する.
結果として,リンク数L=21,パス数M=12のシミュレーションネットワークに対してパスの選択の計算量はL1ノルム最小化法における全探索の2M L = 86016に対して提案法では2M=4096となり,計算量の削減が達成できた.
近年のアプリケーションの多様化とストリーミング通信の普及に伴い,ネットワーク上を流れる通信トラヒックは非常に激しい変動を示している.これに伴い,従来のストリーミング通信はUDP通信が主流であったが,近年ではストリーミング通信においてもTCPによる通信を行うアプリケーションが増えてきている.このため,TCP/UDP混在環境におけるトラヒック予測の必要性が高まってきている.そこで,本研究ではインターネット上の通信トラヒックがカオス現象であると指摘されていることに注目した,カオス理論によるトラヒック予測方式を提案する.これは,カオスが小数自由度の決定論的な方程式から不規則で複雑な振る舞いを発生させる現象であることに注目すると,一見不規則な現象の中には決定論に従って発生しているものが少なからず存在する可能性に着目した予測方式である.さらに,本稿ではTCPおよびUDP混在環境におけるデータに対して提案法を適用し,提案法の有効性を示す.
HTTPSのトラヒックが増加している.HTTPSはSSL/TLSを利用して安全にHTTPの通信を行う.その一方でHTTPSの暗号化された通信は,ネットワーク運用者のトラヒック監視を難しくしている.本研究はHTTPS通信においても暗号化されない情報を活用して,無限関係モデル (IRM, Infinite Relational Model) を用いて,HTTPS通信の分析を行う.
新しい技術や流行を早い段階で受容する集団をアーリーアダプターと呼び , 彼らはマーケティングの対象として有効である . そこで本研究では Twitter のログを解析して, 過去に流行したワードを抽出し, それらを用いることでアーリーアダプターを発見し, 将来のトレンド予測に役立てることを目的とする.過去に流行したワードの抽出には, ワードの出現頻度の異なる時間間隔における移動平均を比較することで実現することができた.
3月20日 13:00〜16:00 52号館 302教室 座長 加島伸悟(NTT)
B-7-21 |
制御システムネットワークのセキュリティ対策に関する一検討
○谷田直輝・三村 和・柴田剛志(日立) |
B-7-22 |
AI技術を活用したセキュリティアラート自動判定手法
○三村 和・長谷川千絵・池上幸三(日立) |
B-7-23 |
異常への寄与度を用いた異常箇所推定手法
◎松尾洋一・池田泰弘・中野雄介・渡辺敬志郎(NTT) |
B-7-24 |
システム障害要因推定のための因果グラフ要約
◎橋本悠香・松尾洋一・川田丈浩・西松 研(NTT) |
B-7-25 |
Seq2Seqによる障害復旧コマンド列の自動生成
◎池内光希(NTT)・渡邉 暁(NTT東日本)・松尾洋一・川田丈浩(NTT) |
重要インフラの制御システムを狙ったサイバー攻撃が世界的に報告され,日本でもセキュリティ対策が求められている.重要インフラの制御システムは機密性が高いため,実際のサイバー攻撃のログデータが公開されることは少なく,過去の攻撃データに基づいたシグネチャ検知型のセキュリティ監視は,情報制御・制御ネットワークに対する適用が困難である.そこで我々は,制御ネットワークのトラフィックを制御通信種別のパケットに分類し,パケットのオフセットごとに値の変化パターンを学習・監視する方式によるセキュリティ対策の検討を行い,主機に対する異常操作を検知可能な見込みを得た.
社会インフラへのサイバー攻撃の懸念が増加する中,インフラ事業者らはセキュリティ監視の強化を進めている.この動向に対し筆者らは,AI技術を活用し,従来人手で行ってきたセキュリティ監視業務の効率化を目指す.本稿では,監視業務での一次分析におけるアラート自動判定手法を示す.アナリストのアラート判断結果とセキュリティ装置ログとの関係モデルをAI技術を用いて学習することで,アラートを自動的に誤検知と判定することを可能にした.
システム運用において,障害箇所の推定はシステム内で発生したアラートを入力情報として,ベイジアンネットワークなどの手法を用いて行っているが,アラートが出ない場合,見逃が発生する.本稿では,入力データとしてシステムからとれる様々なデータの障害への寄与度を計算する既存手法の結果を用いることで,障害箇所推定の精度向上をさせる手法を提案する.
システム運用において,オペレータの運用負荷低減のため,故障対応の自動化技術が検討されている.特に,障害発生時に障害の要因を特定することは人手では膨大な時間を要する場合が多く,障害要因推定技術に関する研究は重要である.これらの技術はBayesian Networkや決定木などの因果グラフを用いて行われるケースが多い.このため,因果グラフの重要な部分を抜き出す(グラフ要約)ことで要因推定の高速化が期待される.本稿では,1. 要因となる可能性が高いノードは要約後も残す2. 要約の前後で要因推定の結果に変化が少ない3. 要約後のグラフはサイクル構造を持たないという3つのポイントを考慮した,要因推定に適したグラフ要約法を提案する.
大規模化する通信システムにおいて,発生する障害の
種類は多岐に渡り,保守者の手作業による復旧措置では
高品質なマネジメントの維持が困難となっている.そこ
で近年,ログやアラームなどの機器情報と復旧手順を対
応させたルールを事前に作成することで復旧を自動化す
るシステムの開発が進められている.ところが,ルール
の作成には保守者の多大な稼働を割かなければならない.
また作成したルールを自動実行しても問題ないか,その
信頼性を確認する作業も高度なノウハウを必要とする.
そこで本稿では,障害時に発生するログを元に,人手を
介することなく復旧手順を自動生成し,さらに得られた
復旧手順の信頼性を定量的に算出する手法を提案する.
休 憩(14:30 再開) 座長 吉田裕志(NEC)
B-7-26 |
M/D/1/Kモデルを用いたMPEG-DASHのバッファ占有量とセグメントロス率の解析
◎△糟谷大祐・宮田純子(芝浦工大) |
B-7-27 |
適応ビットレート制御のためのスループット予測の評価
◎魏 博(早大)・宋 航(広島大)・金井謙治・川上 航・甲藤二郎(早大) |
B-7-28 |
ICN ルータのキャッシュが引き起こす DASH コンテンツのビットレート振動に関する一考察
○山本瑶司・武政淳二・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大) |
B-7-29 |
MMCFTPを用いた8K非圧縮超高精細映像素材のファイル転送
◎片桐章斗・丸山 充・瀬林克啓(神奈川工科大)・山中顕次郎・漆谷重雄(NII)・君山博之(東京電機大) |
B-7-30 |
映像IoT集信の動画像圧縮伝送に関する検討
○権藤俊一・黒坂拓巳・村井信哉(東芝) |
B-7-31 |
映像IoTのEdge Computingへの適用における効率的なストレージ利用の一検討
◎鍔木拓磨・肥後直樹・越地弘順・椿 俊光・桑原 健(NTT) |
ビデオストリーミングサービスにおいて,適応的に画質を変動させるMPEG-DASHでは,クライアント側で蓄積されているデータ量(以下,バッファ占有量)に着目した画質選択法が提案されている.一方で,DASHシステム上で動画の再生単位を意味するセグメントはそのロス率(以下,セグメントロス率)が映像品質に影響があると指摘されているにも関わらず,既存研究ではセグメントロス率が考慮されていなかった.本研究では,バッファ占有量に加えてセグメントロス率も考慮した画質選択法を提案し,その特性を解析する.
Dynamic adaptive video streaming over HTTP(DASH)による動的適応ビデオストリーミングは、ユーザーエクスペリエンス品質(QoE)を保証するために現代のビデオストリーミングで広く研究され採用されている。適応ビットレート制御はDASHの重要な部分であり、その最終目標は再バッファリングを最小限に抑えながらビデオビットレートを最大にすることである。スループット予測は、適切なビデオビットレートを動的に選択するのに役立つ重要な役割を果たす。 本稿では、適応ビデオストリーミングにおけるスループット予測の影響について検討した。
ICN (Information Centric Networking) 環境下で Dynamic Adaptive Streaming over HTTP (DASH) コンテンツを視聴する場合、ネットワーク内キャッシュによって、平均ビットレートが向上する一方でビットレートが振動することが指摘されている。しかし、その発生のメカニズムは議論されていない。本稿では、シミュレーションによりビットレート振動のメカニズムを評価する。
近年,映像制作業界や放送業界ではIPネットワークを使ったファイルベースの編集システムの導入が進んでいるが,8K/4K映像の普及に伴い,システムのワークフローにおいて映像素材ファイルの転送に時間を要するという課題がある.実際,神奈川工科大学では8K/4K非圧縮超高精細映像素材を遠隔地のクラウド上にある複数のサーバに分割して転送する際の転送時間の削減が課題である.そこで,国立情報学研究所が開発した恒速ファイル転送プロトコルMMCFTP(Massively Multi-Connection File Transfer Protocol)を使って8K非圧縮超高精細映像素材ファイルを転送した際の性能評価を行った.結果,従来使用していた映像転送方法と比較して,転送時間を1/10以下に削減できたため,MMCFTPは映像素材転送用途に有用である.
社会インフラや公共施設の定点カメラに加え,車載の通信対応ドライブレコーダーや,鉄道,産業用ロボット,ドローンなど,移動体に搭載されたカメラなど,広域に配置された多数のカメラの大量の映像で,詳細かつ確実なリアルタイム遠隔監視を実現するニーズのトレンドと,自動化も進める映像IoTに向けた動画像圧縮伝送の課題について整理し,それらを解決するための新たなアプローチであるピクチャベース動画像配信アーキテクチャについて検討を実施した.
EC (Edge computing) は,ストレージなどのリソースをCC (Cloud computing) より近い通信ビルに配置することで,CC では実現できない低遅延サービスやCC へのネットワークの帯域逼迫を軽減可能な技術である.一方,高度な監視カメラソリューションなどの映像IoTも普及が進んでいる.本稿では,映像IoT を対象としてCC と比較してリソースが少ないEC 上で大量の映像データを扱うための,映像データの優先度付けとストレージ容量の確保方法を提案する.提案手法により,ストリーミングされる映像データをEC 上で扱いやすくなるため,映像IoT の更なる普及に寄与できると考える.
3月22日 9:00〜11:45 52号館 303教室 座長 馬場健一(工学院大)
B-7-32 |
5Gネットワークにおける異種無線アクセスシステムの時分割協調
◎後藤健至・川原憲治(九工大) |
B-7-33 |
無線LANとの共存環境におけるZigBeeの送信成功率を向上させるアクセス制御手法の一検討
◎築地瑞樹・馬場健一(工学院大) |
B-7-34 |
Performance evaluation of Cooja simulator in 6TiSCH network with high number of nodes
◎Ryan Paderna・Toshio Ito・Mitsuru Kanda(Toshiba) |
B-7-35 |
Q-Learningを使用した無線メッシュネットワークの経路最適化に関する一検討
◎小林卓矢・澤 健太郎・石原功之郎・角 武憲・山内尚久(三菱電機) |
B-7-36 |
車車間通信における電波伝搬特性の深層学習に基づく情報中継車両選択に関する検討
◎山本悠仁・高木由美・太田 能・鎌田十三郎(神戸大) |
近年,無線ネットワークにおける通信トラヒックや接続端末数が増加している.さらに,IoT/M2Mにおいて「モノ同士」の通信の増加が想定される.そこで,将来的により低遅延で膨大数の端末接続が可能で転送帯域が大きな次世代の移動通信システム(5G)の実現が期待される.本研究では,5Gの無線アクセス部分において,異種無線網の協調による膨大数の端末の接続性の確立と省電力化の実現を目的する制御手法を検討する.
近年,家庭内の電化製品などをネットワークに繋ぎ,ZigBeeにより一括管理するスマートホームが注目されている.
しかし,ZigBeeと同じ2.4GHz帯のISMバンドを利用する無線LANが広く普及しており,両システムが混在する環境においては電波干渉により通信品質が劣化する.
そこで本研究では,両機器のパラメータ,無線LAN側の送信アルゴリズムを調節することで無線LANとの共存環境におけるZigBeeのパケット送信成功率を向上させるアクセス制御手法を提案した.
シミュレーションより,提案手法を用いる事で無線LANのスループット低下を抑え,さらにZigBeeパケットの送信成功率が向上することを確認した.
A new IEFT 6TiSCH working group was established to address the IoT development. 6TiSCH implements time slotted channel hopping (TSCH) for wireless mesh network with IPv6 application. 6TiSCH network offers hundreds of nodes for monitoring and control. Recently, an increase of interest in open source platform for wireless network sensor such as Contiki-NG are being considered by many academic and industry community. Contiki-NG supports both real hardware implementation, and simulation called Cooja simulator. Cooja provides multi-level simulation for a price of longer simulation time and high memory usage. This research investigates the performance of Cooja in hundreds of node network.
工場、およびビル監視等に、無線メッシュネットワークの適用が進んでいる。安定した通信経路の選択方式として、従来方式では、受信電力の変動が小さく、且つ少ない経路を選択する方式が提案されている。さらに安定した通信経路を選択するには、経路選択に用いる受信信号強度などの閾値を設置環境に応じて決定されることが望ましい。本稿では、無線メッシュネットワークの通信経路安定性、および設置容易性の両立を目的として、従来方式の閾値決定手段に強化学習を適用し、設置環境に適した閾値決定アルゴリズムを提案する。
車車間通信を利用した出会い頭の衝突警報や緊急車両の接近通知などのアプリケーションにおいては,交差点で交差する道路上の車両にも情報を配信することが望ましい.しかし,都市部では建物が密集しており,他車両による中継が必要となる.また,必要以上の車両が情報を中継することは,中継パケットの衝突の原因となり,ひいては無線資源の浪費につながり望ましくない.我々は,各車両が中継すべきか否かをより適切に判断する基準として,自身が中継することによって追加で情報が届く台数の予測値EAV(Expected Additional Vehicles)を用いる.この値の予測を深層学習によって実現を試みた.本稿では,その基礎検討結果について報告する.
休 憩(10:30 再開) 座長 劉 江(早大)
B-7-37 |
許容遅延を考慮した異種アドホックネットワーク間接続GWの最適配置
○宮 太地(東工大) |
B-7-38 |
車両を対象とする位置ベースサービスにおける匿名位置集合の評価法に関する一考察
◎ダンゴル ジェシャン・北 健太朗・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大) |
B-7-39 |
測定値の密度分布を用いた有意データ領域抽出方法
○大久保敬子・鈴木敏明(日立) |
B-7-40 |
群衆ソーシングにおけるグラフベースの位置検証に関する一考察
◎笹沼涼介・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大) |
B-7-41 |
マルチホップネットワークにおける位置名に基づくフォワーディングに関する一考察
○長谷川 亨・栗原佳輝・小泉佑揮(阪大)・上杉 充(パナソニック) |
フローに許容遅延が存在する異種アドホックネットワーク間相互接続環境において,全ノードの地理位置が把握可能としたときの,ゲートウェイ配置最適化による,許容遅延満足フロー数最大化手法を提案した.
筆者らは、位置ベースサービスにおけるプライバシー保護手法として、ユーザが興味のある位置(目的位置) を含む k 個の位置の集合(匿名位置集合)を指定して位 置ベースサービスを要求することで、サービス提供者か らユーザの目的位置を隠蔽する手法を検討している。 ただし、匿名位置集合から目的位置を推測されないため には、匿名位置集合に含まれる各位置の人気度を考慮す る必要がある。本稿では、車両を対象とする位置ベース サービスを想定し、点過程に基づく車両の位置のモデル 化 を用いて、位置の人気度を定義する手法を示す。
工場やプラントなどの様々な製造現場において,IoT(Internet of Things)を活用した状態監視の普及が進んでいる.センサから得られる情報には,電源OFF/待機/稼動等,複数の状態が混在することが多い.異なる状態が混在するデータにおいて分析精度を向上させるためには,状態を識別し,分析対象となる有意データを抽出する必要がある.本研究では,複数の状態が混在するセンサデータから,閾値や特徴量等を指定せずに,有意データ領域を抽出する方法を提案する.
位置ベースの群衆ソーシングでは、位置の正しさの検
証が課題である。例えば、ドライブレコーダーの映像を
匿名で収集するサービスにおいては、ユーザが申告し
た位置を検証するため、グラフに基づいた信頼性検証で
あるTrustRankの適用が検討されている。TrustRank
はリンクによる隣接関係をグラフとするWeb における
技術であるのに対して、位置ベースの群衆ソーシングで
は、隣接関係の構築には地理的な制約がある。本稿では、
位置ベースの群衆ソーシングに対するグラフベースの位
置検証の適用可能性を検討する。
筆者らは、これまでにNamed Data Networking(NDN) ベースのISP 網において、位置で指定した宛先のIoT デバイスにパケットを配信する、位置ベースフォワーディングを提案した。本稿では、ローカル無線インタフェースを有するが、インターネット接続機能を持たないIoT デバイスに、マルチホップ通信で配達できるよう、位置ベースフォワーディングを拡張する。
3月22日 13:00〜17:00 52号館 303教室 座長 松本延孝(KDDI総合研究所)
B-7-42 |
ブロックチェーン技術を適用した自律分散無線アクセス共用網の検討
○青山寛樹・川原憲治(九工大) |
B-7-43 |
複数ノードの通信中継による自律分散的協調型メッセージ通信システムの提案
◎市川博彬・小林亜樹(工学院大) |
B-7-44 |
ブロックチェーン上でのセンサデータ分散型取引プロトコル実装
◎横森大祐・小林亜樹(工学院大) |
B-7-45 |
宛先解決履歴を活用した呼処理リソース効率化手法の一検討
○銭谷由彦(NTT) |
B-7-46 |
大規模災害時に発生する通信途絶状況のローカルクラウドによる早期緩和方式に関する検討
○坂野寿和・トウ ルイ・矢野一人・清水 聡・鈴木義規(ATR) |
スマートフォン等の移動端末の普及に伴い、公衆無線LANサービスの拡大・無線LANアクセスポイント(以下、無線AP)の設置数増加が予想される。一般に公衆無線LANを利用するには、利用サービスへのユーザ登録が必要になるが、多種多様な公衆無線LANへ個別に登録するのは利便性に欠ける。そこで、利便性向上のために、ブロックチェーンを適用した多数多様な無線APを統括的に利用できる自律分散システムの構築を考える。ブロックチェーンは信頼できる仲介者なしに非信頼のユーザ間での取引ができる。これにより、不特定多数の異種サービスや無線AP間での連携を可能となる。
本研究では、上記システム構築のための、システム構成・必要機能について検討する。
システム参加ノードが他人の通信を中継し合うことで成り立つようなアドホックネットワークやP2Pネットワークによるメッセージングシステムにおいて、他人の通信を中継することで発生するデータをブロックチェーン上に記録し報酬を与えることによって、各参加ノードがシステムに協力する動機付けがされた自律分散的なメッセージングシステムを提案した。他人のメッセージを転送すると、報酬としてシステム内の誰かにメッセージを送信する権利が得られる。複数ノードによるメッセージ中継について検討し、利己的なシステム参加ノードによる不正について検討を行う。
IoTの普及によりセンサデータ流通が望まれており,取引プラットフォームも提案されている.一方,ブロックチェーン上でペナルティ付き秘密計算を担わせ,第三者の介在なくペナルティ付き公平性を担保する手法も提案されている.
本稿では,センサデータが継続的なストリーム型データである特徴を活かして,ブロックチェーン上で任意のコード実行を実現するプラットフォームであるEthereum上に,保証金の強制支払いによるペナルティ付き公平性を実現する分散型取引プロトコルを実装する.また,本プロトコルにおいて想定される不正についての検討を行う.
IP相互接続時の呼処理における課題(網から他網へのポートアウト/他網から自網へのポートイン該当電番への着信時、呼処理サーバで行う呼接続処理において宛先解決における空振りが発生)に対して、今回提案する手法では空振りを減らし呼処理サーバの呼処理リソース効率化が見込める。
地震や台風などによる大規模災害の発生頻度が高まるなか,レジリエントな通信確保技術が求められている.本稿では,ローカルクラウドにより通信途絶状況を早期に緩和する方式を提案する.提案方式のサービス可用性に関する基本検討を行い導入効果への期待を示す.
休 憩(14:30 再開) 座長 持田誠一郎(NTT)
B-7-47 |
探索木によるSDN網未知障害発生時の代替経路発見高速化効果
◎松浦 匠(東工大)・中山裕貴・林 經正(ボスコ・テクノロジーズ)・山岡克式(東工大) |
B-7-48 |
深層強化学習による動的仮想ネットワーク割当手法の検討
◎鈴木晃人(NTT)・安孫子 悠(静岡大)・原田薫明(NTT) |
B-7-49 |
プロアクティブ制御型ネットワークによる輻輳時間改善効果の実機評価
○小林正裕・駒井友香・原田薫明(NTT) |
B-7-50 |
プロアクティブ制御型ネットワークの実現に向けたアクセスパターンに基づいたトラヒック予測手法
◎駒井友香(NTT)・木村達明(阪大)・小林正裕・原田薫明(NTT) |
B-7-51 |
DPDKアプリケーションのリソース最適化を目指したパフォーマンス測定ツールの検討
○島仲雄大・青木弘太・丸山 充・瀬林克啓(神奈川工科大)・君山博之(東京電機大)・高橋宏和(NTT) |
ネットワークに存在する,サイレント故障と呼ばれる再現困難な未知障害は,計測による故障位置把握が困難である.そこで,従来手法では,SDNの機能を利用した高速な代替経路設定手法を提案している.
これは,代替経路探索と障害箇所絞り込みを再帰的に適用する方式であり,障害箇所絞り込みの際,障害発生領域を二分割し計測を行うが,分割位置は固定であり,効率化の余地が存在する.
そこで,本研究では,探索木を用いて,故障箇所絞り込みの過程を総当たりし,より効率的な分割位置決定を行う,高速な代替経路設定を実現した.
また,計算機シミュレーションを行った結果,従来手法と比較して障害計測コストを低減可能であることを示した.
本研究では,深層強化学習によりネットワーク状態と仮想ネットワーク(VN)割当結果の関係を事前学習し,各時刻での最適化計算を不要とすることで,リソース需要変動に追従した動的VN割当手法を提案する.
筆者らは,通信ネットワーク内外の多様なデータを分析することにより,潜在的なサービス品質劣化リスク(故障・輻輳等)や需要変化を予測し,事前の制御・早期/自動復旧を行う,プロアクティブ制御型ネットワークの研究に取り組んでいる.本稿では,プロアクティブ制御型ネットワークの主要動作の1つである,トラヒック予測による輻輳の事前回避制御に着目し,実機環境にてプロアクティブ制御を行い,仮想化ネットワークにおけるトラヒック予測の有無による輻輳時間の改善効果を評価するともに,評価結果からトラヒック予測に求められる性能要件について考察する.
本稿では,プロアクティブ制御型ネットワークの実現に向けて,要求通信品質に基づくトラヒックを予測する手法を提案する.提案手法では,利用サービス・ユーザ・アクセス時刻を基にした,アクセスの傾向(アクセスパターン)をとらえ,トラヒックをグループ化して予測する.
近年,DPDK(Data Plane Development Kit)という高速パケット処理技術により,汎用サーバを使用し,40Gbps,100Gbpsの転送速度を持つアプリケーションの実現が可能となった.DPDKは既存のLinux上の測定ツールが使用できないため,外部装置を使用したトラヒック負荷などの手段でしか性能評価できない問題がり,本稿では測定コードによる内部的な測定値の取得,可視化を行うパフォーマンス測定ツールの開発を行った.Interop Tokyo 2018で使用したDPDKアプリケーションを対象に評価を行った結果,1パケットの処理に約7~15μsec,平均して11μsec要することが確認でき,パケットを受信してから約1秒間は1パケットの処理に1.8msec要することが本ツールを用いた性能評価で確認できた.8K高精度トラヒックメータを使用したパケット処理性能の比較においては,2.558%の差がある事が確認できた.
休 憩(16:00 再開) 座長 植田一暁(KDDI総合研究所)
B-7-52 |
バンディットアルゴリズムを用いたICNパケット転送戦略の評価
◎山内智晴・相田 仁(東大) |
B-7-53 |
マルチコア NDN ルータにおける排他制御の必要な PIT の操作に関する一考察
◎山田裕太郎・武政淳二・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大) |
B-7-54 |
キャッシュ削減手法の提案
◎山本隼人・中里秀則(早大) |
B-7-55 |
The Implementation of Integrated ICN and CDN as a Video Streaming Service
◎△Chengkai Yan・Katsuhiro Sasaki・Quang Ngoc Nguyen・Toshitaka Tsuda・Takuro Sato(Waseda Univ.) |
ICN上でのパケットフォワーディングにおいてルータがInterestの送信先を決定する際、転送先となるノードはルータのコンテンツキャッシュにより複数存在する可能性があり、加えて時々刻々と変化しうる。これに対処するため、各経路のRTT情報を転送の度に取得し、それを元に経路スコアを更新しつつ経路選択を行う手法を提案する。提案手法ではRTT情報を取得するための経路探索と得られたRTT情報に従った経路活用とをバランスよく行うために、バンディットアルゴリズムを参考に用いた。提案手法をシミュレータ上で検証し、既存のBestroute Strategy以上の遅延性能を確保しつつ経路変化に対応できることを確認した。
マルチコア Named Data Networking (NDN) ルータが複数コアで並列にパケットを処理する際には、パケット単位で書き換えが発生する Pending Interest Table (PIT) の操作を相互排他する必要がある。しかしながら、PITへの読み書きなどの操作全体に、排他制御を行うと転送速度が著しく低下する。本稿では、PIT の操作の内、真に排他制御が必要な操作の組み合わせ、これらが発生する条件を明確化する。
音楽や動画などの大容量コンテンツの普及によって増加しているサーバへの負荷を減少させるためにコンテンツ指向ネットワーク(ICN)が注目されている。ICNを用いて行われるライブストリーミングを想定し、ライブストリーミングの連続するデータを周期的に取得する特性を利用して、使用中のキャッシュを削減し、新たなコンテンツをキャッシュする容量を増やす手法を考えた。キャッシュ利用を効率化するために、コンテンツの要求周期を可変とするコンシューマを想定し、複数のユーザが同一コンテンツを要求する際に、ルータがコンシューマのコンテンツ要求タイミングをずらす指示をすることで、コンテンツの保持時間を短くする。
In this paper, we have proposed combining CDN and ICN as a 5G slice for video streaming service. Besides, note that in this research, we focus on the ICN slice design for content distribution when the content already stored at the ICN Gateway from the ICN slice. The result shows that our approach can reduce the download time effectively, especially when chunk size is big enough.
B-8. 通信方式
3月19日 9:00〜11:45 54号館 104教室 座長 藤原稔久(NTT)
B-8-1 |
TDD-HetNet における上り回線パイロット割当と下り回線干渉軽減に関する一検討
◎神渡俊介・牟田 修(九大) |
B-8-2 |
TFIによる組織的Polar符号を用いたOFDMのスループット特性改善
◎田沼直也・丸茂 稜・渡辺滉也・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-8-3 |
一般回帰ニューラルネットワークを利用したチャネル推定と補償
○Nythanel Hoeur・大村高輝・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-8-4 |
複素信号を用いたHTRCI法によるパイロットコンタミネーション除去
◎松原 駆・黒木 駿・勝野将人・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-8-5 |
IQ imbalance下におけるMMSECを用いた性能改善
◎立松弘貴・阿部由希帆・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
マクロセル(MC) とスモールセル(SC) が同一周波数を利用する2層ヘテロジニアスネットワーク(HetNet) では,MC とSC 間の干渉(異層間干渉)を軽減することが重要となる. 本稿では, 多素子アンテナを備えたMC 基地局(MBS) と複数のSC 基地局(SBS) からなる時分割復信(TDD) HetNet において, 下り回線の異層間干渉の軽減手法について検討した. 検討方式では, MC とSC 間の干渉チャネル状態を上り回線において直交パイロットを用いて推定し, その結果に基づき下り回線におけるMC からSCへの与干渉を軽減する. SC あたり複数のユーザが存在する場合の下り回線伝送レートを評価し, その効果を示した.
Polar符号は誤り訂正符号の一種であり,組織的符号化を行うことで符号語の中に情報ビットがそのままの形で現れる.この特性を利用し符号語の中にパイロット信号を埋め込み,データ伝送の冗長性を削減することでスループット特性の改善が可能である.本稿ではチャネル推定法としてTime-Frequency Interferometryを使用することで,さらなるスループット特性改善の方法を提案する.
高速移動体通信では,チャネルが時間的に大きく変動する.パイロットチャネル推定のみでは正確に推定できなくなる.解決方法としては判定帰還チャネル推定がある.しかし,この方法ではデータ長が長くなるほど,データ後部のチャネル推定精度が悪くなり,BER特性も劣化する問題がある.本研究では推定精度の高い前半部の判定帰還チャネル推定情報の一部のみを利用し,一般回帰ニューラルネットワークを通して学習させ,全データシンボルにおけるチャネル推定を行った.また,データシンボル数が大きくなっても,BER特性が改善できることを示した.
移動体通信において,ユーザーが隣接するセルの各基地局から同一のパイロット信号を受信した場合にチャネル推定精度が劣化するパイロットコンタミネーションが生じる.本研究では時間領域でパイロット信号の分離処理を行い,少数のシンボルでチャネルを推定することができるHTRCIを改良した新しいチャネル推定法を提案するとともにパイロットコンタネーションの影響を除去することを目的とする.
OFDM(Orthogonal~Frequency~Division~Multipulexing)においてダイレクトコンバージョン受信機はIQ~imbalanceの影響を受け,システムの性能劣化の原因となる.先行研究ではTFIパイロットに着目してIQ~imbalance推定および補償法の提案がされ,BER特性の改善がされた\cite{1}.本研究ではその後の処理であるチャネル補償法に最小平均二乗誤差(Minimum~Mean~Square~Error)を適用することで,BER特性の改善を目的とする.
休 憩(10:30 再開) 座長 高橋 賢(広島市立大)
B-8-6 |
多数デバイスを収容する携帯電話網に関する高効率通信方式-端末設置環境と信号分離性能の関係の評価-
○手塚隼人・森山雅文・滝沢賢一・児島史秀(NICT) |
B-8-7 |
プリアンブルレスOFDMシステムの同期取得における雑音の影響の低減
○篠木勇冶・一色健太郎・丸田一輝・安 昌俊(千葉大) |
B-8-8 |
プリアンブルレスOFDMシステムにおける複数シンボルを用いたタイミング同期性能改善
○一色健太郎・篠木勇冶・安 昌俊・丸田一輝(千葉大) |
B-8-9 |
CSMA/CAにおける不均一な確率密度を有するバックオフ値に基づく優先制御法の研究
◎河原祐樹・杉山隆利(工学院大) |
B-8-10 |
Throughput Maximization for Success Prioritized Non-persistent CSMA
○Daisuke Umehara(Kyoto Inst. of Tech.) |
IoT端末の普及に伴い上りトラフィックの急増が予測されている.5GではIoTへの対応が議論されており, 基地局は, 膨大な数の小サイズデータを効率的に受信することが求められる.我々は多数接続及び低遅延通信の同時実現に向けてnon-orthogonal multiple access in uplink (UL-NOMA) に基づいたコンテンションベースの上り信号の通信方式に関する研究を行っている[1].IoTで基地局が扱う端末局は, 固定されているものや移動環境にあるものなどさまざまあると考えられるが, これまで我々は3GPPのモデルである固定端末80%, 移動端末20%の環境のみ想定して検討を行っていた.そこで, 本稿では提案通信方式を用いたシステムとフェージングエミュレータを用いて, 移動端末の割合を増やすことによるシステムのパフォーマンスへの影響を評価したので, その結果を報告する.
IoTやセンサーネットワークではサイズの小さなデータが頻繁に送受信され,その度タイミング同期をおこなっている.この同期のための信号も送信していると効率が悪くなるため,ガードインターバルの周期性を利用した同期方法がある.しかしこの方法では雑音を十分に小さいと仮定しているため雑音の影響が大きい.本研究では信号と雑音の電力の比を近似せずに評価関数を算出し,雑音の影響を低減することができることを示した.
現在移動体通信の方式として広く用いられているOFDMシステムでは,シングルキャリアシステムと異なり,高い同期性能が要求される.プリアンブルを利用したシンボルタイミングを取得する方法があるが,冗長性があり,帯域利用効率が低下する問題がある.このため近年,プリアンブルを利用しないブラインド同期(プリアンブルレス)について広く研究されている.本稿ではガードインターバルの周期性を利用した同期取得法の性能改善と比較を行う.
特性の異なるアプリケーションの端末が同一WLAN内に混在する場合,CSMA/CAにより送信権が公平に与えられると,Data端末の時間占有率がVoIP端末よりも高いためVoIP端末の遅延が増加する.そこで,Data端末のAIFSをVoIP端末よりも長くする方法があるが,Data端末のスループットが劣化する.本稿では不均一な確率密度を有するバックオフ値を設定することで,VoIP端末が低遅延を保持しつつ,Data端末のスループットを改善する手法を提案する.VoIP及びData端末の混在環境を想定したシミュレーションを行い, 提案方式によるData端末のスループット改善効果を定量的に示す.
We have proposed a random access protocol, success prioritized non-persistent carrier-sense multiple access (SP-NP-CSMA) with sleep function to gain the throughput and the energy efficiency for event-driven variable-length sensor data gathering. In this manuscript, we optimize the contention window (CW) to approximately maximize the throughput for SP-NP-CSMA with reservation (SP-NP-CSMA-R).
3月19日 13:15〜17:00 54号館 104教室 座長 梅原大祐(京都工繊大)
B-8-11 |
多値変調を用いた過負荷MIMOシステムのための基底格子縮小を用いた繰り返し線形受信機の検討
◎藤原拓也・田野 哲・侯 亜飛(岡山大) |
B-8-12 |
ISDB-Tテレビ受信機における自動起動信号の間欠受信特性
○高橋 賢(広島市立大) |
B-8-13 |
雑音と1ビットアナログ-ディジタル変換器を用いた信号強度の異なるDS-CDMA信号の復調
◎△中島康雄・山里敬也(名大)・荒井伸太郎(岡山理科大)・田中宏哉・田所幸浩(豊田中研) |
無線通信のさらなる高速化を目指して,多値QAMを適用した過負荷MIMOシステムにおける基底格子縮小を用いた線形受信機構成法を検討する.16QAMおよび64QAMを用いた6×2MIMOシステムにおけるBER特性を計算機シミュレーションを用いて評価する.
ISDB-T地上ディジタルテレビ放送信号に重畳される緊急警報放送用の自動起動信号を間欠受信する方法に対して,相互情報量の点で比較した.受信Eb/N0が7 dB以上のときには自動起動信号以降からTMCC先頭までのフレーム内期間を休眠する方法を,それ以下のときにはTMCCパリティのビットパターンを用いて自動起動信号の誤検出を軽減する方法にフレーム間での間欠受信を適用すれば,より高い相互情報量が得られることがわかった.
本稿では,分解能が1ビットのアナログ-ディジタル変換器(1bit ADC)と雑音を組み合わせることによる直接拡散符号分割多元接続信号の復調手法を提案する.受信機に1bit ADCを用いることで,受信機の簡易化・低コスト化が期待できる.しかし,1bit ADCを用いる場合,量子化の影響によって,信号強度差のある複数のDS-CDMA信号を同時に受信した場合に,信号強度の小さい信号を正しく復調することはできない.提案手法では,雑音が加わることによって量子化の影響を軽減される確率共鳴現象を復調に利用することで,信号強度が小さい信号に対しても復調が可能になる.
休 憩(14:15 再開) 座長 山浦隆博(東芝)
B-8-14 |
獣害対策向けIoTシステムの検討
◎佐々木裕也・竹村大輝・寺田恵太郎・横谷哲也・向井宏明(金沢工大) |
B-8-15 |
獣害対策向けIoTシステムのネットワーク構築について
◎竹村大輝・佐々木裕也・寺田恵太郎・横谷哲也・向井宏明(金沢工大) |
B-8-16 |
工場向けエリアネットワークの大規模化と検証
◎村田篤亮・竹村大輝・横谷哲也(金沢工大)・小林靖典・小林靖弘(小林製作所) |
B-8-17 |
農業CPS向けSigfox通信端末の設計と試作
三改木朋希・秋山将輝・山之内 亘・○山崎悟史(沼津高専) |
Internet of Things(IoT)の普及に伴い、様々なIoTユースケースが検討されサービスを提供している。代表的なIoTユースケースの例としては交通インフラ、公共施設、スマートハウス、ウェアラブルデバイス、自動車、工場、農業などで、そこからニーズに合ったIoTサービスを提供するためIoTサービスは多岐にわたる。これらに加えて今まで解決できなかった社会的な課題にIoTを導入することで解決できるケースが増えている。本稿では、IoTユースケースとして過疎地域における獣害対策を取り上げ、MQTTを用いたシステムの検討を行う。
IoTを用いた多彩なサービスが検討されている。IoTの導入により、ネットワークを介した遠隔監視等が容易にできるため、今まで対策が遅れていた山間部等に対しても多彩なサービスが提供できる。これらのサービスの中で近年注目されているものとして獣害対策がある。具体的な事例としては、獣による農作物被害や人的被害への対策である。
本稿では、上記具体例のIoTネットワーク構築に対する検討について報告する。
一般に工場で導入されている工作機械はネットワークに接続できるものが少なく、価格が高価な製品が多いため、工場のIoT化を行うためにはネットワーク対応の製品を新たに購入したり、工作機械の導入に伴う従業員の研修等で大きな投資を行う必要がある。本稿では、既存の工作機械に本体に変更を加えずIoT対応の通信インタフェースを取り付けることで容易にネットワークに接続できるできるような仕組みと、それらを接続するセンサネットワーク構築を示し、その検証を報告する。
近年,異常気象などの多くの災害被害は,農作物の収穫に深刻な影響を与えている.その一対策として,2012年から我々はCPS (Cyber-Physical System)を地域農業に導入し,ハウス内の温度・湿度などの環境情報を解析し収穫量推定を検討してきた.現在稼働中の農業CPSは,マルチホップ通信に伴うデータ欠損が原因でデータ解析精度の劣化を招いていた.そこで本稿では,通信の長距離化を主目的としてLPWA(Low Power Wide Area)に着目し,Sigfox通信規格を実装したセンサ端末を設計・試作した.その概要とフィールド性能評価について述べる.
休 憩(15:30 再開) 座長 神谷聡史(NEC)
B-8-18 |
DASH配信時のON-OFF状態を考慮したビットレート選択手法
○河上晃司・金井謙治・甲藤二郎(早大) |
B-8-19 |
主観画質に基づく符号化方式を用いたDASH配信手法のQoE評価
◎長島達哉・金井謙治・甲藤二郎・坂本雄輔・竹内 健(早大) |
B-8-20 |
無線ネットワーク環境下におけるTCP Venoに基づくMultipath TCP輻輳制御の性能評価
◎前林伸治・金井謙治・甲藤二郎(早大) |
B-8-21 |
IoTネットワーク環境下におけるIoT向け通信プロトコルの遅延特性評価
◎関根 響・金井謙治・甲藤二郎(早大) |
B-8-22 |
oneM2Mを用いたIoT用アプリケーションプロトコルの性能評価
◎萱沼広稀(玉川大)・奥井宣広・三宅 優(KDDI総合研究所)・山﨑德和(玉川大) |
B-8-23 |
スケールフリートラヒックを収容するネットワークにおける割り込み型優先制御方式のリンクロスの評価
○児玉 司・横谷哲也・向井宏明(金沢工大) |
近年,ビデオトラフィックの爆発的な増加に伴い,ユーザ間でより高品質で公平な映像配信を実現するために,有限なネットワークリソースの効率的な運用が課題となっている.そこで筆者らは,Dynamic Adaptive Streaming over HTTP (DASH) 配信時の特徴的な受信バッファ制御であるON-OFF制御に着目し,ユーザ間で通信状態であるON状態が可能な限り重複しないようにスケジューリングすることで,DASH配信時のQuality of Service (QoS) 及びQuality of Experience (QoE) 向上を目指す.
近年,映像配信サービスの爆発的な普及に伴い,映像トラフィックが急増している.この結果,映像コンテンツによるネットワーク帯域の圧迫が問題となっており,競合時においても高品質性を維持する映像配信手法の確立が重要な課題となっている.そこで,本稿では,MPEG-Dynamic Adaptive Streaming Over HTTP (DASH) [1] による映像配信時のQuality of Experience (QoE) の向上を目的とし,主観画質に基づく適応符号化方式を用いた際のDASH配信特性を評価する.
近年,モバイル端末によるネットワークの利用率が爆発的に増加しており,主に,4GやWiFiといった多様な無線ネットワークが利用されている.その際,異なる通信規格あるいは通信経路を同時に使用することができるMultipath TCP(MTCP)を利用することで,スループットの向上や耐障害性の向上が見込める.しかしながら,既存のMTCPの輻輳制御はいずれも無線ネットワーク環境を考慮して設計されていない.そこで本稿では,無線ネットワークに対応するTCP Venoを参考にし,MTCPへ拡張したWeighted Veno (wVeno) を提案し,その性能評価を行う.
近年,様々なモノがインターネットへつながるIoT時代が到来し,世界中においてIoTデバイスが急速に普及し,爆発的に増加している.その背景のもと,IoT用途に用いられる代表的なアプリケーション層の通信プロトコルとしてHyper Text Transfer Protocol (HTTP),Constrained Application Protocol (CoAP),Messaging Queuing Telemetry Transport (MQTT)など多様なプロトコルが利用されている.本稿では,IoTネットワークを想定した環境下でこれら通信プロトコルのデータ通信時の遅延特性を比較評価する.
近年,ネットワーク技術の進化やセンサーデバイスの進化に伴う低コスト化などにより,これまでインターネットに接続されていなかった様々なモノがインターネットに接続されるIoTの普及が進みつつある.
本研究では, IoTで使用されているプロトコルであるHTTP, MQTT, CoAPを用いて,実利用を想定して,oneM2Mを使用しペイロードに数バイトから数キロバイトのデータを載せプロセス間通信を行い,それらの性能評価を実施する.
ネットワークには、4k・8kなどの超高精細映像トラヒックや、IoT機器から送信される微小なトラヒックなど、特徴の異なる多彩なトラヒックを同一ネットワークに収容することが求められている。これに対応するため、フレームの完全蓄積を不要とする、カットスルー転送が可能な「Copy方式」が提案されている。しかし、Copy方式は通信帯域の利用効率について問題視されている。はCopy方式の課題である通信帯域の利用効率について検討する。
3月22日 9:30〜11:45 54号館 104教室 座長 名倉健一(三菱電機)
B-8-24 |
タイムスロットを用いたOLTの省電力化に関する研究
◎宮鍋慶介・西山大樹・加藤 寧(東北大) |
B-8-25 |
分散PONシステムにおける冗長化の考察
○藤野健治郎・河本一貴・濱田洋平(住友電工) |
B-8-26 |
PONの段階的な速度アップグレードを実現する下り転送方法
◎原田臨太朗・鵜澤寛之・中村浩崇・寺田 純(NTT) |
B-8-27 |
TASを適用したL2-NWにおけるモバイルフロントホール収容時の低優先トラヒックの動的経路選択に関する一検討
○柴田直剛・鵜澤寛之・深田陽一・寺田 純(NTT) |
近年,あらゆるものがインターネットに接続されるIoT時代が到来している.
これに伴い,ネットワークに求められる要求も多様化している.
そこで,多様化した要求に対応するために高密度な基地局の配置や集中制御を行うC-RANC-RAN(Cloud-Radio Access Network)に着目する.
本稿では,C-RAN にFiWi(Fiber Wireless)を組み合わせたネットワークを想定し,FiWi を構成するOLT(Optical Line Terminal)とONU(Optical Network Unit)の通信を制御することで省電力化を図る.
ここでは,最適なタイムスロット数を導出することでOLT における消費電力を最適化する.
従来型PONシステムが抱える課題(PON区間長の問題、ファイバ心線不足、局舎電源不足)の解決を図る分散PONシステムを提案している。しかし、分散PONシステムは遠隔地に設備を置くため、ファイバ切断等に対する信頼性確保が課題であり、解決策の一つとして冗長構成がある。分散PONシステムでは遠隔装置と上位装置間はイーサネットに準拠するネットワークで構成されるため、冗長構成としてスター型とリング型が考えられる。
本稿では分散PONシステムにおける信頼性確保のための冗長構成について、検討結果を報告する。
Mobile Frontfaul (MFH)の経済的な構築のため,TDM-PONの適用が検討されている.モバイルシステムは需要に応じて段階的に速度アップグレードする傾向にあるため,MFHをPONで構築した場合にはPONもこれに対応できる必要がある.本稿では,このような場合におけるPONの下り転送方法を提案する.
モバイルフロントホール(MFH)をレイヤ2-NW(L2-NW)で構築することが検討されている[1].特にIEEE802.1Qbv[2]では,周期的に到来する高優先トラヒックをTAS(Time Aware Shaper)により優先的に伝送できるため,MFHとその他低優先トラヒックを同一L2-NWで収容した場合でも,MFHの要求遅延を担保できる.本稿では,TASを適用したL2-NWにおける低優先トラヒックの動的経路選択を提案し,シミュレーションにより帯域利用効率向上効果を評価する.
休 憩(10:45 再開) 座長 黒木圭介(KDDI総合研究所)
B-8-28 |
仮想網のサービス特性を考慮したTWDM-PONの下りスケジューリング方式の検討
○岡本駿志・中平佳裕・鹿嶋正幸・佐々木浩紀(OKI) |
B-8-29 |
フロントホール遅延要件を考慮したTDM-PONにおける送信可能ONU数改善に向けた検討
◎久野大介(阪大)・中山 悠(青学大) |
B-8-30 |
AMCCを用いた波長可変型WDM-PONプロテクションの検討
◎本田一暁・中村浩崇(NTT)・曽根恭介・中川剛二・廣瀬佳生・星田剛司(富士通)・寺田 純(NTT) |
B-8-31 |
WDM-PONシステムにおけるAMCCを用いたOLTプロテクション
○曽根恭介・中川剛二・廣瀬佳生・星田剛司(富士通) |
アクセス装置を含む5Gモバイルのフロントホール/バックホールの仮想化方式が検討されている.我々はTWDM-PONをアクセス装置に用いた際に,仮想ネットワーク(vNW)の資源をサービス特性に応じて割り当てる方式を検討してきた.TWDM-PONでは波長切替に伴うパケットロスを防ぐため,切替中に到着した下りパケットを通常のキュー(スルーキュー)とは異なる切替専用のキュー(切替キュー)に格納する等の対策をしている.ここで,切替後に発生する切替キューからの読出し遅延はサービスに影響を与える可能性があり,波長切替後に発生する下り遅延の影響を低減する仕組みが必要と思われる.そこで,本稿では,切替対象vNW/対象外vNWで提供されるサービス特性に着目し,サービス特性に応じて適切にキューから読出す制御方式を検討する.
