ソサイエティ特別企画
BK-1. 論文の書き方講座
(通信ソサイエティ編集会議)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月20日 9:50〜11:45 52号館 301教室 座長 高橋 徹(三菱電機)
講演時間:各50分
座長挨拶:5分
論文の最も基本となる目的は,読者に対し,論理的に積み上げていくことで,その論文の
主張を導くことである.しかし,そのような論文を書くことは難しく,論文の書き方の上達
にはある程度の時間と継続的な執筆指導の努力が必要である.通信ソサイティでは,論文の
書き方を広く深く会員に浸透させるために,2009 年3 月から大会に合わせて「論文の書き
方講座」を開催してきた.参加者から継続的に開催することを希望する声を多く頂き,「論
文の書き方講座」を開催することにした.この講座が学生あるいは若手研究者の一助とな
れば幸いである.
休 憩(10分)
BK-1-2 |
回答文の書き方・レターの書き方
萬代雅希(上智大) |
本講演では,論文を初めて,またはあまり書いたことがない学生に向けて,論文投稿時の回答文やレター論文の書き方について,ポイントや注意点をわかりやすく解説する.
パネルセッション
BP-1. 5G研究開発の最新動向と更なる発展に向けた挑戦
(無線通信システム研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月21日 13:00〜17:00 52号館 302教室 座長 前原文明(早大)
講演時間:各25分
BP-1-1 |
2020年の5G実現に向けた要素技術の研究開発動向と更なる発展に向けた挑戦(原稿なし)
中里 学(総務省) |
BP-1-2 |
5G実現に向けた超高密度マルチバンド・マルチアクセス多層セル構成による大容量化技術の研究開発
○箕輪守彦・関 宏之(富士通)・奥村幸彦・須山 聡(NTTドコモ)・寺田 純・重松智志・鷹取泰司(NTT)・浅野弘明(パナソニック)・平野幸男(三菱電機)・山尾 泰(電通大)・安達文幸・中沢正隆(東北大) |
BP-1-3 |
5G実現に向けた高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる高速・低消費電力無線アクセス技術の研究開発
○奥村幸彦・須山 聡(NTTドコモ)・石井直人・丸田 靖(NEC)・岡崎彰浩・岡村 敦(三菱電機)・寺田 淳・鬼沢 武(NTT) |
総務省では2020年の5G実現に向けた要素技術として、2015年度から(1)5Gにおける大容量化技術を確立するための超高密度マルチバンド・マルチアクセス多層セル構成技術、(2)5Gにおける超高速化技術を確立するための高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる超高速無線伝送技術、(3)複数の移動通信網が同一周波数を動的に共用する場合に必要となる制御技術、という3つの研究開発プロジェクトに取り組んでいる。本講演ではこれまでの成果を発表するとともに、今後の5Gの普及・展開期を見据えた研究開発、さらには5G高度化に関する研究開発を展望する。
平成27年度から平成30年度にかけて実施した総務省の研究開発委託である「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発 ~超高密度マルチバンド・マルチアクセス多層セル構成による大容量化技術の研究開発~」について報告する.以降では,本研究開発の3つの技術課題である,「超高密度セル構成における分散アンテナ技術」,「超高密度セル構成における光収容技術」,「マルチバンド・マルチアクセス多層セル構成におけるシステム間連携技術」それぞれの成果について説明する.
平成27年度から平成30年度にかけて実施した総務省の電波資源拡大のための研究開発である「第5 世代移動通信システム実現に向けた研究開発 ~高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる高速・低消費電力無線アクセス技術の研究開発~」の成果について,「低SHF 帯超多素子アンテナ技術とビーム制御技術」,「高SHF 帯広帯域超多素子アンテナ技術とビーム制御技術」,「超低消費電力で接続可能にする端末ディスカバリー技術」の技術課題に分けて説明する.
休 憩(15分)
BP-1-4 |
第5世代移動通信システムにおける複数移動通信網の最適利用を実現する制御基盤技術の研究開発
○石津健太郎・村上 誉・児島史秀(NICT)・水谷圭一・松村 武・原田博司(京大)・狐塚正樹(NEC)・西尾理志・山本高至(京大)・小泉佑揮・長谷川 亨(阪大)・鈴木信雄(ATR)・新保宏之(KDDI総合研究所)・伊深和雄(NICT) |
BP-1-5 |
多種多様なIoTデバイスを収容可能にするモバイルネットワークの高効率通信方式の研究開発
○岩井孝法・伊藤暢彦(NEC)・森山雅文・滝沢賢一(NICT) |
BP-1-6 |
ミリ波V2Xの研究開発と挑戦
○阪口 啓・深津龍一・Tao Yu(東工大) |
休 憩(15分)
パネル討論(60分)16時から開始です。講演者全員による討論となります。
本研究では,運用主体が異なる無線システムの間で最適な協調利用を可能にする制御基盤技術,異種システムと柔軟に周波数を共用する技術,D2D通信を有効活用する制御技術に関して取り組んだので,その成果を報告する.
「多種多様なIoTデバイスを収容可能にするモバイルネットワークの高効率通信方式の研究開発」
今後のIoTサービスの普及に伴い,モバイルネットワークは,帯域や遅延等の要件の異なる多種多様なIoTデバイスの効率的な収容に対応する必要がある.本発表では,通信のリアルタイム性を高める,IoTアプリケーションの特性を理解して動的にネットワークリソースを最適化するNECの適応ネットワーク制御技術を紹介する.また,収容可能なIoTアプリケーションの範囲を拡大するため,超多数接続と低遅延を同時に実現する無線アクセス方式「STABLE」に関する概要も紹介する.
BP-15G研究開発の最新動向と更なる発展に向けた挑戦
BP-2. スマート無線イノベーション
(スマート無線研専)
3月20日 9:30〜11:45 52号館 304教室 座長 大島浩嗣(構造計画研)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BP-2-1 |
スマートスペクトラムと将来の無線周波数
藤井威生(電通大) |
BP-2-2 |
レジリエント都市実現に向けた無線インフラ監視システム
○藤原亮介・水垣健一・片山倫太郎・大西正巳・太田裕之(日立) |
BP-2-3 |
公共車両を用いた環境センシングによる都市イベントの解析
岸野泰恵(NTT) |
BP-2-4 |
コネクテッドカー社会を支えるミリ波無線技術
高橋和晃(パナソニック) |
パネル討論(30分)11時15分から開始です。講演者全員による討論となります。
社会基盤としての無線通信の活用が進むにつれて,無線周波数の重要性がますます高まっている.今後の持続的な無線通信の活用のためには,周波数をいかに効率よく,社会のニーズに併せて利用できるかが問われることになる.本パネルでは,スマート無線によるイノベーションを起こすためのスペクトラム利用のプラットフォームとして,スマートスペクトラムのコンセプトを紹介し,近未来の応用から,将来の無線周波数利用の方向性まで議論していきたい.
レジリエント都市実現に向け,社会インフラ保守管理高度化のための無線インフラ監視システムに関して紹介し,またその無線システムに求められる課題について述べる.このようなIoTシステムの設計では,電波伝搬,デバイス設計からクラウド側のアーキテクチャ設計まで幅広いレイヤにまたがる最適設計が必要となる.我々は埋設管をターゲットとした社会インフラ統合保守システムを提案し,これらに求められる要件である,低ライフサイクルコスト,高コネクティビティ,低電力,大量端末接続を満たす無線インフラ監視システムの開発を行った.
