プログラム
format_list_bulletedエレクトロニクスソサイエティ
ソサイエティ特別企画
CK-1. エレクトロニクスソサイエティ プレナリーセッション
(エレクトロニクスソサイエティ 運営委員会)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月19日 15:00〜16:50 53号館 301教室 座長 荒川太郎(横浜国大)
15:00-15:05 |
ソサイエティ会長挨拶 会長 粕川秋彦(古河電工) |
15:05-15:50 |
特別講演
「特許から何が分かるか? -特許技術動向と知的財産戦略-」
- 講師:
- 武重竜男 氏(東京工業大学 特任教授)
- 概要:
- 特許出願は、世界で年間300万件を超え、ここ数年は中国が世界一を爆走しています。特許から得られる技術情報は、まさに知識の宝庫(ビッグデータ)。その情報を見ずに研究開発の方向性は決められません。また、特許という独占権を活かした知的財産戦略は、国際競争時代に益々重要となっています。では、実際に特許情報から何が分かるのか、電子情報通信分野の一部の特許分析を示しながら、知財戦略構築の一端を御紹介します。
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休 憩(15分)
16:05-16:50 |
表彰式
- エレクトロニクスソサイエティ活動功労賞贈呈
- エレクトロニクスソサイエティ学生奨励賞贈呈
- 新シニア会員のご紹介
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CK-2. 21世紀社会における日本のエレクトロニクスを支える博士人材育成
(セッションとしての予稿あり)
(日本学術会議 電気電子工学委員会デバイス・電子機器工学分科会、エレクトロニクスソサイエティ 共催)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月21日 13:00〜16:50 57号館 201教室
講演時間:各25分
シンポジウム趣旨説明(10分) 中野義昭 (東大)
CK-2-1 |
進歩と進化をつなぐ博士人材育成
天野 浩(名大) |
CK-2-2 |
目標達成から目標設定へ ~CMOS Image Sensorの進化をモチーフとして~
平山照峰(ソニー) |
CK-2-3 |
博士は夢の通過点? ~現役学生からみた博士進学の様相~
寺林稜平(名大) |
CK-2-4 |
産学連携による博士人材育成 イノベーションデザインコース
森 勇介(阪大) |
CK-2-5 |
これからの社会に必要な人材像と大学の在り方
鈴木 寛(東大/慶大) |
休 憩(10分)
座長 川原田 洋(早大)、
大橋弘美(古河ファイテルオプティカルデバイス)
パネルディスカッション(95分)
15時25分から開始です。講演者全員と新垣雅進(古河電工)、貝原輝則(東京農工大)、長瀬公一(東レ経営研究所)、中野義昭(東大)、森重丈二(リクルートキャリア シニアコンサルタント)による討論となります。
CK-3. Thailand-Japan Microwave (TJMW) 2018 優秀発表賞特別セッション
(マイクロ波研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月21日 14:50〜17:00 53号館 401教室 座長 岡崎浩司(NTTドコモ)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
CK-3-1 |
Design of Low-Profile Printed Antenna Radiating Circular Polarization
○Lertsakwimarn Kittima(KMUTNB)・Takeshi Fukusako(Kumamoto Univ.)・Phongcharoenpanich Chuwong(KMITL) |
CK-3-2 |
成層圏プラットフォーム飛行船へのマイクロ波無線電力伝送システムの検討
◎中本悠太・篠原真毅(京大) |
CK-3-3 |
Complementary Split Ring Resonator Embedded on H-Plane Split Waveguide for Thin Photoresist Film Thickness Characterization
○Nonchanutt Chudpooti・Prayoot Akkaraekthalin(KMUTNB)・Nutapong Somjit(Univ. of Leeds) |
CK-3-4 |
コルゲートリフレクタを用いた長さに依存しないベルトラミ共振器
◎望月 諒(京大)・高野佑磨(阪大)・篠原真毅(京大)・真田篤志(阪大) |
CK-3-5 |
Hardware/Software Development of Ground Penetrating Radar
○Pachara Srimuk・Akkarat Boonpoonga(KMUTNB)・Kamol Kaemarungsi・Krit Athikulwongse(National Science and Technology Development Agency) |
This research describes the design of a low-profile circularly polarized surface wave antenna.