厳しい遅延要件を持つフロントホールをTDM-PONにより収容する際に,上り制御遅延を抑制するモバイル動的帯域割当(M-DBA)が提案されている.
M-DBAでは,全RUの合計スループットがTDM-PONの通信容量を超えるとき,帯域を割り当てられたOptical network unit (ONU)の送信順序によっては,遅延要件内に送信可能なONU数が低下するといった課題が存在する.
本稿では,遅延要件内に送信可能なONU数を最大化する手法について検討したため,その結果を報告する.
モバイルトラヒックは近年爆発的な増加を遂げており,その収容のために第5世代移動通信システムの研究開発が活発に行われている.そこでは高密度かつ多数のスモールセル配置が想定され,効率的な保守運用が必要となる.我々はこれまで,MFH(Mobile fronthaul)区間へのWDM-PON適用,及びAMCC(Auxiliary management and control channel)を用いた監視制御チャネルの実現性や必要となる監視制御機能について検討してきた.本稿では,その機能の一つとして,光ファイバ区間におけるプロテクション機能について提案する.
WDM-PONシステムのAMCCを用いた遠隔監視制御機能の1つとして、OLTプロテクション手法の提案を行い、実証実験により、その実現性を確認した。
3月22日 13:00〜16:45 54号館 104教室 座長 久保亮吾(慶大)
B-8-32 |
光/RFハイブリッド・ワイヤレスシステムにおける切替え手法に関する一検討
◎椎名亮太・原 一貴・谷口友宏・池田 智(NTT) |
B-8-33 |
一波長双方向WDM-PON伝送における反射光の影響
◎渡瀬裕紀・紫尾田 将・久野大介・丸田章博(阪大) |
B-8-34 |
一波長双方向WDM-PON伝送におけるカプラ反射光の補償
◎紫尾田 将・渡瀬裕紀・久野大介・丸田章博(阪大) |
B-8-35 |
ランダム遅延を持つサブチャネル識別を可能とする光OFDM信号変復調手法に関する検討
○YIQI ZHANG・植之原裕行(東工大) |
B-8-36 |
25G級光アクセスネットワーク向け変調方式の基礎検討
○自念圭輔・船田知之(住友電工) |
通信サービスを利用するユーザの位置変化に応じて,光無線とRF無線を柔軟に切替える状況を想定した場合の,照度を利用した切替えに関する検討を行った結果を報告する.
大容量通信を行う次世代のPON(Passive Optical Network)システムを実現するために,従来のシステムに波長分割多重 (WDM)技術を導入したものが標準化されている.そこでは,上下リンクで異なる波長を用いることを想定しているが,今回,更なる帯域利用効率の向上にむけて,上下リンクに同一波長を用いた光伝送を行うことを検討する.しかしながら,一波長双方向伝送では,信号光の反射が干渉成分として現れる.本稿では,一波長双方向伝送において信号劣化の主要因となる反射光の影響を補償する手法の提案を行う.シミュレーションで提案手法を適用したときのビット誤り率評価を行ったため,その結果を報告する.
モバイルバックホール等の大容量かつ低遅延性能が要求されるサービスを収容するために,波長分割多重型Passive Optical Network(WDM-PON)の実現が期待されている.一般的なWDM-PONでは,上下リンクで異なる波長を用いて,一芯双方向伝送を実現している.今回,更なる帯域拡大に向けて,上下リンクに同一波長を用いた光伝送を行うことを検討する.本稿では,一波長双方向伝送を行った際に信号劣化の主要因となる反射光の影響についての理論解析を行った結果を報告する.
近年、5Gに代表される高速モバイル通信のデータを担える大容量・高速な光アクセスネットワークへの要求が高まっており、応用例としては低遅延性も強く求めるモバイル・フロントホールなどへの光・無線融合通信技術が考えられている。光アクセスシステム高速化としてNG-PON2の標準化および100Gbps級の検討も始まっているが、この仕様よりも大容量・データのやり取り頻度が高いと思われる状況への対応のため、より接続数・周波数・回線利用効率の高い低遅延のアクセスシステムの実現が重要だと思われる。この目標を実現するために、我々は光OFDM技術を利用し、ランダムに遅延したサブチャネルを持つOFDM信号の使用を検討している。今回、ランダム遅延を持つサブチャネル識別を可能とするOFDM信号変復調に関する検討をしたので、その結果について報告する。
近年、アクセスネットワークの広帯域化が求められている。現在標準中の50G-EPONでは1波長あたりの伝送速度が25Gbpsまで高速化しており、更に50Gbpsについても検討が進められている。このような通信の高速化に伴い、通信機器全体のコストに対する光トランシーバの占める割合の増加が大きな課題となる。この課題に対し、ディジタル信号処理を使った変調を使うことで、光部品のコストを抑えながら高速化を実現する手法は有望な解決策の1つである。しかしながら、この手法では光部品の非線形性により伝送特性が劣化してしまうという別の課題がある。今回、種々の変調方式の中で、PAM4 (Four-level pulse amplitude modulation)及びEDB (Electrical duobinary)について、光部品の非線形性を考慮したシミュレーションを行ったので報告する。
休 憩(14:30 再開) 座長 宮田純子(芝浦工大)
B-8-37 |
スライス生成・管理のための通信リソース抽象化手法
◎長沢明子・名倉健一・末廣 雄・平野幸男・小崎成治(三菱電機) |
B-8-38 |
リングNWとの相互接続方法に関する一検討
○木村英明・森田章弘・竹下絵莉奈・岩城亜弥子・矢沢 豪・吉原慎一・寺田 純(NTT) |
B-8-39 |
SD-WANの中継ネットワークにおけるエンド間の通信品質保証のための適応的制御の提案
◎竹下絵莉奈・木村英明・岩城亜弥子・矢沢 豪・森田章弘・吉原慎一・寺田 純(NTT) |
B-8-40 |
路面状況情報の交換を目的とした3波長V2X通信システム
○△櫻庭 彬(岩手県立大)・伊藤孝徳(岩手大)・柴田義孝(岩手県立大) |
第5世代移動通信システム(5G)では,低遅延,大容量,多数同時接続といった様々なサービスの性能要件に合わせて,迅速・柔軟にスライスを生成することによりサービスを提供することが想定される.筆者らはこれまで,スライス生成時の管理負荷低減のために,物理通信リソースを抽象化した抽象リソースを用いる手法を提案した.従来の抽象リソースモデルの課題として,5G サービスの主な性能要件である,遅延量,データレート,稼働率を考慮した抽象化手法が十分に検討できていないことが挙げられる.本稿では,これらの課題を解決するため,(1)5G性能要件を表現する抽象リソースモデルの定義,および,(2)抽象リソース生成手法,を提案し,抽象リソースを用いたスライス生成の性能評価結果を示す.
広域イーサネットを実現する手法として,ERP (Ethernet Ring Protection) を適用したリングNWが普及している.一方,近年,EVPN(Ethernet-Virtual Private Network)を用いたL2VPN (Layer 2 VPN)基盤も普及しており,リングNWと他方式により実現されたL2VPN基盤(以降,他NW)との連携が求められつつある.本稿では,リングNWと他NWとを高い信頼性で相互接続する方法について述べる.
SD-WAN ( Software Defined-WAN )の中継ネットワークにおける,エンド間の通信品質を保証するためのネットワークの変動に適応的な制御を提案する.
本稿では,自動運転車への応用を意識した路面状況情報の共有のための車車間・車路間通信手法について述べる.本システムでは,対向車との車車間通信および,路側中継サーバを経由する車路間通信を,異なる特徴を有する複数の無線デバイスからなる無線リンクを通信状況やデータの種別に応じて動的に切り替えるコグニティブ無線方式により,大容量のデータ通信を実現することを目指す.通信性能の評価実験を実フィールドで実施し,プロトタイプシステムを構成する環境では,200m以内において現実的なネットワークスループットを提供できることを確認した.
休 憩(15:45 再開) 座長 斉藤洋之(OKI)
B-8-41 |
NDNにおけるSFCのファンクションの確率的実行
◎伊藤智彦・中里秀則(早大) |
B-8-42 |
キャッシュネットワークにおける自己消去的手法によるBreadcrumbs+方式の拡張の検討
◎熊本洋平・中里秀則(早大) |
B-8-43 |
ICN上のコンテンツ分布
○藤永一生・中里秀則(早大) |
B-8-44 |
NDNにおけるネットワーク遅延とキャッシュ容量に基づくキャッシュ方式
○山﨑飛龍・中里秀則(早大) |
Named Data Networking (NDN)を利用したサービスファンクションチェイニング(SFC)において、実行するファンクションを選択する手法の一つとして、ファンクションを確率的実行する手法を提案し評価する。
現在、インターネットを流れるトラヒックは、映像ファイルやソフトウェアのアップロードデータなどの大容量コンテンツが大部分を占めており、これらに起因するサーバ負荷の増大が問題となっている。この問題の解決策として、ネットワーク内のルータにキャッシュする手法が提案されている。この手法において、キャッシュへのクエリ誘導方式としてBreadcrumbs(BC)方式が提案されている。また、BC方式には、Breadcrumbs+(BC+)方式や、自己消去型Breadcrumbs(自己消去型BC)方式などが提案されている。本稿では、BC+方式に自己消去型BC方式の手法を取り入れた更なる拡張方式を提案し、その性能評価を行う。
ICNの大きな特徴の一つに、ルーター上にコンテンツを配置するキャッシュという技術がある。サーバーより近いルーターにキャッシュされたコンテンツを取得することで、トラフィックの削減や通信速度の向上を実現することができる。このキャッシュ手法に対する研究は活発に行われているが、実際にネットワーク上にどのようにコンテンツがキャッシュされているか分析した研究は多くない。そこで本研究では、ネットワーク上の各ルーターにキャッシュされているコンテンツを実際に観測することで、コンテンツの人気度とルーター位置によりコンテンツの分布がどのように変化するのかを明らかにすることを目的とする。
情報指向ネットワーク(ICN)にはルータでコンテンツをキャッシュするという特徴がある。本研究ではICNの中で最も活発に研究が行われているNDN (Named Data Networking)において、ルータのネットワーク遅延とキャッシュ容量に応じてコンテンツをキャッシュする確率を変えることでキャッシュヒット率が向上するかどうかを検証する。
B-9. 電子通信エネルギー技術
3月21日 13:00〜16:45 53号館 203教室 座長 末次 正(福岡大)
B-9-1 |
電流共振全波形プッシュプルコンバータの定常状態解析について
◎奥 雅貴・田中哲郎(鹿児島大) |
B-9-2 |
LLC電流共振形コンバータの安定性について‐温度変化による小信号周波数特性の変化‐
○吉丸弘佑・佐藤輝被(大分大) |
B-9-3 |
交流電力ルータを用いた降圧変換の出力特性に関する一検討
◎奥津泰志(京大)・高橋 亮(愛知工科大)・引原隆士(京大) |
B-9-4 |
無線電力伝送のアンテナパラメータ測定法における損失解析
◎△井上菊大・Assyfa Ariffin・稲森真美子(東海大) |
B-9-5 |
太陽光発電パネルのストリング情報を用いた故障診断
○馬場﨑忠利・樋口裕二(NTTファシリティーズ) |
DC-DCコンバータの小型化,軽量化,高効率化を可能にしているのがソフトスイッチング技術であり,代表的なものとして共振形コンバータが挙げられる.本稿では,共振形コンバータの一種である電流共振全波形プッシュプルコンバータを取り上げる.従来の解析では,全損失のうち内部損失抵抗及び2次側ダイオードの損失のみ考慮していた.本稿では,これらに加えて,ボディダイオードによる損失,変圧器のコアの鉄損及びスイッチ素子の寄生容量による損失といった固定損を考慮した定常状態解析の結果を報告する.
本研究では,LLC電流共振形コンバータに使用されるトランスの温度変化が小信号周波数特性に与える影響を考察した.トランスの温度によりLLCコンバータの内部抵抗が変化することが実験でわかった.内部抵抗は,小信号周波数特性に影響を与えるパラメータであることを証明するために小信号伝達関数を導出した.トランスの温度は小信号周波数特性に影響を与えることを実験により実証した.
筆者らの研究グループは, これまで開発を行ってきた交流電力ルータによって, 回線切換えとチョッピング動作が可能であることをすでに実験的に確認している. このチョッピング動作は, 交流電力ルータによる出力電力の調整を可能にするものである. 本報告では, 交流電力ルータの使用を想定した交流電力の降圧変換回路について述べる. 双方向スイッチを含んだ降圧変換回路について, 定常状態における出力電圧の振幅および位相特性を検討する. 平均化モデルに基づく計算と, 双方向スイッチのスイッチング周波数を10kHzとしたシミュレーションにより, スイッチのデューティ比に対して電圧振幅および位相差が非直線的に変化することを確認した.
無線電力伝送技術は,近年多くのモバイル機器や電気自動車の充電への利用が検討されている.無線電力伝送にはいくつかの方式があるが,中距離で高い伝送効率を達成することができる磁界共振方式は注目を集めている.この磁界共振方式においては十分な電力が送信され,電力損失を抑えるため,アンテナ間の伝達関数を正しく測定する必要がある.
これまで筆者らはベクトルネットワークアナライザ(VNA)を用いたSパラメータ測定を行い,アンテナ性能を評価してきた.本原稿ではこのアンテナパラメータの測定結果と理論値を比較し,その損失解析を行う.
太陽光パネルのストリング電圧と電流のストリング情報を用いた故障診断方法を検討している。
従来のストリング情報を用いた故障診断方法ではストリング情報の経年変化をルールベースの診断フローを用いた分類によって故障診断を行った。本検討では4か所の太陽光発電所の太陽光パネルのストリング情報について機械学習Tensorflowを用いて学習を行い、他所の太陽光発電所で故障診断を検証したので、報告する。
休 憩(14:30 再開) 座長 岩佐 稔(JAXA)
B-9-6 |
データセンタにおける消費電力削減に向けたサーバの処理割当方法の考察
○飯野智紀・櫻井 敦・田中百合子(NTT) |
B-9-7 |
多数のグリーン基地局群における電力需要削減制御手法の検討
○白戸陽一郎・中村祐喜・竹野和彦(NTTドコモ) |
B-9-8 |
複数無線基地局群のバランシング制御に向けた電力需要変動分析
◎細川裕士・角谷昌恭・竹野和彦(NTTドコモ) |
B-9-9 |
グリーン基地局用リチウムイオン電池の低温動作特性
○竹野和彦・中村祐喜・白戸陽一郎・細川裕士(NTTドコモ) |
B-9-10 |
xEMSを活用した基地局用蓄電池の需要抑制効果の分析
○中村祐喜・繆 滌霏・竹野和彦(NTTドコモ) |
データセンタにおける消費電力は増加しており,コスト削減や地球環境保護の観点から消費電力の削減は求められている.電源装置やICT装置は負荷率や処理量によって,変換効率や消費電力が変動する特性を有しており,複数の電源装置とICT装置の効率を高く運用することで消費電力を削減できる可能性がある.本稿では,複数のサーバへの処理の割当てを1台目から順に割当てる集中処理と,全サーバで均等に割当てる分散処理における消費電力を算出し,比較を行った.その結果,電源装置の変換効率特性やICT装置の消費電力特性に変動がある場合では,処理の割当方法によって消費電力を削減できる可能性が示唆された.
地球環境問題や災害に対する意識の高まりを受け,NTTドコモにおいては,太陽光発電(PV:Photo Voltaics)と高性能蓄電池を有効利用して環境負荷低減と電力コスト低減に貢献できるグリーン基地局の展開を進めている.これらの設備を活用することで,任意の時間帯に無線基地局の蓄電池を放電させ当該時間帯の商用電力を削減する,「電力需要削減制御」が可能となる.本検討では,負荷容量及びバックアップ用に保持しなければならない蓄電池容量が局によって異なる多数の基地局群を連携して受電電力の抑制を実現するため,基地局全体で設定された抑制電力を多数の基地局に最適分配する手法を検討した.
NTTドコモでは移動通信設備の無線基地局において,長時間停電に備え,バックアップ用リチウムイオン電池(LiB)の導入が進められている.この無線基地局のLiBの充放電を利用し,電力需要をコントロールすることで,電力系統の安定運用に寄与することが可能であると考えられる(バランシング).本稿では,適切な電力需要のコントロールを目的とした,複数の基地局からなる基地局群における電力需要変動に関する検討の結果について述べる.
グリーン基地局に採用しているサイクル型のリチウムイオン電池の低温対策および同電池の低温下での影響の内、サイクル特性や安全試験(釘差し)に関する影響を考察した結果を報告する。
近年、台風や地震などの災害対策や電力需給の安定化が求められる中で、通信分野において無線基地局用の電力バックアップ強化や電力需要のピーク削減などの重要性が増している。本稿では、基地局用蓄電池とxEMSを活用することで、基地局群の合計需要電力を抑制する手法と需要抑制の評価結果について報告する。
休 憩(16:00 再開) 座長 石山俊彦(八戸工大)
B-9-11 |
SPICE/MATLAB併用EMSモデルの蓄電池容量依存性
◎伊藤美彩・大島佑太・河合 怜(富山高専)・石原 昇(東工大)・水本 巌・小熊 博(富山高専) |
B-9-12 |
LLC電流共振コンバータのPFM制御及び位相シフト制御における安定性解析について
◎広瀬正侑・庄山正仁(九大)・西川幸廣・鷁頭政和(富士電機) |
B-9-13 |
逆位相で動作する2つのモータ駆動用インバータによるコモンモードノイズ電流の相殺
◎渡瀬悠斗・中牟田修一・庄山正仁(九大) |
我々は,富山高専に設置した太陽光発電・蓄電システムをSPICE (Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis) モデル化し,北陸地域に適したEMS (Energy Management System) の構築へ展開している.1件の家庭を想定したHEMS (Home EMS) から地域のエネルギーを管理するCEMS (Community EMS) への展開には,精度の高いSPICEと時間短縮が行えるMATLABを組み合わせたSPICE+MATLABモデルの有用性が確認できている.先行研究では,CEMSへと展開することで電力自給率は若干向上するものの,各家庭での蓄電池容量が小さく余剰電力量が多いこともあり共用の蓄電池容量の検討が必要であると分かっている.本稿では,共用で所有する蓄電池容量に注目しCEMSを行った場合の電力自給率の変化について検討したので報告する.
これまでLLC電流共振コンバータは一般的にPFM制御により出力電圧を制御していたが、ZVSが実現できる出力電圧範囲が狭いといった欠点があった。そこで我々は、位相シフト制御を併用することで、広い出力電圧範囲において高効率を達成することを考案した。この際LLC電流共振コンバータの安定性の解析は困難となるが、これまでの検討においてPFM制御及び位相シフト制御におけるLLC電流共振コンバータの伝達関数の導出が数値計算を用いる手法により可能となっている。そのため、導出した伝達関数を用いてLLC電流共振コンバータのそれぞれの制御方法における一巡伝達関数を導出し、それより得られるボード線図が回路シミュレーションによって求めたLLC電流共振コンバータのボード線図と一致し、安定性を確保できることを確認した。
ACモータの駆動に用いられるインバータは、スイッチング素子のターンオン・ターンオフの瞬間の急峻な電位変化により、寄生容量を通してコモンモードノイズ電流が発生する。このノイズ電流は、他の電子機器に悪影響を与えるおそれがあり、低減することが重要な課題である。本研究では、2つのインバータを逆位相でスイッチングすることにより、コモンモードノイズ電流を相殺・低減する方法を提案し、その効果を実験で確認した。
B-10. 光通信システムA(光ファイバ伝送路)
3月19日 11:00〜11:30 54号館 304教室 座長 山本義典(住友電工)
B-10-1 |
電柱間架渉可能な高強度ドロップケーブルの開発
◎三浦貴博・安冨徹也(古河電工) |
B-10-2 |
新型融着接続機とカッタの開発
○神田佳治・神谷宏昭・岡 博幸・黒坂祐也・橘 侑子・阿部公美(フジクラ) |
本セッションはB-13との関連セッションであり、先行の講演はB-13-1よりご覧ください。 |
ケーブル構造・寸法は従来のまま、破断張力を約30%、被覆樹脂の圧壊強度を40%以上向上した高強度ドロップケーブルを開発した。開発品は、着雪によるケーブル故障低減のほか、60 mの電柱スパン間架渉が可能というメリットがある。また、従来の工具、周辺部材、布設工法を適用でき、導入の負担が少ないため、信頼性の高い光ファイバ網の構築に貢献する事が期待される。
今回開発した融着接続機とカッタは、無線通信による連携機能と、カッタの自動刃回転機構を搭載しており、適切なタイミングで、自動で刃ポジションを変更することが可能となった。その他にも、カッタの刃交換の作業性向上、融着接続時の作業性向上及び融着接続損失の推定精度向上を実現した。
3月20日 9:00〜10:00 54号館 304教室 座長 高橋正典(古河電工)
B-10-3 |
4K/8K時代に向けた低雑音性屈折率分布型プラスチック光ファイバによるRadio over Fiber技術の開発
○西山公太・井上 梓・小池康博(慶大) |
B-10-4 |
ミクロ不均一構造を有する屈折率分布型プラスチック光ファイバの非線形歪み低減効果
◎村元謙太・井上 梓・小池康博(慶大) |
B-10-5 |
屈折率分布型プラスチック光ファイバのためのボールペン型低雑音性光モジュールの提案
○小林史英・井上 梓・小池康博(慶大) |
B-10-6 |
射出成形による反射防止構造付き樹脂レンズの作製
○矢加部 祥・渡邊卓朗・島津貴之(住友電工)・穂苅遼平・栗原一真(産総研) |
2018年12月1日より,新4K/8K衛星放送が開始された.この新規TV放送信号の屋内伝送のために,光ファイバを用いるRadio over Fiber(RoF)技術の利用が検討されている.しかし,RoFリンクにおける多チャンネルTV放送信号伝送では,チャンネル数の増加に伴い雑音の影響が大きくなる.本報告では,我々が新たに開発した屈折率分布型プラスチック光ファイバ(GI型POF)を用いることで,RoFリンクにおける雑音を大きく低減し,高品質なTV放送信号伝送が可能となることを実証した.この低雑音性GI型POFが4K/8K時代のTV放送用RoFリンクのための伝送媒体として有用であることが示された.
4K・8Kスーパーハイビジョン,3D,多視点映像等の大容量データを伝送する技術として,4値パルス振幅変調(PAM-4)を用いた光ファイバ伝送が検討されている.しかし,PAM-4は従来の2値伝送よりも光リンクの非線形応答特性による信号歪みの影響を受けやすくなる.最近我々は,屈折率分布型プラスチック光ファイバ(GI型POF)がポリマー材料特有の強いモードカップリングに起因する非線形歪み低減効果を有し,従来のGI型マルチモード光ファイバよりも低歪みな信号伝送が可能となることを実証した.本報告では,GI型POFのモードカップリング強度により,非線形歪み低減効果が制御可能であることを示す.
近年,本研究室では,家庭内の大容量通信媒体として期待される屈折率分布型プラスチック光ファイバ(GI型POF)のために,一般消費者向け光接続技術として「ボールペン型インターコネクト」を開発している.本研究では,「ボールペン型インターコネクト」に使用される球レンズを光モジュールに適用し,高い嵌合精度を必要としない,消費者用途の光モジュールを提案する.さらに,この「ボールペン型光モジュール」が,汎用的な非球面レンズを用いた光モジュールに比べて反射戻り光雑音を低減し,伝送信号品質を改善することを実証する.この結果は,一般に結合効率の劣化原因となる球レンズの球面収差が,雑音低減効果を有し,伝送信号品質をむしろ向上させることを示すものである.
AOC(ActiveOpticalCable)や光トランシーバ、光コネクタ等の光通信デバイスには光の結合効率を向上させる樹脂成形レンズが用いられている。一方で、光通信デバイスの低損失化には樹脂の屈折率に依存するフレネル損失の低減が不可欠であり、この解決策の一つとして反射防止膜(ARコート)が用いられている。
このARコートによりレンズ端面での反射率を大幅に下げることが可能となるが、一方で、デバイスのコストを上昇させてしまう。このような課題から、本件では通信用樹脂レンズを射出成形で成形する際に、レンズ面にナノスケールの凹凸構造を転写させることで、近赤外の波長帯において反射率の低減を実現した。
3月20日 16:15〜16:30 54号館 304教室 座長 本田奈月(NTT)
B-10-7 |
同心2重コア型多機能ファイバの曲げ損失
◎日高隆揮・三科 健・丸田章博(阪大) |
本セッションはB-13との関連セッションであり、先行の講演はB-13-23よりご覧ください。 |
光ファイバセンサとは,光学センサを結ぶ伝送路として光ファイバを利用する,あるいは,光ファイバ自体をセンサ素子として用いて実現されるセンサおよび計測システムである.我々のグループでは,同心2重コア型数モードファイバの中央のコアを情報伝送に用い,外側の円環状コアを歪みセンサとして多目的に用いることを提案・検討してきた.本稿では,同心2重コア型数モードファイバに曲げ歪みを与えた場合の損失についての数値シミュレーション結果を報告する.
3月21日 13:00〜16:15 54号館 304教室 座長 荒井慎一(古河電工)
B-10-8 |
2モードファイバのフェムト秒級パルス伝搬特性
○柴田 宣・渡部仁貴(日大)・大橋正治(阪府大)・丸山 遼(フジクラ)・桑木伸夫(協栄線材)・愛川和彦(フジクラ) |
本セッションはB-13との関連セッションであり、後続の講演はB-13-24よりご覧ください。 |
モード分割多重(MDM)伝送用の伝送媒体として期待されるディプレストクラッディング(DC)型の屈折率分布を有する2モードファイバ(TMF)を対象にフェムト秒級パルスが入射した際の出射パルス波形を2光束干渉計により評価した
休 憩(15:30 再開) 座長 坂本泰志(NTT)
B-10-9 |
異種MCFにおけるランダムツイスト効果のクラッド径依存性
◎西村健汰・佐藤孝憲・藤澤 剛(北大)・安間淑通・竹永勝宏・愛川和彦(フジクラ)・齊藤晋聖(北大) |
B-10-10 |
多角形ロッドを用いたクラッド一括形成法
◎福本良平・竹永勝宏・愛川和彦(フジクラ) |
B-10-11 |
5コアMCFの最適クラッド径検討
○高橋正典・前田幸一・杉崎隆一・塚本昌義・荒井慎一(古河電工) |
本セッションはB-13との関連セッションであり、先行の講演はB-13-24よりご覧ください。 |
空間分割多重(Space Division Multiplexing: SDM)技術による光ファイバ通信容量増大に関する研究が盛んに行われている.SDM伝送用ファイバの一種である非結合型マルチコアファイバ(Multicore Fiber: MCF)では,コア間クロストーク(Crosstalk: XT)の低減が重要な課題の一つである.最近,異種MCFにおけるXTがクラッド径依存性を持つという興味深い実験結果が報告された.我々はこれまで,ランダムツイストモデルを用いて異種コア間のXTを評価してきたが,ファイバのツイスト量(ねじれ量)とクラッド径の関係については考慮してこなかった.本報告では,ファイバのねじりモーメント(トルク)がクラッド径によらず一定であると考え,異種MCFにおけるXTのクラッド径依存性について考察している.
複数のロッドを束ねてOVD法により一括でクラッド層を合成するクラッド一括形成法(OBR法)を用いたマルチコアファイバ作製では,コア変形が大きな課題であった.そこで今回,コア変形抑制の検討として,トレンチ構造をもつ円柱ロッドを研削した多角形ロッドを用いてOBR法で7コアファイバの試作を行った.円柱ロッドを束ねた従来のOBR法では,コア変形に対応するトレンチ層内側のクラッド層の非円率(内クラッド非円率)が6%程度あったが,多角形ロッドを用いることで内クラッド非円率が2%程度に抑えることができた.また,研削ロッドを使用したことで懸念していた伝送損失の悪化は見られなかった.
近年、マルチコアファイバ(MCF)の実用化に向けた検討が進み、MCFを用いたケーブル試作も進められている。ケーブル内の信頼性確保のためにはクラッド径を一般的な光ファイバと同一の125μmに合わせることは重要であるが、被覆径を250μmに固定しケーブル内のファイバ密度を保つができればクラッド径を125μmに固執することなくケーブル内のコア密度を効率よく向上させることができる。
本検討では、5コアMCFの外周コアの検討を行い、コア構造を一般的なプロファイルとした場合、クラッド径の太径化が必要であることを示すとともに、標準被覆径である250μmのファイバにて実現できる可能性があることを示唆した。
B-10. 光通信システムB(光通信方式,光通信機器,デバイスのシステム応用,光通信網・規格)
3月19日 10:00〜11:45 54号館 302教室 座長 森 隆(アンリツ)
B-10-12 |
光空間通信用10Gb/s QPSK信号の極短バースト化による受信感度改善
◎越川翔太・松田恵介・備海正嗣・吉田 剛・鈴木巨生(三菱電機) |
B-10-13 |
OFDM変調方式を用いた同時二系列データ通信システムの検討
◎安藤弘将・笠 史郎(明大) |
B-10-14 |
光無線通信における角度ダイバーシティ方式に関する検討
◎岸 純也・笠 史郎(明大) |
B-10-15 |
広帯域PMTを用いた1Gbit/s超NRZ-OOK水中光無線伝送実験
○中村一彦(山梨大)・長岡賢一・松尾大輔(浜松ホトニクス)・小玉崇宏・塙 雅典(山梨大) |
B-10-16 |
水中光通信における水流による受光強度変動の検討
◎大峡春佳・井上大樹(東海大)・奥澤宏輝・西川直希・高橋成五(トリマティス)・高山佳久(東海大) |
B-10-17 |
水中光伝送における温度変化の影響
○高山佳久・井上大樹(東海大)・奥澤宏輝・西川直希・高橋成五(トリマティス) |
B-10-18 |
東京湾表層海水の可視光透過率の通年測定
○高橋成五(トリマティス)・武藤弘樹(東海大)・奥澤宏輝・西川直希(トリマティス)・高山佳久(東海大) |
光空間通信は従来のマイクロ波無線に対して大容量化および機器の小型化を実現する技術として,衛星通信やモバイルバックホールへの適用が期待されている.光空間通信を大気中の通信に適用する場合,特に悪天候時の伝送損失増加(晴天時に対し約40dB/kmの損失増加)による回線断が課題となる.これに対し,通信容量の低下と引き換えに伝送損失増加に耐えるバースト化が検討されている.本検討は,光空間通信用10Gb/s 4値位相変調(QPSK)信号に対して有効時間1%以下のバースト化を適用し,受信感度改善を実証した.
我々は他のシステムに及ぼす影響を軽減するシステムを提案し, non-return-to-zero (NRZ) 信号による直接変調システムにおいて、その効果を確認した。本論文ではOFDM変調方式を提案手法に適用したシステムを構築し、実験を行った。光送信器にRGBLEDを用い、赤色LEDと緑色LEDは互いに逆極性のOFDM信号、青色LEDは擬似ランダムNRZ信号で変調した。そして、光受信器を2台用い、片方では赤の波長帯のバンドパスフィルタを用い、赤からの信号を受信した。もう一方の受信器では、波長フィルタを用いずに青からの信号を受信した。さらにシステムの特性評価をビットエラーレート実測により行った。その結果、OFDM変調方式を適用した同時二系列データ通信を行えることが分かった。
人が多く集まるイベント会場などでは、Wi-Fiを利用しても、通信容量が足りないという問題が起きる可能性がある。そこで、我々は通信容量を補うための手段として光無線通信の導入を前提とした研究を進めている。光無線通信をスマートフォンなどで利用しようとすると、1面だけに光受信器をおいたのでは、スマートフォンを動かした時に受信強度が変わり通信が安定しない。また、光送信器の数が1台だと、光信号を受信できる範囲も限られる。そこで、光送信器とスマートフォンの各面に設置する光受信器の数や配置などを最適化し、角度ダイバーシティ合成技術を利用すれば、通信が安定することが期待される。本論文では、光送信器の最適な配置も考慮した検討結果について述べる。
本稿では,広帯域光電子増倍管(PMT)を用いた1Gbit/sを超えるNRZ-OOK信号の高速水中光無線伝送について実験的に検証している.500M~2Gbit/sのNRZ-OOK信号により触接変調された波長405nmの青色LDからの出射光を水中通信路として設置した約1mの水道水で満たされたアクリルパイプ中に入射させ水中光無線伝送実験を行った.アバランシェPD(APD)と比べて1Gbit/s伝送時のビット誤り率(BER)が10-3での受信レベルで約17dBもの受信機感度の改善が確認されている.これは純水中での延伸距離に換算すると約631mとなり大幅な延伸化が期待できる.
水中での光の伝搬に関して、水温に一定の変化を与えた環境における水流の影響を評価する。
熱源による光の伝搬角度の変動と光路位置との関係を評価し,水中光通信装置の設計方針を検討する
社会インフラの1つとして水中構造物の点検が課題となっている。水中での測距には、空間分解能の高いLiDARが適している。水中LiDARに適した波長域を把握するため、通年で東京湾表層海水の可視光透過率を測定した。透過率スペクトルの通年平均から、損失が最も少ない555 nm付近の黄緑光が水中LiDARに最適な波長と期待できることを確認した。
3月20日 9:00〜11:45 54号館 302教室 座長 井上 崇(産総研)
B-10-19 |
ニューラルネットワークを用いた光固有値変調信号の復調
◎△山本將平・三科 健・児玉剛征・丸田章博(阪大) |
B-10-20 |
PRBSを用いた信号品質評価におけるニューラルネットワークとボルテラフィルタの過学習の比較
◎生田 海・大塚優太・福本悠太・中村守里也(明大) |
B-10-21 |
ニューラルネットワーク及びFIRフィルタを用いた偏波分離及び非線形歪み補償
◎黒川祐一郎・京野 大・福本悠太・住本憲紀・中村守里也(明大) |
B-10-22 |
位相線形近似法によるDP-QPSK信号の既存DBPに対する計算量低減効果の検討
◎高野 真・植之原裕行(東工大) |
B-10-23 |
位相共役Twin-SSBによる非線形波形歪み補償方法の提案
◎中川龍人・高梨裕也・中村守里也(明大) |
分散性および非線形性を有する光ファイバ中を伝搬する過程で時間波形や周波数スペクトルが変化しても,非線形シュレディンガー方程式の随伴固有値方程式の固有値は変化しない.よって,固有値は理想的な情報キャリアであり,固有値を用いた通信方式が提案されている.その中でも,複数固有値の有無に情報を割り当てる多値変調信号を復調する際,複数固有値の有無の判定を行う必要がある.本稿では,機械学習とニューラルネットワーク(NN)を用いて光固有値変調された信号の復調を行う方法を提案し,その検討結果について報告する.
我々は、ニューラルネットワーク(ANN)を用いて光ファイバ伝送における非線形歪みを補償する方法について検討を進めている。最近、PRBSを用いてANNを学習させた場合に過学習が起こる問題が議論されるようになった。今回、過学習はANNだけでなくボルテラフィルタ(VSTF)でも発生することを確認し、その特性についてANNの場合との比較を行ったので報告する。
我々は、光ファイバ伝送路における非線形歪みをニューラルネットワーク(ANN)で補償する方式について検討を進めている。これまで偏波分離が完了した信号に対しANNで補償を行っていた。しかしANNは内部にFIRのバタフライ構成を内包するため、それ自体で偏波分離を行うことも可能であると考えられる。今回、ANN及びFIRを用いて偏波分離と非線形補償を行う方式について検討したので報告する。
光通信システムの高い周波数利用効率獲得のため,光受信器では非線形補償がなされているが,リアルタイムでの反復的な解析によって,その計算量が問題視されている.我々は,既存技術(DBP)で補償中に光増幅器間での光信号位相を線形近似することで送信信号を推定する位相線形近似法(PLA)を提案し, DBPに対する計算量削減を目指している.本報告では,28Gbaud DP-QPSK信号に対する効果を示す.計算量の比較には,PLAがDBPから0.1dBのSNRペナルティを持つ光パワー条件を用いた.伝送距離5000km,入力パワー2dBmのとき84.0%だけDBPの解析量を低減できる結果が得られた.
光SSB方式は、周波数利用効率が高いことや分散耐性が高いことから注目され、検討が進められている。しかし、光SSBの信号はPAPRが大きく、自己位相変調(SPM)等、光学非線形による波形歪みの影響を受けやすい。そのため、何らかの非線形補償方法を同時に用いることを考慮することとなる。現在、非線形補償方法の一つとして位相共役Twinを用いた方法が注目されている。そこでは、位相共役信号が偏波多重や時分割多重されて本信号と共に伝送される。今回我々は、位相共役信号をTwin-SSBの形で伝送する新しい方式を提案する。
休 憩(10:30 再開) 座長 谷澤 健(玉川大)
B-10-24 |
19コア一括励起型EDFAの励起光の回収
○前田幸一・高坂繁弘・川崎浩平・吉岡和昭・杉崎隆一・塚本昌義(古河電工) |
B-10-25 |
ファイバ位相感応増幅の量子雑音への四光波混合の影響
○井上 恭(阪大) |
B-10-26 |
リング型分布ラマンレーザー増幅中継系におけるDP-QPSK伝送
○佐野明秀・小川誉行・鈴木 駿(立命館大) |
B-10-27 |
調和的光量子化器の実験的検討
◎近藤晃輔・小玉崇宏・塙 雅典(山梨大) |
B-10-28 |
SS-OCT方式ディジタル光センサを用いた多層膜分離測定の一検討
◎山内隆典・後藤広樹・斧原聖史・小竹論季・鈴木巨生(三菱電機) |
クラッド一括励起型のLバンド19コアEDFAは、従来のコア励起単一コアEDFAと比較し、同等の出力と増幅特性、コア当たりの消費電力を実現している。一方、Cバンドにおける増幅時の出力はコア励起EDFAと同等レベルには達していない。これはクラッド励起効率が非常に低いことが原因である。クラッド励起効率を向上させる手段の1つとしてダブルクラッドMC-EDFで吸収されずに透過したクラッド励起光を再利用することが挙げられる。励起光を再利用するために必須な機能はMC-EDFを透過したクラッド励起光を回収することである。これまでの励起光再利用に関する報告では7コアEDFAにて確認されてきた。19コアに適用する事により、更なる消費電力の削減が期待できる。本研究では、19コアEDFAのクラッド励起光を回収するクラッド励起光の回収器を作製し、その回収率を確認する。
光パラメトリック相互作用による位相感応増幅(PSA)は、原理的に雑音指数NF = 0dB(付加雑音無し)という低雑音性を有する光増幅現象であるが、光ファイバを増幅媒体とするPSAでは、他の四光波混合(FWM)過程が当該PSAの雑音性能を劣化させる可能性がある。本研究では、他FWMを考慮したファイバPSAの雑音指数を解析する。
リング型の分布ラマンレーザー増幅中継伝送系においてDP-QPSK信号の80 km1スパン伝送実験を行い、良好な伝送特性が得られることを確認した。
利得スイッチレーザダイオード(GS-LD: Gain Switched-aser Diode)をサンプリングに用いた場合の光量子化において,スペクトル整形部で自己位相変調(SPM : Self Phase Modulation)の発生初期段階に発生する自己周波数シフトを利用し,スペクトル分離部では異周期正弦波状のフィルタを波長選択光スイッチ(WSS : Wavelength Selective Switch)で生成することにより, 有効ビット数(ENOB : Effective Number of Bit)が2.8bitの光量子化が実現できることを明らかにした.
将来のスマート社会におけるセンサとIoTの連携による付加価値向上のため,非接触式光センサの開発は重要である.これまで,フィルムや油膜などが表面に存在する多層膜対象物の形状測定は,カメラでは困難であった.
今回我々は,波長掃引型光干渉断層計(SS-OCT)をベースとしたディジタル光センサを試作した.厚みの評価が容易な対象物として油膜を使用し,油膜存在下での対象物表面までの距離を測定したので報告する.
3月20日 13:00〜16:15 54号館 302教室 座長 井上 恭(阪大)
B-10-29 |
光固有値変調に基づく多値変調信号の1000km伝送実験
○三科 健・児玉剛征(阪大)・吉田悠来(NICT)・久野大介・丸田章博(阪大) |
B-10-30 |
50.4 Tbit/s, L-band WDM 128 QAM-160 kmコヒーレント光伝送
◎管 貴志・葛西恵介・吉田真人・廣岡俊彦・中沢正隆(東北大) |
B-10-31 |
注入同期法を用いた200 Gbit/s, 10 Gsymbol/s-1024 QAM 160 kmデジタルコヒーレント光伝送
○葛西恵介(東北大)・岡本聖司(NTT)・吉田真人・中沢正隆(東北大) |
B-10-32 |
リアルタイム偏波多重256~512 QAMデジタルコヒーレント光伝送
○吉田真人・葛西恵介・廣岡俊彦・中沢正隆(東北大) |
B-10-33 |
世界最速の一波600Gbps 信号のフィールド伝送特性評価
◎齋藤航平・河原光貴・久保貴志・関 剛志・川崎 岳・前田英樹(NTT)・関野智啓・坂内尚貴・新解眞規・坂巻知樹(NTT東日本)・山中顕次郎・栗本 崇(NII) |
B-10-34 |
商用フィールド環境における高信頼アダプティブリストレーションの実証
○河原光貴・齋藤航平・久保貴志・関 剛志・川崎 岳・前田英樹(NTT)・関野智啓・坂内尚貴・新解眞規・坂巻知樹(NTT東日本)・山中顕次郎・栗本 崇(NII) |
非線形シュレディンガー方程式の随伴固有値方程式の固有値は伝搬距離に依らず一定であり,光ファイバ中の非線形効果の影響を受けない.この概念に基づき長谷川らによって固有値通信が提案され,その後のディジタルコヒーレント技術の発展により固有値通信が再び注目を集めるようになった.我々はこれまでN個の任意の離散固有値を用いた2N値の多値変調方式の提案,実証を行ってきた.本稿では,提案した多値変調信号の1,000km周回伝送実験を行った結果について報告する.
注入同期法は簡便な構成でデータと局発レーザ間の高精度な光位相同期を実現することができる。これまで我々は本方式をWDMコヒーレント光伝送に適用し、C-bandのみを用いて58.2 Tbit/s, 256 QAM信号を160 km伝送することに成功している。今回、本方式を初めてL-band (1570 nm ~ 1610 nm) WDM伝送系に適用し、50.4 Tbit/s, 128 QAM信号を160 km伝送することに成功したので報告する。
今までに我々はデータ信号と局発レーザ間の光位相同期技術として注入同期を用いた超多値コヒーレント伝送を提案してきている。この方式により、これまでに512値のコヒーレントQAM伝送に成功している。今回パイロットシンボル方式の時間領域波形等化技術を本伝送に新たに適用し、超多値QAM信号の波形歪補償精度を大きく向上することに成功した。その結果、単一チャネル200 Gbit/s, 偏波多重10 Gsymbol/s-1024 QAM信号を12.6 bit/s/Hzの周波数利用効率で160 km伝送することに成功したので報告する。
デジタルコヒーレント光伝送技術の実用化に向け、近年、リアルタイム伝送システムの開発が盛んに行われている。我々は、独自に開発した高精度な光位相制御技術ならびに多値度可変FPGA送受信器を用いて、これまでにリアルタイム4~64 QAM伝送に成功している。今回、FECの強化およびデジタル信号処理による偏波分離回路を新たに導入し、256 QAMおよび512 QAM信号のリアルタイム伝送に成功したので報告する。
フィールド環境下におけるリアルタイムの69Gbaud PDM-64QAM信号(600Gbps信号)の伝送特性を評価する.この際,多値変調信号ではOSNR要求が高くなるため,できるだけ低雑音な光中継のため後方励起型分布ラマン増幅を中継ノードへ利用する.さらに既設100Gbps光ネットワークのアップグレーダビリティを確認するため,600Gbps信号と100Gbps信号の混在状態における伝送特性を評価する.
本報告では, アダプティブリストレーションがシステムの信頼性に及ぼす効果を評価するとともに, 伝送レートを最大600Gbps/λまで変更可能なFlex-TPDを用いてアダプティブリストレーションのフィージビリティを商用フィールド環境下で初めて実証する.
休 憩(14:45 再開) 座長 中村守里也(明大)
B-10-35 |
偏波多重PSK Y-00光通信量子暗号のデジタルコヒーレント受信
○谷澤 健・二見史生(玉川大) |
B-10-36 |
ストークスアナライザを応用した新たな偏波ダイバーシティコヒーレント受信器
◎石村昇太(KDDI総合研究所)・種村拓夫(東大)・西村公佐(KDDI総合研究所) |
B-10-37 |
マッシブパラレルFEC方式による電力スケーリング技術
○石井健二・吉田英夫・小西良明・杉原隆嗣(三菱電機) |
B-10-38 |
即時圧縮Probabilistic Shapingによるコヒーレント光通信の低電力化の検討
○吉田 剛・小西良明・斧原聖史・鈴木巨生(三菱電機) |
B-10-39 |
コヒーレント光通信における可変サンプリングレート変換によるクロック同期の一検討
◎松田恵介・越川翔太・鈴木巨生(三菱電機) |
B-10-40 |
位相同期ループ内蔵型適応等化器における演算遅延の評価
○菊田将弘(NECプラットフォームズ)・永井智之(阪大)・別府翔平(KDDI総合研究所)・齋藤靖夫(NECプラットフォームズ)・釣谷剛宏(KDDI総合研究所)・五十嵐浩司(阪大) |
通信システムのセキュリティ向上は重要な社会課題の一つであり,物理層を構成する光ファイバ通信も例外ではない.我々は,盗聴者が正しい光信号を受信できないように,あらかじめ共有した短い秘密鍵を使って,光信号を多値変調によりシンボル毎に直接暗号化するY-00光通信量子暗号(以下,Y-00暗号)の研究に取り組んでいる. Y-00暗号では,光の振幅と位相のいずれか(IM or PSK),もしくは両方(QAM)を多値変調する.これまでに,PSK Y-00暗号にデジタルコヒーレント技術を導入することを提案し,シミュレーションによる検証や単一偏波での実験実証を行ってきた.本稿では,20-Gbit/s偏波多重PSK Y-00暗号のデジタルコヒーレント受信実験を報告する.