コネクテッドカーでは安全性の向上をめざした、センサデータのリアルタイムシェアリングや、車両データのクラウドでの活用など、大容量かつ低遅延の無線通信技術が求められており、ミリ波帯の活用が期待される。セルラの次世代である5Gでもミリ波の活用が検討される一方、IEEE802,11系の無線LANでもミリ波の活用が始まっている。本稿では次世代無縁LANとして実用化が始まった60GHz帯のV2Xへの応用例や評価結果について紹介する。
BP-3. 短距離無線を使った位置推定技術の最新動向
(短距離無線通信研専)
3月20日 13:00〜16:30 54号館 102教室 座長 濱湊 真(富士通研)
講演時間:各25分
BP-3-1 |
BLEを用いたRSSI測位の精度向上
○鈴木和浩・小杉友久・角田 淳・加藤武志(ライフラボラトリ) |
BP-3-2 |
衛星測位技術の原理を応用した屋内測位とその実現可能性の考察
○藤井義巳・津田顕祐(構造計画研) |
これまで多くの屋内測位技術が提案されてきたが、屋外における衛星測位の技術と比較した場合、屋内測位の技術は精度、設置コスト等を考慮すると決定打と呼べるものがまだ存在しない状況である。本研究は衛星測位の技術を適用することを再度屋内測位に応用することを提案し、その可能性と課題について考察を行う。
休 憩(10分)
BP-3-3 |
Time Reversal MachineTMを用いた位置推定法(Indoor Positioning System)について
○角谷友行・藤井 聡・藤田晋也(Origin Wireless Japan) |
BP-3-4 |
高精度屋内測位システム ”uLocation” と屋内外シームレス測位プラットフォーム ”uS1GMA” の紹介
○冨田知宏・西田諒太(アドソル日進) |
BP-3-5 |
産業の多様な”現場”でのIoT/屋内測位技術の活用「iField indoor(アイ・フィールドインドア)」のご紹介
那須俊宗(マルティスープ) |
休 憩(15分)
座長 中川匡夫(鳥取大)
パネル討論(60分)15時30分から開始です。講演者全員による討論となります。
我々はTime Reversal原理に注目し、WiFi電波のマルチパスを屋内環境を記述する手段としてTime Reversal Machine技術を確立しました。この技術はWiFi通信時に取得するマルチパスのチャネル状態情報(Chnanel State Information)の変化を屋内環境の変化としてAI等を用いて学習、解析することで屋内空間のイベントの検知を行います。この技術の応用として、Time Reversal 原理に基づ く電波パルスの収束の変化から、移動距離を算出することが可能です。本講演では、この技術を用いた位置推定法とそのシステムについて紹介します。
高精度屋内測位システム ”uLocation” と屋内外シームレス測位プラットフォーム ”uS1GMA” の紹介
BLEビーコンを用いた屋内測位技術を中心に製造、物流、流通、医療、建設など様々な産業の現場で導入されている「iField indoor(アイ・フィールド インドア)」の紹介と具体的な活用事例
チュートリアルセッション
BT-1. マイクロサービス時代の運用管理
(情報通信マネジメント研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月20日 13:00〜17:00 53号館 203教室 座長 中山裕貴(ボスコ・テクノロジーズ)
講演時間:各30分
座長挨拶:10分
BT-1-1 |
グローバルトレンドから見るエッジなDevOpsの技術と課題
鳥居隆史(Dell EMC) |
BT-1-2 |
大規模マイクロサービス環境における性能分析手法について
○上野 仁・李 忠翰・飯塚史之・荻原一隆・奥田將人(富士通研) |
BT-1-3 |
ヤフーの大規模プライベートクラウド運用 Kubernetesによる自動化とその課題
○木下裕太・北田駿也(ヤフー) |
DevOpsとマイクロサービスはグローバルなホットトピックとなっている。多くの企業や組織が実運用を始め、拡大フェーズにある。それに伴い様々な課題が出てきており、技術的な取り組みも始まっている。本セッションでは、欧米でトピックとして挙がってきている先行的な技術や取り組みについて紹介する。
近年、マイクロサービスアーキテクチャ(MSA: Micro Services Architecture)に注目が集まっている。MSAは特定のマイクロサービスだけの更新やスケールアウトできるメリットがある反面、利用関係が複雑になるため、スローダウンなどの異常発生時の問題解決に時間を要するという問題がある。マイクロサービスの応答時間を計測し、呼び出し関係を見える化する分散トレーシング技術が提案されているが、マイクロサービスが問題なのか、マイクロサービス間のネットワークが問題なのか、といった切り分けまではできない。そこで、本稿では、マイクロサービス間の品質監視とネットワークの品質監視を連携させることにより、性能劣化時にその要因を素早く切り分ける品質分析手法を提案する。
ヤフーでは2013年からOpenStackを利用したプライベートクラウドを運用しています。
現在に至るまでその規模は拡大し続け、今では十数万台の仮想マシンが稼働するようになりました。
それに伴いOpenStackのクラスタ数も増大し、管理コストも比例して大きくなっています。
運用にはOpenStackの各サービスだけでなく各クラスタ個別の構成に対する理解などの多く学習コストが伴い、運用者には大きな負担となっていました。
そこで、2017年からOpenStack管理プレーンの運用を抽象化し自動化するために、Kubernetesによってマネジメントする方式にシフトをはじめました。
これらの経験を通してOpenStackという複雑なマイクロサービスの運用がどう変化したかについてお話します。
休 憩(10分)
BT-1-4 |
ソフトウェア化時代におけるネットワーク機器監視とDevOpsへの展開
川島龍太(名工大) |
BT-1-5 |
マイクロサービス環境におけるサービス・オペレーション開発の実課題と対応策
柏 大(NTTコミュニケーションズ) |
休 憩(10分)
パネル討論(60分)16時から開始です。講演者全員による討論となります。
依頼シンポジウム
BI-1. 【5G Day】 Part I, 5G通信環境における電波伝搬特性
(アンテナ・伝播研専、無線通信システム研専 共催)
3月20日 9:00〜12:00 57号館 201教室 座長 岩井誠人(同志社大)
講演時間:指定以外各25分
BI-1-1 |
5G総合実証試験における電波伝搬調査の概要(15分)
鬼頭英二(電波産業会) |
BI-1-2 |
人口密集地における3.7GHz帯等及び28GHz帯の伝搬損失特性
○猪又 稔・今井哲朗・北尾光司郎・浅井孝浩(NTTドコモ) |
BI-1-3 |
高速移動時における3.7GHz帯等及び28GHz帯の伝搬損失特性
○北尾光司郎・今井哲朗・猪又 稔・浅井孝浩(NTTドコモ) |
BI-1-4 |
都市部における4.5GHz帯及び28GHz帯の伝搬損失特性
○林 高弘・伊藤智史・長尾竜也・中野雅之・山崎浩輔(KDDI総合研究所)・本間寛明・中野 哲・松永 彰(KDDI) |
5G総合実証試験における電波伝搬調査の概要について述べる
ドコモは5Gの実現による新たな市場の創出に向けて総合実証試験を実施しており,「人口密集地において10Gbpsを超える超高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」では,人口密集都市環境かつ時速30kmまでのユーザ端末移動条件において,日本では3.7GHz帯等および28GHz帯の周波数帯に5Gを導入するため,当該周波数帯における電波伝搬特性の解明を行っている.一方,5Gで導入が検討されている上記の周波数帯に適用可能なチャネルモデルはITU-Rにおいて標準化されている.そこで,本稿では,人口密集地における3.7GHz帯等や28GHz帯伝搬損失特性について,実環境での測定結果をITU-Rチャネルモデルと比較評価したので報告する.
第5世代移動通信システム(5G)の実現に向けて,5Gの技術的条件を明確にするため,総務省主導のもと,5G総合実証試験が行われている.5G総合実証試験では,実際のユースケースを想定して,複数の実証シナリオを定めて調査検討を行っているが,その中の一つに,鉄道やバスなどの高速移動体に対する高精細映像配信を目的とした「高速移動時において2Gbpsの高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」がある.本調査検討における実証試験では,具体的なアプリケーションやサービスを想定した5Gシステムの性能評価を行うとともに, 5Gのシステム設計へ資することを目的として,当該シナリオが対象とする環境における伝搬特性について検討している.本稿では,本調査検討において,高速移動時における伝搬特性の解明を目的として,自動車レース用のサーキットで実施した伝搬損失測定の結果について報告する.
近年3.6 GHz帯,4.5 GHz帯,28 GHz帯など,既存の移動通信システムより高い周波数帯域を候補とする5Gへの取り組みが加速しており,移動環境下での低遅延通信などの利用シーンに向けた取り組みが行われている[1].移動環境下での利用に向けた基礎検討としてこれまでに4.5 GHz帯及び28 GHz帯での都市部での電波伝搬測定を実施しており,本稿では伝搬損失特性をITU-Rモデルと比較し,モデルの適用可否について考察した.
休 憩(15分) 座長 大鐘武雄(北大)
BI-1-5 |
屋内環境における28 GHz帯の伝搬損失特性の検討
○吉田享広・横山浩之(ATR)・林 高弘・伊藤智史(KDDI総合研究所)・本間寛明・長尾竜也(KDDI)・中野雅之・山崎浩輔(KDDI総合研究所)・中野 哲・松永 彰(KDDI) |
BI-1-6 |
トラック隊列走行V2V直接通信における伝搬損失特性
○豊見本和馬・芹澤弘一・宮下真行・山口 良・本 浩平・三上 学・吉野 仁(ソフトバンク) |
BI-1-7 |
屋内閉空間環境における伝搬損失特性
○山口 良・豊見本和馬・宮下真行・芹澤弘一・吉野 仁(ソフトバンク)・沢田浩和・石津健太郎・児島史秀(NICT) |
総務省・技術試験事務の5G総合実証(G4)の成果として、28GHz帯の伝送損失特性をITU-R M.2412モデルとの比較評価について発表する。
第5世代移動通信(5G)の高信頼性・低遅延の特徴を活用するユースケースとしてV2V直接通信を用いたトラック隊列走行への活用が検討されている.本稿では隊列走行V2V直接通信環境における伝搬損失特性を示す.
第5世代移動通信方式(5G)の技術要件の一つである多数接続通信(mMTC)のユースケースとして,屋内閉空間等で2万台程度のIoT端末が存在する場合の通信が検討されている.本稿では,このような通信を実現するにあたり必要となる4.7 GHz帯での屋内閉空間環境における伝搬損失距離特性を測定した.測定値とITU-Rモデルとの比較を行った結果,概ね一致することが分かった.
BI-2. 衛星・航空機・ドローンを用いた無線・通信・画像処理に関する最新技術と応用事例
(衛星通信研専、宇宙・航行エレクトロニクス研専 共催)
3月20日 13:00〜16:40 52号館 102教室 座長 山下史洋(NTT)
講演時間:各25分
BI-2-1 |
諸外国を中心とした小型衛星の開発利用動向
武藤正紀(三菱総研) |
BI-2-2 |
超小型衛星Planetの利用状況と今後の展望
澁谷 恵(衛星ネットワーク) |
BI-2-3 |
空撮写真における画像符号化・変化検出の取組み
○早瀬和也・高木基宏・大西隆之・清水 淳(NTT) |
Small satellites development and their applications have been tremendously increasing in recent years especially by startup companies because of their cheaper cost compared to traditional large satellites. Accordingly, the mind set of satellite applications (especially for remote sensing) has also been shifted from data-oriented to the service-oriented one as data or satellite itself has become a kind of commodity thus the information derived from it has more value for users. This paper analyzes the trend of such small satellites development and applications globally and how they would have impact of our society.