In order to generate circular polarization, 90-degree phase difference of orthogonal electric field are required. The hook-shape has been used to realize the orthogonal horizontal component by installing them further from the ground plane at the lowest layer in each direction of the beam. The oriented direction of hook-shaped will be determined to generate the RHCP or the LHCP fields. The simulation and experimental results of the proposed antenna characteristics such as S-parameter, axial ratios, radiation patterns and antenna gains are discussed in details.
本論文では成層圏プラットフォーム飛行船へのマイクロ波無線電力伝送システムの実現可能性について検討を行った.まず,最適な送電アンテナの大きさと電界分布について検討を行った.高度20 kmで70%の伝送効率を満たすには,半径30 mのアンテナが必要である.
次に,周波数について検討を行った.伝送効率だけを考えると,12 GHzが最も高効率である.ただし,システム全体の効率を考慮すると5.8GHzが適している.最後に,飛行船が移動した場合の伝送効率を検討する.この結果から,ビーム走査角は高度10kmで25度以内,高度20kmで15度以内であることが望ましい.
Non-destructive thickness measurement offers a valuable feature for thin polymer-based applications in both industrial and medical utilization. Herein, we developed a novel, non-destructive, millimeter-wave WR-10 waveguide sensor for measuring a dielectric film layer on a transparent substrate. Complementary split-ring resonator (CSRR) was integrated on top of a customized WR10 waveguide and operated at 96 GHz. The thickness of the SU-8 layers, ranging from 3-13 μm, coated on a glass substrate was then examined using the resonant frequency shift. The thickness values obtained from this novel sensor strongly resemble the values obtained from standard surface profiler measurement method, with less than 5 % difference. Thus, our novel design offers a comparable accuracy with a better cost effectiveness when compare with an existing commercial instrument.
1次元ベルトラミ定在波の数学的表現や物理的な性質を明らかにする.1次元ベルトラミ定在波を発生させることのできるコルゲートリフレクタを備えたベルトラミ共振器を提案する.提案する共振器の動作原理や共振条件を理論的に明らかにし,長さに依存せず共振可能であることを示す.さらに,数値シミュレーションを行うことによって理論の妥当性を検証する.
In this paper we present the hardware/software development of an ultra-wideband (UWB) ground penetrating radar (GPR) [1] for surveying the multi-layer soil. The GPR is compost of mono cycle pulse generator with 3.6 gigasamples per second high-speed real-time data acquisition, high-speed volume data transfer and data storage, and a customized control element developed on a field-programmable gate array (FPGA). Experiments with multilayer soil establish ground penetrating radar systems performance.