データセンターネットワークなどに代表される短・中距離通信において、コヒーレント光受信器の適用が盛んに議論されている。しかしながら、偏波・位相ダイバーシティ受信器は光学系が複雑で、かつフォトダイオードも8個必要となるため、従来の直接検波受信器に対して高価となる。一方近年、高い周波数利用効率を維持したまま受信器の構成をより簡素にすべく、ストークスアナライザを用いた伝送システムに注目が集まっている。しかしながら直接検波に由来する非線形性のため、デジタル信号処理による適応等化が行えない、さらには受信感度が低下する、といった問題点がある。そこで本稿では、最近提案されたストークスアナライザを応用した、従来のコヒーレント光受信器より構成を簡素化しつつもシステムの線形性を損なわない、新たな偏波ダイバーシティコヒーレント受信器について議論し、その有効性を示す。
100G超光伝送システムでは,信号帯域の拡大や多値度の高い変調方式の適用による雑音耐性の劣化から,誤り訂正 (forward error correction : FEC)技術による雑音耐力の強化が重要視されている.また,伝送路の状態に合わせて誤り訂正性能を抑制することで光伝送網の省電力化を可能とする誤り訂正処理の電力スケーリング技術に近年注目が集まっている.今回,受信側の復号回路を変更することなく,100 Gb/sを超える複数のスループットに対応可能なMassive-Parallel FEC (MP-FEC)に注目し,その電力スケーリング手法を検討したので報告する.
コヒーレント光通信ではデジタル信号処理(DSP)により多様な機能を実現しうる反面,トラフィック増加とともにDSPの消費電力が深刻な問題となる.特に誤り訂正(FEC)は性能・電力に支配的に影響する.一方,近年,直交振幅変調(QAM)信号点のとりうる確率分布を整形するProbabilistic shaping(PS)の効率的な実装が提案され,FECよりもクライアント側で分布整合(DM)を行うことで効率的に所要信号対雑音比(SNR)を低減できるようになった.FECとPSの組合せ次第では,DSPの電力低減が見込まれる.文献に示すDMはごく小さな電力にて実装可能であり,情報源の統計的性質をも利用した“即時圧縮PS”ではさらにFECを低電力化できる.
本稿では先行文献に示す即時圧縮PSについて,情報源の性質が時間変化するシナリオにて電力低減効果を見積った結果について報告する.
信号復元の基礎となるクロック同期として,可変サンプリングレート変換を補間フィルタに用いるフィードバック方式を5Gb/s 4値位相変調信号へ適用し,FPGAへの実装設計と,シミュレーションによる評価を行った.結果, FPGAに実装可能な回路規模でクロック同期が実現でき,300ppmまでのクロック周波数誤差において0.1dB以下の劣化でクロック同期が実現できた.
コヒーレント光伝送システムに使用される適応等化信号処理において,最小二乗平均(least-mean-square: LMS)法は,超高多値の直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation: QAM)への適用が容易である.位相揺らぎや周波数オフセットが大きいコヒーレント光受信に対しては,位相同期ループ(Phase Locked Loop: PLL)を内蔵することで,安定性向上が可能となる.この適応等化回路を実装する際,複素乗算などは単一クロック時間では終了せず,遅延が必ず生じる.また,極めて高速な光信号の実時間処理には回路並列化も必要不可欠である.これら遅延は,適応等化のようなフィードバック制御では不安定動作の原因となる.本研究では,FPGA (Field Programmable Gate Array)を用いたPLL内蔵型適応等化に対して,回路並列化と演算遅延を考慮した回路設計を行った.また,シミュレーションによってオフセット周波数に対する動作安定性を評価した.
3月21日 13:00〜15:45 54号館 302教室 座長 山本秀人(NTT)
B-10-41 |
光ファイバ線路における小信号解析法の評価
◎林 穂高・村松優法・今宿 亙(近畿大) |
B-10-42 |
WDM光伝送システムにおける相互位相変調雑音の小信号解析
○今宿 亙(近畿大) |
B-10-43 |
ナイキスト波長分割多重方式における非線形伝送劣化に関する数値的一考察
○永田雄人・前田譲治・Sampath K.I.Amila(東京理科大) |
B-10-44 |
200kHz 超の高速偏波変動の生成と偏波多重コヒーレント光伝送のQ 値への影響に関する検討
○近森 峻・松田恵介・備海正嗣・斧原聖史・吉田 剛・鈴木巨生(三菱電機) |
ディジタルコヒーレント光伝送システムにおいては,非線形位相雑音がシステム性能の限界を与える要因になっており,加算性白色ガウス雑音(AWGN)手法など当該雑音電力の評価手法に関する多くの研究が行われている.本研究では,信号帯域内においても光ファイバ伝送路における波長分散と非線形光学効果の相互作用も含めた解析が可能となる点で特長を有する小信号解析法(SSA)に注目し,その妥当性を検証する.
100Gbps/ch以上の長距離光ファイバ伝送システムにおいて実用化されているコヒーレント光伝送方式においては,非線形位相雑音の抑圧が重要になっており,とりわけ波長多重(WDM)伝送時の相互位相変調効果に起因する劣化が無視できない要素になっている.
本研究は,WDM光ファイバ伝送システムにおいて,信号帯域内の相互位相変調効果(XPM)に起因する非線形位相雑音の増大過程を解析的に分析する手法の開拓を目指す.その第一歩として,小信号解析法をWDM光伝送システムに適用することを試みる.
ナイキスト波長分割多重(WDM)方式は, 符号周波数の帯域を持つ光信号スペクトルを緊密に多重することで実現されるが, 急峻なスペクトル変化は時間波形のダイナミックレンジの拡大をもたらし, 伝送中のファイバ非線形による伝送劣化を生じやすくする. 本稿では, ナイキストWDM方式におけるファイバ非線形による伝送劣化の主原因を調べることを目的として, 単一波長伝送の場合と, 5波長多重の場合とを数値的に比較した結果を報告する.
偏波多重コヒーレント光通信では受信器にてデジタル信号処理を用いた適応等化により偏波分離する.伝送中の偏波状態変動が適応等化の追従速度より高速となると,受信性能(Q値)が劣化する.近年,送電設備に敷設された架空地線の内部に通信用光ファイバを実装した光ファイバ複合架空地線において落雷による瞬間的な偏波変動が報告されている.100kAの落雷は全体の約5%発生し,その際に1Mrad/s~3.5Mrad/s(160kHz~557kHz)の偏波変動が発生する.本稿では200kHz超の偏波変動を生成し,Q値劣化の影響と抑制について検討したので報告する.
休 憩(14:15 再開) 座長 田中聡寛(NEC)
B-10-45 |
100Gb/s 4096QAM 直接変調IM-DD方式の一検討
○知念幸勇(GLEX)・知名紗也加・金城伊智子(沖縄高専) |
B-10-46 |
CAP方式と直交符号による10Gbps用デバイスを用いた120-Gbps 55-km光伝送実験
蠣崎 賢・○佐々木慎也(千歳科技大) |
B-10-47 |
APDを用いたクラマースクロニッヒ受信器の伝送特性評価
◎松本怜典・大畠伸夫・吉田 剛・松田恵介・鈴木巨生(三菱電機) |
B-10-48 |
3 次Volterra Filter を用いた非線形MLSE 適用による1 sample/symbol 22GHz 帯域制限下における96Gbaud PAM4 伝送の実現
◎谷口寛樹・増田 陽・山本秀人・小木曽義弘・木坂由明(NTT) |
B-10-49 |
トレリス符号化変調を用いたスペクトル整形によるPAM信号の帯域制限及び波長分散に対する耐力の向上
○山本秀人・谷口寛樹・増田 陽・木坂由明(NTT) |
B-10-50 |
IM/DD光PAM伝送における高精度非線形補償による誤り率改善の検討
○菊池信彦・平井理宇(日立)・福井孝昌(Lumentum) |
DML-IMDDによる100Gb/s 4096QAM変調方式について,主にシステムシミュレーションをベースに, EVM,BERについてフィジビリティスタディを行った. 256QAM変調実験で抽出したP-parameterを非線形ビヘイビアモデルに組み込みE/O-O/Eコンポーネントとしてシミュレ―ションシステムを構成した.DML-IMDDで使用したDFB-LD,pin-PD,電気増幅器およびVSG, VSAの総合雑音レベルを6dB以上低減することで,100Gb/s 4096QAM変調時のBERを2.4x10-2以下に低減できる.
CAP(Carrierless Amplitude and Phase modulation)方式は、周波数利用効率が高く、構成が簡単でかつ低コストな送受信器で実現可能という特長がある。このCAP方式に直交符号を用いると、複数の信号チャネルを同じ時間・周波数帯域上で多重化できる。本稿では、CAP方式と直交符号を組み合わせた変復調方式により、10Gbit/s用のデバイスを用いて、120Gbit/s信号を55.6km伝送できることをシミュレーションにより示した。受光感度の基準をKP4-FECとすると、55.6km伝送後の受信感度は-13.8dBmであった。
本稿では,DDシステムの長延化に向けて,アバランシェ光検出器(APD)を用いた仮想搬送波(VC)補助型KK受信器を対象とする.APDを用いてKK受信した53.1 Gb/s SSB-PAM4とpin-PDにより検波した53.1 Gb/s PAM4の伝送特性を比較したので,その結果を報告する.
近年のデータセンタネットワークのトラフィック増大に伴い、短距離向け光伝送システムの大容量化が期待されている。非線形応答を有する低コストなデバイスを用いた大容量短距離光伝送システムにおいて、帯域制限耐力および波長分散耐力を向上するチャネル等化技術として非線形最尤系列推定を提案する。また、3次のVolterra filterを用いた非線形最尤系列推定により、1 sample/symbolかつ22-GHz帯域制限、19-ps/nmの波長分散環境下で192 Gb/s PAM-4信号の伝送を実証する。
次世代イーサネットの実現には変調信号の高速化が必要であり、高速化された信号では電気・光デバイスの帯域制限や伝送ファイバの波長分散に起因した信号品質劣化が顕著になることが想定される。本稿では、次世代イーサネットを想定した短距離光伝送方式として、強度変調信号に対して非線形トレリス符号化を適用することで光信号スペクトルを狭帯域化し、波長分散耐力及び帯域制限耐力の向上を実現する「非線形トレリス符号化PAM方式」を提案する。伝送シミュレーションにより、112Gb/s PAM4信号に対する波長分散耐力、帯域制限耐力の向上を示す。
データセンタ系トラフィックの急増に伴い、短距離向け光ファイバ伝送の高速化が期待されている。次世代伝送規格となる400GbEでは既に53GBaudのPAM4伝送が採用されており、今後もさらなる大容量化の検討が必要となる。並列チャネル数や変調速度の抑制には高次のPAM信号の利用が有効であるものの、PAM信号生成に用いる高速DACの送信SNやダイナミックレンジの制限から符号誤り率(BER)特性が劣化したり、BERフロアが生じやすい。前報で報告したTomlinson-Harashima Precoding(THP)はSN改善に有効であるが、変調多値数の増加で非線形劣化を受けやすくなる懸念もある。本報告では送受の精密非線形補正の適用による高次PAM信号の誤り率改善について報告する。
B-11. コミュニケーションクオリティ
3月19日 9:15〜11:45 54号館 303教室 座長 松木辰真(富士通研)
B-11-1 |
遠隔ロボットシステム間の協調作業における力情報を用いたロボット位置制御の効果
○田口英次郎・石橋 豊(名工大)・黄 平国(星城大)・立岩佑一郎(名工大) |
B-11-2 |
TCPを用いたインタラクティブ三感通信のためのレート制御方式の一検討
◎伊藤篤則・布目敏郎(名工大) |
B-11-3 |
Per-Packet Soft-Deadline Assuring of Service Function Chaining
◎Subha Thangaraja・Yuki Taguchi・Ryota Kawashima・Hiroshi Matsuo(Nagoya Inst. of Tech.) |
B-11-4 |
T/OバンドLANアクセス統合型光ネットワークにおける送受信機配置の検討
◎菖蒲谷鷹広・久保亮吾(慶大) |
本稿では, 触覚インタフェース装置を操作し, 力覚センサが付与された産業用ロボットを遠隔制御するシステムを二つ用いて,二つのロボットアームで一つの物体を把持した状態で反力を感じながら一緒に動かす作業を扱う.
従来研究では, フィルタを用いた安定化制御を適用することで, システムを安定化できることが示されているが, ネットワーク遅延が大きくなると, 粘性による力が増大し, 提示される反力の絶対値が大きくなってしまうことも示されている.
そこで本稿では, 同じシステムにおける力の方向の知覚特性を利用して得られた,
反力を小さくするようなロボット位置制御を提案し, フィルタによる安定化制御を適用した二つのシステムに, このロボット位置制御を適用して同様な実験を行い, その効果を示す.
本稿では,トランスポートプロトコルにTCPを用いて音声・ビデオ・力覚メディアをリアルタイムに双方向でやり取りするインタラクティブ三感通信を行うために,発生レートの高い力覚メディアの送信レートを制御する方法を検討する.
そして,アプリケーションレベルQoSにどのような違いが表れるか調査する.
条件として,2種類の負荷トラヒックを用いて比較を行う.
実験の結果,力覚送信レートの制御を行うことで,高負荷時にTCPであってもUDPとほぼ同様に三感通信を行うことができた.
Network Functions Virtualization (NFV) is influencing the world of networking. Service Function Chaining (SFC) brings flexibility of network service composition of Virtual Network Functions (VNFs), but VNFs worsen latency/jitter because of the general-purpose implementations and several-fold abstraction layers.
To cope with above problem, we designed a novel per-packet scheduling mechanism that consists of various delayed packet differentiation approaches for both network-level and node-level.
The combination of network-level and node-level approaches realizes deadline-aware communications with gradual delay recovery nature in NFV environment.
The simulation results showed that our approach recovered packet delays and reduced total overdue packets byour delayed packet differentiation and recovery features.
大規模で大容量かつ低遅延な光LAN (Local Area Network)および光アクセスネットワークの需要が高まっている.著者らは,需要に応えるため,1000~1360 nmの新規光通信波長帯(T/Oバンド)における波長可変光源,半導体光増幅器,アレイ導波路回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)を開発し,LANアクセス統合型ネットワークを提案した.提案ネットワークでは,OLT(Optical Line Terminal)-ONU(Optical Network Unit)間通信を行う際,Gateway ONUを中継させる.しかしながら,すべてのONU間で1対1通信を実現するためにはONU毎にONU数分の送受信機が必要になる.一方,ONUの送受信機を1台とし,使用可能なGateway ONUを固定させた場合,OLT-ONU間通信トラヒックの負荷分散が不可能となる.そこで本研究では,ネットワーク全体の送受信機数を低減し,かつ負荷分散を実現するONUの送受信機配置を提案する.
休 憩(10:30 再開) 座長 伊藤暢彦(NEC)
B-11-5 |
階層形車車間通信における距離情報に基づく冗長経路削減手法
◎△中村光宏(早大)・山崎 託(芝浦工大)・山本 嶺(電通大)・三好 匠(芝浦工大)・田中良明(早大) |
B-11-6 |
V2Xを用いた衝突警告システムの空間点過程による性能評価
○高橋 快・古沼勇人・塩田茂雄(千葉大)・平井健士・村瀬 勉(名大) |
B-11-7 |
A VDTN Routing Protocol with Enhanced Buffer Management Policy
○Zhaoyang Du・Celimuge Wu・Tsutomu Yoshinaga(The Univ. of Electro-Communications)・Yusheng Ji(NII) |
B-11-8 |
SDN-based Handover Approach for High-Mobility Vehicles in a Hybrid VANET
○Ran Duo・Celimuge Wu・Tsutomu Yoshinaga(The Univ. of Electro-Communications)・Yusheng Ji(NII) |
B-11-9 |
駐車車両を活用した先回り配信によるシームレスな動画ダウンロード方式
◎綿貫慶弘・松本宙也・水野 修・Bo GU(工学院大) |
自律形自動運転は,主に車載センサによって周辺情報を取得するが,障害物等による死角が生じるため,安全性に限界がある.OLSRを基にした階層形情報共有システムは,安全運転支援を行うため,車両の運転支援レベルに応じて車車間通信を用いた情報共有を行う.しかし,自動運転車両が増加した場合,各自動運転車両がネットワーク内にいる他の自動運転車両と各々直接情報共有するため,経路数と共有データ量が増加し,トラヒック量が増加する.本稿では,データを効率的に共有する中継経路を選択するため,距離情報に基づく冗長経路削減手法を提案している.
車などの通信ノードがV2X通信により位置情報をブロードキャストしつつ,他の通信ノードからの位置情報に基づいて衝突の危険性を予見し警告を発する衝突警告システムが検討されている.本研究では,各通信ノードが位置情報を搭載したフレームの送信にIEEE802.11pを用いる場合において,他の車両からのフレームを受信できる確率を空間点過程モデルにより評価する手法について述べる.
Delay Tolerant Networks (DTNs) are able to provide communication services in challenged networks where the end-to-end path between the source and destination does not exist. In order to increase the probability of delivery, DTN routing mechanisms may require nodes in the network to store and carry messages in their local buffer and replicate many copies. In this paper, we run simulations to verify the operation of the proposed protocol with enhanced buffer management and compare its performance against some existing VDTN routing protocols. The evaluations are done using both traces from an existing DTN deployment and a synthetic mobility model.
Since vehicles present an indispensable transportation in our daily life, the vehicular ad-hoc network (VANET) has become a popular research topic. With vehicles high mobility features, VANETs always accompany with frequent changes in network topology. In order to support a highly dynamic vehicular environment, we propose an advanced handover approach where SDN technology is employed. In the proposed approach, we utilize the advantages of SDN in the network control to manage the data transmission and keep the service connection unchanged when a handover occurs, so that the upper layer could perform stably without the influence of network changes. To confirm the benefits that our proposal brings about, computer simulations are conducted from different aspects. The results show that the proposed protocol achieves a significant performance improvement when a handover happens.
カーナビやETCを利用して安全運転の支援や娯楽など,通信を行う機会が増加している.そこで移動車両のインターネットアクセスを実現する手法として,路肩に設置されたRSU(Roadside Unit) を利用する路車間通信が挙げられる.またITS( Intelligent Transportation Systems )分野において,車車間通信技術と路車間通信技術の統合が注目されている.しかし,すべての道路を十分にカバーするRSUを設置するには多大なコストが必要である.また車両は移動速度が速いため通信可能時間が短く,一度の通信で連続した大容量データを受信する場合はデータが途切れてしまうことが考えられる.
本稿では,駐車車両を使用し,途切れない動画の配信およびハンドオーバーの削減を目的とする.
3月20日 9:15〜11:45 54号館 303教室 座長 牟田 修(九大)
B-11-10 |
指数バックオフの改良によるIEEE 802.11 DCFの双安定状態の解消
○坪谷大輝・塩田茂雄(千葉大) |
B-11-11 |
指向性アンテナを用いたドローンメッシュネットワークの方向制御に関する一検討
◎明岩 錬・松田崇弘(首都大東京)・木村共孝(同志社大)・平栗健史(日本工大)・西森健太郎(新潟大)・金子めぐみ(NII)・中尾彰宏(東大) |
B-11-12 |
工場内環境の無線システムレベルシミュレーションの実装検討
○尾崎慶貴・堀端研志・下条則之・佐藤 浩(パナソニック) |
B-11-13 |
429MHz帯LoRaを活用した災害時通信システムの検討
竹本直樹・○山本 寛(立命館大)・梶田宗吾(スペースタイムエンジニアリング) |
IEEE 802.11 DCF 無線LANにおいて複数の端末が「端末→アクセスポイント」方向に同時にフレームの送信をし続けると,無線LAN の容量とほぼ同量の負荷が加わる領域においてスループットの異なる二つの準安定状態(双安定状態)が出現する.本研究では,コンテンショ
ンウィンドウを高速拡大する改良により,双安定状態が解消され,高スループット状態が保たれることを示す.
指向性アンテナを用いたドローンメッシュネットワークでは,各ドローンに複数の指向性アンテナを搭載し,ドローン間のマルチホップ転送によりデータが転送される.本稿では,簡単なネットワークモデルを用いたシミュレーション実験を行うことにより,高いスループットでデータ転送を行うためのドローンの方向制御について検討する.
これまで工場内の通信は, 制御信頼性の観点から有線通信が主流で合ったが, 機器の配置やライン構築における柔軟性向上のため, 無線通信への期待が高まっている[1]. 筆者等は, 工場内における無線機器の通信状況や新たな無線機器の設置影響を, 現場が判断可能な指標を素早く把握可能な手法を検討している[2]. 本検討において, 工場の無線通信環境の性能指標を規定し, その性能指標を示すために電波伝搬シミュレータ及び, System Level Simulator (SLS) の実装を行った. 本稿では, 工場の通信環境の評価指標を示すためのSLSの検討内容及び, SLSの実装内容を示す.
日本では土砂崩れなどの災害が発生すると、山間部と都市部を結ぶ通信インフラや道路が寸断され、人口密度の低い集落が孤立する事態が毎年のように発生している。集落を早急に救援するには、各集落における安否確認の情報を災害対策本部で集約し、自衛隊などの出動を計画する必要がある。そのため、携帯基地局が利用できない災害時を想定し、低速ながらも通信可能範囲が広いLPWAが普及し始めている。特に429MHzの周波数帯を利用したLoRaの利用により、通信事業者が不要でありながら数km〜数十kmの通信距離を実現できる。本稿では、LoRaを活用した新しい災害時通信システムを設計/試作し、LoRaによる長距離通信の特性に着目した実証実験について報告する。
休 憩(10:30 再開) 座長 高野知佐(広島市立大)
B-11-14 |
Bitcoinネットワークにおけるブロック拡散妨害に関する一検討
○笹部昌弘(奈良先端大) |
B-11-15 |
リツイート数分布のべき則性の出現メカニズム
○南川雅人・中島圭佑・塩田茂雄(千葉大) |
B-11-16 |
PI制御器を用いたIEEE 1588-2008時刻同期機構の安定性解析に関する一検討
◎前川龍一郎・松井大樹・山崎康広・大崎博之(関西学院大) |
B-11-17 |
機械学習を用いたネットワーク障害分析に関する一検討
○河崎純一・毛利元一・宮澤雅典(KDDI) |
B-11-18 |
攻撃戦略予測に基づくリンク付加によるネットワークのロバスト性向上効果に関する一考察
○尾上洋一・津川 翔(筑波大) |
暗号通貨システムBitcoinでは,参加端末からなるP2Pネットワーク上でプル型のブロードキャストを用いて,取引情報やその塊であるブロックをやりとりしている.
このとき,分散型取引台帳であるブロックチェーンへの追記による報酬獲得を目指した特別な端末(マイナー)間では自身の生成したブロックの拡散競争が生じる.
一方,既存研究では隣接ピア間のブロック伝搬を妨害する攻撃の可能性が指摘されている.
本稿では,このような隣接ピア間のブロック伝搬妨害の様子を感染症の伝播モデルに着想を得た数理モデルとして確立し,妨害攻撃がネットワーク全体としてのブロック拡散速度に与える影響を示す.
Twitter API のキーワード検索機能により収集したツイートデータを分析すると,(キーワードに関わらず)キーワードを含む各ツイートのリツイート数はべき則のような裾の長い分布に従うという特徴が見いだされる.本研究では,人々がリツイート回数の多いツイート
を選んでリツイートする傾向があることを仮定すると,このリツイート数分布のべき則性が説明できることを数理モデルを用いて示す.
高精度な時刻同期を可能とするプロトコルとして、PTP (Precision Time Protocol) が存在する。PTP において高精度な時刻同期を実現するためには、ハードウェアでの実装が一般的であるが、ソフトウェアのみによる実現も検討されている。
これまでさまざまなネットワーク環境における PTPの性能評価が行われているが、PTP
における時計調整機構の性能解析はこれまで十分に行われていない。
そこで本稿では、PI 制御器を用いた PTP における時計制御機構の動作を離散時間シス
テムとしてモデル化することにより、システム全体の安定性を解析する。また、数値例によって、PI 制御器の制御ゲインとシステムの定常特性の関係を調査する。
近年,ネットワーク(NW)における仮想化及びソフト化の進展により,通信事業者は従来と比べ柔軟かつ迅速に通信サービスを提供することができるようになりつつある.今後,更に5Gやネットワークスライスが導入されると,低遅延や多接続といったサービス毎の品質要件に応じてNWを動的に最適化することが求められるため,これまで以上にNWの品質管理が重要になると考えられる.そこで,筆者らは昨今様々な分野での活用が進んでいる機械学習を用いたNWの品質分析,特に障害分析において,モデルの最適化を図るためのモデル評価基盤を構築した.本稿では,開発したシステムのアーキテクチャについて説明し,今後の取り組み予定について述べる.
ネットワークに対してあらかじめ少数のリンクを付加しておくことで、 意図的な攻撃に対するネットワークのロバスト性を向上させるリンク付加手法が、これまで数多く提案されている。従来のリンク付加手法は、どのノードが攻撃を受ける可能性が高いかという知識を有しないことを前提とし、どのノード間にリンクを付加するか決定する。そこで本稿では、攻撃者が次数の高いノードを優先的に攻撃することを前提としたリンク付加手法を提案し、それについて調査する。
3月20日 13:00〜16:45 54号館 303教室 座長 澤畠康仁(NHK)
B-11-19 |
映像配信サービスの品質設計・制御指針に関する検討
○林 孝典(広島工大)・松田崇弘(首都大東京) |
B-11-20 |
360度映像に対する主観評価法の検討
○河野太一・林 孝典(広島工大) |
B-11-21 |
タイルベースVR映像配信の主観品質評価に関する一検討
◎小池正憲・浦田勇一朗・山岸和久(NTT) |
B-11-22 |
ユーザ満足度と知覚感情の関係について
○大田健紘・平栗健史・吉野秀明(日本工大) |
B-11-23 |
生体情報と興味度を用いた動画遅延時におけるQoE評価推定
○濵田真帆・菅沼 睦・亀山 渉(早大) |
本稿では,映像配信サービスにおける配信レートの品質設計・制御を対象として,MOSとユーザ個々の品質への感度を考慮した場合の必要帯域を比較した結果を報告する.
近年,仮想現実(VR: Virtual Reality)映像技術やユーザインターフェース技術の発展により,VR映像を利用したコンテンツやサービスが普及しつつある.今後も様々な分野での活用が期待されており,ユーザが快適に利用するためには,ユーザ体感品質(QoE: Quality of Experience)に基づいたVR映像システムの設計が重要となる.360度映像を評価する際,観視時間はACR法で採用している10秒程度では不十分との指摘がITU-T/VQEG等で議論されている.そこで本稿では,同じ映像を繰り返し観視する主観評価方法を採用し,画質と臨場感に対する評価値の安定性を分析した.また,安定した評価法により,複数の映像コンテンツを用いて,画質と臨場感の関係を分析した結果についても報告する.
タイルベースVR映像配信では視聴方向の変更に伴って低画質領域が表示され,品質劣化が知覚されるため,今までの映像視聴と異なる.本稿では,タイルベースVR映像配信の品質評価における視聴方向の変更とそれに伴う品質劣化の影響を確認するため,視聴方向を固定した場合と自由に視聴方向を変更した際の評価者の評点の傾向とその評価の安定性について検討した結果を報告する.
映像コンテンツ視聴時のユーザの知覚感情と映像品質の関係を調査した.実験の結果,満足度の高いコンテンツ視聴時の知覚感情は快く,一方で満足度が低いコンテンツ視聴時は不快に感じていることが明らかとなった.
ユーザ体感品質(Quality of Experience:QoE)の推定を目的とし、複数の生体情報(瞳孔径、注視点、基礎律動、心拍)と興味度を利用した研究が行われている。本稿では、瞳孔径、注視点、心拍に顔特徴点情報を加え、動画遅延時におけるQoE推定手法を検討した。また、キー押下によるリアルタイムな品質評価値に対する推定についても検討した。ランダムフォレストを用いて解析を行った結果、動画単位での品質評価値を目的変数とし、説明変数に顔特徴点を用いた場合に、顔特徴点を用いない場合よりも正解率が高くなった。しかし、リアルタイム評価値を目的変数とした場合は、顔特徴点の有無によらず正解率に差が認められなかった。このことから、顔特徴点情報は動画単位の品質評価推定に有用と示唆された。
休 憩(14:30 再開) 座長 山岸和久(NTT)
B-11-24 |
携帯型インテグラル3Dディスプレイを想定した非線形奥行き圧縮表現の主観評価実験
◎宮下山斗・澤畠康仁・片山美和・小峯一晃(NHK) |
B-11-25 |
アダプティブビットレート映像配信における視聴離脱率の分析
○高橋彰子・山岸和久・岡本 淳(NTT) |
B-11-26 |
ライフログデータを用いたユーザコンテクスト分析手法の比較検討
◎清水寛生・菅沼 睦・亀山 渉(早大) |
B-11-27 |
移動先の画像提示によるユーザ誘導
◎△石田 翼(早大)・矢守恭子(朝日大)・田中良明(早大) |
インテグラル3Dディスプレイは,特別なメガネなしであたかもそこに物体があるかのような表示を行う3D映像表示装置である.本装置は,表示面から奥行き方向に離れるにつれ,ぼやけるという特性がある.ぼやけを回避する手段として,「奥行き圧縮表現」が提案されている.これまで,視点位置追従と2眼立体表示装置 (55吋,据置型) を組み合わせた環境において,最大 250 m の奥行きがあるシーンを1 mまで圧縮しても自然な立体表示が可能であることが示されている.本研究では,タブレットのような小さな画面を自由に動かしながら見ることができる携帯型3D視聴環境で,上記の知見が有効であるかを検証した.
アダプティブビットレート映像配信サービスにおけるアプリケーション品質の低下(符号化品質劣化,再生開始待ち,再生停止)はQoEの低下だけでなく視聴時間の減少や解約リスクの上昇につながる.そのため,視聴時間の維持・向上を目的に,配信サーバに設置する複数の映像ビットレートの品質レベルを適切に設計することが重要となる.このような配信設計を実現するには,アプリケーション品質と視聴離脱の関係を解明する必要があり,従来研究においても検討されているが,配信設計技術の確立には至っていない.そこで,本稿では,配信設計技術の確立に向け,映像視聴実験を通じて明らかにしたアプリケーション品質と視聴離脱率の関係を報告する.
ライフログデータは、ユーザの日常生活に関わる多様な情報を含むことから、行動パターン分析に利用する研究が盛んに行われている。そこで本稿では、ユーザをとりまく状態を推定することを目的として、RRI間隔、瞬目回数・強さ・速さなどの生体情報、モーションセンサより取得されるデータ(加速度、角速度など)、環境データ(照度、気圧など)さらにGPSを取得し、複数の手法を用いて分類精度の比較を行った。運動、研究など6種類の状態を分類させた結果、教師有り学習(RF、Adaboost、GBDT)では6割前後の正答率を示した。また、教師なし学習のスパースコーディングではスパース係数をクラスタリングした結果、一部の状態を分類するクラスタが確認されたことから生体情報を用いたコンテクスト分析が有用であることが示唆された。
ユーザの行動には時間依存性や場所依存性がある.駅や空港などユーザが集中しやすい場所や時間帯では,特定のアクセスポイント(AP)に通信が集中し,通信品質が著しく劣化することがある.この問題を解決するために,ユーザが集中していない別のAPにユーザを誘導する方法が提案されている.その提案では,通信品質をヒートマップで可視化し,地図の上に品質の良い場所を示し誘導している.本稿では,ユーザに提示する情報を1次元から4次元へと増やしていくことで,従来の誘導と比べてユーザの移動の意思決定率がどれだけ向上するのかを明らかにしている.
休 憩(15:45 再開) 座長 福元徳広(KDDI総合研究所)
B-11-28 |
統合化された待ち時間満足度評価モデルに関する一検討
○新井田 統(KDDI総合研究所)・原田悦子(筑波大) |
B-11-29 |
Webブラウジングや映像配信に対する客観品質評価技術のマッピング関数に関する一検討
○浦田勇一朗・山岸和久・佐藤哉子・Pierre Lebreton(NTT) |
B-11-30 |
日常生活におけるWebブラウジングの許容限界品質の主観評価実験
○西川由明・大西健夫・信清貴宏(NEC) |
B-11-31 |
音声の総合品質評価法におけるR値のフルバンド音声への拡張
○倉島敦子・青木仁志・岡本 淳(NTT) |
通信サービスのQoEの一つである,待ち時間満足度は,通信システムの運用において重要な指標である.これまでの研究の多くは,満足度に影響すると要因の影響の有無と効果の大きさを評価するというものである.こうした研究では,内的モデルを想定せずに個別の要因の影響をその都度評価していることから汎用的な結果を得ることが難しく,研究の積み上げが体系的な理論の構築に向かっているとは言い難い.本稿では,心理的時間の認知モデルに基づく,待ち時間満足度評価の統合モデル作成に向けた分析結果を報告する.
Webブラウジングと映像配信の客観品質評価技術の出力値の比較評価を目的に,同一ネットワーク条件で発生する品質劣化の範囲をそれぞれ定めた主観品質評価実験を実施し,客観品質評価値の補正を行った結果を報告する.
ネットワーク(NW)の品質情報から計算可能なQuality of Experience(QoE)に基づいたNW制御について議論されている。また、ユーザがサービスから離脱するかどうかのQoEの許容限界値が、サービス提供における重要な指標として注目されている。しかしこのQoEは我々が普段Webブラウジングを行う日常生活とは異なる実験環境で取得された主観的な品質評価値の回帰として得られるため、ユーザの日常生活における主観と一致せず、正確な許容限界をNW制御に反映できない可能性がある。本稿では、日常生活におけるスマートフォンのWebブラウジング行動とその主観的な品質評価実験を行い、日常生活におけるWebブラウジングの許容限界値と主観品質の関係を分析した。
総合品質推定技術であるITU-T勧告G.107/107.1で規定されるE-model/Wideband E-modelのR値を、フルバンド音声(SWB 50-20000Hz)に拡張するために実施した主観評価実験の概要と結果について報告する。
3月22日 9:15〜11:45 54号館 303教室 座長 アベセカラ ヒランタ(NTT)
B-11-32 |
非統計的データ集約方式の遅延時間特性の性能評価
◎谷口友哉・谷津徳昭・大田健紘・平栗健史・吉野秀明(日本工大) |
B-11-33 |
情報指向ネットワーク上の適応型配信システムにおけるエッジルータ制御によるキャッシュ利用効率化の一提案
◎中川 令・大坐畠 智・山本 嶺・加藤聰彦(電通大) |
B-11-34 |
モバイルエッジコンピューティングにおけるマルチホップ通信を用いたタスクオフローディング手法
○渕上遥平・松本宙也・Bo GU(工学院大) |
B-11-35 |
モバイルエッジコンピューティングにおけるバッテリー残量を考慮したタスクオフローディング手法
◎玉津翔央・松本宙也・古 博(工学院大) |
ファクトリーオートメーションやスマートグリッドなど、遅延要件が厳しいIoTアプリケーションを実現するためには、センサデータを一次集約するIoTゲートウェイにおける遅延の抑制が重要な課題である。本稿では、IoTゲートウェイにおける非統計的データ集約方式を対象とし、平均遅延時間を最小化する適応的制御方式の特性を評価した結果を示す。具体的には、平均遅延時間を最小化する最適集約個数の推定式を、入力に時間変動のあるモデルに対して応用し、適応的に集約個数を制御することで入力トラヒックの変動を吸収し、遅延の増大を抑えた安定した過渡特性と平均遅延特性が達成できることをシミュレーションにより明らかにする。
近年、適応型ストリーミング技術(DAS)において、ネットワーク資源の利用に対する視聴パフォーマンスの更なる効率化を目的とした、情報指向ネットワーク(ICN)をデファクトスタンダードとするDAS over ICNが議論されている。ICNの主要な機能であるルーターでのキャッシュを用いることで、ネットワーク資源の利用率の更なる改善が見込まれる。しかしながら、キャッシュ機能が複数のクライアント間で共有帯域幅を競合させ、視聴品質を著しく低下させる問題が指摘されている。本稿では上記の問題に対し、クライアントに直近のエッジルーターが、各クライアントに対して一律した視聴品質の上限を広報しクライアントに均一の品質を視聴させることで、問題を緩和するだけでなくキャッシュ利用効率を向上させる方式を提案する。
タスクを保有しているTNからクラウドサーバへタスクを送信し処理を行うタスクオフローディングが注目されている.しかし,クラウドサーバへタスクオフローディングを行った場合,インターネット経由のため伝送遅延が発生してしまう.伝送遅延を軽減する手法として, TNに物理的に近接するENへタスクオフローディングを行うMECが提案されている.またMECにおいて,タスクの処理結果をキャッシュし,処理遅延を軽減するタスクキャッシングの研究が行われているが,TNの通信範囲内に存在するENのみを対象にしているため, 通信範囲外のENをオフロード先として選択できない.そのためTNの通信範囲外のENにキャッシュされているタスク結果を使用できないため, 処理遅延と伝送遅延を軽減できる機会を得られない場合がある.
本稿では, マルチホップ環境におけるタスクの伝送時間と処理時間が最短となるタスク割り当てを目的とする.
基地局に設置されたエッジサーバや携帯端末のような,ユーザ端末の近傍に存在するノード(EN:Edge Node)で処理やデータ配信を行う,MEC (Mobile Edge Computing)と,計算タスクの発生するノード(TN:Task Node)が計算資源に余裕のあるENにタスクを送信し,ENにおいて処理した結果をTNが受け取ることにより,処理を低減する,タスクオフローディングが注目されている.タスクオフローディングでは,タスクの処理だけでなく伝送にも電力を消費するため,ENのバッテリー残量が不十分であった場合,タスクの処理および返送が不可能となることが考えられる.本稿では,周辺ENのバッテリー残量の均等化を目的とし,ENのバッテリー残量を考慮したタスクオフローディング手法を提案する.
休 憩(10:30 再開) 座長 村上友規(NTT)
B-11-36 |
異種無線網における低スループット端末による網性能低下に関する一考察
◎宿谷祐貴・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大) |
B-11-37 |
複雑ネットワークにおける抑制的エピデミックルーティングのメッセージ配送遅延に関する一検討
◎川端奈津子・山崎康広・大崎博之(関西学院大) |
B-11-38 |
ネットワーク制御型無線LANチャネル割当法 〜山口ゆめ花博におけるトライアル検証〜
○アベセカラ ヒランタ・中平俊朗・林 崇文・鷹取泰司(NTT)・重田真一・森田賢徳・黒木洋平(NTT西日本) |
B-11-39 |
ピークリミタとその歪み補償を適用した多素子MIMO多値QAM-OFDMの伝送特性評価
◎川越詞文・景山知哉・牟田 修(九大) |
B-11-40 |
指向性アンテナを用いたドローン無線中継のための実装評価
◎飯田浩史・設樂 勇・三田健太郎・近藤海斗・平栗健史(日本工大) |
第5世代携帯電話網では、マクロセルを補完するようにマイクロセルが併用されるため、セルサイズが不均一性である。このような異種無線網では、網(基地局)の選択基準としてLTE で採用される電波品質は適さない。これに対して、スループットを基準に網を選択する手法が検討されている。本稿では、スループットが低い端末が長時間網に接続し続けることが端末全体の性能を低下させることを指摘し、網選択の基準を再考する。
我々はこれまで、すべてのノードの接触確率が等しいという完全混合モデルにおける、抑制的エピデミックルーティングのダイナミクスを平均場近似によって記述した。しかし、一般にはノードの特性や機能がそれぞれ異なり、ノード同士の接触には偏りが存在すると考えられる。そこで本稿では、ノードとノードの接触関係が、複雑ネットワークのような一般的な接触モデルで与えられる時の、抑制的エピデミックルーティングの特性を解析する。
スマートフォンやタブレット端末の爆発的な普及により近年では無線LAN を介したインターネットアクセスの要求が急増している. 特に、イベントホールやライブ会場などにおいて短期間ネットワークアクセス手段としてネットワーク構築が容易な無線LAN が注目を浴びている.本稿では, 2018年9 月14 日∼2018 年11 月4 日間で開催された山口ゆめ花博屋外イベント会場に設置された複数AP に対してNTT アクセスサービスシステムで開発したRATOP法を適用した検証結果をまとめる.
多素子MIMO-OFDM システムでは, 送信信号のピーク電力対平均電力比(PAPR) の低減が重要な課題となる.C&F 等のリミタ方式を用いてPAPR を低減する場合, 信号振幅を制限することにより帯域内歪みが増加するため,特に1024QAM 等の多値変調を用いる場合, BER 特性が大きく劣化する. 本稿では, 1024QAM 変調を用いる多子MIMO-OFDM システムにC&F 方式を適用した場合の余剰アンテナを活用した帯域内歪み補償技術を検討する.
先行研究では,指向性アンテナを使用して多角度へ複数の指向性ビームを形成し,無線メッシュネットワークを3次元的に構築する手法が提案されている.提案方式では指向性アンテナを用いることで,周囲のドローンへの干渉を低減しつつ帯域利用効率の大幅な改善が可能となる.本稿ではドローン実装を想定した実験を行い,無線メッシュネットワーク構築に最適な指向性ビーム角度を選定するとともに提案方式の有効性を確認したので報告する.
B-12. フォトニックネットワーク
3月19日 10:00〜11:30 53号館 303教室 座長 杉崎隆一(古河電工)
B-12-1 |
遠隔制御型全光波長変換におけるポンプ光の光ファイバ伝搬による波長変換光の劣化解析
◎辻 涼太・紫尾田 将・久野大介・丸田章博(阪大) |
B-12-2 |
非線形光ループミラーを用いた全光PAM4/16QAM変調フォーマット変換
◎松本悠汰・三科 健・丸田章博(阪大) |
B-12-3 |
既設波長選択スイッチを用いた準ナイキスト波長分割多重ネットワークの実証
◎白木隆太・森 洋二郎・長谷川 浩・佐藤健一(名大) |
B-12-4 |
分散制御エラスティック光ネットワークにおけるパス長差を考慮したパス設定手法に関する一検討
◎吉山大翔・馬場健一(工学院大) |
B-12-5 |
エラスティック光ネットワークにおけるオーバーラップ技術を用いたパス設定手法の検討
◎高部 聖・馬場健一(工学院大) |
B-12-6 |
エラスティック光ネットワークにおける1対2通信を用いた光パスプロテクション手法に関する検討
○廣田悠介(NICT)・渡辺 尚(阪大) |
コア・メトロネットワーク(NW)において,増大するデータトラヒックを収容するため,波長リソースの高効率利用を目指した検討が行われている.
波長分割多重方式を用いた光NWでは,中継ノードで波長変換器(WC)を用いることによってより効率が上がることが報告されている.
このとき,全光WCを用いれば,光電変換を伴うWCよりも合計WC数を削減できる.
本稿では,全光波長変換に必要となる制御用光源を,一部の中継ノードに集約し,光NW内の制御用光源数を削減可能な遠隔制御型波長変換技術を提案する.
計算機シミュレーションにより,制御用光源から出力されるポンプ光を標準シングルモードファイバ内に伝搬させた場合の波長変換光の劣化を解析した結果について報告する.
将来,様々なサービスに対応するネットワークを収容するために,異なる変調フォーマットや帯域幅の光信号を,用途に応じて柔軟に割り当てるフォトニックネットワークが構成されると考えられる.異なる変調フォーマットをラインレートのまま効率良く接続するための技術として,光領域での変調フォーマット変換技術が注目されている.本稿では,非線形光ループミラー(NOLM)を用いて,2チャネルのPAM4信号を1チャネルの16QAM信号に光のまま変換する方法を提案する.また,計算機シミュレーションにより,その実現可能性を示す.
増え続ける通信トラフィックに対応するため,光ネットワークの周波数利用効率向上が必要である.準ナイキスト波長分割多重(WDM)を導入することで周波数利用効率の実用上の極限を達成することが期待できるが,光ノードで用いられる波長選択スイッチ(WSS)の波長分解能の不足によりネットワークへの適用は困難である.これを解決するため,我々は既存WSSを用いて準ナイキストWDMネットワークを実現するアーキテクチャを提案した.本稿では,伝送実験により準ナイキストWDMネットワークの実現性を実証したので報告する.
分散制御エラスティック光ネットワークではパス長差によって要求棄却率が異な
り、ホップ数が増加するにつれ要求棄却率が増大する。そこで、長距離
パスの要求棄却率を抑制するため、周波数帯域に長距離パス専用の優先帯域を設
けた。これによりパス長差を考慮したパスの設定手法について検討した。
評価より,あるパラメータ領域で長距離パスの棄却率を抑えることができること
がわかった.
インターネットの通信を支える基幹ネットワークでは,OFDM 技術を利用したエ
ラスティック光ネットワーク(EONs)が注目されている.
従来のEONsでは,光パスは他のパスと周波数スロットを共有することがで
きないが,近年オーバーラップと呼ばれる異なるパス間での周波数スロットの共
有を可能にし,周波数利用効率を向上させることができる新しい技術が注目され
ている.
そこで本研究では,EONs においてオーバーラップ技術を用いたパス設定手法を
提案した.
シミュレーションの結果呼損率の低減を確認し,周波数利用効率を向上させた.