地球観測衛星は高空間分解能に加えて小型衛星の出現により高時間分解能が注目されてきている。今回はその先駆者である米国Planet Labs社の動向について詳述する。
近年、地表の空撮写真を以前よりリーズナブルに入手できるようになり、地表のモニタリング、災害支援など、様々な用途での利用が期待されている。空撮写真をビッグデータとしてその価値を最大限発揮するためには、時間的に継続して保管し、かつ、種々の解析によってその中から意味ある情報を抽出することが課題となる。これを受け、膨大な画像データを保管・伝送するための高効率な符号化処理や、そのデータ群の中から用途に合わせて高速/高精度に時系列の変化を捉える処理などが求められている。本稿では、開発に取り組んでいる、静止画像を高効率に圧縮するHEVC等の符号化技術や、空撮写真間の変化検出技術等の取組みの例を紹介する。
休 憩(10分) 座長 灘井章嗣(NICT)
BI-2-4 |
JAXAにおける地球観測プログラムと応用利用事例
田殿武雄(JAXA) |
BI-2-5 |
様々なプラットフォームによる3次元情報取得技術の活用と取り組み
○佐藤俊明・堺 浩一・四俣 徹・間野耕司・矢尾板 啓(パスコ) |
BI-2-6 |
NECの衛星データ利用に関する取り組み
◎牧山 紘・和田直樹(NEC) |
日本における地球観測衛星プログラムは,1987年に打上げられた海洋観測衛星(MOS-1)から始まり,30年超の歴史をもつ.この間,地球環境問題や温暖化,これらを要因と推測される様々な地球規模課題が広く問いただされるとともに,衛星によるグローバル観測を通じた地球全体の状況把握やローカルな変化を緻密に繰り返し把握する必要性から,地球観測衛星の重要性が国際的にも高まっているといえる.このような背景から,日本でも多様なタイプの地球観測衛星・センサが開発・運用されてきているが,今後数年間がこれまでの中で同時運用する衛星・センサ数が最大となることが見込まれる.
本稿では,日本においてこれまで運用している代表的な地球観測衛星の概要と応用利用事例について紹介する.
衛星や航空機,ドローンといったプラットフォームに様々なセンサーを搭載することによって,地表のモニタリングや計測が行われてきた.こうした技術は,その特性(計測精度,コスト,etc),利用場面(対象エリアの計測制約,利用可能時期の制約,etc)などを考慮し,より有効的に活用することが重要である.本稿では,筆者らによる,上述のような様々なプラットフォームによるモニタリングや計測技術の有効活用および最近の取り組みを紹介する.具体的には、下水道のシールド工事におけるSAR衛星の活用,UAV写真による道路盛土区間の3次元計測,深層学習を用いた航空レーザ計測の地表面抽出技術に関してである.
NECはこれまで約60年にわたり,人工衛星の開発・製造や地上システム構築などを通じて我が国の宇宙開発に貢献してきた.一方で市場では,そうした位置づけであった人工衛星の役割も,宇宙基本法制定以来,宇宙開発に加え「地球上の課題を解くためのツール」等,幅広く捉えられるようになりつつある.こうした潮流に対応すべく,NECでは昨年,人工衛星の運用業務を行う施設を開設し,開発・製造から運用までを一貫して担う垂直統合型ビジネスに向けた取り組みを行っている.さらに今後は,衛星データを活用し,宇宙から「地上の社会課題解決」を実現するサービス構築を目指したいと考えている.本講演ではNECの保有するASNARO衛星の特長や利用例を中心に,衛星データ利用に関する最新の取り組みを紹介する.
休 憩(10分) 座長 辻 宏之(NICT)
BI-2-7 |
衛星通信を利用するヘリコプター映像伝送システム(ヘリサットシステム)の概要
村上牧子(三菱電機) |
BI-2-8 |
複数GNSSを利用したUAVによるレーザ三次元地図生成
◎鈴木太郎・天野嘉春(早大) |
大規模災害時に、日本国内の場所を選ばずいち早く現場映像をリアルタイムに配信することを可能とした、衛星通信を利用するヘリコプター映像伝送システム(ヘリサットシステム)について、その概要および課題と解決、今後の展望について紹介する。
UAVを用いた三次元計測は,災害時の情報収集や土木施工の出来形計測など様々な分野での利用が期待されている.UAVとレーザスキャナを用いた“直接的”三次元計測では,飛行中のUAVの高精度な位置・姿勢情報を推定する必要がある.小型UAVではペイロードの観点から,航空測量で用いられているような高精度の慣性センサなどを搭載すること難しい.本論文では,低コスト一周波GNSS受信機を複数UAVに搭載し,複数のGNSSからUAVの高精度位置・姿勢を推定する手法とその応用について紹介する.
BI-3. 5G・IoTにおける電波資源有効活用のためのネットワーク技術革新的進化
(通信方式研専、ネットワークシステム研専 共催)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月20日 13:00〜17:00 54号館 104教室 座長 中尾彰宏(東大)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BI-3-1 |
有無線統合仮想ネットワークの自動制御アーキテクチャにおけるIoT指向ネットワークオーケストレーション技術
○朝永 博(富士通)・桑原幹夫(日立)・中里秀則(早大)・中尾彰宏(東大) |
BI-3-2 |
5G/IoT時代のマルチサービス収容有無線プラットフォーム構成技術
鵜澤寛之(NTT)・西村和人・松井秀樹(富士通)・北山研一・パイクン ジュ(光産業創成大学院大)・林 和則(阪市大)・吉田悠来(NICT)・○寺田 純(NTT) |
BI-3-3 |
無線アクセスネットワークの大容量化に向けた短距離A-RoF伝送
○相葉孝充(矢崎総業)・菅野敦史・山本直克(NICT)・川西哲也(早大)・若林知敬(矢崎総業) |
BI-3-4 |
End to EndのIoT有無線ネットワークサービス実現に向けた光アクセスシステムの仮想化
○斉藤洋之・更科昌弘・鹿嶋正幸・佐々木浩紀(OKI)・小崎成治(三菱電機)・中尾彰宏(東大) |
多種多様な規格かつ莫大な数のIoT機器が無線ネットワークに接続され、様々な事業者によるサービス提供に対応するため、ネットワーク仮想化技術やプラットフォーム技術等を応用し、空間的・時間的に格段に緻密な電波利用を実現する有無線ネットワーク統合制御技術の開発を行っている。本プロジェクトでは、IoT機器増大に対応する4つの技術:IoT指向ファンクションオーケストレーション、IoT有無線NWのスケーラブルリソースプーリング自動化、IoT指向ネットワークオーケストレーション、IoT仮想ネットワークの有無線統合振舞い監視、に取り組んでいる。本報告では、IoT指向ネットワークオーケストレーションを中心に各技術について報告する。
5G/IoT時代の無線アクセスネットワークを効率的に構築可能にするために,我々は,複数のモバイル基地局トラヒックやIoTトラヒックなど,要件が異なるサービスのトラヒックを同一回線に多重できる有無線プラットフォーム(PF)構成技術の検討を進めている.本稿では,有無線PFの検討概要を紹介する.
IoT機器増大に伴う無線アクセスネットワークの大容量化に向け、高SHF帯無線信号に対応した短距離光ファイバ無線の研究開発に取組んでいる.広帯域な高SHF帯無線信号を伝送すべく、周波数利用効率が高いアナログRoF伝送をマルチモードファイバとVCSEL直接変調により行い、伝送距離100mで所望信号品質が得られることを確認した.また伝送特性向上を目指し、曲げ損失を抑制した広帯域なマルチモードファイバの設計も併せて行った.
我々は「IoT機器増大に対応した有無線最適制御型電波有効利用基盤技術の研究開発」を行っており,前回までに第五世代移動通信網のEnd-to Endの仮想ネットワークを提供するアーキテクチャを提案した.本稿ではvOLTの基本機能構成を示し,vOLTに追加される機能の一つであるD-DBA(Domain-Dynamic Bandwidth Allocation)方式について説明する.さらに今回 vOLT試作機上においてD-DBA方式の帯域アイソレーション機能の基本検証を行った.その結果,同一OSUの帯域内でvPONを2つ構築した場合,vPON毎に最大割当帯域を設定することによってその帯域内でDBA計算が行われ,もう片方のvPON に影響を与えない帯域のアイソレーションを確認した.