チュートリアルセッション
CT-1. 最先端分野を切り拓く超伝導センサー・検出器技術の最新動向
(超伝導エレクトロニクス研専)
3月19日 13:00〜16:40 54号館 301教室 座長 山下太郎(名大)
講演時間:各40分
委員長挨拶:5分 明連広昭(埼玉大)
CT-1-1 |
超伝導イオン検出器を用いた質量分析技術 ー惑星科学から星間科学への貢献の可能性 ー
大久保雅隆(産総研) |
CT-1-2 |
超伝導ナノワイヤ単一光子検出器の高機能化に向けた新潮流
三木茂人(NICT) |
CT-1-3 |
超伝導中性子検出器の基礎とイメージング応用
○石田武和・宍戸寛明(阪府大)・The Dang Vu(J-PARCセンター)・飯澤侑貴・西村和真(阪府大)・小嶋健児(TRIUMF)・鈴木 聡(高エネ研)・原田正英・奥 隆之・及川健一・曽山和彦・相澤一也(J-PARCセンター)・宮嶋茂之(NICT)・日高睦夫(産総研)・小山富男(阪府大)・Alex Malins・町田昌彦(システム計算科学センター) |
質量分析は環境、バイオテクノロジーなどの広い分野で必要不可欠な分析手法であるが、イオンを電磁気力により、質量/電荷数比(m/z)に従って分離するため、分子の質量mを一意に決定することはできなかった。また、電荷を持っていない中性分子は分析できなかった。この原理的限界を超伝導検出器により克服し、真の質量分析を実現した。真の質量分析により、惑星大気脱出、生命の起源と考えられる前生命的星間有機分子生成のメカニズム解明に迫れる可能性がある。
超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SSPD)は広帯域、高検出効率、低暗計数率、低ジッタなどの特徴を兼ね備え、量子情報通信、レーザ計測、蛍光観察など幅広い応用分野においてその適用が期待されている。本講演では、SSPDのさらなる高機能化に向けて取り組まれている現在の研究開発動向について紹介する。
中性子は原理的に軽元素のイメージング観測に適するが、従来技術では残念ながらミクロン領域観測は実現していない。超伝導検出器を使って中性子を検出する研究例はそれほど多くない。我々は、21世紀になった頃から、超伝導検出器を使って中性子を検出する試みを行ってきた。最近は、10B転換層を有するNb超伝導中性子検出器(遅延時間型電流バイアス運動インダクタンス検出器;CB-KID)の開発に成功して、J-PARCパルス中性子源施設で実証実験を行ってきた。CB-KIDの原理は、10B転換層内での10B(n,4He)7Li中性子核反応熱によるメゾ励起を用いてNb超伝導細線メアンダ導波路内に電磁波パルス対を発生させ、導波路を伝搬するパルス対の両端到達時間差を高精度で計測し、核反応位置(X,Y)座標を同定する。信号を発生する原理は超伝導検出器の超伝導細線の局所変化を利用するところが他の運動インダクタンス検出器とは異なる点である。CB-KIDはわずか4端子のワンチップ素子であるが大画素のイメージングが出来る点が特徴である。既に、20μmの空間分解能は実現しているが、将来はミクロン級の空間分解能を目指している。
休 憩(15分) 座長 竹内尚輝(横浜国大)
CT-1-4 |
超伝導力学インダクタンス検出器の応用例
○成瀬雅人・田井野 徹・明連広昭(埼玉大) |
CT-1-5 |
ナノスケールでの元素分析に向けた超伝導トンネル接合アレイX線検出器を搭載したSEM-EDXの開発
○藤井 剛・浮辺雅宏・志岐成友・大久保雅隆(産総研) |
力学インダクタンス検出器(MKID: Microwave Kinetic Inductance Detectors)[1]は21世紀初頭にカリフォルニア工科大学のグループによって提案された、超伝導共振器の特性を利用したエネルギー検出器である。本稿では、MKIDの動作原理を概説したあと、世界の応用例を紹介し最後に我々の研究グループで行っているミリ波天文学用の検出器開発及び、放射線検出器開発について触れる。
我々は、高スループットと高エネルギー分解能を両立する軟X線検出器として、超伝導トンネル接合(STJ)アレイを用いたエネルギー分散型検出器を開発してきいる。これまでに、100 μm角のNb/Al-STJを100素子アレイ化し、95 %を超える歩留まりを達成し、このアレイを用いたX線検出器で、高エネルギー分解能(約6 eV@400 eV)かつ大有感面積(約1 mm2) を両立することを実証している。今回、nmスケール組成分析に向けて、STJアレイX線検出器とキャピラリーレンズを組み合わせた超伝導軟X線分光器システムを開発し、それを通常のSEMに搭載、その検出性能を評価した。窒素のKα線に対するエネルギー分解能は10 eV(FWHM)であり、波長分散型検出器(WDS)に匹敵する分解能であった。また、窒素のKα線の計数率はWDSの10倍程度の1 cps/nAであった。