エラスティック光ネットワーク(Elastic Optical Network: EON)は、伝送距離などに応じた柔軟な周波数資源の利用が可能なことから近年活発に研究が行われている。本稿では、著者らがこれまでに提案してきた重畳化光パスをプロテクションに用いる新たなプロテクション方式を提案する。
3月20日 9:45〜11:30 53号館 303教室 座長 橋本 仁(秋田大)
B-12-7 |
MECプラットフォームにおける総応答時間の最小化を実現するタスク割り当て法
◎片山優貴子・橘 拓至(福井大) |
B-12-8 |
MECとクラウドを併用した多人数情報共有型ARアプリの開発
○岡本直也・橘 拓至(福井大) |
B-12-9 |
空間分割多重型エラスティック光網におけるファイバ内とノード内の双方のクロストークの影響を考慮した周波数資源割当手法の検討
◎久保田浩介・谷川陽祐・戸出英樹(阪府大)・廣田悠介(NICT) |
B-12-10 |
リンク故障率変動に対応した容量期待値保証型ルーティング
関川 柊・○岡本 聡・山中直明(慶大) |
B-12-11 |
SDNと光無線信号の品質測定を連動させた動的経路変更
◎戸巻潤也・篠田峻平・笠 史郎(明大) |
B-12-12 |
豪雨時光無線通信路の光強度減衰特性
◎二見恭平・八嶋弘幸・細谷 剛(東京理科大) |
B-12-13 |
RZ-BPSK信号を入力とするAND/NOR切替機能付き全光論理回路
◎鍋山 昂・古松幸輔・八嶋弘幸・細谷 剛(東京理科大) |
MEC (Multi-access Edge Cloud) プラットフォームでは,ユーザ近傍のMEC サーバを利用することで,クラウドよりも短い伝送時間で迅速にタスクを実行できる.一方,MEC サーバの性能はクラウドよりも低いため,多数のタスクを処理すると応答時間が低下してしまう.そのため,状況に応じてMEC サーバを利用しなければならない.本稿では,MEC プラットフォームにおいて,総応答時間を最小にするタスク割り当て法を最適化問題として定式化することで実現する.また,最適化問題を解くことにより提案法の効果を調査する.
MEC (Multi-access Edge Cloud) プラットフォームでは,サーバをユーザの近くに配置してリアルタイム処理を実現する.しかしながら,MECで利用されるサーバはクラウドよりも計算資源に乏しく,複雑な処理をリアルタイムに実行することが難しい.そのため,クラウドとMECを併用することで,複雑な処理をリアルタイムに実行することが期待される.
本稿ではMECとクラウドを併用して多人数での情報共有をリアルタイムで実現するARアプリを開発する.本アプリでは,実行時間の長い処理はクラウドで実行し,実行時間が短くリアルタイム性を要求する処理のみをMECで実行する.
近年,空間分割多重型エラスティック光ネットワーク (SDM-EON : Space-Division Multiplexing Elastic Optical Network) の研究が盛んに進められている.SDM-EON環境では,ファイバ内クロストークに加えて,ノード内クロストークが発生する.これらのクロストークは光パスの品質劣化を引き起こす.そこで本研究では,"ノード内干渉源コスト"の概念を導入し,両クロストークの影響を防ぐ周波数資源割当手法を提案する.
リンク容量の増大に伴い,リンク故障への即時対応の重要性が高まっている.我々は,予備経路を予め確保するプロテクション方式ではなく,マルチパスルーティングとネ
ットワーク機器の故障予測を組み合わせることで,光パス設定時に指定された容量期待値を提供する容量期待値保証型ルーティング (ECGR)を提案している.本稿では,リンク利用可能確率に対して経時的な故障確率変動を取り込んだモデルでの評価結果を報告する.
近年,スマートフォンやモバイル端末の増加により通信トラフィックが増加している.そのため,通信の大容量化の手段として光無線通信が盛んに研究されてれいる.光無線通信は空間伝搬光を用いて通信を行うため,背景光雑音や光路の遮断等の影響を受けやい.そのため,障害検出をトリガーとした経路変更機能を備えることが重要である.そこで本論文では,光無線通信経路の信号品質をリアルタイムに計測し,計測された品質を元に,SDN(Software-Defined Networking)技術を用いて通信経路を動的に変更するシステムを提案し,実験を行った.その結果,光無線通信の信号品質が劣化すると,通信経路が切り替わり,安定して通信を行うことができた.
光無線通信は雨や雪など各種気象条件の影響を大きく受ける。本稿では降雨に着目し、光通信路を雨滴サイズ分布が対数正規分布に近似できることからFenton-Wilkinson近似を用いて影響する雨粒の大きさが従う分布を明らかにし、光の半径との比を求めることで送信光と受信光の強度比である光透過率の確率密度関数を導出した。導出した確率密度関数とAPDの出力電圧を用いて実測値と比較を行い、豪雨時の光無線通信路の提案モデルの有効性を明らかにした。
従来研究において全光論理回路は一つの回路で一つの論理演算を実現したものが多い.複数の論理演算機能を集約することで回路構成を簡素化できる可能性がある.本研究は量子ドット半導体光増幅器(Quantum Dot - Semiconductor Optical Amplifier)を基本素子とするRZ-BPSK信号を入力とする論理演算子切替機能付き全光論理回路を提案し,シミュレーションにより性能評価を行った.シミュレーション結果よりAND/NOR演算回路の動作を確認し,評価指標からAND演算のER値は12.30 dB , NOR演算のER値は12.28 dBが得られた.
B-13. 光ファイバ応用技術
3月19日 9:00〜11:00 54号館 304教室 座長 相馬一之(住友電工)
B-13-1 |
MMS車両姿勢サンプリング周波数の電柱たわみ計測への影響
◎松田重裕・五藤幸弘・本多竜二・押田博之(NTT) |
B-13-2 |
点検対象設備特定手法の精度改善
○五藤幸弘・松本千春・本多竜二・押田博之(NTT) |
B-13-3 |
3Dデータを活用したVR所外設備確認ツールの検討
○大平隼也・新垣 仁・五藤幸弘・本多竜二・押田博之(NTT) |
B-13-4 |
データセンタ内先行配線による運用コスト削減の検討
◎藤本達也・川野友裕・寺川邦明・片山和典(NTT) |
MMS車両姿勢のサンプリング周波数が電柱たわみの精度に与える影響について報告する。
われわれは,モービルマッピングシステム(MMS)を用いて計測した点群データから円柱状の構造物をポールモデルとして抽出を行い,ポールモデルから電柱を特定することで,たわみ・傾きといった構造劣化状態を定量的に測定する技術を開発してきた.ポールモデルへの電柱の特定を自動化するため,電柱情報を管理する設備DB とポールモデルが共通して有する,電柱径および電柱位置座標を用いる特定アルゴリズムを提案した.提案アルゴリズムにおける特定パラメータを可変して,特定精度の最適化を行ったので報告する.
劣化した所外通信設備を更改工事するにあたり現地確認調査が必要となるが、現地への移動、交通量などの周辺環境の確認、高所での計測作業などの時間が必要となる。そこで本稿では、現地に行かず所外設備確認作業を行う手法として3Dデータを活用した設備構造および設備周辺環境の所外設備VR確認ツールを試作・評価結果を報告する。
DC内配線で主にハウジング事業の配線形態は,ユーザからの開通オーダ毎にDC事業者が都度ケーブルを配線する都度配線が主流であるが,都度配線工事によるコスト増加やケーブル輻輳による撤去工事の困難性などの課題がある.本稿では都度配線を極力必要としないケーブルを先行配線する手法の効果において,物品費及び人件費のトータルコストと配線形態の関係性を数値シミュレーションしたので報告する.
休 憩(10:15 再開) 座長 山本義典(住友電工)
B-13-5 |
0.25mm単心線を用いた架空配線用光ファイバケーブル
○丸尾勇太・遠藤洋平・山田裕介・鉄谷成且・泉田 史・谷岡裕明(NTT) |
B-13-6 |
直接埋設用光ファイバケーブルの開発
○遠藤洋平・丸尾勇太・山田裕介・泉田 史・谷岡裕明(NTT) |
B-13-7 |
250µmピッチを有する200µm間欠接着型光ファイバテープ心線の開発
○佐藤大典・金子総一郎・富川浩二・大里 健(フジクラ) |
本セッションはB-10Aとの関連セッションであり、後続の講演はB-10-1よりご覧ください。 |
本検討では,ケーブル構造を現在主流のDZケーブルと統一し, 0.25mm単心線を用いた架空配線に用いる8心光ファイバケーブルを提案する.また,0.25mm単心線の効率的な接続のため,単心線を一括接続する技術について,作業性及び接続損失特性の観点から検討した結果を述べる.
近年,災害時の安全・円滑な交通の確保や,景観確保の観点から,架空通信ケーブルの地中化が求められている.しかし,更なる地下化の推進には,管路等を用いずに短期間で構築することや,コスト縮減が必要である.そこで,低コストで地中化を可能とする直接埋設用の光ケーブルを開発したので報告する.
FTTxサービスやクラウドネットワークの拡大により,光線路配線網の効率的な構築が求められている.この為,光ファイバの高密度実装によるケーブルの細径・軽量化の要望は依然として高い状況にあり,ファイバ被覆径を薄くした200µmファイバを用いた光ケーブルに対する期待が高まっている.今回,光ファイバの高密度実装と既存光ファイバテープ心線との一括融着接続性を両立することを目的として,250µm ピッチを有する200µmファイバを用いた間欠接着型光ファイバテープ心線(Spider Web Ribbon®:SWR®)の開発を行った.開発したSWRは既存の250µmファイバを用いた場合と同等の特性を有し,ケーブルに導入することで細径・軽量化を実現した.
3月20日 10:15〜11:30 54号館 304教室 座長 成瀬 央(三重大)
B-13-8 |
現場作製光コネクタの波長依存性による不良判定法
○高橋 央・海住卓生・大塚 誠・小林隆一(NTT東日本) |
B-13-9 |
光ファイバ側方出力装置の適用心線拡大に向けた検討
◎植松卓威・廣田栄伸・飯田裕之・安部直嗣(NTT) |
B-13-10 |
光ファイバ振動センシングによるマンホールのファイバ実長距離測定
○飯田大輔・脇坂佳史・岡本達也・本田奈月・押田博之(NTT) |
B-13-11 |
光ファイバ振動分布測定による架空ケーブル弛み区間の特定
○岡本達也・飯田大輔・押田博之(NTT) |
B-13-12 |
各種光ファイバケーブルに対する音響波・振動の影響
○忠隈昌輝・高坂繁弘・山内健司・杉崎隆一・塚本昌義(古河電工) |
現場作製光コネクタ(FAコネクタ)は,光アクセスネットワークの開通/故障復旧時の効率化に大きく貢献している.しかし,FAコネクタのメカニカルスプライス部の不良により,作製時に良好なコネクタが,時間経過後に故障となるケースがある.例えば,温度変化によって10 dB以上の損失変動が生じたコネクタも報告されている.しかしながら,作製時にFAコネクタを評価し,時間経過による故障を防止する方法は確立されていない.
そこで,本稿では,FAコネクタの挿入損失の波長依存性を測定することにより,時間経過により劣化する不良コネクタを判別する方法について検討を行った.
光アクセス網の線路保守作業の高効率化に向けて,所外8分岐スプリッタ(SP)下部の光ファイバ心線を曲げ,漏洩光を受光する光ファイバ側方出力装置が検討されている.これまでの検討により,外径が0.25mmの光ファイバ素線および0.9 mmの透明保護チューブ付き光ファイバ心線に対して個別に適用できる装置を実現している.作業現場での実利用に向けては,異なる外径の心線を1台の装置で対応できることが望ましい.本報告では,外径0.25,0.5mmの素線,および0.9mmのチューブ心線全てに対応できる装置の実現に向け基本検討したので,その検討結果を報告する.
光ファイバ通信線路においては,OTDRを基本とした光試験により異常個所の検出等が行われているが,光試験で測定できる距離は,光ファイバの長さである.実際の通信用光ファイバにおいては,ビルの中の上下方向の配線や,接続部などでの余長処理等により,設備データベース等で記載される地図上の光ファイバ配線の長さとこのOTDRでの光ファイバ長の間で齟齬がある.本稿では,光ファイバ振動センサを応用することを考案した.マンホールを開けずに蓋へ振動を付与しそれを検知することでマンホールを開けずに特定することを検討し,その結果について報告する.
光NWを構成する光ファイバは敷設環境固有の外乱により振動している.光ファイバの長手方向に沿った振動を分布的に測定することで,光ファイバの敷設状態を可視化できると考えられる.振動の動的歪みをレイリー後方散乱光のスペクトルシフトとして測定する光周波数領域反射計測技術(OFDR)による検討を我々は進めているが,絶対距離をビート周波数に割り当てるOFDRでは,遠隔地からの後方散乱光のビート周波数が高くなり,受信系の帯域によって測定距離が制限される.本稿では,ローカル光の遅延に対する相対距離をビート周波数に割り当てるOFDRを用いて,遠隔地にある架空ケーブル内の光ファイバの振動分布を測定した.架空ケーブルは実験用途に敷設されたものであり,意図的に弛み区間を持つように張られている.振動分布測定結果から,架空ケーブルの弛み区間を特定したことを報告する.
光ファイバ伝送路において外部環境の影響により伝搬信号に変化が発生する事例がある。本研究では構造の異なる光ファイバケーブルに対して、様々な敷設環境下で想定される外部からの振動、音響波が与える伝搬光への影響を測定した。空気中の音響波に対しては、どのケーブルにおいても伝搬光の変動は観測されなかったが、ケーブルに対し振動要因を与える付加物の存在によりケーブル構造の違いにより特定の周波数において伝搬光に変動が印加されることが見られた。水中音響波に対してはケーブル構造によりその影響に差異があることが分かった。
3月20日 13:00〜16:15 54号館 304教室 座長 忠隈昌輝(古河電工)
B-13-13 |
光ファイバ後方散乱光の連続的測定方法における位相変動測定
◎坪谷雄史・村田博紀・福島大介・笠 史郎(明大) |
B-13-14 |
光ファイバ後方散乱光の連続的測定方法における周波数掃引光生成
◎村田博紀・坪谷雄史・福島大介・笠 史郎(明大) |
B-13-15 |
1um帯モード検出OTDRによる接続点のクロストーク測定
○中村篤志・岡本圭司・小田友和(NTT) |
B-13-16 |
IQ受信器を用いたコヒーレント位相OTDRにおけるヒルベルト変換を用いた雑音低減
◎脇坂佳史・飯田大輔・岡本圭司・押田博之(NTT) |
従来の後方散乱光測定技術では、一定時間間隔のパルスを用いるため、光信号の高速な変動について測定を行うことができなかった。本論文では周波数掃引を用いた新たな後方散乱光測定技術により、光ファイバ各所における後方散乱光の連続的測定を行い、光信号の高速な位相変動を測定した。光ファイバのある地点に変動を与え、その地点からの後方散乱光のFM雑音スペクトルを求めることで、位相変動を測定した。その結果より、本論文で提案した周波数掃引を用いた新たな後方散乱光測定技術により光ファイバの任意の地点からの後方散乱光の連続的測定を行えることを確認した。
従来の後方散乱光測定技術では、被測定ファイバ長で決まる離散時間間隔での測定しかできず、光ファイバ内の光信号の高速な変動の測定が困難であった。そこで本論文では、光ファイバ各箇所における光信号の振幅、位相、偏波状態を連続的に測定可能にする方法として、周波数掃引光を用いる測定システムを提案し、システム構築と周波数掃引実験を行った。その結果、高速な周波数掃引光の生成が確認され、本論文で提案する新たな測定システムの妥当性が検証された。
後方散乱波形に生じる損失から接続点におけるクロストークを測定する方法を提案し,その原理確認実験を行った結果について報告する.
光ファイバからのレイリー散乱光の位相を計測する位相OTDRを用いれば,微弱な振動を定量的に計測可能であり,研究開発が盛んである.位相OTDRによって長距離ファイバを高SN比で測定するために,コヒーレント検波が使用される.コヒーレント検波における散乱光の複素振幅を検出する方法として,柔軟なデータ処理やリアルタイム測定のために,光90度ハイブリッドを用いたIQ受信器を用いる方法がある.しかし,IQ受信器を用いると,個々の検出器に入射する光強度が減少するため,測定する位相のSN比が劣化する.本稿では光90度ハイブリッドを用いた系でのヒルベルト変換による雑音低減方法を検討したので,その結果を報告する.
休 憩(14:15 再開) 座長 岡本圭司(NTT)
B-13-17 |
ブリユアン散乱におけるストークス光の光位相特性の検討
◎野澤汐里・笠 史郎(明大) |
B-13-18 |
計測された周方向ひずみからの楕円環各部の変位計測方法
◎北村祥太・成枝秀介・成瀬 央(三重大) |
B-13-19 |
ブリルアンゲインスペクトル観測による円環の変位計測
◎西村研人・成枝秀介・成瀬 央(三重大) |
B-13-20 |
観測されたBGSへの非負値行列因子分解適用による最大・最小ひずみ抽出
◎藤本拓哉・成瀬 央(三重大)・西野隆典(名城大) |
自然・誘導ブリユアン散乱(SBS)が光ファイバ内で発生することが知られている。ブリユアン散乱を解析すべく検討を行っており、コヒーレントヘテロダイン検波技術を用いた光位相解析技術の検討を進めている。確立した解析技術をもとに、ブリユアン散乱光の位相特性解析を行った。入力パワーを変化させた際のI,Q 信号の振幅と位相変化を測定した結果、観測できた波束は自然状態から誘導状態になるにつれて長くなっていた。さらに、I信号のスペクトル線幅の測定結果より、自然状態から誘導状態になるにつれてスペクトル線幅が狭くなるブリユアン散乱の性質と一致していることがわかった。
円環の内外周に生じている円周方向ひずみから、円環各部の変位を求める方法を提案している。今回、本方法の計測対象を円環から楕円環に拡張した。
円環の内外周に生じたひずみから円環各部の変位を計測する方法が提案され、その有効性がシミュレーションによって明らかにされている。本稿では、本方法の有効性を実験によって調べた結果について述べている。
光ファイバに沿って分布観測されたブリルアンゲインスペクトル(BGS)に非負値行列因子分解(NMF: nonnegative matrix factorization)を適用することによって、ひずみ計測位置を中心とするBGS観測区間内の最大・最小ひずみを抽出する方法を提案し, その有効性を実験的に確認した.
休 憩(15:30 再開) 座長 本田奈月(NTT)
B-13-21 |
単一モード光ファイバにおける誘導ブリルアン散乱を用いた三波長コヒーレント光源の検討
○林 悠眞・Amila Sampath Kariyawasam Indipalage・前田譲治(東京理科大) |
B-13-22 |
短パルス半導体レーザを光源とする高空間分解能BOCDA光ファイバセンサ
赤井伸伍・○松本正行(和歌山大) |
B-13-23 |
針状光ファイバ末端を用いる蛍光測定
○関 篤志・渡辺一弘(創価大) |
本セッションはB-10Aとの関連セッションであり、後続の講演はB-10-7よりご覧ください。 |
多波長コヒーレント光源は, 大容量光通信システムやファイバセンサ,ディジタルホログラム, 分光計測など多方面への応用が期待されている. 一方, 光周波数コムによる多波長光源には, 出力の安定性や複雑な構成, 消費電力などの解決すべき課題がある. 本稿では, 単一モード光ファイバ中の誘導ブリルアン散乱を用いて強度変調信号のキャリアを抑圧することでスペクトルを均一化する三波長光源を提案し, その原理確認実験について報告する.
各種のブリルアン散乱光ファイバセンサのうち,励起光とプローブ光の波形相関を利用して測定位置を特定する相関領域解析(BOCDA)型のセンサは,測定ファイバ両端からの光信号入射を必要とするものの,高空間分解能,広測定範囲,高感度な分布測定が可能であるという特徴を持つ.本報告では,擬似ランダム符号(PRBS)位相変調を用いるBOCDAにおいて,短パルス半導体レーザを光源とすることによって,mm以下の空間分解能を達成できることを実験的に示す.
石英系の通信用光ファイバの先端を緩衝フッ酸に浸漬と引き上げを繰り返すことにより末端を針状に加工した.光カプラを介してセンサ,光源,分光器を接続し,センサ部からの反射光および蛍光を測定することによりセンサ特性を評価した.切断面が平面な末端を用いた場合のセンサとの特性を比較した.
端面が平面な光ファイバを水中に浸漬すると反射光強度は大きく減少したが,針状の場合は大きな変化は認められなかった.センサ部を蛍光色素溶液に浸し励起光を反対側から導入したところ,末端が平面,針状いずれの場合においても蛍光を測定できることが示された.しかし,針状の場合は蛍光強度は平面状より減少した.
3月21日 13:15〜15:15 54号館 304教室 座長 荒井慎一(古河電工)
B-13-24 |
ブリルアン利得解析による数モードファイバの軸ずれ接続損失測定
◎小田友和・中村篤志・飯田大輔・押田博之(NTT) |
B-13-25 |
フェムト秒レーザ加工によるファイバ型モード間損失差補償技術
◎山下陽子・和田雅樹・松井 隆・中島和秀(NTT) |
B-13-26 |
空孔表面粗さと損失に関する検討
○野添紗希・半澤信智・辻川恭三・青笹真一・寒河江悠途・中島和秀(NTT) |
ブリルアン利得解析法を用いた損失測定法により,LP11モードの軸ずれ融着接続損失を測定し,数値計算結果と比較した結果について報告する.
数モードファイバ(FMF)はモード分割多重伝送(MDM)による高密度・大容量伝送に適した伝送媒体として高い関心を集めている。しかしMDM伝送ではモード間損失差(MDL)が伝送特性を大きく劣化し,その補償技術が精力的に検討されている.本報告では,フェムト秒レーザ加工技術を用いて光ファイバのコア部に屈折率変調部を直接作製した,低挿入損失なファイバ型LP01-LP11MDL補償技術の検討を行ったので報告する.
マルチコアファイバを用いた空間多重伝送技術において、コア間クロストーク(XT)の抑制が重要である。コア間への空孔付与により、XTが低減できることが報告されている。母材への空孔加工法の一つである孔開け法は、空孔配置の自由度が高いというメリットを持つが、空孔界面の粗さにより伝送損失が増加する課題がある。今回、空孔表面粗さによって生じる損失増加について定量的な評価を行ったので報告する。
休 憩(14:15 再開) 座長 市井健太郎(フジクラ)
B-13-27 |
4コアファイバの軸ずれに対する損失特性に関する検討
○半澤信智・松井 隆・野添紗希・寒河江悠途・中島和秀(NTT) |
B-13-28 |
クラッド励起用MC-EDFの吸収特性向上検討
○杉崎隆一・前田幸一・高坂繁弘・塚本昌義(古河電工) |
B-13-29 |
利得を平坦化した結合型7コア光ファイバ増幅器
○大塚節文・田中正人・佐久間洋宇・長谷川健美・林 哲也・田澤英久(住友電工) |
B-13-30 |
異種コア構造MCFにおけるスキュー温度依存性
◎寒河江悠途・松井 隆・山下陽子・和田雅樹・坂本泰志・辻川恭三・中島和秀(NTT) |
本セッションはB-10Aとの関連セッションであり、先行の講演はB-10-8よりご覧ください。 |
コア間隔に偏差のない理想的な4コアファイバにおいて、中心コアを仮定してG.652に示されているコア偏心量が発生した場合に生じる軸ずれ損失について試算したのでその結果について報告する。
クラッド励起型MC-EDFAの特性向上のためMC-EDFの最適化検討を行った。コア特性を維持したままコアピッチクラッド厚を最適化することにより励起効率を3dB以上向上させる可能性を示唆した。
利得平坦化フィルタを備えた前方コア個別励起方式の結合型7コア光ファイバ増幅器を試作し、Cバンドにおいて利得14.0 dBから15.7 dB、雑音指数4.4 dBから4.7 dBと、利得スペクトルが平坦であり、コア間偏差が1.2 dBppに抑制された7コア光増幅器を実現した。
マルチコア光ファイバ(MCF)は空間分割多重技術による大容量伝送に加え,最近ではMCFのコア間の低いスキュー変動特性を活用した信号処理負荷低減が提案されており、次世代の光伝送媒体として高い関心を集めている。本稿では群遅延特性の異なる異種コア構造を有するMCFについてスキュー特性の温度変動を評価したので報告する。
B-14. 情報通信マネジメント
3月19日 13:30〜16:30 53号館 203教室 座長 大石晴夫(NTT)
B-14-1 |
サービス間連携を対象としたカタログバリデーション手法の提案
◎片柳亮太・高橋謙輔・小内伸夫・大谷未稚・近藤 悟(NTT) |
B-14-2 |
有用度計算を活用した業種間における知識共有方法
◎井上育美・光野正志・朱 韵成・吉内英也(日立) |
B-14-3 |
機械学習を用いた障害復旧手順抽出に関する一検討
◎宮本達史・蕨野貴之・毛利元一・宮澤雅典(KDDI) |
B-14-4 |
エージェントを利用した自律制御ループ状態管理方式
◎須藤侑一・尾居愛子・高田 篤・山越恭子(NTT) |
本稿では,オーケストレータが利用するカタログの作成を支援するフレームワーク上で,連携サービスのカタログが作成・保存される際に,ファイルの構文解析を行うことで,マンダトリチェック,シンタックスチェック,サービス間の連携ルールの順序性の観点でカタログのバリデーションを実現する手法を提案する.
ロボット技術の進歩や少子高齢化に伴う人手不足を背景に,サービスロボットへの注目が高まっている.サービスロボットにユーザ満足度の高いサービスを実現させるため,ロボットが日々の業務を通じて得た知識を,業種をまたがる複数台のロボットで共有し,知識の適切な活用を促すため,本報告では知識管理の仕組みの検討および,知識のフィルタリングに関する評価を行い,業種に依存するテキストの内容は,より近い業務内容である業種の組合せの方が類似するという結果を得た.
自動化実現のためには,対応実績の無い障害への対応や,5G, IoTによるサービス導入周期の短縮に追従するため,更なる業務プロセス管理の高度化が求められる.上記課題に対し筆者らは,NFVの障害復旧業務プロセスの生成及び自動復旧を実現するためにDNN(Deep Neural Network)を用いた業務プロセス管理手法を提案し,テストベッド検証により提案方式の実現可能性を検討してきた[1].しかしながら,本手法において未知の障害事象に対する性能指標である汎化性能を評価するために,十分な訓練データの確保が課題であった.そこで,筆者らは訓練データを生成するために,意図的にネットワーク障害を発生・復旧させるための基盤の検討を行った.本稿では,システムのアーキテクチャ及び今後について述べる.
ネットワーク(NW)保守運用における基本的なオペレーションは,NWからデータを「収集」し,収集したデータを分析し対処内容を「判断」し,判断内容に応じたNW制御を行う「対処」から構成される.この一連のオペレーションを自動的に実行する自律制御ループを,オーケストレータを用いて外部OSS/BSS(外部システム)と連携することで実現する手法を著者らは検討している.
本稿では,自律制御ループ中の状態をオペレータが容易に把握可能にすることを目的に,オーケストレータだけではなく,外部システムが実施している処理の状態(情報収集中や装置再起動中など)を含めた自律制御ループの状態を,エージェントを利用し管理する方式を提案する.
休 憩(14:45 再開) 座長 栗本 崇(NII)
B-14-5 |
自律制御ループ方式における保全業務の同期方式の提案
○池谷友基・高橋謙輔・近藤 悟(NTT) |
B-14-6 |
通知の分類による保守者オペレーション支援方式
◎酒井 優・高橋謙輔・近藤 悟(NTT) |
B-14-7 |
ネットワークトラフィックデータ利活用へ向けた提案
○飯島智之・鈴木敏明・谷口朋之・田邉幸雄・利安 忠(日立) |
本稿では,保守機能の部品化および自律化による自律制御ループ方式における保全業務の同期・管理方式を提案する.
ITサービスの運用において,保守者の負担を軽減するために,従来保守者が手動で行ってきたプロセスを保守システムが代わりに行うようになってきている。保守者は保守システムから送られてくる通知の監視を行い,人手による判断を要する場合に備えることが通常時の業務となっている.保守者は、①大量の通知の中から承認を要する通知を発見すること
②承認を要する通知を受け取ったら,速やかに対処すること、が求められる。課題①、②の解決のため、コミュニケーションツールを保守システムと保守者の間のUIとして利用することが考えられるが,通知の分類方法が課題となる.本稿では,保守システムから保守者への通知を分類しコミュニケーションツールへ表示する保守者オペレーション支援方式の提案を行う。
ネットワーク運用者は、ネットワークトラフィックの挙動を把握するため、DPI(Deep Packet Inspection)等の機器を設置し、流れるパケットのログデータを分析している。DPIが出力するような大きなデータは、これまで限定された用途でしか使われないのが一般的だった。しかし、ビッグデータを蓄積・処理する環境を用いることで、これまでにない価値を生む可能性が秘められている。本稿では、DPIが出力するデータを利活用する際の一手法として、トラフィック量の多いユーザに紐付くログデータのみを抽出する手法を提案する。これにより、トラフィックの傾向を失うことなくDPIデータのサイズを圧縮することができる。
休 憩(15:45 再開) 座長 鶴 正人(九工大)
B-14-8 |
ネットワークオントロジによる障害原因推論手法の検討
○鎌谷 修・明石 修・山口高弘(NTT)・三上 啓・寺岡文男(慶大) |
B-14-9 |
SLAを考慮したサービス障害情報の自動通知方式
○平林 睦・坂田浩亮・高田 篤・山越恭子(NTT) |
B-14-10 |
ネットワーク監視における装置アラーム事前フィルタリング方式
○坂田浩亮・中島 求・山越恭子(NTT) |
筆者らはネットワークオントロジを利用したネットワーク管理手法について検討を進めている。本稿では、ネットワークオントロジを用いた障害原因推論手法についての検討結果を示す。
電気通信事業者において,サービス障害の発生時における障害情報の展開は非常に重要である.現状ではオペレータが収集した情報から展開するべき障害情報を手作業で作成してWeb等で公開しているが,本稿では,発生したサービス障害の程度をサービス中断時間や規模等の情報に基づいて定量化し,SLA(Service Level Agreement)との比較により通知是非を機械的に判断可能とすることでサービス障害情報の自動通知を実現する基本方式について提案する.
現状の通信キャリアにおける保守運用では,NW装置から発生するアラーム(SNMP-Trap,Syslog等)を一元管理して保守者による監視・確認および対処を行っている.しかし,通信キャリアのように大規模な通信網ではアラーム件数規模も大きくなるため,多数のアラーム確認に保守者の稼働が割かれ,その結果アラームへの対応遅延や,アラーム確認漏れ等の作業誤り発生の要因となっている.
本稿では,保守者負担軽減および障害対処の迅速化を目的に,保守者が対応すべきアラーム量を削減可能とする事前フィルタリング方式を提案する.
3月20日 9:30〜11:45 53号館 203教室 座長 三好 匠(芝浦工大)
B-14-11 |
トラフィック情報を用いたトポロジ推定における推定精度向上手法の検討
◎中村瑞人・丹治直幸・森谷高明・関 登志彦(NTT) |
B-14-12 |
外部仕様定義に基づくNW管理情報自動生成方式の検討
○佐藤正崇・堀内信吾・田山健一(NTT) |
B-14-13 |
Openflowネットワークでの全リンク監視のためのマルチキャスト計測経路の動的最適化
◎△後藤 卓・柴田将拡・鶴 正人(九工大) |
B-14-14 |
車両の移動性を考慮した車車間P2Pネットワーク
○藤間貴史・下村勇介・三好 匠(芝浦工大)・Olivier Fourmaux(ソルボンヌ大) |
ネットワーク(NW)の保全業務において,サービス故障の原因特定や影響把握の迅速化には正しいトポロジ情報が必要となる.トポロジ情報が正しく管理できていない場合,故障発生時に誤った分析や対処等を実施する恐れがある.
筆者らはこれまで,各NW装置のIF毎のトラフィック量を比較し,トポロジ情報を推定するトポロジ推定技術[1]を提案してきた.既存手法では,各NW装置のIFに流れるトラフィック量に時間変化がない(一定値である)場合や,流れるトラフィック量の時間変動傾向が似ているIFが複数存在する場合に,推定精度が劣化する.本稿では,トポロジ推定技術における推定精度向上手法を提案する.
NW運用管理業務では、複数存在する物理NW経路の中からポリシーに応じて経路を選定し、その経路と論理パスの情報をNW管理情報としてNW運用管理システムに保持する。NW運用管理システムは特定のNWに最適化されている場合が多く、管理対象NWの機種や構成を変更すると、管理情報の保持方法が変わるためシステムの改造が必要になる。我々は、特定NWに特化せず、多様なNW情報を汎用的に保持可能なNW管理アーキテクチャを検討してきた。本稿では、選定した経路に基づきNW管理情報を自動生成する方式について検討結果を報告する。
大規模なOpenFlowネットワークの最適性や可用性を実現するためには,全リンクの状態や品質の実時間監視が必要となる.そこでは各リンクにパケットを流すアクティブ計測が重要である.先行研究では,通信品質におけるパケットロス率に着目し,OpenFlowネットワークの全リンクにマルチキャストを用い, 重複なしに計測パケットを通過させ, 全リンクのロス率を効率的に計測・収集する手法が提案された.
本研究では,先行研究の計測パケットの転送経路(以下、計測経路)に着目し,あるリンクでのパケットロスがそれ以降のリンクの計測精度を悪化させる事象をできるだけ回避するように,各リンクの重みを操作する手法を検討する.また,この重みを使用し,統計情報の取得順序を再考案することによって,さらに取得回数を削減することを目指す.
近年,道路交通が抱える様々な課題を解決するITS(Intelligent transport systems)が注目されている.
ITSの分野の一つに車車間通信があり,アドホックネットワークを用いた手法が検討されているが,通信範囲が無線範囲に限定されるなどの問題がある.
そのためアドホックネットワークに代わり,既存の通信網を用いて端末間通信を行う位置依存形P2P(Peer-to-peer)ネットワークが提案されている.
本稿では,マルチホップ通信を実装することで情報送信数を制御する車車間P2Pネットワーク構築手法について検討し,ホップ数による通信遅延時間を評価した.
休 憩(10:45 再開) 座長 吉原貴仁(KDDI総合研究所)
B-14-15 |
ネットワーク管理システムにおけるゲートウェイノード配置箇所算出方法の提案
○岩田桂一・吉村仁美・田中正基・木村 亨・小野良司(三菱電機) |
B-14-16 |
災害情報を用いたIoT機器の上り通信制御方法
○鈴木徹也・日下部貴之(NTT) |
B-14-17 |
位置依存形P2Pネットワークにおけるサーバ負荷分散手法
◎杉山 健・下村勇介・三好 匠・山崎 託(芝浦工大) |
B-14-18 |
位置依存形P2Pによる近接通信基盤のスケーラビリティ評価
◎下村勇介・三好 匠(芝浦工大)・Olivier Fourmaux(ソルボンヌ大) |
ネットワーク内の一部のノードのみが管理装置と直接接続される「ゲートウェイノード」として設定でき、他のノードは「ゲートウェイノード」を介して管理装置と接続できるようなネットワーク管理システムに対して、ネットワーク内の任意のリンクで障害が発生した場合にも管理装置と接続可能なノードの数を最大化するゲートウェイノードの配置箇所算出方法を提案する。
IoT技術を用いた災害時の安全性確認を遠隔・広域で行うケースを想定して、災害の程度に応じて地理的・時間的に上り情報転送をスケジューリングし処理を分散することで、制限されたNW帯域やサーバリソースの範囲内で確実に上り情報転送を行う通信制御方法を提案する。
ユーザの現在位置情報を用いた位置依存形P2Pネットワークとして,G-LocON(Geo-Location Oriented Networks)が提案されている.本手法では,端末情報を管理するサーバに処理負荷が集中するが,その分散手法については十分に考慮されていない.
本稿では,大規模ネットワークにおけるG-LocONのサーバ負荷分散手法について検討する.
ユーザの現在位置情報を用いたP2Pネットワーク構築手法にG-LocON(Geo-Location Oriented Networks)があるが,本手法は,システムのスケーラビリティについて十分に評価がなされていない.本稿では,位置情報に基づくP2Pネットワーク近接通信基盤G-LocONの往復通信遅延とパケット到達率を評価し,非常に短い往復通信遅延と高いパケット到達率を確認した.
B-15. モバイルネットワークとアプリケーション
3月19日 9:00〜11:45 53号館 201教室 座長 宇野新太郎(愛知工科大)
B-15-1 |
LDMサービスのためのWi-Fiマルチインタフェース無線メッシュネットワークの構築
○前野 誉(スペースタイムエンジニアリング)・高橋智輝・山西雄大・高木由美・太田 能(神戸大) |
B-15-2 |
プラトーンにおける指向性アンテナを用いた車車間通信の品質評価
◎△Diquan Wang・有安展洋・Xiaoyan Wang・梅比良正弘(茨城大) |
B-15-3 |
長距離・フリッカ抑制型LED-スマートフォンカメラ間通信方式の実装と評価
◎外園悠貴・長谷川浩市・成末義哲・森川博之(東大) |
B-15-4 |
Non-IIDデータを用いたFederated Learningにおける無線リソーススケジューリングの検討
◎吉田直矢・西尾理志(京大)・米谷 竜(オムロンサイニックエックス)・守倉正博・山本高至(京大) |
B-15-5 |
クラウドソース基地局によるスマートシティ向け適応的C-RAN
○中山 悠(青学大)・久野大介(阪大)・安永遼真・丸田一輝(neko9 Laboratories) |
走行中の車両に周辺情報をリアルタイムに提供するLDM環境の実現に期待が集まっている.LDMは周辺の歩行者や,路面情報,混雑状況などの空間情報を集約し,車両に対して適切な情報を配信するための仕組みである.筆者らはこれまで,LDMサービスに適したネットワークの構築手法を検討し,複数Wi-Fiインタフェースをインフラストラクチャモードで動作させる無線メッシュネットワークを適切に構築することで,より高い性能を提供できる可能性を示してきた.本稿ではこれを実環境に構築し,Wi-Fiインタフェースのチャネルと動作モードを適切に割り当て,一般的なアドホックネットワークを模したシングルチャネルでの動作に比べ,高いスループットを実現できるかどうかについて実証結果を報告する
近年、燃費と運転安全の向上を図るため、プラトーン走行に対する関心が高まっている。プラトーンを安全に実現するためには、隊列内において高頻度な無線通信が求められているが、多数の車両が近接して走行する状況下では、他車からの通信干渉によるパケットの損失が問題となる。本文は、指向性アンテナを用いた場合の、プラトーンにおけるパケットの受信間隔と損失率を評価したので報告する。
筆者らは,視線の先にある無線デバイスから直接情報を取得できる直感的な通信手段として,カメラをかざす動作を通信起点とするLED-スマートフォンカメラ間通信の開発を進めている.具体的には,スマートフォンの画面に数ピクセルのみ写った光から復調できる数10bpsの長距離低速通信モードと,スマートフォンの画面全体に写った光から復調する数kbpsの近距離高速通信モードの検討を進めている.
本稿では,長距離モードについて,口径300mmのLED光源装置を実装し,通信距離とSER (Symbol Error Rate) の評価を行う.実機実験により,数10mを超える通信距離で60bpsの通信を実現できることを示す.
IoTデバイスやスマートフォンといったモバイル端末に分散するプライベートなデータを機械学習に利用する方法として,FL(Federated Learning)が検討されている.FLは端末のデータをサーバに集めることなくそのデータを用いた学習を実行できる.FLの学習効率と学習精度が悪化する原因として,端末間の通信・計算資源の差と,各端末の利用状況により保持されるデータが大きく異なることが挙げられる.前者に対しては,学習に参加する端末をその数が最大となるよう選択するFedCS方式が提案されている.本稿では後者に対して,FedCS方式を拡張したHybrid方式を提案し,シミュレーションにより有効性を示す.
モバイルトラヒックの時空間的な変動に効率的に対処可能なネットワークを構築するため,筆者らは適応的ネットワークを検討しており,この一形態として車載スモールセルを提案した.これは,自家用車等にスモールセル基地局を搭載することでモバイルネットワーク構築をクラウドソースし,より効率的なC-RAN(Centralized Radio Access Network)を構成する手法である.ただし,各地区のモバイル需要やクラウドソース基地局(CRU; Crowdsourced Radio Unit)分布に応じて,各CRUを適切に制御する手法が課題だった.本稿では,スマートシティ向け適応的C-RANを提案し,その適用領域についての解析結果を述べる.
休 憩(10:30 再開) 座長 森広芳文(NTTドコモ)
B-15-6 |
デバイス協調システムのための協調制御伝播モデルの評価
○福井暉斗(新潟大)・高橋秀幸(東北大)・山﨑達也(新潟大) |
B-15-7 |
セルラ通信網とD2D 通信を併用するインセンティブベースクラウドセンシング方式の提案
○松田哲史・徳永雄一(三菱電機)・石原 進(静岡大) |
B-15-8 |
Design a flow control mechanism for TVOS streaming over wireless channel
○CHIASHENG TSAI・YIYIN HUNG(Tatung Univ.) |
B-15-9 |
優先順位を付与したグループ配信システムと方法
○中井 孝(甲子園大) |
B-15-10 |
5Gシステムによる4K解像度VR映像伝送実験
◎△吉井一駿・松下惟晟・齋藤 恵・嶋本 薫(早大) |
これまで,個人個人が携帯するデバイス(ユーザ端末)を用いて,
人同士の情報伝達や同調行動を支援するデバイス協調システムを提案している.
また,人々の集団規模が大きくなった場合にも対応できるように,ユーザ端末群をクラスタに分割し,
クラスタ内制御とクラスタ間制御を行う協調制御伝播モデルを併せて提案している.
クラスタ内制御では,各クラスタに動作の起点となる起点端末を設定し,そこから情報を伝播させる.
クラスタ間制御では,各クラスタを管理するクラスタヘッド端末間で起点端末の動作タイミングを決めておき,
クラスタ間の情報の伝播が途切れても次のクラスタの動作が自律的に開始するようにする.
これまで,ユーザ端末の試作とともに,提案する協調制御伝播モデルを計算機シミュレータ上に実装してきた.
そこで本報告では,クラスタ毎の起点端末の有無とユーザ端末の分布の粗密の変化に対して,提案モデルの有効性を検証した結果を報告する.
特定の場所の現状に関するセンシングデータを提供するサービスの需要が今後増加すると期待される.この様なサービスを広域で提供するシステムを,モバイルクラウドセンシング(MCS)方式を適用し,ユーザの移動端末と,セルラ通信網経由で端末のセンサを利用してデータを取得するクラウド上ホストでシステムを構成することを考える.本稿は,近隣端末と端末間(D2D)通信が可能な条件の下,自端末近傍に対するデータ取得要求をホストから受信した端末が,D2D 通信で近隣端末にデータ取得要求を送信することで,既存MCS 方式と比較して,データ取得要求に対するセンサによるデータ取得にかかる時間を増やさず,セルラ通信でのホスト-端末間通信量を削減可能な方式を提案する.
In this paper, a flow control scheme is proposed to improve the bit-rate control of the image compression method for H.264 /AVC (Advanced Video Coding) . An experiment to show high bandwidth (transmission) efficiency is achieved by using NGB TVOS system which is popular state of the art. Comparison of no any control scheme, the bit-rate control of JVT, and the proposed method, we found that the flow control by the buffer size and re-compression can improve the two consecutive images of huge changes to exceed the buffer capacity. Also, the empirical results shown that no significant image quality reduced by adjusting QP value.
情報を配信する際、通知者は自らを守るために、緊急性を要する。故に遠すぎる相手に送信することは無駄であり、通知者と救援者との物理距離は考慮しないといけない。この場合、救援者の質は問われない。そこで事前に送信先の優先順位を設定し、それに基づいて送信先を選択することにした。送信先の優先順位は、離散的な心理的距離に相当する。つまり、物理距離に心理的な距離を加え、『来てほしくない相手(潜在的なストーカー)』を救援者候補から外すことに成功している。
本研究は,駅構内の安全確保のため,4K解像度のVR (Virtual Reality) カメラを搭載した清掃ロボットによるリアルタイム遠隔監視システムの構築を目的としている.360°の高精細映像はデータ量が大きく,高速・大容量の通信が可能な次世代移動通信システム (5Gシステム) による伝送が適している.実証実験では,5Gシステムにより4K解像度のVR映像を用いたリアルタイム遠隔監視システムが構築可能なことを確認した.また,パケット解析によりスループット,遅延時間の評価を行った.
3月19日 13:00〜15:45 53号館 201教室 座長 金井謙治(早大)
B-15-11 |
マイクロフォンを用いた鉄道乗車位置推定手法の初期的評価
○佐藤孝嗣・石田繁巳(九大)・田頭茂明(関西大)・福田 晃(九大) |
B-15-12 |
種々の天空率環境下におけるRTK測位の位置捕捉精度
◎辰口 尚・篠崎 蓮・小熊 博(富山高専) |
B-15-13 |
ネットワーク管理における協働支援インタフェース
◎小林司弥・星野拓也・福谷遼太(東北大)・笹井一人(茨城大)・木下哲男(東北大) |
B-15-14 |
通話内容振り返りサービスの実現方式検討
○篠崎卓也・三上和愛・佐藤 篤・太田昌宏(ドコモ・テクノロジ) |
B-15-15 |
通話音声テキスト化サービス“自動音声応答対応機能”の検討
○三上和愛・篠崎卓也・佐藤 篤・太田昌宏(ドコモ・テクノロジ) |
鉄道利用補助のナビゲーションにおいて,ユーザの乗車位置は重要な情報であると考えられる.乗客の持つ携帯端末を用いて近隣端末のBluetooth信号のRSSIを受信し,乗車位置を推定する手法が提案されているが,複数端末を乗車位置推定に利用するため,乗客の少ない路線での実用は現実的でない.本研究では,プラットフォーム上から携帯端末で列車到着時の音を取得し,列車が線路の継ぎ目の上を通過する際に発生する「ジョイント音」を検出することで乗車位置を推定する.本稿では,ジョイント音を利用したユーザの鉄道乗車位置推定手法を提案し,実環境で取得した音データを用いた評価結果を報告する.
高精度位置情報を得る方法の1つとしてRTK (Real Time Kinematic) 測位がある. しかし,RTK測位は衛星から送信される信号の搬送波の波数を使用する測位手法であるためオープンスカイな環境での使用が一般的である.これまで我々は無線通信分野や防災分野等での高精度位置情報の活用を念頭に天空率を用いたGNSS (Global Navigation Satellite System) の位置捕捉精度の評価を進めてきた. 本稿では,天空率の異なる3地点においてRTK測位の可用性の評価と単独測位との位置捕捉精度の比較を行ったので報告する.