休 憩(10分) 座長 中里秀則(早大)
BI-3-5 |
VOLTHAの研究開発動向と今後の展開に向けて
○桐葉佳明・山本 周・中尾彰宏(東大) |
BI-3-6 |
道路交通環境における実時間通信状況のモニタリング手法
○表 昌佑・石津健太郎・宮澤義幸・宮地利幸・児島史秀(NICT) |
BI-3-7 |
ハイブリッド型アナログRoFモバイルフロントホール技術
○西村公佐・石村昇太・アブデルモウラ ベッカリ・田中和樹・鈴木正敏(KDDI総合研究所) |
BI-3-8 |
IoT機器増大に対応した有無線最適制御型電波有効利用基盤技術における課題間連携
中尾彰宏(東大) |
全体質疑(25分)16時35分から開始です。
CORDを用いた光加入者アクセスサービスに関し、VOLTHAを中心とするOLT/ONU装置の仮想化技術に関する研究開発動向の現状と、今後の展開に向けた課題を考察する。
道路交通環境においてより正確で効率的な無線環境測定を行うため、時間的に、空間的に変化する道路上の物体の位置、時間、移動速度、大きさなどを実時間で把握し、道路上の物体の情報を用いた実時間通信環境測定手法を紹介する
5Gモバイルシステムでは、最大20 Gbit/sのユーザスループットを実現することが想定されている。Intermediate-over-Fiber (IFoF)伝送方式とRadio-over-Fiber (RoF)伝送方式を組み合わせたハイブリッド型モバイルフロントホールを採用することにより、伝送効率の向上とアンテナ側装置の小型化・低消費電力化が期待できる。本稿では、関連技術の研究開発状況を紹介する。
「電波資源拡大のための研究開発・ IoT機器増大に対応した有無線最適制御型電波有効利用基盤技術の研究開発」は平成29年度に、11組織による産学連携の研究プロジェクトとして開始され、平成30年度には、2組織が追加されて13組織の体制で推進されつつある。本研究課題は、多くの組織が連携して推進する巨大な国家プロジェクトであるため、複数の課題に分割し、分割統治(Divide and Conquer)の手法で、研究開発を推進する方針が参加者の間で合意されている。また、有識者による運営委員会を組織し、定期的にプロジェクトの進捗の共有と今後の進め方の議論により、確実な研究成果をもたらすべく研究を推進している。
本稿では、研究開発全体の狙いと、複数の課題への分割、そして、その連携について報告を行い、今後の課題の議論を行う。
BI-4. 【5G Day】 Part II, 5Gシステム総合実証試験の成果と将来への発展
(無線通信システム研専、アンテナ・伝播研専、ネットワーク仮想化特別研専 共催)
3月20日 13:00〜17:00 57号館 201教室 座長 大鐘武雄(北大)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BI-4-1 |
2020年の5G実現に向けた取組
中里 学(総務省) |
BI-4-2 |
2018年度5G総合実証試験におけるNTTドコモの取り組み
○奥村幸彦・須山 聡・増野 淳・村岡一志(NTTドコモ) |
BI-4-3 |
5G総合実証試験ⅡにおけるNTTコミュニケーションズの取り組み
○中川一郎・一瀬正則(NTTコミュニケーションズ)・須山 聡・奥村幸彦(NTTドコモ) |
BI-4-4 |
上り超高速通信を活用した5G総合実証試験の取り組み
○松永 彰・黒澤葉子・渡里雅史・酒井清一郎・中野 哲・中尾允彦(KDDI) |
第5世代移動通信システム(5G)は、従来路線を延長した高速大容量に加えて、超信頼性・低遅延、多数同時接続という技術特性を併せ持つことから、これまでの移動通信システムよりも、もっと幅広い業態・業界において利活用されることが期待されている。総務省では2015年度から研究開発を、2017年度から「5G総合実証試験」を実施しており、2018年度末には5G用周波数の割り当てを行う予定である。これらの取組を概観するとともに、今後に向けた政策の方向性を展望する。
2020年の5G実現に向け,5Gを支える技術・方式の研究開発や国際標準化に関する活動が進められて来ているが,昨年度からは5Gの実現による新たな市場の創出を目的に,様々な利活用分野の関係者が参加する総務省の「5G総合実証試験」が開始された.2年目となる2018年度5G総合実証試験では,より幅広い利活用分野の課題解決を目的とし新たな技術目標が設定された.本講演では2018年度に総務省からドコモが請負った「屋外環境における5G超高速通信の実証試験」の実施内容について紹介する.
国内においては,2020年の第5世代移動通信システム(5G)実現に向け,2017年度から総務省「5G総合実証試験」が開始され,移動通信業界関係者とともに様々な利活用分野の関係者が参加している.一方で近年,諸外国においても5G時代の競争環境を意識し,5Gユースケースを確立するための様々な実証が行われていることから,2年目となる2018年度の総務省「5G総合実証試験Ⅱ」では,より幅広い利活用分野の課題解決を目的とし新たな技術目標が設定された.本稿では,5G総合実証試験Ⅱにおいて,NTTコミュニケーションズが請負った「高速移動時において平均1Gbpsを超える高速通信を可能とする5G総合実証試験」の内容について紹介する.
筆者らは,連携機関と共に,総務省「平成30年度5G総合実証試験」において,上り平均300Mbpsを可能とするシステムの性能評価と応用事例の実証試験に取り組んでいる.本稿はその概要と一部結果を報告する.
休 憩(15分) 座長 大槻知明(慶大)
BI-4-5 |
第5世代移動通信システムの屋内環境における実証試験
○吉田享広・横山浩之・鈴木信雄(ATR) |
BI-4-6 |
ソフトバンクにおける5G総合実証試験の取り組み -5G URLLCのトラック隊列走行へ応用-
○吉野 仁・本 浩平・山口 良・豊見本和馬・栗林洋志・三上 学(ソフトバンク) |
BI-4-7 |
5Gの多数同時接続を活用した実証試験 ~スマートハイウェイとスマートオフィス~
○田島裕輔・宇野 淳・田畑伸男・宮下真行・芹澤弘一・岡廻隆生(Wireless City Planning) |
休 憩(15分)
全体討論(Q&A)(30分)16時30分から開始です。講演者全員による討論となります。
ATRにおいて実施した5G総合実証試験(屋内における5G超高速通信の応用事例)の取り組みについて報告する。
2020年の商用化に向けて第5世代移動通信システム(5G)の研究開発がおこなわれている.
我が国においては2017年度から総務省の5G総合実証試験が開始された[1].本実証試験においてソフトバンクは5GのURLLC領域を担当する試験グループ(G V: Group V)に属している。そして、トラックの隊列走行に5G URLLCを適用するユースケースに取り組んでいる.2018 年度は5G New Radio (NR)の無線技術に基づく車車間直接通信(5G NR Sidelink)の試作装置を用いて、隊列走行実証試験を行った。無線区間片道1ms以下、アプリケーション層の折り返しで片道2.5ms以下の低遅延を確認した。さらに、隊列走行で課題となる車線変更時およびカーブ走行時でも安定した通信を可能とする車載アンテナを開発実装し、走行試験を行った。本稿ではG Vの2018年度の活動について報告する
2020年の商用化に向けて第5世代移動通信システム(5G) の研究開発が行われている.5Gでは拡張モバイルブロードバンドに加えて,超高信頼・低遅延や多数同時接続を特徴としており,次世代の社会基盤として期待される.特にURLLCとmMTC は新しい市場を開拓できる可能性があり,具体的な5G利活用の確立が急務である.
我が国においては 2017年度から総務省の5G総合実証試験が開始されている.本実証試験においてWireless City Planningは 5G の m-MTC領域を担当する試験グループ (G- VI) に属し,高速道路管理の高度化やオフィスのスマート化 に 5Gを適用する.本稿では G-VIの活動について報告する.
BI-5. こんなところにも通信技術が?!
(通信方式研専、コミュニケーションクオリティ研専 共催)
3月21日 13:00〜16:50 54号館 104教室 座長 中里秀則(早大)
講演時間:各35分
座長挨拶:5分
BI-5-1 |
バッテリレス・ウエアラブルシステム 〜オムツや付けまつ毛にも無線機器が〜
道関隆国(立命館大) |
BI-5-2 |
電界・磁界を利用した近距離通信技術
○佐々木愛一郎(近畿大)・森村浩季(NTT) |
BI-5-3 |
インパルス無線センサネットワークにおける脳型情報処理
若宮直紀(阪大) |
環境発電を利用した自力発電型のワイヤレスセンサ構成と無線給電を利用したバッテリレスシステム構成を述べる。バッテリレス・ウエアラブルシステムへの応用例として、自力発電型のワイヤレスセンサでは、人間の尿を利用した尿発電によるワイヤレス尿漏れセンサを、無線給電システムでは、つけまつげに超小型受電機を組み込んだバッテリレスの光るつけまつげを紹介する。
近傍電磁界技術はICカードなどの近距離通信などに利用されているが,極めて高度なレベルに達した電磁波技術に比べると,技術革新の余地が十分に残されているように見える.IoT時代の到来により,特定エリアに存在するヒトやモノを認証しそれらと通信する技術が求められるであろう.このようなニーズに応えるための手段の1つが,近傍電磁界の有効活用であると筆者は考えている.本講演では近傍電磁界の基本概念を説明した後,その応用例として人体通信を紹介する.また近傍電磁界の特徴を活かした新たなアプリとその実現に向けた技術的アプローチについても触れる.近傍電磁界技術は,解くべき課題が残された魅力的な研究対象である.
超低消費電力,低コスト,耐故障性の高いインパルス無線センサネットワークを提唱している.それぞれのノードは,単純なバイナリセンサを備えており,観測値が閾値を超えるとインパルス信号を生成し,簡単な信号処理を施した後,周辺のノードにブロードキャスト送信する.インパルスを受信した近隣ノードは,信号処理の結果に応じてインパルスを再度ブロードキャストする.ノードは識別子を持たず,またトポロジ制御や経路制御は行わない.本発表では,無線センサネットワークをスパイキングニューラルネットワークとみなし,脳の情報処理メカニズムをモデル化したリザバ計算を応用することで情報を抽出する技術について紹介する.
休 憩(10分) 座長 林 孝典(広島工大)
BI-5-4 |
電波による見守り技術
大槻知明(慶大) |
BI-5-5 |
通信用光ケーブルを用いた橋梁添架設備のボルト外れ検知に関する基礎検証
○齋藤千紘・池口雄大・飯田大輔・脇坂佳史・中川雅史(NTT) |
BI-5-6 |
カエルの合唱に学ぶ通信方式の提案
○合原一究(筑波大)・小南大智・細川侑嗣・村田正幸(阪大) |
挨拶:5分
高齢化が進む日本では,高齢者も安心して暮らせる安全・安心な社会の実現は重要な課題である.
高齢者の事故発生場所は,住宅がもっとも多いことが知られている.