依頼シンポジウム
CI-1. 光エレクトロニクス研究会(OPE)学生優秀研究賞表彰式(セッションとしての予稿あり)
(光エレクトロニクス研専)
3月21日 13:00〜14:00 52号館 103教室 座長 山本直克(NICT)
講演時間:55分
座長挨拶:5分
光エレクトロニクス研究会(OPE)学生優秀研究賞表彰式および受賞者による講演
CI-2. 高速光変調技術のブレークスルー
(光エレクトロニクス研専、レーザ・量子エレクトロニクス研専、集積光デバイスと応用技術特別研専 共催)
3月20日 13:00〜16:55 52号館 103教室 座長 鍬塚治彦(産総研)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
[第一部: 高速変調技術の現在と将来]
CI-2-1 |
高速光変調器―現状と展望―
小川憲介(東工大) |
CI-2-2 |
長波長帯直接変調半導体レーザにおける高速化の変遷と最新動向
中原宏治(Lumentum) |
CI-2-3 |
フリップチップ実装技術を用いた超高速光半導体送信器
○金澤 慈・山崎裕史・上田裕太・小林 亘・小木曽義弘・尾崎常祐・進藤隆彦・綱島 聡・田野辺博正・佐野公一(NTT) |
CI-2-4 |
超高速InP IQ変調器
○小木曽義弘・尾崎常祐・上田悠太・脇田 斉(NTT) |
CI-2-5 |
低電力CMOSドライバ集積シリコン光変調器
○田中信介・下山峰史・蘇武洋平(PETRA/富士通/富士通研)・青木 剛(PETRA/富士通)・森 俊彦(富士通研)・鄭 錫煥・臼杵達哉・田中 有・森戸 健(PETRA/富士通/富士通研) |
CI-2-6 |
LN変調器の現在と将来
山口祐也(NICT) |
光変調器は電気信号から光信号への変換を可能とし、光伝送に不可欠のデバイスである。小型でかつ集積化に対応し、極小フォームファクタのプラガブル光トランシーバに内蔵することが可能な光変調器に焦点をあて、現状と展望について議論する。
インターネットの大容量化を支える光ファイバー通信用長波長帯直接変調半導体レーザの高速化の変遷を俯瞰し、最新動向を報告する
我々はワイヤフリー技術として、フリップチップ実装技術を用いた広帯域・集積設計技術 (Hi-FIT: Highfrequency and integrated design based on a Flip-chip Interconnection Technique) を開発した。EA-DFB レーザモジュールに本技術を適用することで、3 dB 帯域59 GHzを有するEA-DFB レーザモジュールを実現するとともに、このモジュールを送信光源として、107 Gbaud 4-PAM 信号伝送を実現した。また、MZ 変調器に本技術を適用することで、67 GHz を超える3 dB 帯域を実現するとともに、本光変調器サブアセンブリを用いることで、120 Gbaud QPSK 変調動作を実現した。
小型・高速性に優れたInP系光変調器の更なる高速化に向けて,新たな半導体層構造と電極構造を組み合わせたInP系のIQ光変調器を提案した.これら低RF損失材料の採用により,駆動電圧等の特性を劣化させることなく変調帯域を大幅に改善させることで,1.5 Vの半波長電圧特性と80GHzに達する超広帯域特性を両立させた世界トップクラスの超高速変調動作を実現.更に,高速ドライバICを変調器と同一パッケージ実装させることで光等価処理を行うことなく最大128GボーレートのIQ変調動作を世界で初めて実証した.
光インターコネクトにおいて、小型・低電力なシリコンフォトニクス光集積回路(Si PIC)技術の検討が進められている。当グループでは、Si PICを用いて低電力なPAM4伝送を実現する光送信機技術を開発したので、その概要を報告する。低電力なSi PAM4光送信機を実現するため、高効率なCMOSインバータドライバによってセグメント化されたSi MZ変調器を駆動する方式を採用した。Si MZ変調器には高い光変調効率が得られるPIN型位相シフタを用い、その動作帯域をシンプルなRCイコライザで補償する手法を適用した。試作した光送信機の評価から、56GbpsまでのPAM4光変調動作において良好なアイ開口を確認した。その際の消費電力は1.59mW/Gbpsと、これまで報告されたシリコンPAM4光送信機で最小である。