クラウドサービスや IoT 技術の発展に伴い,ネットワークが複雑化しており,管理者の負担が増大している.そのため様々なネットワーク管理ツールが用いられているが,管理ツールは管理に不慣れな人が運用・管理を行うには十分な支援ができていない.そこで管理ツールに知的な要素を持たせた,エージェントと管理者が協働し,人間のみに頼らない問題解決を行うことが期待されている.本稿では人と対話する機能を持たせたエージェントと人の協働を実現するために,拡張現実を用いた対話インタフェースを提案する.これにより直感的な形で,エージェントと対話が可能となり,管理に不慣れな人でも容易に管理業務が行える.
外出中に取引先との電話連絡が必要なビジネスマンが抱える悩み事として,通話時にメモが取れないということが調査結果から確認された.そのため,メモの代わりとして,通話内容をテキストと音声で振り返るサービスの検討に着手した.本稿では,当該サービスの要件と実現に向けた課題及び採用方式について示す.
みえる電話のサービス利用者である聴覚障がい者は,自動音声応答(IVR)から送話される音声ガイダンスをテキストで閲覧できないため,理解することが難しい.本稿では,IVRから送話される音声ガイダンスもテキスト化する「自動音声応答対応機能」の検討時に生じた課題と解決策について示す.
休 憩(14:30 再開)
B-15-16 |
音楽動画視聴時における生体センシングによる感情推定の精度評価
◎白崎智美・金井謙治・甲藤二郎(早大) |
B-15-17 |
360度映像配信における視聴移動のクラスタリングと予測精度評価
◎篠原裕矢・白崎智美・呉 益妍・金井謙治・甲藤二郎(早大) |
B-15-18 |
転移学習を用いた映像視聴時の通信品質に基づくユーザ移動状態推定手法の精度評価
◎川上 航・金井謙治・Bo Wei・甲藤二郎(早大) |
B-15-19 |
RGBカメラと機械学習を用いたミリ波受信電力予測性能の検証
◎村上健祐・西尾理志・守倉正博(京大)・浅井裕介・宮武 遼(NTT) |
B-15-20 |
無線LAN制御パラメータ最適化方策の学習に向けた教師あり学習に基づく学習機構の検討
○西尾理志(京大) |
近年, ヘルスケア分野を筆頭にウェアラブル生体センサの普及に伴い,生体情報を容易に取得可能となっており,その情報を活用した研究が広く盛んに行われている.その中でも特に筆者らは,心拍変動と脳波情報を組み合わせた感情推定の研究に着目している.感情推定技術の応用例として,喜怒哀楽といったパーソナル情報に基づく音楽や映像などのコンテンツのタグ付けやそのタグを用いたコンテンツ推薦を想定している.本稿では,ウェアラブル生体センサを用いて,音楽映像視聴時の心拍変動と脳波情報を取得し可視化することで感情推定を行い, その信頼性について評価する.
近年,Virtual Reality (VR) の普及に伴い,高品質かつ低通信量な360 度映像配信の需要が高まっている.この実現のため,これまで筆者らはサポートベクター回帰(SVR)を用いた360 度映像視聴時の視野精度評価を行なってきた.本稿では,複数の視聴データをクラスタリングし,該当クラスタごとに適切な予測モデルを切り替えることで,予測精度向上を図る.また,視野予測の特徴量として,視野移動履歴だけでなく,映像の顕著性や音声情報も加えた場合の精度評価も行う.
近年,モバイル端末の急増やアプリケーションの大容量化に伴い,あらゆる環境下において,常に快適なサービスを提供することが課題となっている.そこで,筆者らは,高精度なユーザの移動状態推定が通信品質予測技術の精度向上およびアプリケーションのQoS向上に繋がると期待し,映像視聴時の通信品質のみを用いることで高精度に移動状態を推定する手法を提案してきた.しかし,これまでの提案では,訓練データとテストデータを同一経路で収集していたため,ある限定的なエリアでの精度評価にとどまっていた.そこで,本稿では,訓練データを収集した経路とは別の経路や条件において,テストデータを収集し,学習済みモデルに含まれない未知の条件での状態推定精度の評価を行う.
ミリ波通信における人体等の遮蔽による受信電力低下の対策として,機械学習を用いて深度画像から基地局の端末間の受信電力を予測し,その結果に基づいて通信制御するシステムが提案されている.当該システムの課題として,深度カメラを設置するコストが高くなることが挙げられる.深度カメラより導入コストの低いものとしてRGBカメラが挙げられるが,深度情報を持たないため物体の位置関係に関する情報が不足し,深度カメラに比べて予測精度が低下することが懸念される.本稿では,深度カメラの代わりにRGBカメラを用いて受信信号電力を予測した場合の予測精度を評価し,本実験環境において予測可能であることを示す.
無線LANには送信電力やチャネル、RTSスレッショルドなど設定可能な制御パラメータが様々あるが、そのすべてを用途や環境に応じて適切に設定するのは難しい。本研究ではパラメータ設定の自動化に向け、教師あり学習に基づくパラメータ最適化方策の学習フレームワークを提案する。
3月20日 9:15〜11:45 53号館 201教室 座長 瀧本栄二(立命館大)
B-15-21 |
無線LANの位置情報とBasic認証よるWEBアクセス制限
○鈴木琢巳・小川将克(上智大) |
B-15-22 |
無線LANの受信信号強度によるホビードローンの飛行エリア制限
○月見里浩太・小川将克(上智大) |
B-15-23 |
Wi-Fi CSIを用いた歩行者の通過方向の検出方法
○佐藤しま子・小川将克(上智大) |
B-15-24 |
加速度センサと受信強度を用いた群衆行動推定
○高橋夏葵・小川将克(上智大) |
本稿では,ユーザの位置に基づくWEBアクセス制限手法を提案する.例えば,大学の講義資料を登校した学生のみに提供したい場合,ユーザ位置によりWEBアクセスを制限することで実現できる.無線LANのMACアドレスから取得した位置情報によりアクセス制限することで,特定の場所にいるユーザのみにアクセスを許可する.
空中撮影や物資配達などの需要増加により,ドローン市場は急激に拡大している.ドローンには墜落の危険性があり,総重量200g以上のドローンは航空法の規制の対象である.そのため,規制対象外の200g未満のドローン(以下,ホビードローン)が広く普及している.ドローン規制法(改正航空法)では,「目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること」と定めており,ホビードローンと人の接触事故を回避することが要求されている.本研究では,ホビードローンと人の接触事故を未然に防ぐために,ホビードローンの飛行エリアを制限する方法を提案する。
本稿では,IEEE802.11nのMIMO-OFDMで得られる送受信アンテナ間の複数の伝送路の空間情報(CSI: Channel State Information)を利用した歩行者の通過方向の検出手法を提案する.
群衆行動とは,互いに近距離に存在する人々が類似行動することである.人々の群衆行動の推定は,駅構内等の局所的な環境における人流分析の一つの手段である.本稿では,ユーザが所有するスマートフォンの加速度センサの加速度データと,スマートフォンからの加速度データを受信したときの受信強度を利用して,群衆行動を推定する.
休 憩(10:30 再開) 座長 小川将克(上智大)
B-15-25 |
Application of the Radio Wave Condition Collection System for Determining the Spare AP Location
○Jovilyn Fajardo・Taka Maeno(Space-Time Engineering Japan)・Kazuhiko Kinoshita(Tokushima Univ.) |
B-15-26 |
山間部安否確認システムの構築とその防災訓練に関する検討
梶田宗吾・前野 誉・○守屋充雄(スペースタイムエンジニアリング)・山本 寛(立命館大)・福見淳二(阿南高専)・福本昌弘(高知工科大) |
B-15-27 |
シミュレーションと連携した防災訓練を実現するサイバーフィジカル防災訓練システムの提案
◎梶田宗吾・前野 誉(スペースタイムエンジニアリング)・福本昌弘(高知工科大) |
B-15-28 |
スマート自転車を活用した道路インフラ観測システム
○甲藤二郎・竹内 健・金井謙治・孫 鶴鳴(早大) |
B-15-29 |
エッジコンピューティングによる過疎地域インフラデータの収集と活用に向けた取り組み
◎山口弘純・廣森聡仁・高井峰生(阪大)・前野 誉・ファハルド ジョビリン(スペースタイムエンジニアリング) |
The communication infrastructure is crucial in disaster situations. Its restoration is a priority in order to facilitate an effective and immediate disaster response, wherein additional equipment may be deployed for communication restoration. In this study, we applied our radio wave collection system for network recovery. We used the implemented mobile application to collect radio wave conditions within our area of interest and viewed the gathered measurement data in Scenargie View. With the aggregated information and the RSSI ranging and localization algorithm, we were able to determine the suitable targets for equipment deployment.
山間部は災害時に孤立する可能性が高い一方で,安否情報が明確でない場合,平野部に設置される災害対策本部(災対本部)から救助の出動指示を出すことが難しい.特に山間部はセルラー網の届かない不感地帯であることも多く,こうした人命救助の機会損失を回避するためにも安否情報の共有基盤が強く求められている.そこで本研究では,山間部における電波伝搬の厳しさを考慮したLow Power Wide Area (LPWA)とDelay Tolerant Networking(DTN)を組み合わせた山間部安否確認システムを構築し,その実証実験を2018年12月に高知県香南市で実施している.また,システム構築と合わせて,システムの維持管理・操作方法の取得といった実運用上の課題解決へ向けた,本実証実験のシステム操作履歴を用いたイベントモデルに基づくシミュレーション連携型の防災訓練システムを構築した.
近年,被災時の効率的な情報収集や迅速な意思決定を進めるためにも,防災システムが多様なデジタルデータを扱うことができるよう,システムの高度化・多機能化が求められている.しかし,平時における防災システムの機能確認と維持管理,運用者および利用者の防災システムの操作方法取得といったシステム運用上の課題が,依然としてシステムが社会展開される際の大きな障壁となっていることから,防災システムの構築段階から同時に解決を目指す必要がある.そこで本研究では,山間部における安否情報の共有基盤である``山間部安否確認システム''の構築に合わせて,防災訓練を効率化するサイバーフィジカル防災訓練を提案する.
近年、世界中で、インフラの老朽化や自然災害に対する危機感が高まっている。これを受け、専用の計測機器を積んだ自動車による道路面調査や、ドローンやセンサーによる建造物調査が進められている。一方、災害時の移動手段として自転車が見直されると共に、自動車と同様のトレンドとして、自転車の電動化(eバイク)の進展が見込まれている。そこで本稿では、自転車を用いた社会インフラ観測システムのプロトタイプ作成を試みる。プラットフォームとして市販の電動アシスト自転車を想定し、スマートフォン、および、専用演算器を装着したスマート自転車の試作と観測実験を試みる。
本研究では,平常時に中山間地域の住民が生活の足として利用する定路線交通やデマンド交通(バスやタクシー)をエッジコンピューティング資源として活用し,機械学習による自動価値判断機構を用いて必要なインフラデータだけを組織や住民から効果的に収集できる機構を構築するプロジェクトの紹介を行う.
B-16. インターネットアーキテクチャ
3月20日 9:00〜12:00 53号館 301教室 座長 大島浩太(東京海洋大)
B-16-1 |
SpamTrapに到着するメールの時間間隔の分析
◎森 美咲・後藤滋樹(早大) |
B-16-2 |
Adversarial Autoencoderを用いた半教師あり学習によるネットワーク侵入検知システムの検討
◎原 和希・塩本公平(東京都市大) |
B-16-3 |
下位層での配送を考慮した分散Pub/Sub基盤における複数管理ドメインにまたがるメッセージ配送手法の検討と評価
◎新納和樹・秋山豊和(京産大)・寺西裕一(NICT)・安倍広多(阪市大) |
B-16-4 |
農業IoTへの適用を目指したLoRa電波強度の測定
◎高橋拓也・鈴木一哉(秋田県立大) |
B-16-5 |
IoTブロックによる一人暮らし高齢者見守りシステムの構築
○森田二朗(神戸高専)・山下 香(流通科学大)・福井智史・赤対秀明(神戸高専) |
電子メールは世界でもっとも利用されているコミュニケーション手段の一つである.
同時にサイバー攻撃において主要な攻撃経路の一つとなっている.本研究では,SpamTrap に到達するメールの到着間隔の統計的性質を分析して,今後の悪性メールの対策や研究に役立つ情報を提供する.
近年,IoT デバイスの増加をはじめとしたトラフィックの増加により,侵入検知システム(IDS) の重要性が増している. 特に,高精度で検出を行う機械学習を用いた手法が注目されている.しかし,高い検出精度を実現する教師あり学習では,ラベリング作業に多くのコストを要する.更に,トラフィックの傾向は日々変化しており,常に新たな攻撃が生まれ続けている.従って,継続的にIDS を更新して最新の状態に保つ必要があるが,これによりラベリング作業が何度も必要となるため,十分な量のラベルデータを確保し続けるのは困難である.そこで,本稿ではラベル付きデータとラベル無しデータを併用する半教師あり学習のAdversarial Autoencoderを使用し,その有効性を検証した.
近年注目を集めているInternet of Things(IoT)のデバイス間通信に非同期通信モデルであるトピックベースのPublish/Subscribe(Pub/Sub)通信モデルを採用している.大規模なPub/Sub通信を最適化する手法として,これまでに分散Pub/Sub Brokerの実装であるPIQTや,Broker間通信を最適化するSDN Aware Pub/Sub基盤(SAPS基盤)などが提案されてきた.しかしSAPS基盤では,複数のネットワーク管理ドメインをまたがる場合の配送手法について検討されていない.本稿では,分散Pub/Sub基盤を複数ドメインに展開した際のメッセージ配送手法について検討,及び評価を行う.
近年IoT向けの低消費電力広域無線通信技術LoRaの活用が広がっている。LoRaの課題は,実際にどこで受信できてどういう条件で受信できないのか明らかにされていない点である。都市部におけるバスのロケーション共有向けにLoRaを使った測定結果が報告されている。しかし,広大な干拓地や扇状地における測定事例はまだ少ない。そこで,本研究では農業IoTへの活用を想定し,LoRaの受信の可否の実験を行ったので,その結果について報告する。
一人暮らし高齢者の見守りシステムをMESHのIoTブロックとMESHアプリを使って構築した.IoTブロックからセンサ情報をグーグルスプレッドシートに書き込むようにすることで,高齢者の時系列的な行動パターンが読み取れる.グーグルシートデータの共有設定によって地域支援者も閲覧でき,結果として従来までのメール配送によるメール登録者見守り方式に比べて,より多くの人による見守りシステムを構築できた.さらに,今回得られたトイレ使用状況等のデータを蓄積し,病気を未然に防ぐという予防医学分野に活用できる可能性がある.
休 憩(10:30 再開) 座長 秋山豊和(京産大)
B-16-6 |
SDNによるIoT機器を用いたTCPのマルチパス化方式のWebサービスへの適用
◎吉田優希・伊藤嘉浩・中山瑠偉(名工大) |
B-16-7 |
SDNによるMPTCPのサブフロー間RTT差の抑制方式の提案
◎伊津見光樹・伊藤嘉浩・早川雅人(名工大) |
B-16-8 |
動画ストリーミングにおけるIEEE802.1 AVB対応ネットワークのQoSの評価
◎中山瑠偉・伊藤嘉浩(名工大) |
B-16-9 |
輻輳時におけるWebQoEに基づいたIEEE802.11g無線LANの最大伝送速度の評価
◎早川雅人・伊藤嘉浩(名工大) |
B-16-10 |
コネクション集約とログ解析による高速なWebコンテンツ配信手法
◎澤田一樹・北口善明・山岡克式(東工大) |
B-16-11 |
アドホックネットワークにおけるエピデミックルーティングを用いた移動体端末による効率的データ転送方式
◎△石林佑介・菅原真司(千葉工大) |
IoTの普及に伴い,そのトラヒック量の急増に対応するためのネットワーク制御が必要とされている.
しかしながら,このような制御を既存のプロトコルのみで実現することは難しく,またプロトコルを刷新するには時間と費用を要する.
そこで文献[1]は,IoT機器をSDN機器としても利用することを考え,SDNによるTCPのマルチパス化方式を提案している.
一方,IoTデバイスの高性能化によりIoTデバイス上においてもWebサービスを利用することが期待されており,本方式をWebサービスに対して適用することが考えられる.
しかしながら,[1]ではWebサービス利用時の有効性は検証されていない.
本研究では,本方式についてWebサービスに対する適用の可否をQoS評価実験により調査する.
本論文は,MPTCPにおけるサブフロー間の遅延差を,SDNによりサブフローをマルチパス化することで軽減し,QoSを向上させる方式を提案している.MPTCPにおける通信では,サブフローが流れる経路間に遅延差があると,パケットの到着順序の入れ替わりなどにより,QoSが低下することが知られている.本方式は各サブフローをマルチパス化することで,サブフロー間の平均遅延の差を軽減するものである.筆者らは本方式を実装し,実機を用いた実験により,その有効性を評価している.実験結果より,本方式により,QoSが向上することを確認している.
IEEE802.1 AVBは,イーサネット上でオーディオやビデオなどのマルチメディアのストリームトラフィックを伝送するための規格であり,あらゆるマルチメディア機器を接続するためのバックボーン網を提供するものである.IEEE802.1 AVBでは,低遅延,時刻同期,帯域確保の3つを目標仕様としており,産業用のIoTや,車載ネットワークでも採用されている.IEEE802.1 AVBは現在も標準化が進められており,また対応機器も充分ではない.また,IEEE802.1 AVBはデータリンク層のプロトコルであり,下位の物理層において過度なトラヒックが流入した場合の性能は明らかになっていない.本研究では,過負荷環境下でのIEEE802.1 AVBに対応のスイッチで構成されたネットワーク上での動画ストリーム配信に対し,QoSを評価する.また,従来のQoS制御との併用についても併せて検討する.
近年,無線LANを介して,インターネットの主流なサービスであるWebサービスを利用する機会が多くなっている.Webサービスに限らず,無線LAN上でユーザが増加すると,無線LAN上での輻輳によるサービス品質(Quality of Service; QoS) の劣化が問題となる.特に,サービスの良し悪しを最終的に決定するのはユーザであるので,ユーザの体感品質 (Quality of Experience; QoE) の劣化も考えなければならない.したがって,無線LAN上で品質の高いWebサービスを利用するためには,Webサービスの体感品質(WebQoE)を基にQoSを制御していくことが必要となる.\par
前述の制御の1つとして,\cite{2018}はIEEE802.11g無線LANにおいてQoEを向上させる最適な最大伝送速度の値をWebサービスごとに求めている.しかしながら,\cite{2018}は1つの無線LANアクセスポイントを複数のユーザが利用することを想定していない.そこで,本研究では,複数のユーザが存在する状況下で,WebQoEに基づいた最適な伝送速度の値を実験により調査する.
QoEに大きく影響するWebページロード時間(PLT)に注目し,HTTP/2接続集約に基づき,PLTの短縮を目的とする.
本研究では,ServiceWorkerが持つ要求への割り込み機能を用い,コンテンツ変更を必要とせず,従来手法では困難であった動的Webページにおいても,安全で完全なHTTP/2接続集約を実現した.
さらに,集約接続上ではログ解析によるクロスオリジンサーバプッシュが実現可能であることを指摘した.
完全な接続集約によるオーバヘッド削減・効率向上と,クロスオリジンサーバプッシュの実現により,従来手法と比較して,最大32%のPLT短縮効果があることを確認した.
近年, 無線通信端末の高性能化により手軽にネットワークにアクセスし情報交換を行うことが可能となった. しかし災害時に基地局が停止した場合や通信圏外にある場合, 多くの移動端末では通信ができない. その場合多数の端末間で直接通信を行うことで,接続状態が不安定な環境においても2端末間の通信が可能になる.
本研究では, 伝染病のようにメッセージを複製・拡散させ宛先へ到達させる手法 (エピデミックルーティング) を用いて, 無駄な重複メッセージを削除するパケットを送信するワクチン手法 [1] を改良し, 各端末のストレージ容量を確保しつつ移動体端末間の直接通信による効率的なデータ転送を行う手法を提案する.
B-17. スマート無線
3月20日 13:30〜15:30 52号館 304教室 座長 齋藤利行(日立)
B-17-1 |
ランデブチャネル完了確率を満たすスレーブの選択チャネル最適化
◎西尾勇樹・田久 修(信州大)・征矢隼人(neko9 Laboratories)・笹森文仁・半田志郎(信州大) |
B-17-2 |
無線LANのパケット解析による隠れ端末状態の識別法
◎神尾明典・田久 修(信州大)・太田真衣(福岡大)・藤井威生(電通大)・笹森文仁・半田志郎(信州大) |
B-17-3 |
電波環境モニタリングを活用した920MHz帯無線ネットワーク最適化の検討
○須藤浩章・小坂和裕・小谷暁彦・下条則之・安永 毅(パナソニック) |
近年,無線通信機器の爆発的な普及に伴って周波数資源の枯渇が問題視されている.そこで,無線端末が開拓的に周波数資源を利用するコグニティブ無線が注目されている.コグニティブ無線では,二つの端末(マスタとスレーブ)アクセスチャネルが異なり通信が確立できない.そこで,マスタとスレーブが同じチャネルを選択するため制御信号を交換するプロトコルをランデブチャネルという.
本研究では,一定のスロット時間内にランデブチャネルが完了する達成確率を導出し,スロット時間を最小にするためのスレーブの選択チャネル最適化を検討した.
現在無線LAN(LAN:Local Area Network)は,家庭やオフィスなど様々なケースで活用されている.本稿はそのケースの中でも工場内,生産工場内という限定的な環境下での無線利用に注目した.利用シーンとしては,工場内の生産ライン上の決められた場所に配置される計画配置が可能である.しかしこのような環境における同一チャネル共有では,互いの信号が不検出となりパケット衝突が発生する隠れ端末状態になる可能性がある.そこで本稿は,パケット解析から隠れ端末状態を判断する基準を確立した.
920MHz帯は免許不要で、RFID等と周波数共用している帯域であり、複数規格の無線システム間での電波干渉問題が懸念される。このため、管理下の無線ノードの干渉量を制御し、NW全体の通信量を最大化するコンセプトが提案されている。本報告では、管理下NWの電波状況に加え、管理外NWからの電波干渉や他システムからの電波雑音情報により、電波環境を分析した結果を活用した920MHz帯無線NW全体の最適化に関する検討を行ったので報告する。
休 憩(14:30 再開) 座長 坂本剛憲(パナソニック)
B-17-4 |
電波環境に対応した最適通信方式選択技術の研究概要
○清水 聡・栗原拓哉・阿野 進・矢野一人・鈴木義規(ATR)・島崎安徳・須藤浩章・安永 毅(パナソニック)・西森健太郎(新潟大) |
B-17-5 |
クラスタリングによる干渉量計算の効率化に関する初期検討
◎森本涼太・岩井誠人(同志社大)・栗原拓哉・清水 聡・鈴木義規(ATR) |
B-17-6 |
周波数共用システムの帯域外雑音低減によるシステム間干渉制御
◎上田恭平・冨里 繁・上原一浩(岡山大)・清水 聡・鈴木義規(ATR) |
B-17-7 |
機械学習による無線アプリケーションのQoS非充足確率予測
◎菅 宣理・東森敏英・矢野一人・ウェバー ジュリアン・江頭直人・鈴木義規(ATR) |
電波干渉・電波雑音が増加する環境下で,筆者らは特に920MHz帯,2.4GHz帯,5GHz帯のアンライセンスバンドにおいて管理下の無線機の通信パラメータや通信経路を制御することで,一定の干渉を許容しつつ,全体的な通信量を最大化する技術関する研究を開始した.
本稿は,そのような電波環境に対応した最適通信方式の選択技術に関する研究の概要と進捗状況を述べる.
管理下無線ノードの送信電力を制御し干渉を抑制することで複数の無線ノードによる同時・同一周波数帯域を用いる通信全体の品質を維持する方式において、各無線ノードからの干渉を個々に見積もって総干渉量を推定する場合にはその計算負荷が問題となる。この問題に対して、同程度の干渉を与える複数の近接無線ノードをクラスタリングし、代表干渉ノードのみの干渉電力をクラスタリングエリア内に存在するノード数倍して、総干渉量を推定するような計算の効率化を検討する。本報告ではこの手法の初期検討として簡単な干渉ノード配置モデルを想定し、この環境におけるクラスタリングが可能な範囲を定量的に示す。
管理下の無線ノードの干渉量を制御し,ネットワーク全体の通信量を最大化するコンセプトが提案されている.その際,周波数利用の高効率化を実現する技術の一つとして,複数のシステム間で使用周波数帯を共用する周波数共用技術がある.本研究では,このような周波数共用システムにおいて,帯域使用状況に応じた帯域幅制御により帯域外雑音を低減した場合のシステム間干渉低減効果を計算機シミュレーションにより明らかにする.評価結果から,マルチバンドシステムに適応帯域幅制御を用いることで,周波数帯を共用する他のシステムへの干渉をより効果的に低減できることを明らかにした.
工場等の狭空間では工作機械・製品・作業員等の移動に伴う伝搬環境の変化や,複数の無線アプリケーション間の干渉等により想定外の通信品質(QoS)低下が発生し,生産性が低下してしまう.
そのため,所要QoSが非充足となる前に回避行動をとることが必要となるが,その実現にはQoS非充足となることの予測が必要となるため,本稿ではこれを実現する手法を提案し,計算機シミュレーションによりその有効性を示す.
3月21日 13:15〜15:30 52号館 304教室 座長 大島浩嗣(構造計画研)
B-17-8 |
クラウドセンシングにおける移動端末間データ集約によるデータ収集遅延の調査
○玉井森彦・吉岡達哉・長谷川晃朗・鈴木信雄(ATR) |
B-17-9 |
プライマリユーザの許容SINRを用いた周波数共用システム
◎細井宏樹・前山利幸(拓殖大)・吉岡達哉・鈴木信雄(ATR) |
B-17-10 |
5G ホットスポットにおけるソフトウェア無線を用いた周波数共用可否判定
○前山利幸・吉岡達哉・細井宏樹・鈴木信雄(ATR) |
B-17-11 |
ブロックチェーンによる周波数共用調停の改善
○鈴木信雄・吉岡達哉・前山利幸(ATR) |
多数のスマートフォン等の移動端末を用いて無線周波数の利用状況等を収集するクラウドセンシングシステムの研究開発を行っている.アップロードトラフィック量削減のため,端末どうしが移動に伴い偶然遭遇する機会を利用して端末間通信を行いデータを集約する方式について検討しているが,集約性能を向上するためには相応のデータ収集遅延が生じることが懸念される.本稿では,データ集約性能とデータ収集遅延との関係について調査した結果を報告する.
6GHz以下の周波数帯を時間や場所に応じて動的に共用利用する技術の研究が進められている.このとき二次利用者は一次利用者に影響を与えないように共用可能範囲を決定する必要がある.共用可能範囲の決定手法について一次利用者の無線システムの許容SINRの情報を用いた手法が提案されている.これは従来二次利用者の共用可能範囲を一次利用者の電力の雑音レベルをしきい値として決定していたのに対し,一次利用者の無線システムの許容SINRの情報を用いてしきい値を緩和することで共用可能範囲の拡大を狙ったものである.本稿では上記の手法を用いた時の共用可能範囲の変化について比較を行った.比較の結果,共用可能領域は大きく拡大したことが確認できた.
6GHz 帯以下の無線システムを対象として,動的周波数共用システムの検討を進めている.
二次利用者は,一次利用者の使用していない時間・場所で共用する.
一次利用者の利用範囲の決定方法として,我々は一次利用者の現実的な許容 SINR(signal to interference and noise power ratio)を考慮した決定方法を提案した.本稿ではソフトウェア無線機を用いて 本決定方法を実現し,5G ホットスポットとして想定される池袋に おいて実測データを用いた共用可否判定を行った結果を報告 する.
5Gでは,多くの性能要求を満たすため,さらなる周波数資源の確保が必要とされている.周波数の有効利用を図る方策の一つに周波数共用技術がある.著者らは,広範囲の周波数センシングを用いて任意の時刻と周波数を対象とした動的な周波数共用技術を提案している.動的な周波数共用を実現するためには,Primary User(PU)とSecondary User(SU)の間で空き周波数利用に関する調停が必要である.一方で,仮想通貨に代表されるような分散リソースの高信頼な調停技術を使ったサービスが多く提案されている.代表的な技術にブロックチェーンがある.本稿では,既存のブロックチェーンを使った周波数共用調停技術における課題を明らかにし,著者らの提案する動的周波数共用技術を使った改善策を提案する.
休 憩(14:30 再開) 座長 田久 修(信州大)
B-17-12 |
屋内環境における基地局共用時のスループット性能に関する一検討
○村上 誉・石津健太郎・児島史秀(NICT) |
B-17-13 |
鉄道車両内におけるミリ波帯 WBAN の通信路容量の評価
◎横内汰地・秋元浩平・本良瑞樹・亀田 卓・末松憲治(東北大) |
B-17-14 |
雑音除去自己符号化器を備える深層学習型の変調方式識別法
◎山下靖貴・内田 繁・岡村 敦(三菱電機) |
B-17-15 |
ディジタルRF送信機に向けたIIR Filterの並列化
○前畠 貴(住友電工)・本良瑞樹・亀田 卓・末松憲治(東北大) |
筆者らは,第5世代移動通信システム(5G)においてプライベート空間にマイクロセル基地局を設置可能とし,それらを「共用基地局」として既存の通信事業者と共用可能とする方式の提案行っている.これまで,屋外において3つの事業者が基地局のチャネルの一部を開放した際の全体のスループット向上率の評価を行ってきた.
屋内空間の全ての部屋に基地局を設置することは現実的ではなく,遮蔽物による減衰を考えるとより厳しい通信環境になるユーザは多くなると想定される.そこで本稿では,屋内空間における共用の効果を評価した.
我々はこれまでミリ波帯WBAN がWBAN 間干渉に効果的であることをユーザがランダムに存在する場合において示してきた[1].しかし,乗車率の高い通勤電車のような混雑環境ではより干渉電力が増加し通信路容量が確保できない可能性がある.そこで本稿では,混雑した鉄道車両内を想定したモデルでWBAN 間干渉電力と通信路容量を評価した.鉄道車両内の最も干渉量の多いユーザにおいても通信路容量を確保できることから混雑環境においてもミリ波帯WBAN が干渉抑制に効果的であることを示した.
受信信号の変調方式識別は,コグニティブ無線や電波監視といった分野において,無線通信の状況を分析する要素技術として重要である.本稿では,雑音除去自己符号化器による雑音除去を行った特徴量と入力信号を畳み込みニューラルネットワークの入力として変調方式を識別する手法により,従来手法と比較して信号対雑音比 0dB での識別率が10%改善することを示す.
1ビットBP-DSMの実現に向けて基礎技術となる Gs/s で動作可能なディジタルフィルタ、特に巡回型ディジタルフィルタ(IIR)の並列化について報告する。
B-18. 知的環境とセンサネットワーク
3月19日 13:00〜17:00 52号館 303教室 座長 岩井将行(東京電機大)
B-18-1 |
WLAN 信号を用いた屋外人体センシングシステムの初期評価
○宮﨑雅彦・石田繁巳・福田 晃(九大)・村上友規・大槻信也(NTT) |
B-18-2 |
位置指紋法における複数端末による校正手法の検討
◎岩舘武寛・小林秀幸(仙台高専) |
B-18-3 |
増幅器の非線形歪を考慮した屋内位置推定と端末識別
◎中田大誠・宮路祐一・上原秀幸(豊橋技科大) |
B-18-4 |
BLE測位精度向上に向けた2段階チャネル区別測位の初期評価
◎山本貴宏・石田繁巳(九大)・田頭茂明(関西大)・福田 晃(九大) |
B-18-5 |
省電力無線タグのモデルベース受信電力推定データを用いた深層学習に基づく屋外位置推定方式に関する一検討
○治京拓人・山西雄大・高木由美・太田 能・大川剛直・西出 亮・大山憲二・鎌田十三郎(神戸大) |
B-18-6 |
省電力無線タグ受信電力に基づく時系列を考慮した深層学習による屋外位置推定
○山西雄大・治京拓人・高木由美・鎌田十三郎・太田 能・西出 亮・大山憲二・大川剛直(神戸大) |
B-18-7 |
ニューラルネットワークを用いた室内アラーム音の報知システムの提案
◎門倉 丈・柳谷吉風・渡辺滉平・須藤康裕・田中 博(神奈川工科大)・小川雛子・酒屋尚子・小林潤一郎(田園調布雙葉高等学校) |
B-18-8 |
時系列IoTデータのための複数NAS統合型ファイルシステムのプロトタイプ実装
◎岡田隆三(静岡大)・荒井研一・小林 透(長崎大)・倉田成人(筑波技術大)・大島 純(静岡大)・渡辺 尚・猿渡俊介(阪大) |
WLAN通信における伝搬環境の変化から人体の所在や動作をセンシングする手法が提案されている.これらの手法ではIEEE802.11n/acのWLANシステムにおいてOFDMサブキャリア単位の受信電力や位相情報を含む伝搬チャネル情報(CSI: Channel State Information)を取得し,その変化を解析することでセンシングを行う.これまでに提案されている手法は屋内空間を対象としているが,屋外で用いる場合にはマルチパスが少ないためにセンシングが困難となることが予想される.本稿では,WLAN信号を用いた屋外環境下における人体センシングに向けたセンシングシステムWohd(WLAN Outdoor Human Detector)を提案する.Wohdの性能評価のため屋外での実証実験を行なった結果,特定のデバイス設置環境で96.40%の高い精度で人体を検出した.
人やモノの位置を推定し,活用することは人物の捜索や目的の場所への案内において重要である.屋外の位置推定ではGPSが普及しているが,屋内での位置推定は電波が届かないことから難しいため,様々な手法が研究されてきた.本研究では位置指紋法に着目し,校正における位置指紋収集を複数端末で行うことを提案する.しかし,端末毎に取得するRSSIは,ばらつきがあることが報告されている.本稿では,電波暗室内で有意差があることを確認した2台の端末で, 1台で作成した位置指紋と,2台の端末で作成した位置指紋の比較を行う.廊下の16地点で位置指紋をそれぞれ作成し,比較したところ,13地点で有意差がないことが確認できたので報告する.
屋内における位置推定方式に,電波位置指紋方式がある.この方式は,予め設定した学習地点で受信信号強度(Received Signal Strength Indicator: RSSI)を測定し,実際に位置情報を知りたい端末から取得したRSSI と比較を行うことで位置を推定する.しかし,RSSIは増幅器などの個体差の影響を受けるため,端末ごとに異なるRSSIとなり精度が低下する問題がある.一方で,増幅器の個体差を利用する研究として,増幅器に含まれる非線形歪を利用した端末識別が提案されている.この手法は,測定用信号の一つであるLogarithmic-Swept Sine(Log-SS)信号によって非線形歪を分離,測定できることを識別に利用している.本研究ではこの識別手法を応用し,増幅器に含まれる非線形歪を補正した端末の個体差に依存しない位置推定と端末識別を同時に行う手法を提案する.また,シミュレーションにより位置推定および端末識別の精度を評価する.
屋内ではGPS(Global Positioning System)が利用できないため,BLE(Bluetooth Low Energy)を用いた屋内測位が研究されている.BLEはRSS(Received Signal Strength)を周波数の大きく離れた3つのアドバタイジングチャネルによって取得し,区別せずに統合して用いるため測位精度が低いという課題が存在する.先行研究として,筆者らはアドバタイジングチャネルを区別するBLEチャネル区別測位を開発し,測位精度の向上を行った.本稿では,BLE測位精度のさらなる向上に向けてチャネルを区別しないチャネル統合測位とチャネル区別測位を段階的に用いる2段階チャネル区別測位を提案し,評価を行う.実証評価により,提案手法による測位精度がチャネル区別測位と比較して約22%向上することを確認した.
我々は,BLEのRSSIを用いて屋外環境下で牛の位置情報を取得する研究を行っている.省電力無線を用いた位置推定の既存研究としてフィンガープリント法や深層学習を用いた方法があるが,これらは,屋外において計測地点が多くなるため,データを揃えるためにコストが大きくなったり,取得できたとしてもデータベースが大規模化したりする問題があった.そこで我々は,放牧場における受信電力測定環境をモデル化した仮想空間を用いて大量の学習データを作成,DNNに学習させ,さらに,実空間のデータで追加学習させることにより,平均距離誤差7m~9m程度,最大距離誤差30m~5m程度での屋外位置推定を実現した.
我々は,牛の社会性に着目し,放牧牛間のインタラクションから発情や異常を検知することを試みている.この牛間インタラクション抽出は,牛の位置を数秒ごとに取得できれば可能であり,GPSを装着すれば容易に実現できる.しかし,容量の大きいバッテリを用いてもおよそ二週間で交換する必要があり,メンテナンスコストが負担となる.そこで我々は,コイン型電池でも1年以上駆動するBLEタグを牛に装着,BLEタグが発するビーコンを周囲に配置したレシーバで受信し,その受信電波強度(RSSI)から牛の位置を推定するアプローチついて検討した.RSSI時系列データの深層学習により位置を推定し,その結果誤差の平均が7.61 m になったことが確認できた.
ガス漏れ,来客ベルなど音によって人に通知する装置は多々ある.聴覚に障がいのある人や耳が遠くなった人に向けて,音ではなく光などで通知する装置があるが,個別の装置であるとともに特殊な機器として高価である.本報告では,機械学習の技術をベースに室内の各種アラーム音を一元的に識別し,ユーザの端末にその発生を報知するシステムについて検討した結果を述べる.
筆者らは,軍艦島において崩壊中の建築構造物のデータを取得する軍艦島モニタリングに取り組んでいる.軍艦島モニタリングを進める過程で,日々増加し続けるデータを安価かつ効率的に管理することができるファイルシステムが必要になった.本稿では,安価かつ簡単に拡張でき,既存のソフトウェアをそのまま使用することができるNAS統合型ファイルシステム「Sensor Data File System (SDFS)」の実装について述べる.プロトタイプ実装において,SDFSを利用する場合と直接アクセスする場合で,読み込みと書き込みのスループットを計測した結果,SDFSは直接アクセスする場合と同等の性能を達成した.
休 憩(15:15 再開) 座長 岡田 啓(名大)
B-18-9 |
秋田県由利本荘市に点在するハウスを管理可能なLPWAネットワークの検討
◎見舘空椰・橋浦康一郎・飯田一朗・草苅良至(秋田県立大) |
B-18-10 |
変形擬直交M系列対を用いるROD-WSNにおけるノード間干渉の影響
◎今泉 豊・羽渕裕真(茨城大)・橋浦康一郎(秋田県立大) |
B-18-11 |
Spectrogram-based Noncontact RRI Estimation with Viterbi Algorithm
◎Win Thu Zar・Kohei Yamamoto・Tomoaki Ohtsuki(Keio Univ.) |
B-18-12 |
スペクトログラムに基づく非接触型心拍検出法の精度改善
◎山本幸平・豊田健太郎・大槻知明(慶大) |
B-18-13 |
ドップラーセンサを用いた心拍推定時の適応ガードセル長を適用した CA-CFAR による体動起因雑音低減
◎△廣松亮祐・大槻知明・豊田健太郎・山本幸平(慶大) |
B-18-14 |
電波利用状況監視に向けた電波強度推定モデルおよびセンサ配置によるセンサ数削減の一検討
◎佐々木克仁・朱 桂兵・成末義哲(東大)・温 太銘・邱 碧貞(ITRI)・森川博之・廖 椿豪・サクデーシャヨン ティラット(東大) |
B-18-15 |
無線LAN環境におけるリアルタイムサイトサーベイの実現
○熱田 隆・高橋弘樹・落合庸央(モバイルテクノ) |
秋田県における農業の問題点として, 農家一戸当たりの耕地面積が大きく, 各ビニールハウス1 つ1 つを見回る必要があるため, 管理に手間と時間がかかることが挙げられる. この問題に対して,著者らは秋田県由利本荘市内に点在するビニールハウスをLoraWAN を用いて, ハウス内の気温等を収集するシステムを検討している. そこで本稿ではシステム実現のため, 由利本荘市内でのLoraWAN モジュールを用いた電波伝搬損失の測定を行った.測定の結果,由利本荘市の電波伝搬損失について,送信機の高さが30[m]程度であれば奥村秦モデルの適用が可能であることを確認した.
オンデマンド型無線ネットワーク(ROD-WSN)は, シンクノードがウェイクアップ信号を送信し, センサノードがそのウェイクアップ信号によりセンシング情報を送信するものであり, センサノード寿命を延ばすものである. ROD-WSN は起動ノード数の制御と複数ノード起動によるノード間干渉の二つの問題を有している. その解決手法として, ID マッチングを用いるシステムやマルチキャリア符号分割多元接続を用いるシステムが検討されている. これまで著者らは, リバースリンクにおいて, 同一情報を持つパケットが複数存在することに着目し, それらのパケットを合成することにより性能改善が図れることを示してきた. 本稿では, これまでの方式において, 同一キャリアで異なる情報を持つパケットの影響についてシミュレーションにより検討する.
A variation of R-R interval (RRI) can represent mental stress conditions and heart diseases. In our previous work, we have proposed a Doppler sensor-based RRI estimation method with a spectrogram. In this method, RRIs are estimated by detecting peaks of the spectrum integrated on a spectrogram. However, undesired peaks sometimes appear, which cause the incorrect peak detection. To deal with this problem, in this report, we propose a spectrogram-based noncontact RRI estimation method with the Viterbi algorithm. The Viterbi algorithm is the algorithm to produce a maximum likelihood estimates, and it has been applied to the filtered received signal of a Doppler sensor for the heartbeat detection in the work. In the proposed method, the Viterbi algorithm is applied to the peak candidates obtained from the integrated spectrum.
我々は以前, ドップラーセンサを用いたスペクトログラムに基づく心拍検出法を提案した. この手法では, ドップラーセンサの受信信号からスペクトログラムを算出して, 心拍に相当する周波数帯のスペクトルを積分し, 最小ピーク間隔を600 msとして積分値のピークを心拍として検出する. しかし, 被験者が静止していても, 体の揺らぎや呼吸の影響などにより非心拍に起因するピークが生じ, ピークを誤検出するという問題がある. 本稿では, 高精度なピーク検出アルゴリズムを提案し, 従来のスペクトログラムに基づく心拍検出法の検出精度を改善する.
心拍間隔変動からストレスを推定できることが知られている.そのため被験者の負担が少ない,ドップラーセンサによる非接触心拍間隔推定法が数多く研究されている.しかし,既存手法は体動の影響により,十分な推定精度が得られない課題がある.本研究ではレーダ信号の誤検出を防ぐために用いられるCA-CFAR (Cell Average-Constant False Alarm Rate) をドップラーセンサの受信信号に適用することで,体動起因の雑音を低減する手法を提案する.また,CA-CFAR のパラメータの一つであるガードセル長を一区間前に推定された心拍間隔に応じて適応的に設定することで,体動の影響をさらに低減する.特性評価により,ガードセル長を固定した従来手法と比較し,提案法は心拍間隔の推定精度を改善することを示した.
基地局設置の計画や無線環境を利用した屋内位置推定に向けて,高精度な電波環境マップを継続的に構築することは欠かせない.
一方で,実用を考えると,電波強度を計測する無線センサを無闇に多数設置することは,コストの増大を招き現実的でない.
本研究では,スペースの一部の点における計測値から全体の電波強度を予測する技術の検討を行う.具体的には,時変動に対応した機械 学習による予測モデル,および予測に用いる計測点の選択,すなわち無線センサの配置箇所の導出を行う.本手法で導出した配置箇所に無線センサを配置し,それらから得る計測値をモデルに入力して全体の電波強度を予測する.
工場等へのIoT機器の導入にあたり無線LANアクセスポイントの置局を検討するため,導入エリアのサイトサーベイが実施される.著者らは,同期された無線LANネットワークを用いて,エリア内に配置された複数の測定端末が同時にかつ連続して測定するリアルタイムサイトサーベイシステムを開発した.本システムは1km四方程度のエリアまで適用できるが,配置場所や配置台数を制限されると測定端末の配置が疎になると考えられ,未測定点の補間が課題となる.本稿では未測定点の無線環境の推定にベイズ推論の適用を提案し,実証実験による推定精度の評価結果を報告する.
3月20日 9:00〜11:45 52号館 303教室 座長 門田和也(日立)
B-18-16 |
不達情報を用いたスロット割り当てによる同時送信フラッディングを利用した情報収集の効率化
◎菊地駿太・朱 桂兵・廖 椿豪・サクデーシャヨン ティラット・成末義哲・森川博之(東大) |
B-18-17 |
MANETにおけるシーケンス番号予測を用いたブラックホール攻撃の実装
◎寺井 健・Alberto Gallegos Ramonet・野口 拓(立命館大) |
B-18-18 |
スモールワールドネットワークモデルを用いたアドホックネットワークにおけるルーティングプロトコル
◎河端太幹・小林 匠・河野隆二(横浜国大) |
B-18-19 |
A Mode Switching Mechanism Aimed to Balance Transmission Performances and Power Consumption for LoRa PHY Used Mesh Sensor Networks
○Ou Zhao・Wei-Shun Liao・Kentaro Ishizu・Fumihide Kojima(NICT) |
B-18-20 |
Adaptive Parameter Adjustment for Uplink Transmission in Multi-gateway LoRa Systems
○Wei-Shun Liao・Ou Zhao・Kentaro Ishizu・Fumihide Kojima(NICT) |
既存の同時送信フラッディング(CTF)では,複数のソースノードが一斉にフラッディングを行うと,一部のパケットが不達となるため,1つのスロットに1つのソースノードのみを割り当てていた.
本研究では,ソースノードの組み合わせによっては不達を大きく減らせることに着目し,複数のソースノードを1スロットに割り当てる手法を検討している.
ソースノードを複数にする影響を評価し,トポロジ情報の不要でかつパケットの不達を減らせる手法を検討し,同時送信フラッディングの効率化を図っている.
モバイルアドホックネットワーク(MANET)における深刻な脅威の一つであるブラックホール攻撃(BH攻撃)に対する検知・防御技術の重要性が高まっている.様々なBH攻撃手法に対して有効な本質的な検知・防御技術を確立するためには,BH攻撃として考えうる攻撃パターンを明らかにする必要がある.今後のMANETにおけるセキュリティの向上のために,本稿では,シーケンス番号予測を用いた新たなBH攻撃を実装・評価し,既存防御法に対する危険性を明らかにする.