住宅での見守りは,生活空間での見守りであり,特にプライバシーの保護が重要である.
そのため,カメラなどの導入は好ましくない.
プライバシーを保護しつつ家庭内での見守りを実現する技術として,近年,電波による見守り技術が注目されている.
電波による見守り技術は,電波センサとも呼ばれている.
電波センサは,人の存在や人の行動による電波伝搬の変動に基づき人の存在や人の行動を検出する.
電波センサは,カメラのような映像によるプライバシー侵害の心配が無いため,家庭への導入が期待されており,これまでに種々の電波センサが報告されている.
本稿では,代表的な電波センサのいくつかを紹介する.
なお,本稿は電子情報通信学会通信ソサイエティマガジン掲載の解説論文¥cite{b-plus}の修正・要約版である.
電力,通信,ガス,水道等のインフラ企業や自治体は全国に多くの管路設備を有している.一般的に管路は地中に埋設されているが,河川や線路を横断する際には,地中を掘削できないため,橋梁に管路を添架している.これらの設備の点検は従来目視で行われているが,管路を固定するボルトの緩み・外れは設備落下による第三社加害や通信断をもたらす可能性が高いことから,重要な点検項目として位置付けられている.本稿では,ボルトが緩んだ際に管路の固有振動数が変化することに着目し,管路内に敷設された通信用光ケーブルをセンサとして用いることで,管路の振動特性を計測しボルトの緩みや外れを検知する技術について報告する.
BI-6. IoT/V2X/サイバーフィジカルシステムに向けたコミュニケーションクオリティ
(コミュニケーションクオリティ研専)
3月19日 13:00〜15:50 54号館 303教室 座長 下西英之(NEC)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BI-6-1 |
軍艦島モニタリングにおけるネットワーク技術
○猿渡俊介(阪大)・倉田成人(筑波技術大)・濱本卓司(東京都市大) |
BI-6-2 |
計算知能で実現する高効率なV2X通信
○策力木格・吉永 努(電通大)・計 宇生(NII) |
BI-6-3 |
サイバーフィジカルシステムにおける制御システムセキュリティ ― ネットワーク化制御における制御品質の観点から ―
○久保亮吾・山田健太(慶大) |
本講演では,筆者らが2014年から開始した軍艦島モニタリングの現状と,軍艦島モニタリングを進める過程で分かった課題について述べる.
建築構造物の劣化診断などの技術は進んでいるものの,3.11で多発したような建築構造物の崩壊現象は現象自体が稀であるがゆえに知見がまだ少ないのが現状である.
これに対して,筆者らは,今まさに崩壊しつつある軍艦島という特殊な状況で崩壊現象のビッグデータを取得するという軍艦島モニタリングプロジェクトを進めている.
加速度センサ,音声センサ,カメラで取得された崩壊過程の映像・音声・振動データはデータドリブンの建築構造解析と言った新たな学術領域を切り開く鍵となる.
また,軍艦島は2015年に世界遺産に登録された.
保存の対象になっているのは炭鉱であり,建物の崩壊は進んだままとなっている.
軍艦島モニタリングプロジェクトでは,歴史的建造物の貴重なデータを蓄積するとの観点からも貢献している.
運転行動解析、リアルタイム交通情報更新、自動運転など、様々な車両用IoT(Internet of Things)アプリケーションの登場により、超低遅延と高遅延を実現できる新しい通信プロトコルの設計が必要になっている。 計算知能(CI)は人工知能研究の一分野であり、ファジィ論理、ニューラルネットワーク、進化的計算などが含まれている。 この講演では、Vehicle-to-Everything(V2X)通信における研究課題とCIを用いた解決案について説明する。
近年,IoT(Internet of Things)やサイバーフィジカルシステム(CPS:Cyber-Physical System)のように,様々なモノがインターネットに接続され,ネットワークを介して計測や制御が行われるようになってきた.特に,これまで外部のネットワークとは切り離されて運用されていた制御システムがインターネットに接続されるようになると,新たなサイバー攻撃の標的となることが懸念される.著者らは,これまでにネットワーク化制御システム(Networked Control System)を対象として,制御データが改ざんされて送信された場合を想定し,制御システム的アプローチによるセキュリティ対策について検討を行ってきた.本稿では,リアルタイムに改ざんを検知し,制御システムの可用性を担保する技術を紹介するとともに,制御システムの特性を活用したサイバーセキュリティ技術の展望について述べる.
休 憩(15分) 座長 久保亮吾(慶大)
BI-6-4 |
複数ロボットの遠隔制御による協調搬送システム
○吉田裕志・熊谷太一・安田真也(NEC) |
BI-6-5 |
力覚フィードバックを用いた人とロボット間の遠隔協調の安定化と高品質化
○黄 平国(星城大)・石橋 豊(名工大) |
BI-6-6 |
触覚メディア通信におけるマルチパス技術の一検討
◎肥後直樹・越地弘順・椿 俊光・桑原 健(NTT) |
本稿では,複数ロボットの遠隔制御による協調搬送システムを提案する.本システムの特徴は,ロボットの位置推定と搬送対象物(台車)の搬送方法にある.ロボットの位置推定については,天井に取り付けたデプスカメラでロボットを俯瞰的に捉えることでロボットの絶対位置を高精度に推定できることを示す.また,搬送方法については,2台のロボットを遠隔から協調制御することで,搬送対象物を挟み込んで搬送する方法を提案する.これにより,搬送ロボットへの荷物の積み替え作業を不要にすることができる.
本稿では, 力覚フィードバックを用いた遠隔ロボットシステムを扱い, 人とロボット間の遠隔協調の安定化と高品質化を実現するための制御とその成果を紹介する. 安定化を実現するために, フィルタによる安定化制御の効果を調べる他, 粘性による安定化制御, 衝突時反力制御を提案し, その効果をQoE(Quality of Experience)評価により調べた. また, システムの安定性を確保しながら, 高品質化を実現するために, QoS(Quality of Service)制御として, ロボット位置の追従制御, 力情報を用いたロボット位置制御などを提案し, それらの効果をQoE評価などにより調べる.
近年,通信の低遅延化や高速化により触覚メディア通信を用いたサービスがより現実的となり注目を集めている.私達は,これまで複数のアクセス網やインターネット接続点がある状況において,ハプティックサービスを実現するためのネットワーク技術を検討し提案機能の実装を行ってきた.本稿では,より具体的かつ将来的な通信環境として,3GPPにおいて標準仕様策定がなされている5GとETSIにおいて標準仕様策定がなされているMECを想定した場合の提案方式の適用性について述べる.
BI-7. フォトニックネットワークの現在と夢のある未来に向けて
(フォトニックネットワーク研専)
3月20日 13:30〜16:45 53号館 303教室 座長 中川雅弘(NTT)
講演時間:指定以外各15分
座長挨拶:10分
BI-7-1 |
フォトニックネットワークの現代
大木英司(京大) |
BI-7-2 |
フレキシブルな光ネットワークアーキテクチャとネットワーキング技術
廣田悠介(NICT) |
BI-7-3 |
光無線技術を用いた光ネットワークシステム 〜MIMO信号分離による波長多重可視光通信システム〜
大柴小枝子(京都工繊大) |
BI-7-4 |
光ネットワーク制御・管理 ~トランスポートSDN~
○吉兼 昇・釣谷剛宏(KDDI総合研究所) |
BI-7-5 |
光ノードデバイス(光スイッチ)
○山口慶太・栁原 藍・伊熊雄一郎・妹尾和則・郷 隆司・鈴木賢哉(NTT) |
動画像配信サービスやビッグデータ処理など、ネットワークを流れるトラヒック量は増加し続けており、今後もこの増加傾向は続くと予想される。将来的なトラヒック需要に対応するため、周波数資源を柔軟に利活用するフレキシブルな光ネットワークの実現に向けて様々な研究開発が進められている。中でも、伝送距離や要求通信量に応じて柔軟に必要なだけの周波数資源を割り当てるエラスティック光ネットワークに関する研究が活発に行われてきた。更に近年では、シングルコアシングルモードファイバの伝送限界を突破するべく、マルチコアファイバやマルチモードファイバを用いた光信号伝送といった空間分割多重化技術を用いた光ネットワークに関する研究が活発化している。本稿では、光ネットワークアーキテクチャとそのネットワーキング技術を中心に整理するとともに、その最新状況を紹介する。
あらゆるモノが無線でネットワークに接続するIoTが注目され,より一層高い通信品質とフレキシブルなサービスを提供できるモバイルブロードバンドの実現が期待されている.そのための無線通信としては,電波だけでなく光波を取り入れた多様性の高い通信が必要になる.近年,多様な通信手段として光無線 が注目されており,IEEE802 やITU-T 等で活発な標準化の動きがある.本報告では,光無線通信に関する標準化動向と多色LED 照明を用いたWDM 可視光通信システムへのMIMOキャンセラ適用の研究について紹介する.
本稿では,光ネットワークの制御管理に適用されるSoftware-Defined Networking(SDN)技術の概要および関連する標準化やオープン化動向について述べる.