ニオブ酸リチウム(LN)を基とした外部変調器は低チャープな光変調動作が可能なことから長距離用光ファイバ通信に用いられている。LN変調器はポッケルス効果による極めて高線形性の位相変調が可能であり,また導波路集積による光干渉計を構成することで強度変調や直交振幅変調(QAM)などの変調方式にも対応できる。そのため,光ファイバ通信黎明期の強度変調-直接検波リンクに始まり,近年のIQ変調-コヒーレント検波リンクでもLN変調器は実用され続けている。本稿では,現在に至るまでのLN変調器に関する研究開発の歴史を振り返り,さらにLN変調器のさらなる応用可能性について紹介する。
休 憩(5分) 座長 八木英樹(住友電工)
[第二部: 高速変調を取り巻く環境変化]
CI-2-7 |
LD直接変調用高速リニア駆動IC
田中啓二(住友電工) |
CI-2-8 |
次世代(60GHz~)高周波セラミックパッケージの設計技術
北村俊彦(京セラ) |
CI-2-9 |
100G/chの標準化動向
小倉一郎(PETRA) |
データセンター等に設置されている光ネットワークの機器間では、通信量の増大に応えるべく、Baud rateの高速化に加え、従来用いられてきたNRZ変調方式に対し情報を2倍伝送できるPAM4変調方式が導入されようとしている。PAM4変調された光信号を生成するには、2つのMZM素子に対し別々のNRZ信号で変調を行い光でPAM4信号を重み付け合成する方式と、DSPで生成した電気PAM4信号をリニア増幅して発光素子を変調する方式に大別される。後者は従来から使用されてきたDFB-LD等の発光素子やEA-DFB等の外部変調素子をそのまま活用でき、早期製品化が期待されている。
我々は、DFB-LD(以下LD)を直接変調するシャント駆動方式を用いた10~28Gbaudで動作するリニア駆動回路を開発し報告してきた。本稿では、リニア動作を特徴とするシャント駆動回路の原理と、Baud rateの高速化に伴って発展してきた回路構成の変遷について報告する。
光ファイバ通信市場は、年々高速・大容量化が進み、光信号の送信及び受信を行うモジュールには、材料安定性に優れ、高信頼性が特徴であるセラミックパッケージが採用されております。高速・大容量化を実現するために、高周波信号の入出力端子の高速化が必要不可欠となっております。用途、変調方式、コストなど様々な要因でパッケージ形態は変わりますが、それぞれのパッケージ形態に合わせた高速伝送線路の設計技術は向上してきております。現在光モジュールの研究開発部門からは、60GHzまでのブロードで安定した周波数特性が得られるパッケージ要求があり、その要求に答えられる高周波伝送線路の設計事例について紹介させて頂きます。
チャンネルあたり100Gbpsの高速化につき、データセンタを中心とする高速光インターコネクト技術について、イーサの物理層と連携するインターフェースやコンポーネントの標準化動向について述べる
CI-3. 半導体レーザやLEDを用いた光給電技術
(レーザ・量子エレクトロニクス研専)
3月19日 13:00〜17:00 52号館 201教室 座長 永井正也(阪大)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
CI-3-1 |
光給電への期待 -光無線給電・光ファイバ給電は必要か?-
宮本智之(東工大) |
CI-3-2 |
信号と電力の同時伝送を目的とした光ファイバ給電
松浦基晴(電通大) |
CI-3-3 |
ラゲールガウスビームによる光無線伝搬特性
小川賀代(日本女子大) |
CI-3-4 |
移動体への光無線給電
丸山武男(金沢大) |
CI-3-5 |
SIP第2期でのワイヤレス電力伝送システム実証に向けた研究開発
庄木裕樹(東芝) |
光を用いた新たな給電方式といえる,光無線給電と光ファイバ給電の研究,開発,実用化が活発化し始めた.光源と太陽電池を基本に構成される本技術について,これまでの経緯と最新動向,将来展望を述べる.
モバイル通信の急速な発展に伴い,今後も多くの無線基地局の敷設・運用が必要となってくる.このため,より簡易な構成で敷設・運用を容易にする手段として,無線基地局への光ファイバ回線を利用した光ファイバ給電技術の研究を紹介する.無線基地局を駆動するにはWオーダーの電力供給が必要となるため,モバイル通信用の信号と無線基地局を駆動可能な電力の同時伝送が可能な,独自の光ファイバ給電技術の研究開発を行っている.本発表では,無線基地局の駆動に光ファイバ給電が有効であることや,著者らの最近の研究成果を紹介する.
光無線給電の特徴は,給電の電力量が比較的大きな範囲まで可能であり,また,その伝送距離も比較的長距離まで可能である点といえる.しかしながら,長距離の光空間伝搬において,大気揺らぎなどの影響を避けることは困難であり,安定した電力供給をするためにも,この課題を克服することが望まれる.本研究では,大気乱流下におけるラゲールガウスビームの光無線伝搬特性の評価を行い,これまでのガウスビームの伝搬特性と比較した.その結果,ラゲールガウスビームの方が,ガウスビームよりも乱流の影響を受けにくいことが確認されたので報告する.