近年,既存のインフラストラクチャに依存せず端末同士で相互通信を可能にするアドホックネットワーク技術が注目されている.アドホックネットワークの用途の一つとして,災害発生といった非常時における通信がある. 緊急時における救助活動では通信の遅延時間が問題となる.本研究では,複雑 ネットワーク理論におけるスモールワールドネットワークモデルを用いることで通信する際のホップ数を減少させ,遅延を減少させることを目指す.
In mesh networks, due to average access distance decreases as increasing of number of devices in relays, transmission performances are improved while more power is consumed. To balance performance and power consumption, we propose a mode switching mechanism (MSM) for mesh sensor networks using LoRa PHY.
In this paper, we want to propose an effective method, which can select gateway and allocate SF with consideration of lowing packet error rate (PER) in multi-gateway LoRa systems.
休 憩(10:30 再開) 座長 西村康孝(KDDI総合研究所)
B-18-21 |
等距離射影時系列に基づく走行モニタリング用送電指向性制御方式
○藤井正明・辻 直樹・増田重巳(ミネベアミツミ) |
B-18-22 |
Battery-less Wireless Sensor Module using RF Resonant Electromagnetic Coupling
◎Zixuan Li・Yifan Wang・Kaede Miyauchi・Noboru Ishihara・Hiroyuki Ito(Tokyo Tech) |
B-18-23 |
エナジーハーベスタを用いた効率的な電源制御と汎用性を高めるデバイス設計手法の開発
○川崎健一・中本裕之(富士通研) |
B-18-24 |
HEMSにおけるフライコイル型スコープWPTの実モデル検証
◎禿 優希・吉川 隆(近畿大高専) |
B-18-25 |
ポリアミン検出のための使い捨て電気化学センサの検討
◎野崎 悦(東大)・北隅優希(京大)・太田宏一・栗原 新(石川県立大)・加納健司(京大)・川原圭博(東大) |
社会インフラ構造物のヘルスモニタリングを効率的に行うには高速移動計測車からバッテリレス·ワイヤレスセンサへのマイクロ波電力伝送が有効である[1]。今回、対象物の魚眼レンズ等距離射影時系列に基づいて垂直方向素子同相給電平面アンテナアレーの水平方向指向性制御を行う方式を提案する。提案方式を用いて走行コースモデルにおける累積受電量及び想定走行コースからのずれの影響を計算機シミュレーションにより評価したので報告する。
In this report, we focus on RF resonant electromagnetic coupling technique and report on successful implementation of battery-less wireless sensor module that is suitable for short range sensing such in the medical applications.
膨大な数のデバイスを安価に管理できるIoTシステムを運用するにあたって、ハーベスタによって得られるエネルギーを効率的に使いこなすための電源制御技術と、使用できるデバイスの汎用性を高める設計手法として、センサ部分を取り換え可能にする構成について述べる。
我々はHEMSの普及を促すべく,センサネットワークを用いたHEMSの実現に向けて研究を行っている。センサネットワークを用いる際,センサノードへの電源供給をどうするかが鍵となる。一つのアプローチとしてこれまでエネルギーハーベスティングを用いた電源確保の研究を行ってきたが,宅内にはハーベスティングが不可能なシャドーゾーンが存在する。その問題を解決するためWPTによる電源確保について検討を進めている。本研究において,ある一定の距離区間に於いてシンプルな受信コイルにて,HEMS成立条件を満足する十分なパワーを受信できるための中継コイルの設置方法について検討を行った。
腸内細菌の代謝産物の一つであるポリアミンは,我々の健康と疾病の双方に深い影響を及ぼしていることが近年世界中の研究者によって報告されている.特に,腸内のプトレッシン濃度(ポリアミンの一種)の増加が慢性炎症を抑制し寿命の伸長に寄与すること,また加齢による記憶力低下を防止する効果があることがマウスでの実験を通じて報告されている.よって,腸内のポリアミン,特にプトレッシンを日常的にモニタリングし,食習慣を改善するなどしてその濃度を適正に維持することは,我々人間の健康維持にとって大きな意味を持つと期待される. 我々は糞便中のポリアミン濃度を検査機関を通さずとも家庭で簡便かつ安価に測定可能な手法の研究を進めている.本稿では,測定電極を使い捨てにすることを見据えて,印刷技術を用いて製造可能な平面状の小型センサ電極を提案し,バッファ中のプトレッシン濃度を測定することでその特性を評価した.
3月20日 13:00〜16:45 52号館 303教室 座長 藤田裕志(富士通研)
B-18-26 |
ワイヤレスセンシングを用いた獣流推定システムの検討
○小野 悟(東大)・猿渡俊介・渡辺 尚(阪大) |
B-18-27 |
加速度計を用いた犬の多様な行動の認識
◎武居美佳・森 克宏・戸辺義人(青学大)・川瀬純也・小林博樹(東大) |
B-18-28 |
加速度センサを用いた害獣侵入防護柵監視手法の検討
◎加藤拓也・野垣内 出・宇都宮栄二(KDDI総合研究所) |
B-18-29 |
設置円滑性に優れた車両検出システムの試作
◎恋塚 葵・加藤拓也・宇都宮栄二(KDDI総合研究所) |
B-18-30 |
登山者位置情報共有ネットワークシステムの実証実験報告
○石坂圭吾・小林 香(富山県立大)・本真義博(北陸電気工業)・小栗悠兵(富山県立大) |
B-18-31 |
ビーコンによる近隣探索プロトコルを用いた児童歩行者向け車両接近注意喚起システムの開発
◎酒造 孝・渡辺良人・荘司洋三(NICT) |
B-18-32 |
心拍変動を用いた思春期の子供のスポーツにおける緊張感の評価
○鈴木窓香(東京理科大)・大槻知明(慶大) |
B-18-33 |
FMCW レーダを用いたトイレ内異常検知
◎高畠 航・大槻知明・豊田健太郎・山本幸平(慶大)・柴田洋平・長手厚史(ソフトバンク) |
近年,鹿や猪等の大型鳥獣が増えすぎることによって自然界の生態系が乱れ始めている.大型鳥獣による獣害は森林の植生消失や農作物への被害等,農山村に深刻な影響を与え,大きな社会問題になっている.本研究は,大型鳥獣の銃猟による駆除を行うハンターを支援するために,ワイヤレスセンシング技術を用いた大型鳥獣の存在や位置を推定するシステム構築を目的とする.本発表では,システムの全体像と利用するワイヤレスセンシング技術に関する検討結果について報告する.
犬は人のパートナーでもあり,その行動を実時間で認識できることは意義深い.本研究では,実時間認識に向けて,加速度計を用いて多様な行動を認識が可能な簡素なアルゴリズムを確立することを目指す.
本稿では,山間部におけるポリエチレン製網柵に対する,加速度センサを用いた衝撃・破損検知手法の検討を行う.通常,加速度センサを用いた衝撃検知では,消費電力を抑えるために,一定以上の加速度変化があった場合に通信部を駆動させてデータを送信する.しかし,ポリエチレン製網柵はその柔軟性から振動が減衰しやすいため,センサをある程度密に配置しないと衝撃を検知できない可能性がある.そこで,網柵に連続的に配置した加速度センサにより獣衝突による衝撃の伝搬性を試験し,衝撃検知における適切な加速度閾値を考察する.
ITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)において,走行する車両の台数のカウントは,交通状況を把握する上で重要な要素の一つである.このような車両カウンタは「高精度」である他に,多様な環境へ多数の設置が想定されるため「省スペース」,「安価」といった要件を満たさなければならない.既存の車両検出技術として,ループコイルや磁気センサ,マイクロフォン,マイクロ波レーダなどを用いたものがある.しかしながら,これらはカウンタの設置に工事が必要であることやカウンタのサイズ・価格の面で以上の要件を満たすことが難しい.これらに対し,本稿では光学式測距センサを用いた車両検出システムを示し,コンパクトかつ安価で設置円滑性に優れたカウンタにより,人や自転車が通過する環境下においてF値0.92の車両検出精度が得られたことを報告する.
現在,登山者人口の増大に伴い,山岳遭難事故件数も増加している.そこで,山岳遭難事故に迅速に対応するために,無線技術を用いた登山者の位置を検知する様々な試みが行われている. 本研究では,山岳領域での伝搬特性に優れており,位置情報伝達が可能である150 MHz帯電波を用い,登山者の位置情報を共有することができるネットワークシステムを開発する.そして,本ネットワークシステムを山域に整備することにより,登山者が道迷いや遭難した場合に,迅速な救助が可能となる.
本講演では,現在開発を進めている登山者位置情共有システムについて説明し,立山・室堂周辺において実施した実証実験の結果について報告する.
自動運転システムの発展に伴い,画像処理方式や,ミリ波レーダー方式を用いた前方障害物の検知による事故回避手法の研究開発が盛んに行われている.これらの手法は,車両から視野内に存在する対象の検出には有効であるが,視野外の注意喚起対象を検出するのは一般的には不可能である.一方,高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems; ITS)は視野外の対象の検出に有効ではあるが,そのためのインフラ整備にかかる費用は高価であるため住宅街などでの普及は困難である.また,上述のほとんどのシステムでは歩行者側へ注意喚起を行う手法が十分検討されていない.本稿では,主に子供の歩行者へ車両接近の注意喚起を行うシステムを安価に実現するための,ビーコン端末を用いた近隣探索プロトコルに基づく車両接近注意喚起システムを提案する.
近年,競技スポーツでは,技術や体力面(競技能力)とともに精神面(心理的競技能力)が勝敗に影響する重要な要素として注目されている.競技能力が低下する代表的な要因に「あがり」がある.「あがり」とは自律神経活動亢進にともなう現象で,動作精度を低下させる.思春期はホルモンの影響により精神的に不安定な時期であるため,思春期の子供(13〜15歳頃)は精神面の適切な制御が難しく,指導者からの支援が期待される.支援には,精神状態の把握が重要であるが,思春期の子供の緊張感評価に関する報告は少ない.本稿では,試合などの環境で,思春期の子供がどれほどの緊張感を感じているのかを,心拍変動に基づくストレス指標により評価した結果を報告する.
独居老人の増加により, トイレのようなプライバシ性の高い場所での異常検知法が求められている. トイレ内異常検知法としては, 赤外線センサを用いた手法が提案されているが, 温度や服装次第で検知精度が劣化するという問題がある.提案法は, FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダによる算出距離に基づき, 被験者が静止している時間(異常候補)を推定する. そして, 異常候補及びその直前の動作時間における算出距離及びスペクトルから特徴量を抽出する. 特徴量の抽出後, 機械学習を用いて異常候補を失神しているか否かに識別する.
トイレに見立てた部屋で実験を行い, 提案法が 0.91 の F 値を達成することを確認した.
休 憩(15:15 再開) 座長 山本高至(京大)
B-18-34 |
完全制御型植物工場における環境制御最適化に向けた生育段階によるベイズ最適化の適用手法
◎磯川弘基・繁田 亮・川原圭博(東大) |
B-18-35 |
複合機械学習モデルを用いた時系列センサデータ予測
◎△張 博超・西辻 崇・朝香卓也(首都大東京) |
B-18-36 |
エッジ端末の高効率データ伝送に向けた深層学習による適応的圧縮センシング
○関根理敏・伊加田恵志(OKI) |
B-18-37 |
車々間通信ベースの速度制御による 高速道路の自然渋滞緩和効果の評価 ~ACCとの比較~
○森野博章・榎本博泰(芝浦工大) |
B-18-38 |
農業用無人航空機における飛行経路の最適化に関する検討
○金 帝演(鶴岡高専)・間邊哲也(埼玉大) |
B-18-39 |
無線センサネットワークにおける無線給電機能を持つ移動中継ノードの移動経路に関する検討
○大西 輝・河野隆二(横浜国大) |
完全制御型植物工場における収益性の確保には生育環境の最適化が不可欠であるが,植物の環境に対する応答は未だ詳しく解明されていない.
特に,統計学的な手法を用いるにあたっては,生育データの収集に膨大な時間がかかることに加え,植物の環境応答が時間とともに変化するといった複雑性が問題となっており,実用的な生育環境の最適化手法は確立されていない.
そこで我々は画像処理により植物の生育ステージを同定した上で,各生育ステージに対して,データ数が少ない状況下で特に有効な最適化手法である,ベイズ最適化を適用する.本稿では実際の植物を生育することで,手法の有効性を検証した.
近年,時系列センサデータにおける機械学習又は深層学習を用いた高精度予測技術が注目されている.SARIMA,Random Forest,RNN,Long Short-Term Memory (LSTM)などの単一モデルを用いた時系列センサデータ予測の方式が提案されている.予測の精度を向上するため,複合モデルを用いた予測データの二乗誤差の重みを解くことにより,最終の予測データを計算した手法が提案されている.しかしながら,従来の研究において提案されている手法は予測データが測定データの片側にある場合に有効ではない.そこで,本稿では時系列センサデータの予測精度向上を目的として,Random ForestとLSTMの複合モデルを用いた予測データを結合し,更に一回Random Forestを用いて予測する方式を提案する.提案手法の性能を評価するため,測定データに対する5%誤差率以内の予測データの比率の平均値において提案手法はRandom Forest,LSTMの単一モデルより高いことを確認した.
近年,社会インフラの老朽化の進行に伴い,その維持管理のためのIoTを活用したモニタリングシステムが重要となっている.このようなモニタリングシステムにおいて,長期間・広範囲にわたる高精度なデータ分析を行うためには,一般に大量のセンサデータが必要となる.しかしながら,エッジ端末ではデータ送信量の増加に伴う無線リソースや電力の浪費が発生する可能性がある.そこで本稿では,データ伝送の効率化のために圧縮センシングの圧縮率の最適化制御を行うことを想定する.その場合,計算能力が低いエッジ端末でも低負荷で行えるようにする必要がある.そこでエッジ端末において,深層学習の学習モデルを用いて最適な圧縮率を動的かつ直接的に推定する手法を提案する.
高速道路の渋滞の多くは交通集中によるものであり,NEXCO東日本によればその約4割は上り坂で車両の速度が低下することを契機に発生している.その対策の一つとして,渋滞車群の後方を走行する車両が意図的に減速して車群へ近づき,渋滞を早期に解消する原理が研究されてきた.著者らは通信距離の長い700MHz帯の車々間通信方式ARIB-T109を用いて,これを実現する手法を提案している.別のアプローチとして,一部の車両に搭載されつつあるACC の普及度が高まることで結果的に渋滞の解消につながることが期待されている.本研究では両者が交通流特性に与える効果を比較評価した結果を報告する,
本稿では農業用無人航空機における飛行経路の最適化に関する検討を行う.農業分野における人手不足を解決するために無人航空機の利活用(生育状況把握,農薬散布,環境情報収集など)が盛んに行われている.しかし,無人航空機のバッテリ容量は長時間飛行することが困難であるために効率の良い飛行経路に関する検討が必要である.本稿ではノードが点ではなく,面として考慮した最適経路アルゴリズムを提案し,シミュレーションによる性能評価を行い,提案アルゴリズムの有効性を示した.
近年,フィールド内に配置した多数の線さから無線でセンシング情報の収集を行う WSN(Wireless sensor network)が農業や医療など様々な分野で注目されている.一般的にセンサノードは内蔵したバッテリーのエネルギーを用いて動作するため,エネルギー残量が尽きるとばってりーの交換が必要となる.したがってバッテリー交換の頻度を減少させるため,低消費電力動作を実現可能なアクセス制御方式やルーティングに関する研究が行われている.しかし,低消費電力動作を実現しバッテリー交換の頻度を減少させても必要性自体をなくすことはできない.そのためバッテリー交換を行うことなく WSN を運用する技術として,無線電力伝送を用いることが注目されている.
B-19. 短距離無線通信
3月20日 9:15〜11:45 54号館 102教室 座長 斎藤健太郎(東工大)
B-19-1 |
Prototype Development of Point-to-Point Wireless Communication for pH Water Monitoring
○Budi Rahmadya・Wang Xiaoyan・Masahiro Umehira(Ibaraki Univ.) |
B-19-2 |
マルチビーム基地局を複数使用した場合の通信路容量の改善効果
◎加瀨裕真・関 智弘(日大)・新井麻希・平賀 健・坂元一光・加保貴奈(NTT) |
B-19-3 |
広帯域シングルキャリアにおける周波数依存性IQインバランスのブラインド補償方法
◎森 秀樹・中川匡夫・笹岡直人(鳥取大)・李 斗煥・加保貴奈(NTT) |
B-19-4 |
周期的に動作する機器を対象とした複数端末間の送信タイミング制御方式
◎鮫島景子・三宅裕士・青山哲也・武 啓二郎・岡村 敦(三菱電機) |
A wireless monitoring system requires a reliable communication between transceivers for real-time monitoring. In addition, deployment cost is an important factor, and Zigbee is one of the most widely used technologies for wireless monitoring systems. Low-cost wireless monitoring systems are strongly required nowadays in Indonesia. For example, Maninjau Lake located in West Sumatera has been suffering water quality pollution, which results in high fish mortality.
This situation motivates the authors to develop a point-to-point wireless communication prototype using Zigbee technologies for water monitoring, e.g. pH value. This report describes prototype design and implementation, and field test results carried out in Maninjau Lake.
筆者らは誘電体レンズによるマルチビーム給電回路を用いた基地局システムについて検討している. 本稿では複数の基地局を使用した場合における通信路容量の改善効果について数値解析により明らかにしたので報告する.
無線通信のさらなる高速化を実現するための信号周波数の広帯域化は,直交変調器・直交復調器の位相誤差・振幅誤差(IQインバランス)の受信信号帯域内の周波数偏差を増大させ,信号品質を劣化させる.このような周波数依存性のあるIQインバランスを有するシングルキャリア信号に対するブラインド推定補償技術を提案する.提案構成では判定を時間領域,IQインバランスの推定・補償を周波数領域で行い,その処理を繰り返す.すなわち時間領域と周波数領域にまたがる繰り返し判定指向形アルゴリズムである.シミュレーションによって提案構成による伝送特性改善効果を確認した.
近年,様々な機器の状態を監視する無線ネットワークに注目が集まっている.こうしたネットワークにおいて,各機器で単位時間当たりに発生するデータ量が多い場合には,ネットワーク内の全データを単位時間内に収集するための送信タイミング制御方式が必要となる.しかし,無線ネットワークの遅延低減に関する従来研究では,制御端末が中継端末に対して集中制御を行うものが多い.本稿では,無線マルチホップネットワークにおいて,各端末がネットワーク内の干渉を自律的に回避し,伝送時間を短縮する手法を提案する.
休 憩(10:30 再開) 座長 野田華子(アンリツ)
B-19-5 |
ジャイロセンサと回転不変位相限定相関法(RIPOC)を用いた可視光測位のための手振れ補正
○中澤陽平(学習院大)・牧野秀夫・前田義信(新潟大) |
B-19-6 |
既設マンホール蓋内収容IoT機器の無線特性改善に関する検討
○伴 泰光・甲斐 学(富士通研) |
B-19-7 |
ニュートラルネットワークを用いた伝搬損失予測手法
○金 永日・齋藤健太郎・高田潤一(東工大) |
B-19-8 |
THz帯無線通信システムにおける大気・降雨減衰による回線不稼働率
○畑原勇気・梅比良正弘・王 瀟岩(茨城大) |
B-19-9 |
Massive MIMOに向けたアナログビーム成型用誘電体レンズの検討
○関 智弘(日大)・新井麻希・平賀 健・坂元一光・加保貴奈(NTT) |
視覚障碍者などの歩行者ナビゲーションではGPS信号が減衰する屋内での測位が課題であるが,照明器具とカメラによる可視光通信は高精度測位が可能な手法の一つである.把持したカメラの手振れ補正のため,ジャイロセンサとRIPOCを組み合わせた画像補正方法を提案し,3 mの距離でリアルタイム光源追跡が可能なことを確認した.
IoT(Internet of Things)機器は様々なものに取り付き、データは無線で送られる。金属で覆われた空間と外部空間との間には無線の出入りがない。マンホールはそれに準ずる空間のため、蓋の表面にアンテナがある構造が提案されている。しかし、蓋の交換や加工が必要であるため、IoT普及を加速させるには既存鉄蓋に適用可能な構造の方が望ましい。そこで、既設鉄蓋をアンテナの一部とする電界結合型アンテナを提案し、蓋裏収容状態で市販ロッドアンテナより通信距離が改善することを示す。尚、実測はEasel社製LoRa製品(ES920LRSDK1)を厚木市弊社敷地内雨水マンホール鉄蓋に取り付けて行った。
IoTシステムの普及により様々な無線通信機器が利用されるようになり,効率的な無線ネットワークの構築が重要になってきている.無線ネットワークの構築ではエリア内の各地点の伝搬損失を把握する必要があるが,実験によりあらゆる地点の伝搬損失を測定する事は現実的ではない.本研究では,離散的に得られた伝搬損失データをartificial neural network (ANN) で学習し,測定地点間の伝搬損失を予測する手法を提案する.
THz帯(300GHz-3THz)を用いる無線通信システムへの期待が高まっており、300GHzのサブTHz帯の周波数を用いた100Gbps超えの超高速無線システムの技術開発や標準化が進められている。THz帯は、マイクロ波やミリ波に比べ広帯域を利用できるメリットがある一方、屋外においては、降雨減衰損失に加えて大きな大気吸収損失が問題となる。これらの損失は伝送路上の気象状況に伴い時間変化するため、THz帯無線通信システムの回線設計を行うためには回線不稼働率の評価が重要である。本稿では、国内の気象データを用いて、THz帯無線通信システムにおける大気・降雨減衰による回線不稼働率を評価した。
近年,Massive MIMOを用いた高速無線通信システムの研究開発が盛んである.アナログ給電回路であるマルチビーム給電回路を組み合わせることにより、制御の簡易化が可能なアナログ・ディジタル融合制御MIMOの検討が行われている.これまで任意のポート数に対応可能である誘電体レンズによるマルチビーム給電回路及び空気穴密度によるレンズ構成法を提案している.今回,空気穴密度を変えた誘電体レンズをPTFE樹脂を用いて作成したのでその特性を示す.
B-20. ヘルスケア・医療情報通信技術
3月20日 13:00〜16:00 53号館 404教室 座長 高橋応明(千葉大)
B-20-1 |
携帯電話の発する電波が医用電気機器へ及ぼす影響の周波数依存性
◎石岡諒汰・東山潤司・大西輝夫(NTTドコモ)・長瀬啓介(金沢大附属病院) |
B-20-2 |
心拍間隔測定時のノイズ対策の実用化について
○上村晴也(ユニオンツール) |
B-20-3 |
人体通信における姿勢変化と等価回路モデル
◎西田欣史・佐々木 健・山本健太郎(東大)・村松大陸(東京理科大)・越地福朗(東京工芸大) |
B-20-4 |
カプセル内視鏡通信用単一コイル 2 バンド送信アンテナの設計
◎彭 云霄・齊藤一幸・伊藤公一(千葉大) |
B-20-5 |
リカレントニューラルネットワーク用いた手術時における鎮痛・鎮静効果の予測に関する一検討
◎佐久間義友・杉本千佳・河野隆二(横浜国大) |
大容量なモバイル通信を実現するため,第5世代移動通信システム (5G)では従来よりも高い28 GHz帯の使用が予定されている.筆者等は,携帯電話端末等が発する3Gや4Gで使用されている周波数帯や今後5Gでの利用が検討されている周波数帯の電波が医用電気機器に及ぼす影響について調査を行ってきた [1].過去の調査では,3.9 GHzや4.6 GHz帯のSub6GHz帯の電波では医用電気機器への電磁干渉による障害が発生したが,28 GHz帯の電波においては観測されなかった.そこで本稿では,従来の調査のような携帯電話端末等での使用もしくは使用が予定されている周波数帯に留まらず,より幅広い0.7 ~ 40 GHzの電波が医用電気機器に及ぼす影響について調査した結果を報告する.
近年,心臓の拍動の時間間隔を表す心拍間隔(RRI)が注目されている.RRI の微小な変化を利用して,交感神経・副交感神経の指標,入眠推定,ストレス評価,眠気検出など,様々な分野への応用が試みられている.RRIを高精度で検出するために,被検者の機器を直接胸に装着して心電を直接取りつつ,ケーブルを無くしてノイズ混入を少なくしたい.機器を小型・軽量にするために,RRI検出は可能な限り演算量の少ない方法とし,省電力化を図る必要がある.
本研究では,RRI検出精度向上のために,ノイズ混入時の対策を少ない演算量で実現し,実用化したときに対策が有効であるか評価した.
人体通信は人体を信号伝送路の一部として用いる無線通信である.ウェアラブル機器と据置型機器間の人体通信では,ウェアラブル機器を装着した手で据置型機器に触れる場合と逆の手で触れる場合が考えられる.特に後者では,ユーザーの姿勢変化により通信経路中のインピーダンスが変化し,伝送特性が変化する.本研究では,受信機に到達する信号を,受信機側から見た等価信号源電圧と出力インピーダンスから成る信号源による信号と見なし,姿勢変化がこれらの受信機側から見た等価的なパラメータに与える影響を実験的に評価する.
近年、小腸疾患の診断など、カプセル内視鏡の使用が注目されており、そしてアンテナはカプセル内視鏡リアルタイム画像伝送を実現するための重要な構成要素である。カプセル内視鏡通信システムを実現するためには、カプセル内視鏡に内蔵した送信アンテナと人体表面に取り付けた受信アンテナアレイは不可欠であるが、カプセルサイズの制限のためにコンパクトな送信アンテナを設計することは困難である。本稿では、1 つのコイルで 2つの共振周波数帯を生成できる送信アンテナを提案し、コイルの数を減らすことで送信アンテナの小型化を図る。また、以前提案した人体表面に取り付ける 2 共振受信アンテナを用いて送信アンテナの性能を評価した。送受信アンテナは、38.5 MHz と 57.6 MHz のデュアルバンド通信することができる。同時に、その共振周波数は高速信号伝送が期待できる超広帯域無線 (Impulse Radio: IR)送信機の信号が強い周波数である[1]。IR 無線通信は、通常の MICS 帯(402 - 405MHz)の通信よりも共振周波数が低いため、人体による信号損失を低減することができる。
近年, 高齢化社会や医療従事者の不足といった社会問題に伴い, 情報通信技術を医療へ応用した医療ICT の研究の需要は高まっている. その中でも, 麻酔科医師の不足は特に深刻な問題の一つとして捉えられているため,手術中における麻酔の制御技術は麻酔科医師のアシストできる技術しとての貢献が期待されている.高信頼な麻酔の制御を行うためには, 手術中の患者の生体情報をリアルタイムかつ高精度に予測し, その予測と生体情報に関する制約に基づいた制御を行う必要がある. また実際の手術現場においては, 投薬した際の鎮静作用のみでなく鎮痛に関する生体情報もモニタリングし, 薬の投与量を制御している.以上の観点より, 本研究では麻酔薬および鎮痛薬も投与した際の鎮静作用および鎮痛作用を示すバイタル変化の推定方式に関する検討を行った.
休 憩(14:30 再開) 座長 中山奈津紀(名大)
B-20-6 |
6軸センサを用いた動物用呼吸心拍測定ウェアラブルデバイス
◎清水浩史・山脇正雄(呉高専)・松本明彦(松本動物病院) |
B-20-7 |
信頼度を考慮したニューラルネットワークによるWBANを利用するリハビリテーション患者のストレス推定
◎錦城幸宏・佐久間義友・小林 匠・河野隆二(横浜国大) |
B-20-8 |
上腕圧迫時血管柔軟性指標による非侵襲血糖値推定手法
○杉山貴俊・鏑木崇史・栗原陽介(青学大) |
B-20-9 |
カプセル内視鏡への無線電力伝送のための位置推定の実測
◎中村匠吾・吉田享平・髙橋応明(千葉大) |
B-20-10 |
インプラント機器の位置推定を目的とした小腸のカーブ部分の認識
◎中村文香・小林 匠・河野隆二(横浜国大) |
B-20-11 |
電磁波イメージングによる複数インプラント機器の同時位置推定法
◎星野純也・小林恒人・安在大祐・王 建青(名工大) |
6軸センサを用いて動物の呼吸心拍の測定を目指す。スマートフォンの無線通信を利用したモニタリングにより、健康状態を把握できるようにする。また、測定対象が動いている状態での測定は不可能とし、静止状態での測定を前提とする。まず中型犬の胸部にセンサを取り付け測定した結果、加速度センサから呼吸の信号をとることが出来た。しかし、脈拍の信号はとることが出来なかった。次に麻酔状態の猫の後ももで測定した。この状態においては脈拍をとることができ、猫の心電図と概ね同じ値が得られた。
本研究により適切な位置であれば呼吸心拍の測定が可能である事が分かった。
今後は測定し易い被検体を選びセンサの取り付け方法等を検討する。
リハビリテーション(リハ)において患者がストレスなく訓練を行う場合,ストレスを感じながらの場合に比べて回復の効率が良くなることがわかっている.そこで無線ボディエリアネットワーク(WBAN)より得られる心拍情報に対して機械学習を適用することでリハ中の個々の患者のストレスを推定する.本研究では処理能力が高くないWBANのコーディネータに内蔵されたエンベッデドプロセッサでも計算を行えるように前処理を適用することで機械学習に必要な計算量を減らす手法を提案する.ストレスの推定と同時に推定の信頼度も評価することで推定が困難なデータに対して誤判定する確率を減らすことを考える.
糖尿病患者は,針を用いた血糖値測定により痛みのストレスや感染症のリスクがある.そのため,本研究では患者への負担が少ない非侵襲的な血糖値推定手法を提案する. 血糖値と上腕を圧迫後に弛緩する過程における血管壁の柔らかさには関連性があると仮定し,脈動の高調波のゆらぎに影響を与えるとする.上腕式血圧計を用いた脈波の高調波のゆらぎを定義し,血糖値推定を行う.脈動の高調波ゆらぎを示す指数は血圧計から得られた離散時間信号の高調波の振幅スペクトルの大きさから算出し、回帰式を用いて推定血糖値を求める.本稿では,被験者2名を用いてその推定精度を報告するとともに,先行研究との比較を行った.
近年,小腸や大腸といった消化管の内部を検査する医療機器として,カプセル内視鏡が注目されているが,駆動源が電池であるため,電池の液漏れの危険性や駆動時間に制限あるといった問題がある.このような問題を解決するために,カプセル内視鏡への無線電力伝送が求められる.カプセル内視鏡への無線電力伝送を行う際,カプセル内視鏡の位置を特定することで,無線電力伝送の効率が向上することが期待される.
先行研究において,シミュレーション上における位置推定の検討は行われている.
本稿では,先行研究において検討された位置推定の実測を行い,位置推定精度の評価を行った.その結果,実験において,ほぼ位置推定アルゴリズムの解析通りに位置推定が行えることを確認した.
近年, 医療通信技術の発展に伴い, カプセル内視鏡を代表とするインプラント機器にも, その技術が応用されている. 消化管の中でも口や肛門から離れているために検査の難しい小腸に注目し, 小腸内を移動する対象物に関して位置推定を行う. 位置推定の方法としては, インプラント機器から発せられた電波を体外の複数受信機でTDOAにより測距し, 逆GPS法 (送受がGPSと逆) により得られる測位情報と, MRIやCTで得た小腸の画像を地図情報として組み合わせて測位を行う. このとき小腸は腹腔内を蛇行する器官であり, 位置推定を行う際には直線部分とカーブしている部分を区別して認識する必要があるため, カーブ認識に関して検討を行った.
近年,人体無線網の発展に伴ってカプセル内視鏡などのインプラント医療機器の研究・開発が盛んに行われている.これに伴い,複数のインプラント機器を同時に使用することが想定され,治療効率の向上などから複数のインプラント機器の同時位置推定が必要になる.電磁波イメージングによるインプラント機器位置推定法により複数機器位置も推定可能ではあるが,全領域探索法では計算量の観点から複数個同時位置推定において現実的でない.そこで本研究では計算量を削減した推定アルゴリズムを提案し,計算量及び推定精度による評価を行う.
B-21. 無線電力伝送
3月21日 13:00〜17:00 56号館 104教室 座長 山本綱之(山口大)
B-21-1 |
整流動作を用いた1 kW高周波スイッチの試作評価
◎宜保遼大・阿部晋士・西岡正悟・北林 智・坂井尚貴・大平 孝(豊橋技科大) |
B-21-2 |
電気自動車への電界結合WPTシステムに対する外部環境影響の検討
○大黒康平・植村 渉(龍谷大)・粟井郁雄(リューテック) |
B-21-3 |
ワイヤレス電力伝送システム周辺の強磁界測定器の開発
◎竹内健太・八木谷 聡・井町智彦・尾崎光紀・池畑芳雄(金沢大) |
B-21-4 |
廃線レールを用いた電界結合WPTによるEV模型走行と雪の影響
○大野寿紗・佐藤大輝・丸山珠美(函館高専) |
B-21-5 |
マイクロ波融雪道路上EV 走行中自動給電に関する検討
○小板侑司・見附明繁・丸山珠美(函館高専) |
機械的機構を持たない高周波スイッチが望まれる.従来回路では高価で高周波特性が優れた半導体スイッチング素子を使用する必要がある.上記の問題を解決する大電力高周波スイッチとして,整流回路スイッチを提案している.本稿は,今回は1 kW級整流回路スイッチを試作し,評価を行う.
我々はディスクリピータの原理を用いて、水平移動体に対する電界結合型ワイヤレス電力伝送システムを提案した.その際に机などの周辺環境からの影響を無くすために,発泡スチロールで机から距離を離して測定を行った.しかし本システムは例えば電気自動車に使用する際,道路内に埋め込まれた金属などの影響を排除しなければならない.そこで今回は本システムを設置する環境を変えても共振周波数と効率があまり影響を受けない構成を探索している.
ワイヤレス電力伝送システムはkW級の大電力にも対応が進んでおり,EVやPHVへ電力を供給する手段として注目されている.しかし大電力のワイヤレス電力伝送では,給電装置からの漏えい磁界が人体や電子機器に影響を及ぼす懸念がある.そこで本研究では,ワイヤレス電力伝送システム周辺の強磁界測定器の開発を行い,送信電力kW級の実機を対象に測定を行う.これにより,人体や電子機器への磁界からの影響を抑制,また磁界シールドの位置や構造設計に貢献することが期待される.
北海道など過疎地においてインフラコストを抑えて走行中EV自動給電[1]を実現することを目的として、著者らは廃線レールをフィーダとし電界結合WPTを行う方法を検討している[2]. 廃線レールを用いる場合は、タイヤ間隔とレール間隔が異なるため道路の下からではなくレールの側面からホイールを介して給電することが望ましい[2].そこで、本論文では、スケールモデルによる模型を作成し、廃線レールからタイヤのホイールを介して走行させる実験を行った。設計に用いた整合回路、整流回路の測定値と解析値の比較、および、A:ホイールとレールを用いた給電と、B:タイヤの中のスチールベルトと道路の下の給電線を用いた場合についての雪の影響について報告する。
マイクロ波融雪は通常の道路ヒーティングに比べて短時間で融雪を可能とするため、積雪量の多い地域の駐車場などへの適用が期待されている。一方近年マイクロ波を用いたエネルギーハーベストが検討されており、無線LANやスマートフォンの近くでLEDを点灯する実験などが報告されている。そこで、本研究では、マイクロ波融雪道路上をEV走行中自動給電に関する検討を実施し、電磁界分布から受信アンテナの配置を工夫し、伝送効率をsパラメータから求め、EV模型の走行を実現したので報告する。
休 憩(14:30 再開) 座長 丸山珠美(函館高専)
B-21-6 |
淡水の高電界下における複素誘電率測定
◎松上裕明・村井宏輔・田村昌也(豊橋技科大) |
B-21-7 |
マイクロ波電力伝送における進行波型フェイズドアレイの検討
○長谷川直輝・髙木祐貴・太田喜元(ソフトバンク) |
B-21-8 |
無線電力伝送システム効率解析用ソフトE-WPTの開発
○石井大稀・袁 巧微(仙台高専) |
B-21-9 |
ゲート電荷引き抜きを高速化する最適インダクタンスの導出と実証
◎柳沼大貴・北岡 晃・大平 孝(豊橋技科大) |
B-21-10 |
狭指向性マイクロ波無線電力伝送の受電電力分布に関する検討
◎鹿志村亮介・水野誓也・関 智弘(日大)・鈴木恭宜・岡崎浩司(NTTドコモ) |
自律型無人潜水機への水中無線電力伝送が提案されている.無人潜水機への無線給電はkW以上の電力を送るため,淡水や海水に高電界が印加される.複素誘電率が非線形をもつと,複素誘電率の変化や高調波の発生による水中無線電力伝送の電力伝送効率低下が懸念される.GHz帯においては高電界によって淡水の複素誘電率が非線形性を持つ可能性が示唆されている一方,MHz帯では210 kV/mまでは変化しないことが報告されている.水中無線電力伝送はMHz帯で行われることが想定されれており,今後大電力化に伴い淡水に210 kV/m以上の高電界が印加されると予想される.そこで本報告では高電界下における淡水の複素誘電率特性を明らかにすることを目的とする.
本研究では、簡易に2次元ビームステアリングが可能な進行波型フェイズドアレイ構造を提案した。特に、小規模アンテナユニットを想定し、各ユニット間での位相調整を行うことで、スケーラブルに大開口化可能なアンテナ構造を提案した。4×4素子アンテナユニットを2並列で運用することを想定する場合、従来法では32系統分の制御系が必要になるのに対し、提案法では4系統のみでビームステアリングが実現可能である。RF回路シミュレータおよび電磁界シミュレータでの検討により、回路バイアス電圧の値に対してビーム角度が制御されることを確認した。
近年,世界的に無線電力伝送技術を導入するニーズが高まっている.この技術は電磁波を用いて非接触で給電するというものであり,電気自動車をはじめとする大電力の伝送からスマートフォン等の小電力の伝送まで幅広いスケールへの応用が期待されている.
無線電力伝送において,エネルギーのやり取りを空間で行っている送受電素子間の効率は大変重要なファクターである.我々は,既に2端子対回路のS行列又はZ行列を用いて任意送受電素子間に関する電力伝送効率,最大伝送効率の計算式を導出した.更にその最大伝送効率を実現する送電側と受電側の最適負荷も導出した.本報告では,それらの計算式を更に便利に使えるために開発されている無線電力伝送システム効率解析用ソフトE-WPTの紹介を行う.
無線電力伝送においてはMHz帯の高周波電力を用いた送電が提案されており,このような研究では大電力かつ高周波のインバータが必要不可欠である.しかし,高電力密度化に伴って構造的にFETのゲート容量が増大する傾向にあり,ターンオフにかかる時間が長くなるという課題がある.そこで我々は直列にインダクタを挿入するのみでゲート電圧の立ち下がりが早くなることを示し,そのインダクタンスの最適値がゲート抵抗とゲート容量を用いてR2C/2と与えられることを理論的および数値計算的手法により求めた.さらに実験によって複数のSiC MOSFETにより結果が正しいことを確認した.
狭ビームを用いた無線電力伝送システムでは, 受電アンテナ面に電力密度が生じる. またこの不均一な電力分布では整流回路の配置位置によってRF/DC変換効率の劣化が生じるため, 総合的なシステム効率は劣化する. そこで本稿では, 電力分布を均一化するために受電面アンテナ利得を各ブロックで制御することが有効であると考え, 無給電素子で簡単につくることのできる結合共振型アンテナを用いたアレイレクテナを検討したので報告する.
休 憩(16:00 再開) 座長 平山 裕(名工大)
B-21-11 |
充電時における蓄電キャパシタの負荷変動に着目した差動整流回路の設計
◎藤井大貴・古巣大吾・二村真司・田村昌也(豊橋技科大) |
B-21-12 |
共鳴ブリッジ T 整流回路におけるダイオードの最大瞬時電圧電流の理論式
◎チアトーン コーヤー・阿部晋士・宜保遼大・西岡正悟・坂井尚貴・大平 孝(豊橋技科大) |
B-21-13 |
28GHz帯シングルシャント整流回路の設計
○中村拓真・今野佳祐・佐藤弘康・陳 強(東北大)・袁 巧微(仙台高専) |
B-21-14 |
ループアンテナを用いるAMラジオ波対応レクテナ
○安丸暢彦・中西甲人・伊東健治・井田次郎(金沢工大) |
筆者らはワイヤレスセンサネットワークの各センサノードへの給電方法として受電制御機能を付加したキャビティ共振モード無線電力伝送を提案している.受電制御とは蓄電キャパシタCSの充電電圧Vcが特定の値Vth2まで上昇した際に受電を停止,Vth1(< Vth2 )まで低下した際に受電を再開する制御である.しかしながら受電制御の切替時間が長い場合,同時給電対象が多い分,ノード1 個当たりの受電電力が低下する.したがって受電停止までの時間短縮が必要となる.そこで本研究ではCSの充電時における負荷変動とCSの容量値に着目し,整流回路の最適負荷Roptを適切に決定することで充電時間の短縮を図った.その結果,充電時間を30 %以上短縮した.また,データ収集頻度に適したCSの容量値が存在する可能性を示した.
直流負荷抵抗 R が変動しても高効率な整流回路として,共鳴ブリッジ T 整流回路が提案された.この共 鳴ブリッジ T 整流回路の最適設計をするにはダイオー ドの最大瞬時電圧電流を知る必要がある.しかし,現在ダイオードの電圧電流の理論式は導出されない.そこで,本稿では,共鳴ブリッ ジ T 整流回路の最適設計に必要なダイオードの最大瞬 時電圧電流の理論式を導出する.
5Gの実現により普及が加速するとされている小型IoTデバイスの最大の問題は電源の確保である. そこで5G通信で用いられる電波をエネルギーとして利用するエネルギーハーベスティングの検討がなされているが,ミリ波帯レクテナの設計技術が確立されているとは言えない.本報告では,小型デバイスの無線給電の実現に向け,5Gで用いられる可能性のある28 GHz帯における高効率な整流回路の設計法を明らかにする.
放送や携帯電話などの電波より直流電圧を取り出すエネルギーはーべスティングの検討が行われている.広範なサービスエリアをカバーする放送波として1MHz帯のAM放送波があり,同用途への適応が検討されている[1].ここではループアンテナを用いるAM放送波対応のレクテナの検討結果を報告する.
3月22日 9:00〜11:45 56号館 104教室 座長 袁 巧微(仙台高専)
B-21-15 |
回転体への無線給電用コイルに関する研究
○矢作保夫・杉山由一・城杉孝敏・市川勝英(日立) |
B-21-16 |
磁界結合共鳴方式電力伝送系のSパラメータと最大伝送効率
○安藤浩哉・都築啓太・及川 大・杉浦藤虎・塚本武彦(豊田高専)・前澤宏一(富山大) |
B-21-17 |
電界結合型非接触スリップリングの基本設計
○小野寺 巧・大島綾汰・塩野光弘・高野 忠・高橋芳浩(日大) |
B-21-18 |
回転体無線給電に適したコイル構成の検討
○市川勝英・杉山由一・矢作保夫・城杉孝敏(日立) |
B-21-19 |
磁界共振結合型無線電力伝送における共振器自動設計の性能評価
◎藤城真祥・成末義哲・川原圭博・森川博之(東大) |
切削加工機のツール状態モニタリングを目的に、回転部への無線給電用コイル構成を検討した。回転部に設置した容量で接続した複数コイルを受電コイルとした。シミュレーションにより伝送特性を誤差2dB以内で設計・評価できること、また、回転時の受電電力変動相当量は約0.2dBであることが分かった。
結合係数kで磁界結合した2つのRLC直列共振回路の共振時のS行列や伝達効率は、Z1/R1とZ2/R2(ZiとRiは、ポートi側の回路のポートインピーダンスと内部抵抗)とkQ10.5Q20.5(Q1とQ2は、それぞれ、ポート1側とポート2側のRLC直列共振回路のQ値)で決まり、Z1/R1=Z2/R2=(1+k2Q1Q2)0.5の時に最大の伝送効率ηmax=k2Q1Q2/(1+(1+k2Q1Q2)0.5)2が得られることが分かった.
一般に静止体―回転体間の電力伝送が不可欠になる.一般に同軸回転体間の電力伝送には金属リングと摺動電極(ブラシ)との接触を用いたスリップリングが使用される.しかし摩擦による劣化や破損,摩擦により発生した摩耗粉による接触不良などのため定期的な保守が必要になる.特に宇宙空間で使用する場合には保守が困難である.そこで,電界結合型の非接触スリップリングについて検討を行った.本研究では回転体間の空隙を利用したキャパシタンスCとコイルLを実現に最適な周波数や入力電圧,また各素子定数について検討を行った.
回転体センシングでは、シャフトにセンサを実装するため、回転体への無線給電が必要になる。車載や産業機器向けとして、シャフト周方向に複数の受電コイルを直列接続して配置する構成を検討した。シミュレーションでは、受電コイル数として2~3個用いる構成が効率面で適している結果を得た。
磁界共振結合型無線電力伝送の実用化を推し進めるうえで,共振器設計コストの低減が不可欠である.共振器設計とは,共振器周辺に存在する物質の形状や材質,ペアとなる共振器の形状や位置関係などの動作環境が伝送効率に与える影響を考慮しつつ,共振器の概形,ピッチ,巻数といった幾何的パラメータの調整を行うことである.現状,共振器設計は特定のパラメータを走査し,最大効率を目指す試行錯誤的なプロセスに依存している.
筆者らは,試行錯誤的な設計の労力の削減に向け,高効率な給電が可能となる電流分布の導出から,得られた電流分布に基づいた共振器形状の提示までを一連して行う共振器自動設計に関して検討を行っている.
本稿では,共振器周辺に金属片が存在する環境において,共振器の自動設計を行い,得られた共振器の性能評価を通じて試行錯誤的設計プロセスを削減可能であることを示す.
休 憩(10:30 再開) 座長 成末義哲(東大)
B-21-20 |
省配線低コスト化を実現する無線電力及び情報伝送技術の開発
○城杉孝敏(日立)・松永卓也(日立オムロンターミナルソリューソンズ) |
B-21-21 |
二次元最小二乗法によるパターン再構成のための近似関数と観測局配置の検討
○藤野義之・高橋完次・松戸太一(東洋大)・田中孝治(JAXA) |
B-21-22 |
無線電力伝送技術を用いたガラス窓への防犯カメラ機能付与に関する基礎検討
○△大畑遼汰・岡野好伸(東京都市大) |
B-21-23 |
スマートカード用の13.56MHz帯近傍界無線充電システムの実験的検討
◎小林 頌・今野佳祐・陳 強(東北大) |
B-21-24 |
無給電素子による体内アンテナへの無線電力伝送の高効率化
◎金 亮輔・佐藤弘康・陳 強・徐 君一・鈴木暁士(東北大) |
今まで有線で接続されていたATM本体と紙幣収納庫との間を使い勝手向上及び低コスト化のために省配線として電力および情報を無線伝送する無線給電/双方向通信分離型の構成を考案した.