フォトニックトランスポートネットワークの経済的な構築と運用の柔軟性を高めるCDC (Colorless-Directionless-Contentionless) -ROADM(Reconfigurable Optical Add/drop Multiplexer) が注目を集めている。このシステムのノードでは、WSS(Wavelength selective switch)とTPA (TransPonder Aggregator)が重要な役割を果たす。
本発表では、これらのノード用光スイッチについての詳細と近年の研究開発状況について報告する。
休 憩(15分) 座長 釣谷剛宏(KDDI総合研究所)
BI-7-6 |
光量子コンピュータの研究開発最前線(25分)
武田俊太郎(東大) |
BI-7-7 |
光衛星通信技術の最新動向と衛星搭載用超高速先進光通信機器「HICALI」の研究開発(25分)
○豊嶋守生・久保岡俊宏(NICT) |
BI-7-8 |
次世代ネットワークにおけるITU-Tでの検討(Focus Group on Technologies for Network 2030)(25分)
三宅 優(KDDI総合研究所) |
総合討論(20分)16時25分から開始です。講演者全員による討論となります。
現在、世界中で量子コンピュータの開発競争が過熱している。欧・米・中では量子コンピュータ関連技術の研究に多額の国家予算が投入され、Googleをはじめとする巨大IT企業も商用量子コンピュータ開発に本腰を入れ始めた。量子コンピュータの実装方式には、超伝導回路方式、イオン方式など様々なアプローチがある。その中でも、我々は室温で動作可能・通信に利用可能という利点を持つ光を用いた量子コンピュータの研究開発に取り組んでいる。本講演では、近年の量子コンピュータの研究開発動向を概観した上で、我々が独自に開発を進めているループ型光量子コンピュータについて、そのアイデアと研究開発状況を紹介する。
近年,100Gbpsのキャパシティを超えるKa帯ブロードバンド衛星通信や,多数の小型衛星群や無人航空機群を用いたメガコンステレーション計画が世界各国で打ち出され,超高速な光通信を用いた衛星計画が台頭してきている.これらの計画は,従来の宇宙開発そのものを革新する可能性がある.情報通信研究機構(NICT)では,海洋や宇宙空間まで利用可能な通信ネットワーク環境を展開し,移動体との通信や災害・減災に貢献するため,電波や光を用いた衛星通信技術の研究開発を実施している.本稿では,最新の光衛星通信技術の動向について紹介すると共に、NICTにおける地上―静止衛星間における光衛星通信技術に関する研究開発について報告する.
2030年に実現するネットワークと、それを実現させるために必要となる要件、技術を検討する活動をITU-Tにて行っている。本発表では、この活動(Focus Group on Technologies for Network 2030)の内容と主なトピックを説明する。
BI-8. IoTと光ファイバセンシング
(光ファイバ応用技術研専)
3月19日 13:00〜17:00 54号館 304教室 座長 足立正二(横河電機)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BI-8-1 |
光ファイバセンサを用いた構造モニタリング
○今井道男・曽我部直樹(鹿島建設)・早坂洋太(リテックエンジニアリング) |
BI-8-2 |
航空宇宙複合材構造のライフサイクルモニタリング
○水口 周・武田展雄(東大) |
BI-8-3 |
ウェアラブル用途を指向した小型FBGインテロゲータ
◎小川 顕(長野計器)・長谷田祐喜(信州大)・藤田圭一(長野計器)・児山祥平・石澤広明(信州大) |
BI-8-4 |
IoT社会を実現する光ファイバー分布センシング技術の進展
岸田欣増(ニューブレクス) |
BI-8-5 |
光ファイバセンサによる長期橋梁モニタリングとデータ活用
西尾真由子(横浜国大) |
光ファイバセンサは、光ファイバそのものがセンサとして機能し、連続的なひずみの分布を得ることができる特長がある。こうした特長を活かした、構造物の維持管理に資するモニタリング技術の事例を紹介する。一例目はRC床版疲労などのモニタリングが可能なひび割れ検知技術であり、長期的には10年間実施中の事例があり、最近はRAIMS(モニタリング技術研究組合)を通じた展開を進めている。二例目はPCケーブルの張力管理であり、施工管理から維持管理まで一貫してモニタリング可能な技術である。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は重量当たりの強度・剛性や防錆性などの耐環境性に優れるため、従来の金属材料の代替として航空宇宙構造への適用が急速に広がってきている。一方でCFRPは不均質な積層構造を有しているために、均質な金属材料と比較して技術的な課題も多い。こうしたなかCFRP構造の内部状態を常時監視し、得られた情報をもとに構造のデジタルツインを作成することで劣化を予測したり、設計・製造やメンテナンスを改善したりすることが求められている。本報告では、デジタルツイン構築のために不可欠な情報を提供することが可能な埋め込み光ファイバセンサを用いたライフサイクルモニタリング技術について概説する。
FBGセンサは従来,複合材料の内部応力測定を初めとしたインフラ構造物の監視や,船舶等に応用されてきた.一方,センサ自体が小さいことを活かした医療向けを初めとする小規模かつ高精度な測定のニーズは存在するが,これに対応したポータブルな,IoTと呼べる測定装置はこれまでわずかしか存在しなかった.本発表では,弊社のこれまでのFBGセンサへの取り組みと,現在開発中のポータブルなFBG測定装置について報告する.
IoTによる社会インフラの効率的な維持・運用には、インフラ全体の情報を網羅的・継続的に取得するセンシング技術が不可欠である.電気センサーは「点」の情報で単一物理量を対象にするのに対して,光ファイバーセンシングはすべての点をセンサーとする「分布」測定が可能な上,多機能かつ耐環境性に優れており,非常に大きな潜在能力を持つ技術である.本講演では,IoT社会を実現する光ファイバー分布センシング技術の進展と適用事例を紹介する.
本講演では,著者らが2011年より継続してきた実橋梁での光ファイバ構造モニタリングとおの取得データを用いて実施してきた研究を紹介する.特に,長期データ品質に関する検証,ひずみデータへの時系列モデル推定による変化検知,そして機械学習による交通量推定の研究を紹介し,社会インフラ構造物運用でのセンサ技術の適用とデータ活用について今後の展望を述べる.
休 憩(10分) 座長 飯田大輔(NTT)
BI-8-6 |
BOCDRのランダムアクセス機能を用いた遠隔測定とIoTシステム
○古川 靖・志田秀夫・手塚信一郎・松浦 聡・足立正二(横河電機) |
BI-8-7 |
光ファイバセンサによる鋼橋および太陽光パネル架台のモニタリング
○中村保則・楊 克倹(構造計画研) |
BI-8-8 |
リアルタイムBOTDRが実現する社会インフラモニタリング
○小泉健吾・山口徳郎・村井 仁(OKI) |
BI-8-9 |
下水道監視向け光ファイバマルチセンシングシステム
○菊池信彦・畑山正美・田所秀之(日立) |
光ファイバセンサBOCDRは,遠隔地に敷設した光ファイバ上の任意の場所における温度,歪みを高い空間分解能で測定できる.IIoTセンサとしてのBOCDRは,歪みを時間的に連続して測定した動歪みをもとに振動を観測し,測定対象となる機械設備やインフラ構造物の振動振幅や振動周波数の情報を得て,その健全性を診断することが期待されている.そのためには,異なる場所にあり固有振動数も異なる複数の振動物体を同時に観測することが必要である.本研究では,BOCDRの特長であるランダムアクセス機能を活用した新しい測定方法を提案するとともに,固有周波数の異なる2つの物体に必要な帯域を割り当て,それらの振動波形を同時に観測する実験に成功した.
高度成長期に整備が進んだ橋梁や道路・鉄道などのインフラ構造物は、建設から30年以上が経過し、老朽化が進行している。これらの構造物ができるだけ延命できるよう、現在、予防保全的な対応が重要視されており、構造物の健全度を定量的に調べる手段として、構造物に設置したセンサ等の応答波形から状況を把握する、いわゆる「構造ヘルスモニタリング」が注目されている。本セッションでは、加速度センサやひずみセンサなどの各種センサデータとデータ解析やFEMによる構造解析を組み合わせたモニタリングシステム等、当社が過去取り組んできた構造物のヘルスモニタリングの具体例を紹介する。
光ファイバによる分布歪み・温度センシング技術は,測定対象全体の状態を把握することができるため,社会インフラモニタリングとの親和性が高い.分布歪み・温度センシングは定期的な継続監視を主目的として使用されてきたが,近年の高速測定可能な分布センシング技術の進歩を背景に,動的なモニタリングの需要も高まりつつある.これにより,これまでの定期的な管理ではなく,ネットワークに常時接続した異常検知や劣化診断予測などが可能となり,インフラ管理の最適化が期待できる.本稿では,高速分布歪み・温度センシングの技術として,自己遅延ヘテロダイン干渉計を用いた新しい技術と具体的な実施例を紹介する.
生活・工業排水や雨水の排出を担う下水管路は衛生・防災の観点から重要な生活インフラの一つである。近年では特に台風・震災や都市域でのゲリラ豪雨による水害が顕著に増加し、2015 年の水防法の改正を機に水位センシングの必要性が高まってい
る。また下水管路の周辺生活環境の改善についても関心が高まっており、降雨時における河川への越流や異臭対策の観点から下水管路内の水質や臭気のモニタリングも重要となりつつある。同時に、高度成長期に導入された下水管路は徐々に劣化が進んでおり陥没の危険を避けるため、管路の腐食状況の把握や予測も望まれる。上記のような観点から下水道内の水位・水質などの様々な環境パラメータのセンシングニーズが高まっているものの、下水管路内では電源や通信回線が利用できずその実現が困難であった。本報告では、下水管路内のリアルタイムセンシングの実現に向けて弊社で開発を行った光ファイバマルチセンシングシステムについて紹介を行う。
BI-9. スマート社会を築くセンサネットワークとモバイルインテリジェンス(セッションとしての予稿あり)
(知的環境とセンサネットワーク研専、モバイルネットワークとアプリケーション研専 共催)
3月21日 13:00〜17:00 54号館 402教室 座長 石原 進(静岡大)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BI-9-1 |
小型・ローコストな大気環境計測器の開発とその広がる応用
松見 豊(名大) |
BI-9-2 |
水産業支援のための漁船・漁具・漁業者センシング
高 博昭(はこだて未来大) |
BI-9-3 |
IoTを活用したセンサネットワークによる下水道管理の取り組みについて
福本 徹(日水コン) |
私達は、小型でローコストな大気環境センサおよびその計測システムの装置開発を進めています。それと同時に、それを実際に広く社会に実装する試験を進めており、新しい大気環境科学や社会活用を目指しています。小型環境計測器によりみんなが計測して自分の健康を考えることが可能になり、ビッグデータとして活用でき、さらに、大気環境を「問題」ではなくプラスの方向に応用することができる、また、アジアでの深刻な環境問題解明と解決で大きな威力を発揮できる、などの数々の成果が見えてきています。これらについてお話ししようと思います。
近年,地球温暖化による海洋環境変化や少子高齢化の影響により,日本の水産業は岐路に立たされている.
本発表では,環境に適応した水産業を実現するため,IoT等を活用した水産業支援について紹介する.
漁船や漁具の情報を取得した操業実態の解析や,ウェアラブルセンシングによる漁業者の行動認識について,
水産業(=フィールドを対象とした研究)ならではの問題を交えながら解説する.
我が国の下水道事業は管理運営の時代を迎えており、施設の老朽化に伴う維持管理費の増大、災害リスクの顕在化に伴う防災・減災対策の重要性の高まり、人口減少に伴う事業運営に必要な経営資源(ひと・モノ・カネ)の不足等の様々な課題に直面しています。
これらの課題に対処するためには、下水道施設の管理・運用のスマート化が必要であり、IoTを活用してセンシングネットワークを構築し、広域的に施設状態の見える化を図ることが有効と考えます。
今回の講演では、下水道インフラにおけるIoTを活用したセンシングネットワークの導入事例を紹介します。
休 憩(25分) 座長 山本高至(京大)
BI-9-4 |
スマートフォンを用いた小型船舶の衝突防止に必要な情報の精度
齊藤詠子(海技研) |
BI-9-5 |
自動車の知能化とコネクティッドカーがもたらす可能性
鈴木達也(名大) |
BI-9-6 |
センサネットワークとモバイルインテリジェンス〜下水管検査システムと車々間ネットワークに関する研究事例より
石原 進(静岡大) |
総合討論(30分)16時30分から開始です。
船舶事故隻数は減少しているが過去10年連続で年間2,000関近くであり、中でも70%以上が小型船舶の関係する事故である。本研究では、衝突警告を使用した小型船舶の衝突防止支援に着目した。衝突警告の支援は、位置情報を用いる接近警告と、位置情報に加え進路と速力の情報を用いるCPA(最接近点:Closest Point of Approach)解析に基づく衝突警告という2つの方法がある。また、2つの警告を適確かつ適時に提供するためには、これらの情報の精度が重要となる。
近年普及が進んでいるスマートフォンは、その機能を活用することで新たな衝突防止支援システムとして利用できる可能性がある。本研究では、衝突警告の支援に必要な通信時間・位置・進路・速力の精度を明らかにした。
本講演では自動車における知能化、およびそれを活用した自動運転の技術動向や実証例について述べる。そして、複数の車両や交通参加者がお互いの情報共有が可能となった場合の協調的制御技術についても述べる。最後に、IoTの一つと位置付けられるコネクティッドカーがモビリティにもたらすインパクトについて触れ、スマート社会において果たす役割について言及する。
モバイルセンサネットワークの研究事例として、講演者が取り組む研究、浮流型センサ・カメラによる下水管検査システム、安全運転支援、車両間情報共有のための車々間通信制御、隊列走行に対する電波妨害攻撃対策に関して紹介するとともに、電子情報通信学会モバイルネットワークとアプリケーション研究会、知的環境とセンサネットワーク研究会における最新の研究の取り組みを紹介する。
BI-10. 仮想ネットワークの運用・管理・制御の自動化技術
(ネットワーク仮想化特別研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月20日 13:00〜17:00 54号館 401教室 座長 長谷川輝之(KDDI)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BI-10-1 |
多様なサービスを収容する IoT 基盤の研究開発
飯田勝吉(北大) |
BI-10-2 |
プロアクティブ制御型ネットワークの実現に向けた取り組みの紹介
○原田薫明・恵木則次・松尾洋一・小林正裕(NTT) |
BI-10-3 |
5Gに向けたClosed-Loopオペレーション技術に関する取組み
◎宮澤雅典(KDDI)・宮本達史・河崎純一・毛利元一・蕨野貴之(KDDI総合研究所) |
多様なサービスと革新的サービスの開発が可能なIoT基盤の実現を目的とした「AI
エンジンを内包するIoT基盤に関する研究プロジェクト」を紹介する。
ネットワークの内外で取得可能な情報の組合せ分析に基づくネットワーク状態変化の予測や早期検知によって,サービスの性能劣化を未然に防ぐことが可能なプロアクティブ制御型ネットワークの実現を目指した取り組みについて紹介する.
5Gを見据えた次世代モバイルNWに関する研究開発が盛んに行われ,多様化するアプリケーションの提供を下支える5G-NW基盤・制御技術として,高可用性・高柔軟性を実現するSDNやNFVが期待されている.上述の利点が期待される一方で,運用管理の観点においては,従来の運用業務全般が仮想化を十分に想定していない課題や,仮想化による管理対象やデータ数が飛躍的に増加する問題があり,人手を介した運用手法では運用業務の遅延する課題が想定される。
本稿では、仮想化の障害自動化技術の動向に触れるとともに、さらなる高度化に向けた人工知能を活用した障害復旧自動化技術に関して説明する.
休 憩(15分)
BI-10-4 |
仮想ネットワークのオペレーション自動化の取組み
林 經正(ボスコ・テクノロジーズ) |
BI-10-5 |
Resource Allocation and Dynamic Adjustment in Virtualized Network Infrastructure
○Ved P. Kafle・Takaya Miyazawa(NICT) |
パネル討論(70分)15時50分から開始です。講演者全員による討論となります。
We present our research on autonomous mechanisms for on-demand allocation and dynamic adjustment of resources to adapt a network slice to time-varying workload and conditions. For the dynamic resource adjustment, we have also started using machine learning (ML) techniques such as recurrent neural network.
BI-11. 情報ネットワークとその科学 ―最新研究動向と今後に向けて―
(情報ネットワーク科学特別研専、情報ネットワーク研専 共催)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月19日 13:00〜16:55 54号館 204教室 座長 藤原明広(千葉工大)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BI-11-1 |
光を用いた意思決定
◎成瀬 誠(NICT)・内田淳史(埼玉大)・Serge Huant(Univ. Grenoble Alpes)・堀 裕和(山梨大) |
BI-11-2 |
確率過程の双対性を利用したコンピューティング
大久保 潤(埼玉大) |
BI-11-3 |
情報幾何とマルコフ過程の熱力学
伊藤創祐(東大) |
BI-11-4 |
情報ネットワーク研究会のこれまでとこれから
岸田卓治(NTT-AT) |
単一光子、光カオス、もつれ光子などの光を用いた意思決定のコンセプト、実験、および理論的取り扱いについて概説する。
例えば機械学習において,深層学習などのニューラルネットワークを「学習」と「利用」の二段階にわけて考えることができる.「学習」の段階では大規模な計算が必要になるものの,「利用」の段階では比較的軽い計算のみで新しいデータに対する結果を得ることができることがその特徴である.よって,このような事前の計算と実行時の計算という枠組みは,大規模なサーバと軽量な端末というネットワーク化された社会に適したものであろう.本発表では「時間発展する系」を例にとり,確率過程の双対性という数理的な性質に基づいて,事前計算と実行時の計算とに分離する計算の枠組みについて紹介する.
マルコフ過程などの確率過程の上で、熱力学理論を体系づける確率的な熱力学(stochastic thermodynamics)というものが近年盛んに研究されている。この確率的な熱力学は情報理論と密接にかかわっているため、メゾスコピック領域の情報処理や生体系の情報伝達の熱力学的な効率などの理解に役立てられている。我々は近年、情報幾何とよばれる情報理論の幾何学的な理論体系を用いて、確率的な熱力学の新しい理論を構築している。本公演ではその進捗をご報告する。
1982年に発足した情報ネットワーク研究会は,情報ネットワークに関わる
基盤技術およびそのシステム/ネットワーク全体を対象に活動を進めている.
発足当初より,社会基盤である国内の公衆電気通信網を対象として,通信網と
それにつながるコンピュータから構成される情報社会基盤を研究対象として
きた.
技術の高度な発達に伴い,多種多様に分岐した技術分野が複雑に
絡み合い,相互の関係が見えにくくなっている.
また,技術的課題はもとより,社会的な課題も表面化しており,
今後の発展に向け,避けて通れない状況になってきている.
本発表では,これまでの情報ネットワーク研究会の状況を振り返り,
NetSci特別研究専門委員会との統合を見据え,今後の検討課題と方向性に
ついて議論する.