宇宙太陽発電衛星(SPS)を実現させるために小型衛星を用いた実証実験が計画されている.実証試験においては,衛星から送信されるビーム形状を正確に評価することが必要となる.このため,複数の受信局を地上に設置してそのレベルを測定し,ビーム形状を再現することが検討されている.今回,フットプリント計測と二次元最小二乗法を使ったパターン処理手法を用い、パターンの近似関数と実用的な受信局配置の検討を実施したので報告する.
多様化する犯罪に対し,セキュリティ市場は拡大しており,中でも防犯カメラの需要は急激に増大している.空き巣の侵入経路の多くは窓からであるので,窓ガラスへの防犯カメラの設置は効果的な施策である.しかしながら有線による防犯カメラへの電力供給や信号伝送では,その設置場所が制限される可能性がある.そこで無線電力伝送技術により窓ガラス越しの電力供給を行うことで,防犯カメラの設置自由度の向上を図る.
近年,いわゆるスマートカードと呼ばれるカード型デバイスが注目を集めている.スマートカードには,電子回路やディスプレイ,それらを駆動するための薄型バッテリが組み込まれており,多機能化,セキュリティ強化が期待されている.このようなスマートカードは薄型であり,ケーブルを接続して有線で充電することは難しいが,無線電力伝送技術を用いて電池を充電することで解決できる.本研究ではスマートカード用の13.56 MHz帯無線充電システムを設計,製作し,実際に無線充電実験を行い,その有効性を明らかにする.
無線電力伝送技術は,自動車への給電,宇宙太陽光発電,医療への応用など幅広い応用が
期待され注目を集めており,体内のカプセル内視鏡への無線電力伝送も期待されている.
本稿では,体外ループアンテナから体内小形ループアンテナへの無線電力伝送に着目した
.無線電力伝送では,受信アンテナと送信アンテナが離れるほど伝送効率が低下してしま
い,体内アンテナに給電する際に問題となっている.本稿では,体内領域における伝送距
離に対する受信電力の均一化を図るために,体外無給電素子の使用を提案する.
3月22日 13:00〜16:45 56号館 104教室 座長 藤野義之(東洋大)
B-21-25 |
Optical Wireless Power Transmission Through Water
○Alexander William Setiawan Putra・Tatsuya Yoshida・Hendra Adinanta・Hirotaka Kato・Takeo Maruyama(Kanazawa Univ.) |
B-21-26 |
5.7GHz帯マイクロ波電力伝送によるメンテナンスフリー・センサシステムの実現にむけた所要送信電力の検討
○Gurusanthosh Pabbisetty・Kentaro Murata・Kentaro Taniguchi・Hiroki Mori(Toshiba) |
B-21-27 |
多段ドリルパイプ非接触給電システムの新しい評価法
○粟井郁雄(リューテック)・平岩達也・石崎俊雄(龍谷大)・井上朝哉・石渡隼也(JAMSTEC) |
B-21-28 |
方向性結合器を用いた大電力複素インピーダンス・電圧・電流測定
○平山 裕(名工大) |
B-21-29 |
レーザー光による電力・信号同時伝送に向けた太陽電池の光変調周波数応答特性の評価
◎辻村公輝・菊地杜斗・小宮山崇夫・長南安紀・山口博之・小谷光司(秋田県立大) |
There are many possible applications of Optical Wireless Power Transmission (OWPT) in real life such as to transmit power to unmanned vehicle for example drone, small moving object and unmanned underwater vehicle (UUV). In OWPT to drone, air is medium of transmission, on the other hand, in OWPT to UUV, the medium of transmission is water. OWPT through water is theoretically analyzed and experimentally demonstrated. We found that blue light is the most suitable light source for OWPT through water using Si PV especially for long distance OWPT due to low absorption of blue light by water.
Effective placement of IoT sensors in any equipment is the first step to realize a smart factory. Even though many energy efficient solutions are available to enhance life time of an IoT sensor, additional maintenance is required to replace batteries after a stipulated amount of time. To overcome this additional burden and realize a zero maintenance sensor system, we compared required transmit power of an antenna element between Time Sharing and Beam Splitting algorithms with Ultra Low Power and Low Power sensors.
科学研究や資源探査のため深海底を掘削するドリルパイプに非接触給電するシステムを開発している。これまでに鉄と海水という電気的に劣悪な環境下において数千メートルの超長距離を数百段の非接触部を通して給電するために必要な特性を明らかにすることはできた。今回は新しい解 析法を導入し、段数によって特性がどう変化するかの理論 検討を新旧2つの計算法で行い、それらと実験結果を気中 で比較して両者の符合を検討する.
無線電力伝送用整流回路の整合回路設計には,大電力印加時の複素インピーダンスと電圧・電流を同時に測定することが必要である.本稿では、方向性結合器により複素インピーダンス・電圧・電流を同時に測定する方法を提案した.実験により,電圧・電流プローブを用いる方法と同じ結果が得られることを確認した.
IoTデバイス向けのワイヤレス電力伝送の方法のひとつとして、効率と伝送距離の両立が可能なエネルギー伝送媒体であるレーザー光の使用が検討されている。普段は太陽光や室内光などの環境光で発電し,センサー計測,計録を継続するが,通信時などさらに電力が必要な場合はレーザー光の意図的な照射を用いて,必要な電力を伝送することができる。さらに光強度を変調することにより,電力とともに制御信号などの伝送も可能となる。そこで、電力信号同時伝送向けの受信素子(太陽電池)として市販のpinフォトダイオードを用い,順バイアスされた状態での光変調周波数応答特性を評価した。結果としてpinフォトダイオードの周波数特性は発電量が増えて順バイアスが深くなると同時に周波数応答が悪くなることが分かった。
休 憩(14:30 再開) 座長 鈴木麻子(アダマンド並木精密宝石)
B-21-30 |
LLC共振コンバータを用いた非接触多重伝送方式の検討
◎大内洋佑・成 慶珉(茨城高専) |
B-21-31 |
分散型マイクロ波無線電力伝送システムに関する検討
◎田中勇気・金井一輝・枷場亮祐・池田拓磨・梶原正一・谷 博之・小柳芳雄(パナソニック) |
B-21-32 |
2系統同一周波数での非接触給電のための定電圧回路
◎川合崇大・タン ズオン クアン・岡田 実・東野武史(奈良先端大)・宮本英明・坂田 勉(パナソニック) |
B-21-33 |
環境発電向け電力広帯域化インピーダンスマッチング回路の検討
◎伊藤寛幸・宇佐美 蓮・小宮山崇夫・長南安紀・山口博之・小谷光司(秋田県立大) |
非接触電力伝送は空間的に離れた場所への電力伝送を高効率で行うことができるため, 位置的な制約を改善できる.非接触電力伝送を行う際の重要課題は, 一次側インバータの高効率化である.スイッチング周波数が高速になるにつれて, 半導体素子のスイッチング損失が増大し, 効率が低下する.そこで, 一次側インバータをスイッチング損失が少ないLLC共振回路とし, 実験によってZVSならびに提案したゲート駆動法への適応を確認したのでご報告する.提案したゲート駆動法とは, 著者らが開発した非接触電力伝送を用いたパワー半導体素子向けのゲート駆動法である.提案ゲート駆動回路は, 絶縁電源など外部電源や信号絶縁素子(フォトカプラなど)を用いず, パワー素子を駆動することができる.
複数の送電アンテナから1個の受電アンテナに電力供給を行う分散型マイクロ波無線電力伝送システムについて受電電力計算を行い,従来手法と比較をしたので報告する.
現在,電磁誘導に基づく非接触給電技術では,1つの送電コイルから1つの受電コイルまでの1系統伝送においては負荷抵抗の変動があっても負荷側に定電圧を出力できる回路(定電圧回路)が提案されている.しかし,複数送電コイルから複数受電コイルまで(複数系統)の伝送を同一周波数で行う際の系統間干渉の影響を考慮した定電圧回路への拡張は困難である.本検討では,等価回路に基づき同一周波数での2系統給電のための定電圧回路を設計し,回路シミュレーションを行い, 複数系統の非接触給電の定電圧化を示した.
電波発電で用いられている整流回路の入力インピーダンスは受信アンテナの特性インピーダンスと大きく異なるため,マッチング回路が必須となる。高効率な電力変換のためには広い電力範囲で整合可能なマッチング回路が重要となる。これまで周波数空間での広帯域化マッチング回路は検討されているが, 広電力帯域に向けたマッチング回路はあまり検討されていない。本稿では,従来のマッチング回路について動作電力面での帯域を評価するとともに,電力広帯域化を実現する手法について検討した結果、電力領域ではマッチング回路構成を変えても入反射係数S11の帯域幅は大きく変化しない。整流回路自体の負荷抵抗を適応的に変化させるとマッチング回路の電力帯域を広くできることが分かった。
休 憩(15:45 再開) 座長 田中勇気(パナソニック)
B-21-34 |
複数の送電機からによる同時無線電力伝送の検討
◎水口翔太・河野隆二(横浜国大) |
B-21-35 |
C結合励振方式無線電力伝送における複数受電体への電力分配に関する研究
○宋 玉麟・石崎俊雄(龍谷大) |
B-21-36 |
無線給電と無線通信を兼用した磁界共振型システムにおける無線給電効率と最大データレートの関係
○茨城亮太朗・Hao Qiu・桜井貴康・高宮 真(東大) |
B-21-37 |
三次元無線電力伝送のための面電流を用いたマルチモード共振器についての一検討
◎笹谷拓也・川原圭博(東大) |
近年,スマートフォンの普及や5Gの実現化に伴い,IoTの利用が急速に広まっている.IoTの発展には様々な課題が存在し,その一つとしてIoT端末への電力供給が挙げられる.この電力供給の方法として様々な無線電力伝送方式が研究されているが本研究ではマイクロ波伝送方式に着目する.マイクロ波伝送方式では電波法によって1つの送電機から放射することが出来る電力が制限されてしまい消費電力が大きいIoT端末に十分な電力を供給するのは困難である.そこで,
本研究では複数の送電機から1つの端末への同時給電を行うためのシステムと電波の相互干渉による影響について検証する.
近年、複数の受電体に同時給電可能な無線電力伝送システムが求められている。このシステムの動作をシミュレーションで検討した文献が多数あるが[1]、しかしながらこれまでに送電コイルから複数の受電コイルに対してワイヤレス一括給電を行うに当たって検討が十分に行われてこなかった。本研究では、1つの送電共振器から2つの受電共振器に給電する場合に、各受電体への伝送電力を任意に分配することを目的とする。
磁界共振型無線給電用のコイルを用いて無線通信も同時に行うシステムを考える。無線給電効率を高めるために共振器のQ値を高めると、帯域幅が狭まり無線通信のデータレートが低下する。そこで、本論文ではAM変調を対象として、無線給電と無線通信のトレードオフ、すなわち無線給電効率と最大データレートのトレードオフを定量化に明らかにする。
QSCRは三次元状に分布する磁界を生成できることから,ユビキタスな無線電力伝送への応用が期待されている.しかしQSCRには(i)中央に導体棒を要することや(ii)中央から離れると効率が低下するといった課題が存在する.我々はこれらを解決するために,中央部分で強い磁界を示すPDモードとそれ以外の部分で強い磁界を示すPIモードという,二つの相補的なモードを有するマルチモードQSCRを提案した.しかし,PDモードを用いるには中央の棒が必要であることから二つの課題を同時に解決するには至っていない.そこで本稿では,これらを同時に解決するために(a)PIモードおよび(b)PDモードの電流と磁界の経路の位置関係を逆にしたモードの,二つのモードを持つ共振器を提案する.
シンポジウムセッション
- この目次は,インターネット講演申込登録のデータを元に作成されています。
- また,講演者を○,◎印で示し, ◎印は本会「学術奨励賞受賞候補者」の資格対象であることを示します。
BS-1. 電波伝搬モデリングコンペティション
(アンテナ・伝播研専)
3月19日 9:00〜11:45 56号館 104教室 座長 市坪信一(九工大)
BS-1-1 |
奥村-秦式を拡張した伝搬損失モデルを用いた伝搬損失評価
◎谷口諒太郎・西森健太郎(新潟大) |
BS-1-2 |
アンテナ指向性を考慮した伝搬損失推定式の検討
杉村独歩・○芳野真弓(日本電業工作) |
BS-1-3 |
有理関数補正項を組み込んだ奥村-秦式による市街地伝搬損失式の検討
◎倉原彰秀・宇野 亨・有馬卓司(東京農工大) |
移動通信での伝搬損失を推定するため,奥村-秦式,坂上式,Wolfish・池上モデルなど,様々な伝搬損失モデルが提案されている.これらの伝搬損失モデルでは,周波数帯,送受信間距離,基地局高,端末高,周囲の建物幅,道路幅等で損失がキーパラメータとなる.
本報告では,2019年電子情報通信学会総合大会で実施される,電波伝搬モデリングコンペティションにおいて配布される伝搬損失データから,最も広く知られている奥村-秦式[3]において,基地局高と送受信間距離について拡張した伝搬損失モデルにより伝搬損失を評価する.
本伝搬モデリングコンペティションは,「測定データに基づく伝搬損失推定式のモデル化」が課題である.提供された測定データは,基地局高が平均建物高よりも低いため,基地局から送信された電波は,道路に沿って伝搬する波と,建物の屋上による回折波が主となると考えられる.そこで本稿では,送受信間の主要パスとして,ビル側面による回折波と屋上による回折波に着目し,拡張奥村・秦カーブの伝搬損失にその主要パスの放射角および到来角に対するアンテナ指向性を考慮した伝搬損失推定式の検討を行う.検討モデルと測定データのRMS誤差を求め,伝搬損失推定式の推定精度の評価を行う.
本稿では簡易で精度が高い電波伝搬モデルの作成を目的として,奥村-秦式に有理関数を組み込んだ伝搬モデルを提案する.そして,電波伝搬モデリングコンペティションにおいて配布されたデータに対し,提案する伝搬モデルを作成しその精度を確かめた.提案するモデルは,奥村-秦式をベースとしその補正項として,有理関数を用いている.使用した有理関数は,本コンペティションの伝搬空間を2次元空間とみなし,x,yに関する2変数の有理関数とした.有理関数の作成には配布されたデータを用いている.提案モデルの精度については,本コンペティションのルール通りRMS誤差で評価している.
休 憩(10:30 再開) 座長 今井哲朗(NTTドコモ)
BS-1-4 |
機械学習による伝搬経路を考慮した伝搬損失推定モデル
◎久野伸晃・山田 渉・守山貴庸・鷹取泰司(NTT) |
BS-1-5 |
代表的な伝搬モデルを効果的に融合した伝搬損失推定
○中林寛暁・糸井清晃・秋山慶伍・山崎滉生(千葉工大) |
BS-1-6 |
レイトレース法と深層学習を合わせた市街地の伝搬損失推定に関する一検討
○チン ギルバート シー・岩﨑 慧・ルキタ リキセニア・岡村 航・吉敷由起子(構造計画研) |
無線通信システム設計で重要となる電波伝搬特性の推定手法として,測定結果の重回帰分析により実験式を導出する手法が広く利用されている.しかし,それらの影響を適切に推定結果に反映するための複雑な関数形を導き出す必要があり,適切な関数形の導出は容易ではない.本稿では,関数形の導出を不要とする機械学習の手法を用い,配布データの伝搬経路を考慮したパラメータからその伝搬損失特性の推定手法について報告する.
陸上移動通信の伝搬損失は,これまでに数多くのモデルが提案され特性化されてきた.特性化法として重回帰分析や解析的手法が用いられてきたが,近年はそれらの問題を解決するため,深層学習を用いた手法が提案されている.本報告では,これまで提案されている代表的な伝搬モデルのパラメータを分析し,重要度の高いパラメータのみを用いた深層学習により過学習を抑制し,伝搬モデルを効果的に融合して伝搬損失推定を行うことを提案する.測定値に対する提案手法による推定値の平均2乗誤差平方根は2.77 dBであり,提案手法の有効性を示した.
伝搬損失推定には,実測値を基にした奥村・秦式やレイトレース法などがある.また最近では深層学習を使った研究も行なわれている.本研究では,レイトレース法と深層学習を合わせた伝搬損失推定を行い,測定値と比較した.
3月19日 13:00〜16:45 56号館 104教室 座長 吉敷由起子(構造計画研)
BS-1-7 |
実環境を対象とした支配的な伝搬波の物理的検討に基づく伝搬損失推定式
◎川崎翔平・岩井誠人・笹岡秀一(同志社大) |
BS-1-8 |
都市部におけるナイフエッジ回折モデルを用いた伝搬損失推定手法
◎中村光貴・山田 渉・守山貴庸・鷹取泰司(NTT) |
BS-1-9 |
重回帰分析による都市内の伝搬損失の推定式の検討
◎脇 直道・押川幸樹・柴田昌吾・市坪信一(九工大) |
仮想の都市環境を対象にレイトレーシングデータのフィッティングから構築された伝搬損失推定式を、実在都市でも適用可能な形に変更し、測定データとのフィッティングを行うことなく実在する都市における推定に用いた場合の推定精度を評価する。対象とする実在都市は、既存推定式が前提とする完全な方格設計ではなく、また送信点は道路上にないため推定式の想定する環境とは異なる。そのため、推定式を適用可能な都市形状へと変形を行うとともに、二つ以上の交差点を経る領域の推定についても新たに検討する。
伝搬モデルの構築方法として,測定結果と測定パラメータを基にした多重回帰による方法,レイトレーシングシミュレータを用いたシミュレーションによる方法などがある.しかし,多重回帰による方法は,パラメータが増えるにつれて精度が向上するものの,式の複雑さや計算にかかる時間は増加し,手間がかかる傾向にある.また,レイトレーシング等によるシミュレーションによる方法は,模擬する環境が大きく複雑になるほど計算にかかる時間は増加する.一方,支配的な到来波に着目した物理的なアプローチが存在する.
そこで,本稿は,支配的な伝搬経路を対象にナイフエッジ回折モデルを適用した伝搬損失推定手法について検討した結果を報告する.
電波伝搬モデリングコンペティションのために小倉の街の伝搬損失の回帰式を作成した。距離、道路幅、道路角度、空き地をパラメータにした回帰式に示した。道路幅が10m未満の狭い道路に関して空き地(駐車場など)が道路幅を含めて15m以上ある場合をパラメータに入れて回帰した。伝搬損失を距離、道路幅、道路角度、空き地の観点から回帰式がどのようになるかを検討した。空き地パラメータの有無で0.2dB程の誤差を縮めることができ、空き地パラメータは有効であることが分かった。
休 憩(14:20 再開) 座長 中林寛暁(千葉工大)
BS-1-10 |
スケールモデル測定による都市内の伝搬損失推定の検討
○市坪信一・齊藤弘起・石本克月・三島脩平・兼本英男(九工大) |
BS-1-11 |
FDTD法とレイトレースのハイブリッド3D解析を用いた都市環境モデルの伝搬損失推定
○吉江明花・山岸誠知・日景 隆(北大) |
BS-1-12 |
市街地マクロセル環境における垂直面内屋根越え伝搬損失の推定方法について
○高田潤一・齋藤健太郎(東工大) |
電波伝搬モデリングコンペティションのためにスケールモデルを用いて都市内の伝搬損失の推定法を検討した。スケールモデルを作製して測定を行い、測定値と配布された実測値との差分から推定法や周波数換算の方法、スケールモデルの作り込みに関する検討を行った。その結果、誤差の平均は0.1dB、標準偏差は6.8dBとなった。また、周波数換算は20 log fで妥当であることがわかった。
電波伝搬モデリングコンペティションの課題として与えられた都市環境における電波伝搬特性について,FDTD法とRay-traceのハイブリッド3次元解析を用いて評価し,同環境における伝搬損失推定のモデリングを行う.送信点の放射指向特性についてFDTDシミュレーションにより高精度に取得し,さらに,広いエリアへの伝搬特性についてRay-traceにより導出する.これら解析結果に基づき指定された移動局の位置・高さにおける伝搬損失特性を導出し測定結果との比較を行う.
マクロセル環境においては,屋根超え伝搬が支配的となるため,多重回折の影響が非常に大きいと言われている.三次元のレイトレースシミュレータで多重回折の影響を計算する場合,回折点を新たな二次波源点と仮定してケラーの円錐の母線方向に経路探索を行う必要があるため,回折回数に対して計算量が指数関数的に増加する.一方で,屋根超え伝搬が主要な伝搬メカニズムであることを念頭に置いて,基地局と端末を結ぶ垂直面に着目して,その面内での二次元問題として多重回折を考える手法も古くから知られている.本報告では,二次元の屋根超え伝搬を電磁界シミュレーションによりモデル化する手法について,GPUを搭載しない普通のノートPCでもシミュレーション可能な軽量かつコンパクトな手法の実現を目指して検討を行った結果を示す.
休 憩(15:30 再開) 座長 山田 渉(NTT)
BS-1-13 |
凸包検出アルゴリズムを用いたレイトレース法高速化手法の検討
○堀端研志・佐藤 浩・小柳芳雄(パナソニック) |
BS-1-14 |
都市環境におけるレイトレーシング法を用いた伝搬損失特性
◎清水健矢・安藤健悟・橋本貴博・中西孝行・瀧川道生・米田尚史(三菱電機) |
BS-1-15 |
壁面材質と建物高を考慮したレイトレーシングによる伝搬損失推定
◎安藤由純・藤元美俊(福井大) |
市街地マクロセルの伝搬損失推定手法として,凸包検出アルゴリズムを用いて建物群をクラスタリングし,レイトレース法の計算量を軽減することでレイトレース法をより広い環境で適用するための検討を報告する.市街地マクロセル環境において,同程度のRMSEで50倍以上の計算高速化を確認した.
次世代移動通信,Internet of Things,コネクテッドカーなど,高速かつ高品質な無線通信環境を実現するには複雑な電波伝搬特性の理解が不可欠であり,その実用化においては電波伝搬特性の的確なモデリングが極めて重要である.本稿では,レイトレーシング法を用いて,建物側壁の凹凸による散乱の影響を考慮し作成した伝搬モデルの精度評価を行ったので報告する.
電波を用いた通信を高品質に行うには, 通信環境の電波伝搬特性の把握が必要不可欠であり, その一手段としてレイトレーシング法が利用されている. レイトレーシングにより, 高精度な解析が可能であるが, そのための再現度の高い環境モデルが必要とされる.
本報告では, 市街地モデル内の建物の材質や高さが伝搬損失に与える影響を明らかにし, 実測定データとの比較を行うことで, モデルに適した建物の材質の物理特性値を明らかにした.
BS-2. 目的とする信号・現象を抽出するEMC測定技術
(環境電磁工学研専)
3月21日 13:00〜14:40 54号館 404教室 座長 西方敦博(東工大)
BS-2-1 |
赤外線2次元ロックインアンプによる電磁波イメージング
○前野 恭(所属なし) |
BS-2-2 |
A K-Order Model: Novel SAR Evaluation with Low Estimation Errors for Multiple-Antenna Transmitters
○Dinh Thanh Le・Kun Li・Soichi Watanabe(NICT) |
BS-2-3 |
2つのループアンテナと回転台を用いたインパルス性磁気雑音源の位置推定
◎富塚ゆみ子・西方敦博(東工大) |
BS-2-4 |
屋内配電網構造推定のための適切なTDRパルスの決定
◎小林史和・松嶋 徹・福本幸弘(九工大) |
空間の電磁波強度分布を測定する手法について紹介する。電界、磁界それぞれの3次元空間強度分布を測定することができる。検出には電界あるいは磁界吸収シートと、シート面の温度変化を極めて高感度に測定することのできる赤外線2次元ロックインアンプを用いる。
In this paper, we propose a new estimation technique using K-order electric field models for evaluating the maximum local specific absorption rate (SAR) of multiple-antenna transmitters. Details of the K-order models, estimation methods, and validations are presented and discussed. Thanks to the proposed K-order models, the estimation errors can significantly reduce, compared to that of conventional techniques. For example, in SAR evaluation of a three-antenna configuration, about 4% maximum errors caused by conventional techniques can reduce to 0.1% or 0.01% by 2- and 3-order estimations, respectively.
簡易な装置でインパルス性磁気雑音波源位置を推定する手法を提案した.まず,ノイズ波源として垂直磁気ダイポールを仮定し,回転台の上に設置した.台を回転しながら2つのループアンテナで雑音波形を同時記録し,ピークの電圧V1,V2のペアを得た.比(V1-V2)/(V1+V2)を回転角度に対してプロットすると,波源位置をパラメータとする理論カーブと良く一致することを示した.これにより,理論カーブのフィッティングを行うことで波源位置推定が可能であることの見通しを得た.
屋内配電網の接続関係を明確にできればPLCの最適化が可能になる。この接続関係を明らかにするためにTDR法を用いることを想定し、最適な立ち上がり時間を設定した。この結果、VVFケーブルの透過特性から、立ち上がり時間を21.2nsに設定し、1.75mの距離分解能を持たせることができた。
BS-3. 新たな産業システムを実現するための超信頼・超低遅延・自律制御ネットワーク技術
(ネットワークシステム研専)
3月22日 13:00〜14:40 52号館 202教室 座長 前川智則(東芝)
BS-3-1 |
AN APPROACH TO SIMULATING MULTI-SERVICE HIERARCHICAL NETWORKS WITH MUTUAL OVERFLOWS
○Mariusz Glabowski・Przemyslaw Walkowiak(Poznan Univ. of Tech.) |
BS-3-2 |
Modelling of switching networks with multi-service sources and multicast traffic
○Piotr Zwierzykowski・Maciej Stasiak・Maciej Sobieraj(Poznan Univ. of Tech.) |
BS-3-3 |
Design Routings in Primary and Backup Network to Minimize Backup Capacity for Random Multiple Link Failures
○Soudalin Khouangvichit(The Univ. of Electro-Communications)・Eiji Oki(Kyoto Univ.)・Nattapong Kitsuwan(The Univ. of Electro-Communications) |
BS-3-4 |
多数の近接するアドホックネットワークにおけるスループット向上のためのユーザ移動制御
◎奥村幸介・村瀬 勉(名大) |
In the paper the main assumptions and the general architecture of a simulator of multi-service networks with mutual and hierarchical overflows is presented. The simulator allows us to study also networks with threshold mechanisms. These mechanisms are used in teletraffic engineering to model the system in which, after exceeding a certain threshold of system utilization, the amount of resources allocated to the admitted traffic streams is limited. Along with a decrease in the volume of admitted resources, the service time is extended or the original time of service is kept.
This article proposes a new calculation method for a determination of traffic characteristics in switching networks with multi-service traffic sources carrying unicast and multicast traffic. The calculation method presented in the paper can be used to determine the point-to-point blocking probability in switching networks with unicast and multicast connections. In this method, each traffic source can generate calls of different service classes. The described analytical method is approximate, therefore the results of calculations are compared with the results of simulation experiments. The simulation results confirm acceptable accuracy of the proposed method.
This paper introduces a backup network designed to protect the primary network from the random multiple link failures with the probability of link
failure by considering the routings in the primary and backup networks.
本稿では、多数の近接するアドホックネットワークにおいて、ネットワーク内のユーザを移動させることにより、ネットワーク全体の通信品質を向上させるユーザ移動手法を提案する。多数のアドホックネットワークが近距離に集中する場合、自ネットワーク内のノードからの干渉に加え、他ネットワークのノードからも干渉を受ける。そのため、どちらの干渉も考慮してユーザを移動させることによって、ネットワーク全体の通信品質を向上させる。本稿では、ユーザ移動の効果を把握するために、基礎的なネットワーク配置において、ノードの位置に対するスループット特性を調査した。
BS-4. Compositive Information Communication Technologies and Applications for Future Network Systems
(ネットワークシステム研専)
3月19日 9:00〜11:45 Room 104, Bldg. No. 52 Chairperson Saneyasu Yamaguchi(Kogakuin Univ.)
BS-4-1 |
Context-aware UE Slicing Leveraging Deep Learning and Software-Defined RAN
○Ping Du・Akihiro Nakao(The Univ. of Tokyo) |
BS-4-2 |
Heuristic Algorithm for Maximizing Total Data Throughput in Service Chaining
◎Daisuke Amaya(The Univ. of Fukui)・Shunsuke Homma(NTT)・Takuji Tachibana(The Univ. of Fukui) |
BS-4-3 |
Reinforcement Learning based Service Function Chain Scaling in Network Function Virtualization
◎Yansen Xu(The Univ. of Electro-Communications)・Ved P. Kafle(NICT) |
In this paper, we present a context-aware user
equipment (UE) slicing architecture leveraging in-network deep
learning and software-defined radio access network (RAN). We
detect the context info of each packet utilizing deep learning
and assign packets to different RAN slice for context-aware
radio spectrum scheduling. Each RAN slice may have its own
spectrum resource blocks and also its own scheduling algorithm.
We implement application-specific UE slicing as an example of
context-aware UE slicing and show that different applications
on the same UE can be assigned to different RAN slices for
application-specific processing.
Network function virtualization (NFV) is a technology to provide network functions as software running on commercial off-the-shelf servers. In order to utilize such virtual network functions (VNFs), service chaining that is an emerging technology to steer traffic flows to VNFs in appropriate order would be required. In the service chaining, the data throughput for each service chain is affected by the performance of VNFs and the transmission route. In this paper, we propose a heuristic algorithm for determining VNF placement and transmission route to maximize the total data throughput in service chaining. From performance comparison, we find that the total data throughput can be increased by using our proposed algorithm.
The virtualized network function (VNF) scaling in SFC is a major challenge to realize automatic network control and to achieve optimal network resource utilization. Machine learning has been applied to many areas and it is promising for automatic network resource allocation. In this report, we describe the VNF scaling problem and model the VNF scaling problem as an overall cost minimization problem. We introduce the concept of reinforcement learning, and to apply reinforcement learning to VNF scaling problem, we formulate the state space, action space and rewards for reinforcement learning.
休 憩(10:30 再開) Chairperson Hiroshi Sunaga(Osaka Inst. of Tech.)
BS-4-4 |
Knowledge Based Strategy for Virtual Resource Negotiation
○Abu Hena Al Muktadir・Masahiro Jibiki・Pedro Martinez-Julia・Ved P. Kafle(NICT) |
BS-4-5 |
Creation and Control of a Sharable Emergency Packet Transport Network based on Carrier-collaboration in Disaster Recovery
○Sugang Xu(NICT)・Noboru Yoshikane(KDDI Research)・Masaki Shiraiwa(NICT)・Takehiro Tsuritani(KDDI Research)・Yoshinari Awaji・Naoya Wada(NICT) |
BS-4-6 |
Optimal Two-Sided Pricing-based Incentive Mechanism for Mobile Crowdsourcing with Network Effects
◎Wei Li・Cheng Zhang(Waseda Univ.)・Zhi Liu(Shizuoka Univ.)・Yoshiaki Tanaka(Waseda Univ.) |
We have modeled the negotiation process of creating a pool of leased but unused resources among an Infrastructure Provider (InP) and its customers Virtual Network Operators (VNOs) by using a repeated game. InP offers VNOs compensation for returning unused leased resources, with the objective of creating the mentioned pool of resources to allocate to new VNOs when resource requests arrive from them. In this paper, we propose a prior knowledge based strategy, which determines compensation prices according to the mean and standard deviation of previous transaction history among InP and each incumbent VNO. We numerically evaluate the improvement in the utilities for InP and VNOs provided by the proposed strategy, which outperforms two conventional strategies and two of our previously presented strategies without any prior knowledge.
For efficient post-disaster recovery, we investigate the approach for collaboration among carriers and a third-party organization to take advantage of widely distributed surviving network resources within the disaster area. Carriers can quickly recover the communication capability while satisfying the important traffic requirement (e.g., for victim relief) with further reduced recovery costs. We introduce an architecture design and a six-phase disaster recovery process for both the creation and orchestration control of the carrier-collaboration-based sharable EPOC network. We demonstrate that both carriers can benefit from the collaboration in disaster recovery. More importantly, during collaboration the carriers’ confidential topology information is strictly protected.
In this paper, we consider two kinds of network effects: direct network effects and indirect network effects, both of which are positive. Then, we incorporate the impact of them on privacy protection and sensing data quality into the design of incentive mechanism, where mobile users can fully control their privacy protection level. Numerical simulation is carried out to evaluate the proposed incentive mechanism.
3月19日 13:00〜17:00 Room 104, Bldg. No. 52 Chairperson Ved Prasad Kafle(NICT)
BS-4-7 |
Locating deteriorated links by optimal multicast proving on OpenFlow networks
◎Minh Tri Nguyen・Syunya Nagata・Masato Tsuru(Kyushu Inst. of Tech.) |
BS-4-8 |
A Study on the Effectiveness of Delayed Packet Forwarding in Content-Centric Networking
◎Yuichi Yasuda・Ryo Nakamura・Hiroyuki Ohsaki(Kwansei Gakuin Univ.) |
BS-4-9 |
A Participating Cloud Computing Platform with In-Network Guidance for NDN
○Thomas Ansquer・Yosuke Tanigawa・Hideki Tode(Osaka Prefecture Univ.) |
With the penetration of cloud computing and contents delivery networking technologies, a flexible and dynamic traffic engineering among globally-distributed datacenters is demanded, in which an inter-datacenter (virtual) network is often centrally managed based on SDN technology including OpenFlow. The emerging edge-cloud computing for IoT technologies will further accelerate the need for reliable networking among a large number of heterogeneous sites over geographically-wider locations. In such networks, a "link" between two nodes is not always physical but virtual (e.g., tunneling), of which an active measurement by proving packets is essential to promptly monitor a deterioration.
In this paper, we analytically derive the average content delivery delay with delayed packet forwarding in CCN (Content-Centric Networking), which is a mechanism to intentionally delay forwarding of a content request packet (Interest packet) at routers. In CCN, when a router receives multiple Interest packets requesting the identical content, it can aggregate those Interest packets into a single Interest packet. This makes it possible to reduce the number of Interest packets and Data packets transferred through a network. In this paper, we focus on the delayed packet forwarding that intentionally delays Interest packet forwarding at routers, which aims to increase the aggregation probability at routers.
Named Data Networking (NDN) represents a promising architecture in Information-Centric Networking, with its efficient content-based query forwarding. But what about computational resources ? In a previous work from our laboratory, we have imagined a participating cloud computing platform over IP networking, where Suppliers are able to share their computational resources to Users, i.e. for big data analysis. For this purpose, we have designed Resource Breadcrumbs (RBC), a guidance mechanism to locate efficiently nearby resources. In this paper, we adapt the RBC framework to the NDN architecture, in order to make use of NDN's ground-breaking features and pursue further the research on autonomous and decentralized cloud computing.
休 憩(14:35 再開) Chairperson Nattapong Kitsuwan(The Univ. of Electro-Communications)
BS-4-10 |
Standardisation Activities and Development of Information-Centric Networking (ICN) in International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector (ITU-T)
○Keping Yu・San Hlaing Myint・Qiaozhi Hua・Zheng Wen・Xin Qi・Takuro Sato(Waseda Univ.) |
BS-4-11 |
A Study on NDN Based Off-path Participatory Crowdsensing with Area-Focused Interest Forwarding
◎Ashish Man Singh Pradhan・Yosuke Tanigawa・Hideki Tode(Osaka Prefecture Univ.) |
BS-4-12 |
A study on automation of testing API adapters
◎Sho Kanemaru・Kensuke Takahashi・Tomoki Ikegaya・Satoshi Kondo(NTT) |
As a promising method, Information Centered Network (ICN) is being implemented to make up for the deficiencies of current IP address-based networks. ICN model is based on naming content to eliminate the shortage of address space. It accesses content by name-based routing and caches content in intermediate nodes to provide reliable and efficient data transfer. Also, self-certifying content ensures better security. Therefore, ICN has attracted more and more researchers’ attention. Among them, standardization work of ICN is also progressing simultaneously. In this paper, we summarise the standardization activities and development of ICN in ITU-T.
Named Data Networking(NDN) has become one of the most popular Information Centric Networks. On the contrary, Mobile Crowdsensing is also gaining popularity whose main aim is to collect huge amounts of data by leveraging mobile terminals such as smart-phones that provide us ubiquitous communication environment. In this paper we propose a crowdsensing system using NDN. Unlike the works done before, data is gathered from off-path locations of NDN which includes ``outside network". The request for the data is forwarded in an `area-focused' manner. With this approach we expect to significantly reduce the redundant data responses.
This paper proposes a method to automate the test steps of API adapter. To test API adapters, not only API adapter itself but also the drivers and the stubs are necessary. Our proposed method resolves these requirements with (1) automatic generation of test parameter patterns, (2) automatic generation of stubs with response data, and (3) automatic deployment of stubs. This paper shows the design and example procedure of testing API adapters.
In future work, we would like to implement the proposed method to verify its feasibility from a quantitative viewpoint.
休 憩(16:10 再開) Chairperson Ved Prasad Kafle(NICT)
BS-4-13 |
Short-range high data rate WDM Ultraviolet-A LED-based communication link
◎Mohammad Hamed Patmal・Jiang Liu・Shigeru Shimamoto(Waseda Univ.) |
BS-4-14 |
Perfect Compensation for IQ Imbalance in Coherent Receiver Front-Ends under Fast Phase Fluctuations
◎Hiroki Nagai・Yojiro Mori・Hiroshi Hasegawa・Ken-ichi Sato(Nagoya Univ.) |
Demonstrating a wavelength division multiplexing (WDM) of ultraviolet (UV) and visible light communication (VLC) system based on UV band-A LED (365 nm) and VLC blue LED (470 nm) experimentally with 64 Mbps, employing several orders of quadrature amplitude modulation (QAM). In this paper we have demonstrated Volterra Decision feedback equalizer (VDFE) adopted to compensate effects of nonlinearity of the transmitting LEDs. Bit error rate (BER) of the link for distance of 1.5 m is below the forward error correction(FEC) threshold of 3.8 x 10-3. To the best of our knowledge, this is the highest data rate ever reported in UV communications systems.
We proposed a novel FIR-filter configuration which can compensate for IQ imbalance generated in the front-end circuit of coherent optical receivers under phase fluctuations. Through intensive computer simulations, we evaluated the impacts of IQ imbalance on the performance of dual-polarization 64-QAM systems and verified that the proposed scheme can eliminate them with no penalty.
3月20日 9:00〜11:45 Room 104, Bldg. No. 52 Chairperson Takuya Fujihashi(Ehime Univ.)
BS-4-15 |
Study on Relationship between EEG and Mobile Gaming QoE
○Han Qiu・Tatsuya Yamazaki・Junichi Hori(Niigata Univ.) |
BS-4-16 |
Buffer Aided Receiver for Diffusive DNA Based Molecular Communication
◎Yao Sun・Masaki Ito・Kaoru Sezaki(The Univ. of Tokyo) |
BS-4-17 |
Adaptive Biometric Authentication with Smart Clothing Using Electrocardiogram and Acceleration
○Ryunosuke Kunisawa・Taku Yamazaki・Takumi Miyoshi・Yoshihiro Niitsu(Shibaura Inst. of Tech.) |
In this study, we aim to clarify the relationship between QoE and QoS in a mobile role-playing game situation. Therefore, we originally build an experimental environment to control the QoS parameters, collect EEG (electroencephalography) and subjective QoE assessment data during game operation, and analyze correlation between gaming the QoE evaluation and the EEG data. Our goal is to promote the development of new services for the telecommunication industry and the game industry through this research.
This paper presents a buffer aided receiver method for the diffusive DNA based molecular communication (MC). DNA molecules can be used as data packets, and significantly increase the channel capacity of diffusion-based molecular communication (DBMC). However, due to the diffusion character of the DNA molecules, the disordered arrival is a crucial problem of diffusive DNA based MC. Aiming at this problem, we apply multiple duplicated DNA packets to increase the correct arrival probability of a packet. A buffer is also introduced to the receiver to temporarily store the packets, and compare the number to determine the transmitted packet in the current slot. Simulations show that the proposed method can increase the efficient transmission rate (ETR) significantly, compared with the order-based method.
Biometric authentication, which mitigates spoofing attacks, has a lower leakage risk of the authentication information than the password authentication since it is difficult to imitate biometric information. However, the major biometric authentication systems require some specific user's actions in the authentication process. To relieve the actions, biometric authentications based on electrocardiogram or acceleration, which do not require any specific actions, have been proposed. However, these methods restrict the user behavior since they only work on a specific state of user behavior.
This paper proposes an adaptive biometric authentication based on electrocardiogram and acceleration independent of the user behavior by using a smart wearable measuring instrument called hitoe wear.
休 憩(10:30 再開) Chairperson Kazuhiko Kinoshita(Tokushima Univ.)
BS-4-18 |
Complex Character Retrieval from Comics using Deep Learning
○Ravi Jain・Hiroshi Watanabe(Waseda Univ.) |
BS-4-19 |
An Evaluation of The Impact of Dataset Bias in Pretrained VGG Network on The Performance of Neural Network Based Style Transfer
◎Zichen Gong・Hiroshi Watanabe(Waseda Univ.) |
BS-4-20 |
Study of a Data Display System by Smart Glasses Equipped with a CSK Code through the Network Database
◎Kotaro Murase・Kosuke Watai・Ayumi Saito・Noriharu Miyaho(Tokyo Denki Univ.) |
The field of computer vision has had exponential growth in the past couple of years. Meanwhile, Digital comic books have been replacing printed books. In this paper, we are going to discuss the state-of-the-art deep learning techniques applied for object detection within comics, that can subsequently lead to advanced character-based search within such digital books.
We conduct an experiment to verify and confirm that the dataset bias introduced by ImageNet could have a negative effect on the stylization outputs. The result suggests that one may train the VGG network from scratch with his own dataset for a proper feature extractor in the style transfer task based on neural networks, especially when his dataset is quite different from ImageNet.
Secret information data display can be realized by using smart glasses which has communication and processing capability. The display service of physiological personal data such as heartbeat, blood pressure and so on will be realized by showing them in real time on the screen of smart glasses. We investigated the secure communication system using wearable communication devices such as smart glasses of which screen the secure CSK code and it is decoded personal data can be displayed. We also evaluated the network system performance by making use of the smart glasses and database on the clouds.
3月20日 13:00〜17:00 Room 104, Bldg. No. 52 Chairperson Taku Yamazaki(Shibaura Inst. of Tech.)
BS-4-21 |
Comparison of Machine Learning Classifiers for Land Cover Mapping in Google Earth Engine
○Nyein Soe Thwal・Takaaki Ishikawa・Hiroshi Watanabe(Waseda Univ.) |
BS-4-22 |
Future Research Trends by Integrating Deep Reinforcement Learning, Robotics and Game Theory
○Cheng Zhang(Waseda Univ.)・Richard T. B. Ma(National Univ. of Singapore)・Bo Gu(Kogakuin Univ.)・Noriaki Kamiyama(Fukuoka Univ.)・Wei Li・Yoshiaki Tanaka(Waseda Univ.) |
BS-4-23 |
Effect of Stabilization Control on Hand Delivery of Object between Remote Robot Systems with Force Feedback
○Qin QIAN・Yuichi TOYODA・Yutaka ISHIBASHI(Nagoya Inst. of Tech.)・Pingguo HUANG(Seijoh Univ.)・Yuichiro TATEIWA(Nagoya Inst. of Tech.) |
BS-4-24 |
Reducing the Total Cost of Ownership of Virtual Computer and Network Systems
○Pedro Martinez-Julia・Ved P. Kafle・Hitoshi Asaeda(NICT) |
BS-4-25 |
Segment Routed Traffic Engineering using Randomized Sampling with Bounded Stretch
○Tossaphol Settawatcharawanit(SOKENDAI)・Yusheng Ji(NII) |
Comparison of land cover classification using six machine learning classifiers was executed in this paper.
This paper deals with fusion of deep reinforcement learning, robotics and game theory. Common subject, objective, and application of these three techniques are analyzed, and it is expected to strengthen the effect of these three techniques by integrating them in a common framework. To the best our knowledge, it is the first time to consider these three techniques at the same time in this paper. Possible future research directions that integrate deep reinforcement learning, robotics and game theory are also provided.
In this paper, we handle the switching control as stabilization control and investigate the effect of the switching control on hand delivery of an object between the remote robot systems with force feedback. We also examine the influence of the network delay on the hand delivery by experiment.
In this paper we propose a decision method that optimizes the total cost of ownership (TCO) of a virtual network system by considering, in addition to the cost of using resources, the additional costs of requesting the underlying provider to adjust the resources and the cost of degrading the service level of the system. We demonstrate that a TCO reduction of more than 12% can be achieved by using our algorithm in comparison to a traditional method that only considers resource utilization.
Segment Routed Traffic Engineering has been proposed as a promising Traffic Engineering scheme to replace the MPLS-TE. However, the segment routing traffic engineering problem is computationally intensive. In this work, we propose a trade-off scheme for segment routed traffic engineering using randomized sampling with bounded stretch. The results show that our approach outperforms another existing approach in term of both computation time and maximum link utilization.
休 憩(15:20 再開) Chairperson Hideharu Kojima(Osaka Univ.)
BS-4-26 |
A Node Cooperation Method with Power Transfer Incentives in Mobile Ad Hoc Networks
◎Yoshihiro Taniguchi・Taku Yamazaki・Takumi Miyoshi(Shibaura Inst. of Tech.) |
BS-4-27 |
Transmission Control in Adaptive Anchor Zone Adjustment Based on Terminal Encounter Rate for Floating Contents
◎Atsufumi Kashima(Waseda Univ.)・Taku Yamazaki(Shibaura Inst. of Tech.)・Ryo Yamamoto(The Univ. of Electro-Communications)・Yoshiaki Tanaka(Waseda Univ.) |
BS-4-28 |
The Impacts of Several Factors on Network Connectivity in VANET
○DAWEI HE・CHUNXIAO LI・Haitao WANG・JIE YAO(Yangzhou Univ.) |
BS-4-29 |
Performance Evaluation on MAC Layer Protocol in Crash Warning Application using PC5-based Cellular-V2X mode4
◎△Takeshi Hirai・Tutomu Murase(Nagoya Univ.) |
A mobile ad-hoc network (MANET) realizes multi-hop communication based on the cooperation of intermediate nodes without relying on an existing infrastructure. In general, MANET can only be adapted to only military, disaster, and rescue scenarios. As one of the major reasons, the nodes may tend to act selfish behavior in civilian applications since users are willing not to forward packets for saving own resources.
As one of wireless power transfer technologies, which transfer electric power by wireless medium, have been developed.
Under the assumption that each mobile terminal has the transmit and receive antennas for long-distance wireless power transfer, this paper proposes a routing protocol which motivates node cooperation by supplying electric power as an incentive via the wireless power transfer.
Floating content is a novel information sharing architecture on which contents are relayed among mobile terminals and float in a specific area. However, there is a drawback that these contents vanish when there are no terminals holding the contents inside the area. This happens especially when the terminal density of the sharing area is sparse, or when all the terminals holding the contents move outside the area. However, unregulated expansion of the area leads unnecessary dissemination. This paper proposes a method to optimize the effective radius control and the transmission timing control in order to suppress unnecessary dissemination.
Vehicular Ad hoc Network (VANET) has developed rapidly in recent years, especially when it was integrated with the current popular technologies, such as the 5G, the AI and as well as the big data. However, no matter what kinds of new technologies it will integrate with, all applications of the VANET are based on the wireless communications between vehicle-to-vehicle (V2V) and vehicle-to-infrastructures (V2I). In fact, the network connectivity is one of the key factors for achieving reliable communications. Therefore, it is necessary to find what and how the factors affect the connectivity.
This paper presents the characteristics of the MAC layer protocol of infrastructure-less Cellular-V2X communication for Crash Warning Application. In the MAC layer protocol (is called Sensing-based SPS), each node estimates interference power of slots from the average signal power over past slots to select a slot of low interference. As the number of nodes increases, the estimation mechanism, however, fails to correctly infer interference power. As a result, each node frequently selects a bad slot to use. Our evaluation results showed that the estimation mechanism of current Sensing-based SPS was not almost effective to increase the number of accommodated nodes compared to the method that random selection instead of the estimation mechanism.
3月21日 13:00〜17:00 Room 104, Bldg. No. 52 Chairperson Takuji Tachibana(Univ. of Fukui)
BS-4-30 |
An Investigation of Transmission Power Optimization for Performance Improvement at Concurrent Communications of Multiple Access-Points in Wireless Local-Area Network
◎Hendy Briantoro・Nobuo Funabiki・Md. Manowarul Islam・Rahardhita Widyatra Sudibyo・Kwenga Ismael Munene・Minoru Kuribayashi(Okayama Univ.) |
BS-4-31 |
Relay Node Controlled Routing Based on Location Information for Mobile-Assisted Ad Hoc networks
◎Shota Ono・Taku Yamazaki・Takumi Miyoshi(Shibaura Inst. of Tech.) |
BS-4-32 |
A Proposal of Dynamic Delay Optimization Function in TCP Fairness Control Method for Two-Host Concurrent Communications in Elastic WLAN System
◎Rahardhita Widyatra Sudibyo・Nobuo Funabiki・Kwenga Ismael Munene・Md. Manowarul Islam(Okayama Univ.) |
BS-4-33 |
Crowd Information System Utilizing Smartphone Bluetooth
◎CHENWEI SONG・Masaki Ito・Kaoru Sezaki(The Univ. of Tokyo) |
BS-4-34 |
Implementation of Student Answer Analyzing Function for Desktop-version Java Programming Learning Assistant System
○Ei Ei Mon・Nobuo Funabiki・Su Sandy Wint・Minoru Kuribayashi(Okayama Univ.) |
IEEE802.11 Wireless Local-Area Network (WLAN) technology has become prevalent around the world due to the easy, flexible and inexpensive deployment. In WLAN, a host is connected with an access point (AP) using wireless media for the Internet access. Then, for the performance improvement, it is important to reduce interferences among concurrent communications of multiple APs by minimizing the transmission power, while ensuring the sufficient receiving signal strength (RSS) at the host. In this paper, we investigate the transmission power optimization to maximize the total throughput of WLAN through extensive measurements when two APs are concurrently communicating. The results confirm the importance of the AP transmission power optimization in WLAN.
In a mobile ad hoc network (MANET), general ad hoc routing protocols cause the traffic load due to control messages in route discovery process.
To alleviate this, location-based routing protocols reduce them in the route discovery process. However, they degrade the performance due to movement of nodes since it is difficult to track the locations by only exchanging local messages.
To address the above issue, assuming the applications of MANET in urban areas, this paper proposes a relay node controlled ad-hoc routing which reduces the control messages based on location information obtained from a server via mobile networks.
The throughput unfairness appears in concurrent communications between an access-point(AP) and multiple hosts in IEEE802.11n wireless local area network(WLAN). Previously, we proposed the TCP fairness control method to solve this problem in concurrent communications of two hosts, by introducing the delay in packet transmissions to the slower host. However, only the initial delay is calculate from the RSS difference between the hosts at the AP. To improve the fairness, the delay needs to be optimized manually. In this paper, we propose the dynamic delay optimization function in the TCP fairness control method for two-host concurrent communications. The delay is dynamically optimized by observing the throughput fairness index and applying the PI controller during communications. The effectiveness is verified through experiments using the testbed.
This paper presents a crowd information system based on Bluetooth sensor that allows users to see visualized crowd information using their smartphones. Due to the system uses participatory sensors which means the mobile phone installed our app also becomes a Bluetooth sensor that detects and uploads crowd information around it. Therefore, the system doesn’t need additional equipment except for smartphones and the server that receives and processes the data. Our system is more flexible and low-cost than infrastructure-based methods such as closed-circuit television (CCTV) cameras or commercial routers with counting modules.
To offer an advanced Java programming learning environment at any location, we have developed Desktop-version Java Programming Learning Assistant System (D-JPLAS). D-JPLAS supports five types of programing problems that cover various stages of Java programming study. Currently, D-JPLAS implements the functions for generating programing assignments and for managing answer files from students, to assist a teacher without the Internet connection. In this paper, we newly implement the student answer analyzing function for two problem types in D-PLAS to help a teacher in grading students and giving feedbacks to them.
休 憩(15:20 再開) Chairperson Tatsuaki Kimura(Osaka Univ.)
BS-4-35 |
Throughput Measurement Location Minimization Method for Access-Point Transmission Power Minimization in Wireless Local-Area Network
◎Md Manowarul Islam・Nobuo Funabiki・Mousumi Saha・Ismael Munene Kwenga・Rahardhita Widyatra Sudibyo(Okayama Univ.) |
BS-4-36 |
Social-aware Cooperative Relay Selection in D2D Communication
◎Yu Long(Waseda Univ.)・Ryo Yamamoto(The Univ. of Electro-Communications)・Taku Yamazaki(Shibaura Inst. of Tech.)・Yoshiaki Tanaka(Waseda Univ.) |
BS-4-37 |
Data Offloading System with the Cooperation of Wi-Fi Connected Neighbour Terminals
◎Jintian Li・Taku Yamazaki・Takumi Miyoshi(Shibaura Inst. of Tech.) |
BS-4-38 |
An Evaluation of Calligraphy Learning Assistant System Using Projection Mapping
◎samsul huda・Nobuo Funabiki・Minoru Kuribayashi・Sandi Kyaw Htoo Htoo(Okayama Univ.) |
To improve the performance and reduce the energy consumption of a wireless local-area network (WLAN), we have studied the transmission power minimization of access-points (APs) using the throughput estimation model. This model has several parameters whose values must be tuned after throughput measurements are conducted with different powers in the target field, which needs a lot of labor costs. In this study, we present a measurement location minimization method for selecting host locations that can keep the original accuracy. We confirm the effectiveness through experiments for IEEE802.11n WLAN, where the throughput estimation error is not degraded after the location minimization.
Cooperative communication in which devices can act as relays between each device. Traditional relay selection stays in unstable connection because of users' mobility. This paper proposes a relay selection strategy with social relationship to improve the success rate in cooperative communication by selecting reliable relays.
The popularity of smartphones has significantly grown and the users become to download large volume contents via mobile networks. However,the large volumes of the content such as videos, which causes such huge traffic in the mobile networks, will be further grow in the future even though the available bandwidth of mobile networks is limited. To reduce the mobile network traffic, location-based cooperative data offloading system has been proposed.However, the conventional system does not consider that the terminals who connected the other network such as Wi-Fi instead of mobile networks, and therefore it may realize to reduce mobile network traffic if it is effectively used. This paper proposes an extended variant of the cooperative download method by using nearby Wi-Fi connected mobile terminals to download data to reduce the mobile network traffic.
Nowadays, calligraphy has become popular around the world as a simple but challenging hobby for everyone. To encourage its self-learning, we have proposed the calligraphy learning assistant system using projection mapping. This system directly projects a movie of writing letters by a teacher on the paper. By tracing the letter writing, a student is expected to learn it correctly. In this paper, we conduct an evaluation of the system through applications to 14 novice students with three phases. In the first and third phases, all of them write letters by the conventional method. In the second phase, the half of them follows the proposal and the remaining does the conventional method. The comparisons in terms of the teacher’s grading and the similarity score with the teacher’s letters show that the proposal generates better calligraphy in the second phase while both methods are similar in the other phases.
3月22日 9:00〜11:45 Room 104, Bldg. No. 52 Chairperson Tokumi Yokohira(Okayama Univ.)
BS-4-39 |
On Buffer Management for TCP/NC Tunneling
◎Viet Ha Nguyen・Masato Tsuru(Kyushu Inst. of Tech.) |
BS-4-40 |
Activity Prediction Using LSTM in Smart Home
○△Yegang DU・Yuto LIM・Yasuo TAN(JAIST) |
BS-4-41 |
Support for ECHONET Lite Protocol in the oneM2M Ecosystem
○Van Cu Pham・Yoshiki Makino・Yasuo Tan(JAIST) |
Transmission Control Protocol (TCP) is still dominantly used for reliable end-to-end data transfer, but it is ineffective in lossy networks. Therefore, we previously proposed TCP/NC tunneling with its advantage in practical implementation. However, it still has some problems need to improve such as buffer management for balancing between congestion control and inter-sessions fairness. In this study, we propose a new scheme to determine when the buffer be full to fairness dropping the overload packets and distinguish the useful and unuseful duplicated packets to correctly dropping the unnecessary packet to save the TCP Sending buffer size.
This research proposes an universal LSTM-based solution to predict ADL in smart home and achieves
acceptable performance. Compared with classical method, our approach can utilize more knowledge so that it gets higher accuracy.
ECHONET Lite is a network protocol that provides a standard way to control household appliances to achieve interoperability between devices from different vendors inside the house. However, it lacks the interoperability with service platforms that provide services/applications for ECHONET based smart homes from outside of home networks. This paper introduces a solution to integrate the ECHONET Lite protocol into the oneM2M ecosystem which is the global standards initiative in order to improve the interoperability of the ECHONET Lite protocol.
休 憩(10:30 再開) Chairperson Yosuke Tanigawa(Osaka Prefecture Univ.)
BS-4-42 |
Learning Model for Android Programming Learning Assistant System
○Yan Watequlis Syaifudin・Nobuo Funabiki・Minoru Kuribayashi(Okayama Univ.) |
BS-4-43 |
Position Estimation in a Classroom by Mutual Communication of Wireless Terminals
◎Yutaro Komuro・Takumi Miyoshi・Taku Yamazaki(Shibaura Inst. of Tech.) |
BS-4-44 |
Implementation of Code Completion Problem in Online Java Programming Learning Assistant System
◎Kyaw Htoo Htoo Sandi・Nobuo Funabiki・Nobuya Ishihara・Minoru Kuribayashi(Okayama Univ.)・Zaw Khin Khin(Yangon Technological Univ.) |
With increasing demands for Java-based Android application engineers, we have developed the Android Programming Learning Assistant System (APLAS). In this study, we propose a learning model that can guide students to independent learning by utilizing the test-driven development (TDD) method to automatically mark the student answers, where JUnit and Robolectric are adopted as the marking engines. The application to 40 students proves the effectiveness of the proposal in learning Android programming.
Location-based Services (LBSs) provide various applications depending on users' locations. As a positioning method of users, Global positioning system (GPS) is available outside to pinpoint where users are, where wireless communication such as Wi-Fi and Bluetooth must be used inside. In the latter method, user positions are estimated by using Received signal strength (RSS) of the wireless signal, which varies depending on the shape of the room and the number of existing terminals. Therefore, it is necessary to consider a positioning method suitable for assumed environments.
In this paper, we propose an indoor positioning system for seated students in a classroom by using RSS of wireless signal. The proposed system will output the seating chart that shows who is sitting where, and thus help to activate.
To enhance Java programming educations, we have developed Java Programming Learning Assistant System (JPLAS). JPLAS provides several types of programming problems to cover different learning stages, including the element fill-inblank problem (EFP) and the code completion problem (CCP). In CCP, a Java source code with missing elements is given to a student. Then, it is requested to complete the code by filling them properly, where the answer is marked by comparing each statement with the correct one. Unlike EFP, CCP does not show the existence of missing elements explicitly. Currently, unlike EFP, CCP is only implemented on the offline JPLAS, where the assignment deliver and the answer submission are made using an USB memory between a teacher and a student. In this paper, we implement CCP on online JPLAS to reduce loads for applying CCP to many students in a Java programming course, by extending the implementation of EFP.
BS-5. ネットワーク技術特別ポスターセッション
(ネットワークシステム研専、情報ネットワーク研専 共催)
3月21日 13:30〜15:30 53号館 301教室 座長 四七秀貴(NTT東日本)
BS-5-1 |
負荷の偏りを考慮したクラスタシステムのスケーリング手法
○岩佐絵里子・太田正純(NTT) |
BS-5-2 |
LLCを共有したNFVシステムの干渉影響に関する一考察
○藤田勝美・伊藤義人・金子雅志(NTT) |
BS-5-3 |
多言語に対応した複合災害対策システム
◎稲葉弘祐・内山翔太・水野 修(工学院大) |
BS-5-4 |
情報指向型ネットワークにおける多様な要求に適応するキャッシュ制御方式
◎嶋田 匠・望月寛大・水野 修(工学院大) |
BS-5-5 |
輻輳時におけるMACレイヤ制御フレーム割合の計測評価
◎△戸田佳成・村瀬 勉(名大) |
BS-5-6 |
ブロックチェーンを用いた通信サービスのデータ管理方法の検討
○赤松雄貴・大谷育生・藤本 圭・篠原健太・堀米紀貴(NTT) |
BS-5-7 |
強化学習を用いた太陽追跡の検討
○菅原拓也・伊藤 篤・羽多野裕之(宇都宮大) |
BS-5-8 |
ビーコン連携、宇都宮ハラールアプリ
○傅 翔・伊藤 篤・羽多野裕之・友松篤信(宇都宮大) |
BS-5-9 |
開発文書作成支援技術に関する一考察‐複合語の類似度計算に関する提案‐
○齋藤鎮成・宮尾 浩・須永 聡・長谷川菜那(NTT) |
BS-5-10 |
会議活性化のためのファシリテーション技術の検討
◎木村明雅・伊藤 篤・羽多野裕之(宇都宮大) |
BS-5-11 |
様相論理による分散システムの記述とシミュレーションに関する研究
◎柳久保友貴・伊藤 篤(宇都宮大) |
BS-5-12 |
長時間脳波測定によるマインドステート推定に関する研究
○谷中 智・伊藤 篤・羽多野裕之(宇都宮大) |
BS-5-13 |
ソフトウェア開発文書作成支援技術の向上に関する一検討 -略語とそれに対応する原型語の自動獲得手法-
◎長谷川菜那・宮尾 浩・齋藤鎮成(NTT) |
BS-5-14 |
移動する車両をアクセスポイントとする高速無線LAN通信方法
◎小林聖弥・村瀬 勉(名大) |
BS-5-15 |
エミュレーション環境におけるISDSRの性能評価に関する研究
◎清水真之介・小島英春・矢内直人・土屋達弘(阪大) |
BS-5-16 |
アドホックネットワーク技術によるAndroid端末とRaspberry Piを用いた出席確認システムの基礎的研究
坂 涼平・大谷天馬・藤田和希・○河野英太郎・角田良明(広島市立大) |
BS-5-17 |
BLE Advertisementを用いたアドホックネットワークの構築に関する研究
◎川﨑直人・伊藤 篤・羽多野裕之(宇都宮大) |
BS-5-18 |
OBSS環境におけるインジケータを利用した送信電力制御方式の改善
◎設樂 勇・平栗健史(日本工大)・矢野一人・江頭直人・鈴木義規(ATR) |
BS-5-19 |
制限時間付き大容量ファイル転送のためのマルチパスルーティング
○相津凜太郎・木下和彦(徳島大) |
BS-5-20 |
低消費電力無線を用いた森林における近距離電波伝搬モデルの研究
○山岡聖宗・倉本大輔・濱﨑利彦(広島工大) |
BS-5-21 |
災害時の無線メッシュネットワークにおけるインタフェースモード割り当て
○古川裕也・木下和彦(徳島大) |
BS-5-22 |
アンライセンスバンドを用いたLTEとWiFiとの共存のためのチャネル割り当て
○岡市涼雅・木下和彦(徳島大) |
仮想化技術の進展により,プール化されたリソースを需要に応じて払い出すIaaS(Infrastructure as a Service)が一般的となった.仮想マシン(VM)の作成や削除が容易になり,システムを構成するVM数を増減させるスケールアウト/インによる需要変動への性能追従が可能である.
しかし,スケールアウト型構成の分散システムにおいて,特定VMへのアクセスが偏るケースではスケールアウトの効果がでない.本稿では,このような負荷の偏りに対し,特定VMのリソース量を増やすスケールアップを併用するスケーリング手法について提案する.
従来、専用ハードウェアを用いて運用されてきたキャリアネットワークにおいて、ネットワーク機能の仮想化(NFV)が広く検討されている。現在のNFV技術における課題としてリソース利用の競合による性能劣化の問題が挙げられ、リソース利用効率向上と性能保証の両立に向けて仮想マシン(VM)間での性能干渉に関する様々な検討がなされている。本検討ではVM間の性能干渉を防ぐ取り組みとして物理サーバ内のリソース割当制御に関する報告をする。
大規模な都市災害時において,一般のユーザや防災に従事しているユーザに対して,災害関連情報の配信が必要である.現行システムは,日本人が利用することを想定しているため,情報提示画面は日本語のみ対応している.しかし東日本大震災の翌年以降,外国人旅行者や移住者が増加していることから,実際の災害発生時において,システムを利用するユーザが必ずしも日本語を理解できるとは断定できない.そこで,災害情報を取得するシステムにおいて,日本語の知識がない人の情報収集を可能にする,多言語表示システムの実装を行った.提案手法の実装後,提案手法による言語実装方法を用いることで,開発工数の削減が可能であることを確認した.
コンテンツ配信に特化したネットワークとして,ノードがコンテンツをキャッシュ可能な情報指向型ネットワーク(ICN)が注目されている.コンテンツの共有を行うことができ,トラヒックの削減が期待できる.しかし,キャッシュ容量は有限であるため,キャッシュ制御を行い有効的に活用しなければならない.また,コンテンツの要求パターンは一様でないと推測できるため,状況に応じてキャッシュの制御方式を変更し,常に最善のキャッシュ制御を行う必要がある.本稿では,様々なコンテンツの要求パターンでシミュレーションを行い,既存のキャッシュ制御方式の特性を把握したが,キャッシュ制御は一意に定めて良いことを確認した.
無線LANでは、利用者が多くなると、それらの利用者で帯域を共有するために、スループットなどの品質が低下するが、それが多くの端末で引き起こされる場合には、MAC制御フレームなどが品質に大きな影響を及ぼす。本稿では、昼食時の大学の学食という実際のシステムで制御フレームを計測した結果について述べる。多くのAPが見える場合、制御フレームの割合が20%も占めることもあった。
ブロックチェーン技術が注目されており、ブロックチェーンの特徴である対改ざん性、高堅牢性、高可用性等の特徴を活かして、複数社で連携する通信サービスに適用することを検討した。ユースケースとして災害湯伝言板をあげ、ブロックチェーンの閲覧性能の懸念を、ブロックチェーンの機能であるスマートコントラクトを活用することで解決する方式の評価を行った。
電池を動力源とするIoTデバイスは,設置数に比例して電池の交換作業が大きな負担になることが予想され,この解決策として太陽電池と蓄電池の併用があげられる。
太陽電池の発電量を増加させる手法として,表面角度を変化させ太陽の動きを追跡することで,直達日射をより多く獲得し発電する手法がある。屋外での利用ケースでは,反射物や遮蔽物等の周辺環境を考慮した追跡が求められる為、太陽電池の出力に注目する。太陽方向を向いている場合に出力電流が増加することに着目し、強化学習を用いて出力電流から角度変化を推定する事について検討する。
近年、ASEAN諸国からの旅行者数は直近5年の年平均成長率が37.0%で伸長しており、2016年は約200万人 に至った。訪日ムスリム客は2014年の15万人から2016年には70万人へと増加し、2018年までに100万人を超えると予測されている。BLEビーコンは、小型で安価であるので、街中にBLEビーコンを設置することにより対応したアプリをインストールしている端末を持つユーザーがBLEビーコンの電波を受信したときに、ユーザーの位置情報の取得や、ユーザーへ近くのお店のクーポンなどのメッセージを通知することができる。本稿では、宇都宮市訪日ムスリム観光者や在留ムスリムを向け、BLEビーコンを利用して、どのようなハラール食事検索するできるアプリについて述べる。
ソフトウェアの開発においては、上流工程の作成物である開発ドキュメント(要件定義書や基本設計書)の品質が重要であり、各単語を正しく一意に記載することで開発稼働削減に繋がる。専門用語の多くを占める複合語に関して、開発者が入力した複合語に対する同義語を対象ドキュメントから抽出し提示するための技術を検討しており、本論文では、同義語抽出の際の類似度計算に関する一手法について提案する。
会議ファシリテーション技術として、参加者の発言機会を平等にすることは会議の質を向上させるために重要となっている。本研究では、事前実験としてコミュニケーションを題材に話し合いの性質を調査を行った。そこで得られた知見をもとに、会議支援の技術として参加者の頷きや表情の変化をもとに消極的な参加者を検知して話題を振るシステムを提案した。実際に評価実験を行ってシステム導入の有無による2群で比較したところ、参加者の発言回数への不満を招くことなく自然な形で参加の不均衡を小さくすることができ、本システムが会議において参加者の発言の機会を均等化するために有効であることが分かった。
近年, Bitcoinなどに代表されるブロックチェーンを用いたP2P型の仮想通貨が話題になり, その価格も急騰していた. また, Bitcoinとは別の理論に基づくP2P型仮想通貨も複数公開されており, 様々な方法を用いて分散した安全で堅牢な通過を実現している.
また, ブロックチェーン以外にも, インターネットに必要不可欠なDNSや, その他のP2P通信プロトコルなど, ノード同士が相互に接続をすることによって可動するシステムが数多く存在する.
これらの通信プロトコルの設計を考察するとき, 様相論理を用いた数学的な記述を行うことで, 分析・検証が可能になると考えられる.
本研究では, まずこの様相論理の練習問題として有名な古典的問題の”帽子問題(The Muddy Children Puzzle)”を記述し, そのシミュレータの実装を行う. そして, より実際の通信プロトコルに近い問題についても, 様相論理による記述を適用し, 分析・検証が行えるような論理体系を構築する.
ストレス社会に苦しむ現代人にとって,ストレスを取り除き,リラックスすることは重要である。
近年,安価な、シングルセンサのヘッドセット型の脳波センサが開発され,個人でも容易に脳波測定ができるようになった.また、脳波を利用した健康管理も注目されている。これまで、リラックスやストレスの測定は、数分間の脳波測定などにより行われてきたが、それだけでは、生活のリズムとのストレス・リラックスの関係、散歩などの運動の効果などを測定することは困難である。そこで、我々は、長時間脳波を測定し、一日の活動の中におけるリラックス・ストレスの状態の割合を測定し、一日のメンタルステートの変化とそれによる睡眠や翌時との活動への影響を分析する手法の開発を行っている。本稿では,長時間の脳波測定によるリラックス度,ストレス度を判別するために被験者の行動と脳波の関係性を示す。
開発現場では,「ミドルウェア」は「ミドル」,「電話番号」は「電番」のように略語が使用されることも多い.開発文書においてはどちらかに統一させることが必要であるが,執筆者は一人に限られないため,表記揺れが発生する.その表記揺れについてレビュー等で指摘されることも多く,修正に稼働を要する.また略語と原型語のどちらを記述すべきかはその開発現場によって様々であり,開発用語によっても異なるため一様に定めることは出来ない.本研究では新規の開発ドキュメントにおいて,略語とそれに対応する原型語のペアを自動的に抽出し文書の品質向上を実現する方法について提案する.
本稿では、走行する自動車を IEEE 802.11ac/ad の AP として用いて、歩行者などの通信ノードが自動車の LTE/5G 回線を経由してインターネットに接続する手法を提案する。ミリ波帯での移動通信の場合、通信ノード間距離および電波の直進性によって通信性能(スループットや通信断時間)が刻々と変化するため、固定ノード間における通信特性とは大きく異なる恐れがある。そこで、本稿では、上記の提案手法において、通信性能に影響すると思われる、自動車と歩行者との距離や自動車の速度、自動車の通過頻度の3点に着目し、通信性能を調査した。
安全な経路を保証するルーティングプロトコルであるISDSRをネットワークエミュレータを用いてパケットロス,経路構築速度の観点から性能評価する.性能評価にあたってRSA署名方式を用いたルーティングプロトコルとSRDPを比較対象とした.実験の結果,ISDSRはパケットロス率は他2つのプロトコルよりも低かった.経路構築速度は端末数の少ない環境では一番遅かったが,端末が増えホップ数の多い環境になるとRSA署名方式より速くなることが分かった.
現在,大学の講義では一般的に出席表への記入,学生証などのIC カードの読み取りなどによって出席確認が行われる.これらの方法では早めに講義を切り上げて記入漏れがないか確認する時間やIC カードの読み取り時間を設けることになる.そこで,大学生の多くが所持しているスマートフォンを用いて素早く出席確認を行うことができるシステムが役立つと考えられる.本稿では,上記の問題を解決するために開発しているアドホックネットワーク技術によるAndroid 端末とRaspberry Piを用いた出席確認システムについて述べる.
日本では地震や台風など災害が多く、非常時は迅速に避難情報を得なければならない。しかし災害によるインフラの破損や輻輳制限により現場では通信手段が制限されてしまう。この問題に対し、近年ではアドホックネットワークを用いた新たな情報通信手段の研究が行われている。本稿ではBluetooth Low Energy(以下BLE)をもちいたアドホックネットワークの構築及び通信方法について検討する。本研究では宮城県立聴覚支援学校の協力のもと、同校にてアドホックネットワークを利用した情報配信システムの構築を目指す。非常時を想定し、迅速な避難行動を行うためにメッセージの配信は短時間で行わなければならない。このため、パケットロス率と再送時間から実質転送時間を割り出してこれを最適化する。
無線LAN対応端末の増加に伴い空港,駅,複合施設などで無線LANのAP(Access Point)の設置台数が増加している.このような,無線LANのAPが密に設置された環境では,無線セルが重複するOBSS(Overlapping-Basic Service Set)が生じる.OBSS環境では,複数のAPが同じチャネルを共用するためCOR(Channel Occupancy Rate)が増加する.したがって各APの送信機会が減少しスループットの低下が起こる.そこで先行研究では,CORを抑えるためにAP間インジケータによる電力制御を提案した.本稿では,先行研究の提案方式をさらに改善するために,スループットの揺らぎを抑える手法を考案し,計算機シミュレーションにおいてその有効性を確認したため報告する.
近年,ネットワークの高速,巨大化が進んでおり,大容量ファイルの転送要求が増加しているため,今後もユーザのファイル転送の機会が増加すると予想される.ファイル転送に関する研究は多数行われているが,平均的に時間を短縮することを目的とするものが主流であり,完了時間を予測することが困難であるという問題がある.
そこで,ユーザが定めた制限時間までに転送を完了させ,それが不可能な要求は棄却するモデルが考えられている.
また,経路を同時に複数使用するマルチパスルーティングを行うことにより,負荷分散を行い総スループットを向上させることができる.ただし,複数経路に割り当てられた各々の要求の転送完了時間が最短になるよう,各々の経路へ最適なファイルサイズの振り分けを行うことが望ましい.
今日では,IoTが従来の工場を主体とする第二次産業分野から,第一次産業分野,いわゆる農林水産業に広がろうとしている.そこで注目されているのが,従来の無線インターネットシステムではカバーしきれていない領域を補完する低消費電力広域無線システム(LPWA: Low Power Wide Area)である.送信出力は非セルラー系では20mW程度に抑えられている.一方個人レベルで設置可能な近距離無線も安価でかつ保守が容易なシステムとしてLPWAと共存しながら進化するものと考えられる.
ネットワークは社会に必要不可欠なものであり,大規模な災害時でも利用できる無線ネットワークが注目されている.特に無線メッシュネットワーク (Wireless Mesh Network: WMN) は複数のノードを経由して,より広範囲の通信を行うことができる特徴を持ち,災害時のアクセス網として期待されている.
近年,スマートフォンの普及によるライセンスバンドの需要が増大しており,多くのトラヒックがアンライセンスバンドを利用したWiFiにオフロードされているが,WiFiアクセスポイント(AP)が稠密に配置され,干渉によるスループット低下が問題となっている.
一方で,最近ではアンライセンスバンドを用いたLTEシステムが検討され,LAA (Licensed Assisted Access using LTE) ,LTE-U (LTE-Unlicensed) などが提案されている.LTEはユーザのアクセス機会を基地局 (BS) による集中制御のスケジューリング方式で決定しており,コンテンションベースのCSMA/CAを用いるWiFiよりも周波数利用効率が高いため,スループットの向上に期待できる.
BS-6. IoT社会におけるエネルギー貯蔵・変換・伝送・利用技術
(電子通信エネルギー技術研専)
3月22日 10:30〜11:45 53号館 203教室 座長 村田卓也(サンケン電気)
BS-6-1 |
高出力ウェアラブル歩行(体動)発電のしくみと有用性評価
○安倍秀明(パナソニック) |
BS-6-2 |
トリリオンセンサシステムを支える環境発電技術
○石山俊彦(八戸工大) |
BS-6-3 |
最小作用の原理と電子波の同期に則った宇宙スケールのフライホイールを用いたエネルギーの貯蔵
○△伴 公伸(東京都庁) |
Co2の削減に向けて小出力の環境発電が注目されている。また様々な情報が活用されるIoT社会の到来により、高齢化社会等に役に立つ多様なサービスが期待される。このためのいつでもどこでも調達できる安定したエネルギー源の確保は重要である。筆者は、高出力が得られる電磁誘導利用の環境発電技術を研究してきた。今回、無意識的な人の歩行や体動で従来方式よりも高出力が得られるウエアラブル発電技術を開発した。これは人の動作に伴う加減速度を利用し、振り子状のトルク伝達アームを介してギアード発電機から蓄電や負荷駆動を行なうシステムである。小型化でき人に装着の違和感を持たせず、単発の動作やゆっくりした歩行でも無意識的な発電が可能になるため、夜間の安全ライティングや、高齢者の家庭内や外出先での見守り機能の電源確保が可能になる。本稿では、新たな着想の過程とシステム構成を示し、人の歩行分析の知見と連動した効果的な発電のしくみを述べた後、連続歩行発電と単発の体動発電の2種類の試作により、各効果を検証し有用性を実証する。
モノのインターネット(IoT)社会を支える電力供給技術として期待されている環境発電技術において,大きな出力を得るための手法について述べる.環境発電を用いてセンサデバイスを駆動するためには,連続的に発電できること,出力の変動が少ないこと,大きな出力が得られることなどの性質が求められている.
これまで,環境発電で得られる電力はマイクロワット~ミリワット級と,極めて小さいことが前提とされてきた.本稿では,環境発電の出力を大きくする施策として,センサデバイスと発電機構を分離して設置する,新規材料による発電効率の効率化,さらには複数のエネルギーハーベスト源を組み合わせるなど,検討されている手法について述べる.
多数レビューによると、プラズマダスト、クーロン結晶には電極からトンネルする電子波が流れる空間にできる。結晶状配列が観察されることから電子波に位相の同期がある。いくつかの周期が同時に発生するが同期の引込現象から周期間に有理数の比を作る。ファインマンの経路積分はこの引込現象によって、最小作用の経路以外には値が相殺される。この引込は最小作用の原理だが、運動量の保存則が導けるので、角運動量も保存できる。有理数の比関係の周期のタイミングのリズムで運動量やエネルギーを回転体に徐々に蓄えたり徐々に放出したりできる。これをクーロン結晶または、宇宙の星間質量の運動に蓄えられると予想できる。
3月22日 13:00〜14:40 53号館 203教室 座長 千坂光陽(弘前大)
BS-6-4 |
直流380V給電システム用高効率三相昇圧形整流器
◎高木一斗・伊東洋一(サンケン電気) |
BS-6-5 |
次世代パワーデバイスの制御技術とデジタル電源への応用例
○町田 修・田坂 泰(サンケン電気) |
BS-6-6 |
次世代通信衛星の適用に向けた衛星用小型軽量電源のノイズ低減
○近藤大将・岩佐 稔(JAXA) |
BS-6-7 |
宇宙機の大容量通信を支える高性能リチウムイオン電池の開発
◎渡辺 健・山田知佐・川瀬 誠・中島裕貴・内藤 均・艸分宏昌(JAXA)・布施宏樹・本田 豪・中川祐太・瀬川全澄(GYT) |
IoTの普及に伴い,データセンタの負荷が増大することが予想される。大量の電力を消費するデータセンタの節電のために,直流380 V給電システムが注目されている。我が国の商用電源から直流380 Vを供給するためには,昇圧形の整流器が必要となる。
本論文では,昇圧チョッパと双方向スイッチを接続した三相昇圧形整流器を取り上げる。これは,三つのスイッチング素子から成る昇圧チョッパによって系統電流を正弦波に制御する点に特長がある。一般的な三相PWM整流器と比較し,高周波スイッチングを行う素子を6個から3個に,インダクタを3個から2個に低減できる。シミュレーションにより基本動作と損失低減効果を検討する。
SiCやGaNデバイスを搭載した高性能、高機能電源機器においてデジタル制御方式は欠かせない。マイコンからの出力信号によってSiCやGaNデバイスを安定かつ高速に駆動するには最適な条件でのゲート駆動が必須である。本稿では、SiC-MOSFETとGaN-FETについて各々に適したゲート駆動条件について議論する。また、SiC-SBDとドライバIC内蔵GaN-FETを用いたフルデジタル制御PFC+LLC電源を試作し出力200W、効率93%以上の良好な特性を得たことを報告する。
IoTの実現に人工衛星は欠かせないインフラの一つであり,商用通信衛星市場では,総通信量の増加が国際競争力の強化に繋がるため,トランスポンダ等ミッション機器の搭載比率の向上が要求されている.市場での競争力強化には,電源機器の小型軽量化が必須であり,JAXAでは,その方策の一つとして電力制御器(PCU)におけるスイッチング周波数の高速化を検討している.しかしながら,スイッチング動作の高速化は,時間当たりの電圧(dv/dt)及び電流の変化量(di/dt)が大きくなり,電磁雑音が生じるため,電磁両立性(EMC)を考慮する必要がある.本稿では,高速スイッチング電源における電磁妨害(EMI)ノイズに着目し,伝導ノイズ(CE)の低減を試みたので,ここに報告する.
JAXAでは通信衛星の機器搭載量を上げ,より高速・大容量の通信を実現するために,従来の衛星質量の中で最も大きな割合を占める化学推進系を電気推進系に置き換える「オール電化衛星技術」の開発を行っている.オール電化衛星では衛星打上げ質量を抑えた上での大電力化が必要となる.そこでエネルギー密度の向上を図り,(株)ジーエス・ユアサテクノロジー(GYT)と軽量高性能160 Ah宇宙用リチウムイオン電池の開発を行った.本稿ではその開発結果について報告する.目標のエネルギー密度180Wh/kgを達成しており,良好な寿命特性を有することからミッション運用期間中に安定した大電力の供給が可能になると考えられる.本電池は技術試験衛星9号機へ供給される予定である.
BS-7. インターネットアーキテクチャ若手ポスターセッション
(インターネットアーキテクチャ研専)
3月20日 13:00〜15:30 53号館 301教室 座長 野林大起(九工大)
BS-7-1 |
ドローンによる3次元メッシュネットワークにおける指向性ビーム間干渉の理論解析
◎白木信之(岩手大)・平栗健史・伊達隆人・設樂 勇(日本工大)・本間尚樹(岩手大) |
BS-7-2 |
DNSボットネット通信の検知・遮断システムのための組織内ユーザに対するアラートと遮断設定変更方式の一検討
○一瀬 光(北大)・Yong Jin(東工大)・飯田勝吉・高井昌彰(北大) |
BS-7-3 |
NXDOMAIN応答を用いたDGAによるC&Cサーバ検索の検知手法
◎井内裕貴・飯田勝吉・高井昌彰(北大)・Jin Yong(東工大) |
BS-7-4 |
LoRaメッシュネットワークを用いたレンタサイクル管理システムの検討
◎△徐 云涛・山本 寛(立命館大) |
BS-7-5 |
路線バスを中心とした広域センシングシステムの検討
◎木村友哉・山本 寛(立命館大) |
BS-7-6 |
プライバシー保護と情報の信頼性を両立する多層化ブロックチェーンの検討
◎△長谷川悠貴・山本 寛(立命館大) |
BS-7-7 |
循環型農業を支援する複合型センシングシステムの検討
○春尾優介・山本 寛(立命館大) |
BS-7-8 |
ランダムなノード除去に対して堅牢性を有するネットワークトポロジに関する一考察
◎山下量之・安田裕一・中村 遼・大崎博之(関西学院大) |
BS-7-9 |
グラフ上のランダムウォークにおける遷移確率の偏りが移動特性に与える影響に関する一考察
○阪口亮太・松井大樹・中村 遼・山崎康広・大崎博之(関西学院大) |
BS-7-10 |
情報指向遅延耐性ネットワークにおける平均コンテンツ配送遅延に関する一検討
○南口宙太・川端奈津子・中村 遼・大崎博之(関西学院大) |
BS-7-11 |
グラフ上の制約付きランダムウェイポイント移動モデルの平均初回到着時間に関する一検討
◎松井大樹・大崎博之(関西学院大) |
BS-7-12 |
A Study on Effective Solution for Minimum Link Flow Problem
○Ryotaro Matsuo・Ryo Nakamura・Hiroyuki Ohsaki(Kwansei Gakuin Univ.) |
近年,小型自律無人航空機(ドローン)を用いた,研究開発は国内でも精力的に進められ,「空の産業革命」として期待されている.本報告では, ドローンの3次元メッシュネットワークにおける指向性ビーム間干渉の理論解析について述べる.送受信アンテナ角度が90 deg. となるよう指向性アンテナを設置した立方格子状に編隊飛行させ3次元メッシュネットワーク構成を想定する.IEEE802.11規格での最小受信レベルと本構成での受信電力を比較し,ネットワーク形成時の伝送レートを求め,評価を行う.シミュレーション結果より,立方格子状にネットワークを構築する際に指向性アンテナのBWを狭めることで干渉信号による影響を低減可能となることを確認した.
DNSボットネット通信の検知・遮断システムのための組織内ユーザに対するアラートと遮断設定変更方式について検討する
NXDOMAIN応答を用いたDGAによるC&Cサーバ検索の検知手法を提案する。
近年,世界的にレンタサイクルのサービスが普及しており,日本でも多くの地域でサービスが提供され始めている.
しかし,自転車の盗難などの事件を防ぐために,膨大な数の自転車を運用管理することは困難であり,低コストな自転車管理システムの実現が望まれている.
一方で,IoT技術の急速な発展に伴い,あらゆるモノをインターネットに接続するための様々な無線通信技術が登場している.
しかし,3G/LTEのような携帯通信の利用はシステムの高コスト化に繋がり,ZigBeeやBLEのような近距離無線通信では,広範囲を移動する自転車の状態をリアルタイムに把握することは困難である.
そこで本研究では,通信速度は遅いが遠距離の通信が可能となるLPWA技術の中で,双方向通信に対応しているLoRaを利用したメッシュネットワークによる,レンタサイクルの運用管理システムを検討する.
2017年に博多で発生した大規模な道路陥没事故が原因となり、道路の陥没を事前に検知するための技術への関心が高まっている。
そこで、陥没の予兆を検知するために、路面下の状態を調査する技術が研究開発されている。
しかし、この調査には高価な機材を要するため、日本全国の中で調査ができている道路の割合は非常に低い。
また、近年、運転者が突然体調不良となり、走行が不安定となったバスによる事故が増加している。
この問題を解決するために、運転手の生体情報を計測するウェアラブルデバイスなどが開発されている。
しかし、運転の妨げとなるため、装着型のセンサの利用は運転手には好まれない。
そこで本研究では、広範囲の道路を定期的に周回している路線バスにセンシング機器を設置し、各種センサにより長期的に計測されたセンサデータを解析することで、道路危険箇所の早期検知や車体・運転手の異常検知を可能とする大規模センシングシステムを研究開発する。
このシステムにより、バスの揺れなどの現象を対象として異常の有無を判断し、事前に予想していなかった原因による道路や車体/運転手の異常検知を試みる。
近年、従来から問題となっている食品の産地偽装や、食品運搬時の状態管理の不正を防止する方法として、ブロックチェーンを活用した流通経路/状態の管理システムが注目されている。しかし、ブロックチェーンでは登録された情報の完全性は保たれるが、正しい情報が登録されたことまでは保証できない。そのため、偽装された位置情報や温度情報の登録により、食品の産地偽装や品質低下などの不正が行われる可能性がある。一方、ブロックチェーンに登録される情報(特に位置情報)には利用者のパーソナルデータが含まれる可能性があり、その真正性を確認するために全ての利用者による参照を許すと、パーソナルデータが広範囲に流出するプライバシー問題が発生する。そこで本研究では、利用者のプライバシー保護と情報の真正性の保証を両立できるように、利害関係のない限られた利用者に対してのみ情報を展開して情報の真正性を確認する機能を備えた上位層を持つ、多層化ブロックチェーンを活用した物流管理システムを研究開発する。
現在、日本の第一次産業従事者の高齢化や農業就業人口の減少といった問題を解決するために、作業の自動化とそれに伴う収入の安定化が課題となっている。これを解消する手段の一つとして、水産養殖と水耕栽培の装置が自動的に連動し、双方の産業から安定した利益を得ることのできる循環型農業が登場している。しかし、循環型農業の自動化に関する技術は成熟しておらず、特に作物の生育度を自動的にセンシングして定量化し、作物の収穫の効率化が見込める環境を維持するための自動制御は実現できていない。
そこで本研究では、循環型農業の運用を支援するために、養殖と栽培に影響を与える水中の環境を遠隔で監視し、作物の生育度を自動的に推定する支援システムを研究開発する。
本稿では、ある与えられたノード数およびリンク数の元で、どのようなネット
ワークトポロジが、ランダムなノード除去に対して最もロバストとなるかを実
験によって調査する。具体的には、5 種類のネットワーク生成モデルによって
生成したランダムなネットワークを、ヒューリスティックな手法によって、ロ
バスト性に関する指標の一つである代数的連結性 (algebraic connectivity)
をリンク張り替えによって向上させた時に、ランダムなノード除去に対するロ
バスト性 (最大連結成分の大きさ)がどのように変化するかを調査する。
情報ネットワークやソーシャルネットワークにおけるさまざまな探索・配信・
拡散の問題は、グラフ上の単一または複数のエージェントの移動問題に帰着す
ることができる。近年、グラフ上の離散ランダムウォークに代表されるエー
ジェントの移動モデルと、その移動モデルの特性に関する研究が活発に行われ
ている。
ランダムウォークによるグラフ探査やノード発見をより効率化するために、ノー
ドの遷移確率を隣接ノードの指標 (例: ノードの次数) などに基づいて与えた
場合のランダムウォークの特性も解析されてい
る。
本稿では、ランダムウォークにおける遷移確率を隣接ノードの次数の
べきに比例させた場合に、遷移確率の偏りが平均初回到着時間
にどのような影響を与えるかを調査する。
近年、無線通信の不確実さやネットワークトポロジの動的な変化などのさまざまな要因により、ノード間の通信リンクが断続するような環境における情報指向ネットワークの実現が期待されている。通信リンクが断続的にしか接続されないようなネットワークにおいても、情報指向ネットワークの通信パラダイム(例: 名前ベースの通信) を導入することにより、従来のホスト指向ネットワークと比較して、効率的なコンテンツ配送が期待できる。本稿では、ある与えられたリンク断続条件下において、平均コンテンツ配送遅延の観点で、要求メッセージおよび応答メッセージに対してそれぞれどのようなルーティング方式を
選択すればよいかを解析的に明らかにする。
さまざまな探索・配信・拡散の問題は、グラフ上の単一または複数のエージェントの移動問題に帰着することが可能であり、近年、グラフ上の移動モデルの特性に関する研究が活発に行われている。
本稿では、グラフ G = (V, E) 上のエージェントが、始点ノード s から制約付きランダムウェイポイント CRWP (Constrained Random WayPoint) 移動モデルに従ってランダムな移動を行った時に、終点ノード t に始めて到着する時間の期待値 (平均初回到着時間) を導出する。
In recent years, a statistical approach called sparse modeling has been extensively studied for estimating unobserved model parameters from a small number of observations using the sparsity of model parameters. In our previous work, we have presented a sparse-modeling based formulation of minimum link flow problem, which finds, for given incoming/outgoing rate requirements at nodes, a set of flows satisfying requirements with the least number of links. In this paper, we propose an efficient solution called L1-RLP (l_1-norm minimization with Redundant Link Pruning) for the minimum link flow problem, which is one of l_0-norm minimization problem, by combining a conventional solution for l_1-norm minimization problems and a heuristic algorithm for pruning redundant links.