休 憩(10分) 座長 井上 武(NTT)
BI-11-5 |
情報ネットワークにおける新たな最適設計制御問題
巳波弘佳(関西学院大) |
BI-11-6 |
オンライン社会ネットワークにおけるユーザダイナミクスの科学
会田雅樹(首都大東京) |
BI-11-7 |
情報ネットワーク分野に必要な科学はなにか
村田正幸(阪大) |
パネル討論(45分)16時10分から開始です。講演者全員による討論となります。
情報ネットワークは,電話網の時代から現在のインターネットの時代に至るまで常に重要な社会基盤であり,故障や輻輳の影響を最小限に抑えた信頼性の高い情報ネットワークを構築し運用することは重要な課題であった.そのため,これまで様々なネットワーク設計法・制御法が研究されてきた.長い歴史の中で基本的なものは出尽くしたかと思われたネットワーク設計法・制御法は,アプリケーションやコンテンツの変化,ユーザの利用状況の変化など,短いスパンで起こる様々な大きな変化に応じた新たな設計法や制御法が必要な時代に入り,再び重要性が増してきている.本発表では,そのような新たなネットワーク設計・制御法の一部を紹介する.
オンライン社会ネットワーク上でのユーザのダイナミクスは,オンラインのコミュニティーを超えて,実社会の社会活動にも大きな影響を与え始めている.特に,ネット炎上などの爆発的なユーザダイナミクスは,人間の理性的な判断や対処の速度を遥かに超えて,世界規模で急速に影響が拡大するため,大きな社会不安を招く要因となりうる.どうすれば,人類の理性的な判断が介在できる程度の速度まで状況の悪化速度を鈍化することができるだろうか.本稿は,オンライン社会ネットワークの特性を理解し,その爆発的な暴走を抑える工学的枠組みを確立するための,誕生したばかりのユーザダイナミクスの基礎科学について述べる.
情報ネットワーク分野の研究に必要な基礎原理と科学について、問題点と今後の方向性について私見を述べる。
BI-12. 情報指向通信の未来へ向けた課題
(情報指向ネットワーク技術特別研専)
3月19日 13:00〜15:55 53号館 303教室 座長 柳生智彦(NEC)
講演時間:各40分
座長挨拶:5分
BI-12-1 |
気象におけるIoTセンサデータとエッジコンピューティングの活用
○中田亮太・森 航哉・田中裕之(NTT) |
BI-12-2 |
サービス機能チェイニング基盤と情報指向ネットワーク技術連携の一考察
○宮澤高也・松園和久・朝枝 仁(NICT) |
あらゆるモノがインターネットに接続され,様々なセンシングが可能となるIoTが注目されている.IoT社会を構成する上で重要となる分野に気象予測がある.高精度でリアルタイムな気象予測情報は農業・自動車・スポーツスタジアムビジネスなど様々な分野への活用が期待されている.高精度・高精細な気象予測を実現させる手段として気象センサデータの活用がある.
本発表では,気象シミュレーションへの気象センサの活用とこれに求められるデータ集約基盤としてのエッジコンピューティングの役割とその効果について述べる.
本研究では,IETF標準に準拠したサービス機能チェイニングのデータ転送基盤とその計算資源調整コントローラの初期版を実装した.そして,その中継ノードの網機能として,コンテンツ指向ネットワーク技術(CCN)を実現するCeforeを組み込み,機能動作検証とCefore稼働仮想マシンへの計算資源自動調整実験を行ったので,これを報告する.
休 憩(10分)
BI-12-3 |
触れるテレビの実現に向けた触覚インターフェース
半田拓也(NHK技研) |
BI-12-4 |
ダークウェブにおけるコンテンツ探索手法の検討
○川北 将・柳生智彦(NEC) |
現在のテレビは,映像と音声を伝えるメディアである.さらに,視覚と聴覚を補う感覚として,触覚情報を伝えることができれば,本質的に触らなければわからない情報を伝えられるメディアに進化すると考えられる. 触覚は,対象物体に対する人の動作に伴って生じるインタラクティブな感覚である.視覚情報におけるカメラとディスプレイや,聴覚情報におけるマイクとスピーカーのように,触覚情報を手軽に入出力できる汎用的なデバイスは今のところ実用化されていない.本発表では,AR/VRに関連する技術としても注目されている触覚インターフェースの研究動向を紹介するとともに,触れるテレビの実現に向けた触覚インターフェースの研究事例を報告する。
昨今、サイバー・フィジカル双方の犯罪に用いられる様々なコンテンツがダークウェブ上の闇マーケットで取引されている。犯罪捜査においてコンテンツへ効率よくアクセスすることが求められるが、ダークウェブはTorをはじめとする秘匿性の高いオーバーレイネットワーク上にあることや、当局による収集を防ぐ目的で闇マーケットの運営者が利用者にチューリングテストを課すことから、機械的にコンテンツを獲得することが難しい。本稿では付随する属性情報の関連性からダークウェブ上のコンテンツを自動的に獲得する試みについて紹介する。
BCI-1. 空間分割多重伝送システム用光デバイス技術
(光通信システム研専、光エレクトロニクス研専、光通信インフラの飛躍的な高度化に関する特別研専 共催)
3月19日 13:00〜17:00 54号館 302教室 座長 坂本泰志(NTT)
講演時間:各30分
BCI-1-1 |
空間分割多重(SDM)伝送システム技術
釣谷剛宏(KDDI総合研究所) |
BCI-1-2 |
SDM集積光スイッチ技術
○妹尾和則・山口慶太・中島光雅・鈴木賢哉・橋本俊和・宮本 裕(NTT) |
BCI-1-3 |
モード合分波技術とモード分析技術
國分泰雄(中部大) |
本稿では,SDM伝送システムの概要とこれまでの進展、そして関連するプロジェクトの動向や将来の展望について述べる。
SDM-NWは従来の波長スイッチングの自由度に加えて空間多重信号の自由度が得られ,光ネットワークの柔軟化に寄与する.本稿では,SDM-NWに用いる光スイッチの各方式の研究動向を踏まえつつ,特にマルチコアファイバ等を用いたSDMネットワークを実現する際に必要となる多連集積光スイッチとしてSpatial and Planar Optical Circuit (SPOC)と呼ばれる技術を用いた波長選択スイッチ(WSS)について,その原理と実現例を報告する.
数モードファイバを伝送路に用いるモード多重伝送の,入出力端でのモード合分波技術と,伝播モードを分析する技術を解説する.モード多重伝送に用いるモードについて,一般的に固有モードと誤解されているLPモードの限界とMIMO信号処理技術の関係を解説し,新しい提案である厳密固有モード伝送,および励振が容易なLPモードが固有モードになる例を紹介する.また,これまでに開発されたLPモード用合分波器の原理と特徴を整理し,さらにモード合分波と密接に関係するモード分析技術も原理から分類して,新たに提案しているPSCD法の高速化によるモード受信機への適用の可能性にも触れる.
休 憩(15分) 座長 佐藤功紀(古河電工)
BCI-1-4 |
マルチコア光増幅器の低電力動作化に向けた取り組み
◎松本恵一・竹下仁士・柳町成行・エマニュエル ル・タヤンディエ・ドゥ・ガボリ(NEC) |
BCI-1-5 |
空間モード光増幅技術
○和田雅樹・坂本泰志・青笹真一・山本貴司・中島和秀(NTT) |
光ネットワークの容量増大に対する需要が高まっている.そのため,今後は通信容量不足だけでなく,通信装置およびシステムの消費電力増大に起因する電力不足も懸念されている.これまで,SDM伝送技術は大容量化に向けて研究されてきた.だが,SDM技術は,システムの電力利用効率と中継器における増幅効率向上の点からも研究されており,消費電力に起因する上述の問題を克服できると考えられている.特に,光増幅器の増幅効率の向上は,SDM伝送システムの消費電力削減に直接的な貢献を果たすと考えられている.本稿では,マルチコア光増幅器の低電力動作化に関する取り組みについて述べる.
近年、光ファイバ通信の大容量化に向けて、マルチコア/マルチモードファイバを用いた空間分割多重技術(SDM)が注目を集めている。SDMの長距離化においては、SDM用エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)が必須となる。しかしながらSDM用EDFAで発生する空間チャネル依存利得(SCDG)によってファイバ中を伝搬する信号間の伝送品質差が発生し、伝送可能距離が制限されることが課題となっている。本報告では、数モード及び結合型マルチコアファイバ(CC-MCF)EDFAにおけるSCDGの補償技術に関し、近年の研究動向を紹介する。
休 憩(15分) 座長 水野隆之(NTT)
BCI-1-6 |
マルチコアファイバ伝送システム用接続技術
◎川崎浩平・吉岡和昭・安藤孝幸・渡辺健吾(古河電工)・杉森 丈(FITEC)・杉崎隆一・塚本昌義(古河電工) |
BCI-1-7 |
高密度多芯マルチコアファイバ光部品技術
◎齊藤侑季・林 哲也・真鍋 賢・豊川修平・森島 哲・永島拓志・中西哲也・佐野知巳(住友電工) |
マルチコアファイバ(MCF)伝送システムの実用化には既存装置とMCFを接続するファンインファンアウトデバイスやMCF同士を接続するためのコネクタの開発が不可欠である。本報告では非結合型のMCFによる伝送システムを実現するための接続物品についてその製法や特性を紹介する。
近年のトラフィック量の増加に伴い,データセンタ大容量化の需要が拡大している.光インターコネクトの高密度化に向けて,空間分割多重伝送技術の1つとしてマルチコアファイバ(MCF)が注目されている.しかしMCFの実用化には,従来のシングルコアファイバやMCF,他光部品への低損失な接続技術が必要不可欠である.そこで本稿では,高密度MCF光接続部品に着目し,多芯MCF接続技術を紹介する.まず多芯コネクタについて,標準嵌合力22 Nでの超高密度256チャネルコネクタのPhysical contact(PC)接続について報告する.続いて,非円形樽型クラッドMCFを用いた多芯一括受動回転調心により,挿入損失0.5 dB未満の低損失接続を可能とする高精度実装技術について紹介する.