近年、新しい無線給電方法として送信側にレーザーやLED、受信側に太陽電池を組み合わせた光無線給電が提案されている。また光は指向性を持たせることが容易であるため、この方式は遠距離や移動体に対しての給電に有利である。本報告では、移動体への光無線給電に関する要素技術である、物体認識やレーザビーム走査の各種手法について紹介し、著者らが実現しているCMOSカメラによる画像認識技術とガルバノミラーによるレーザビーム追随技術を組み合わせた移動体への光無線給電システムについて報告する。
内閣府が進めているSIP第2期の12課題のうちの一つである「脱炭素社会実現のためのエネルギーシステム」の中でワイヤレス電力伝送システム(WPT)の研究開発に取り組む計画である。本稿では、SIP第2期におけるWPTテーマである①WPT基盤技術開発(社会実装推進の基盤となる高周波大電力デバイス技術などの提供)、②電気自動車への無線給電(連続走行可能な電気自動車への給電・充電)、③屋外給電(ドローンへの無線給電・充電)、④屋内給電(センサー、情報機器への無線給電・充電)の各々の研究開発の計画について説明する。
休 憩(10分) 座長 川北泰雅(古河電工)
CI-3-6 |
9xxnm帯高出力半導体ブロードエリアレーザダイオードの高効率化に向けた開発状況
○山形友二・貝渕良和・能川亮三郎・吉田京平(フジクラ)・山田由美(オプトエナジー)・山口昌幸(フジクラ) |
CI-3-7 |
808nm帯高出力VCSELアレイモジュール
○軸谷直人・泉谷一磨・新井伸幸・池田圭介・池應敏行・萩田健太郎・鈴土 剛(リコー) |
CI-3-8 |
光無線給電用受光器へのペロブスカイト系材料適用の可能性
宮島晋介(東工大) |
CI-3-9 |
半導体レーザを用いたIII-V族太陽電池による光給電技術
○内田史朗・田中文明・伊藤真樹・小室有輝・高橋直大・鈴木 佑(千葉工大)・陆 书龙(蘇州ナノテクナノバイオニクス研) |
9xx nm帯のブロードストライプ高出力半導体レーザにおける高効率化の開発状況について報告する。レーザ光出力への高い電力変換効率を達成するために、発熱の原因となる電気抵抗の低減と、しきい値電流に影響する活性層光閉じ込め係数最適化を行った。その結果、新たに設計されたLDは、世界最高レベルのピーク効率72%、20Wの実用出力においても66%の高い変換効率を得ることができた。
内燃機関のレーザー点火向けに808 nm帯面発光レーザーアレイの開発を行った.QCW動作においてVCSELアレイとして311W,モジュールとして204 Wのレーザー出力が得られ,レーザー点火に応用可能な高出力VCSELアレイを実現した.レーザー給電向け半導体レーザー光源の関連技術としてVCSELアレイとモジュールの特性を紹介する.
無線給電技術の新たなオプションとして、光を用いた光無線給電の検討が行われている。この技術では、電気-光エネルギー変換を行う光源と光-電気エネルギー変換を行う受光器の効率の積で概ね伝送効率が決まるため、光源・受光器双方の高効率化が必要となる。本発表では光無線給電用受光器の光吸収層としてのペロブスカイト系材料の可能性について講演する。これまでに報告されているペロブスカイト太陽電池の特性から光無線給電に適用した場合に予想される受光器の変換効率を解説した後、更なる受光器の高効率化のためのワイドギャップ化についても解説を行う。
近年、情報産業における無線化が急速に進展し、給電にもその無線化の期待が大きくなりつつある。本研究では、レーザ光とIII-V族化合物半導体太陽電池を用いた光無線給電の高効率化について報告する。その中でも光電変換効率に着目し、照射レーザの波長や強度依存性について調査した結果、並びに、太陽電池材料のバンドギャップエネルギー依存性や表面電極構造依存性などについて詳細に報告する。
CI-4. 量子技術に着想を得た次世代コンピューティング
(電子デバイス研専)
3月21日 13:00〜17:00 54号館 201教室 座長 竹中 充(東大)
講演時間:指定以外各40分
座長挨拶:5分
CI-4-1 |
量子力学原理を利用した革新的コンピュータ:最新研究開発動向(25分)
川畑史郎(産総研) |
CI-4-2 |
量子アニーリングの現状と課題
西森秀稔(東工大) |
CI-4-3 |
超伝導量子コンピュータの大規模化に向けて
玉手修平(東大) |
長年続いてきたムーアの法則の終焉が現実味を帯びてきた。そのため近年、量子コンピュータや量子アニーリングマシンなどの量子力学原理を積極的に情報処理に利用したコンピュータに大きな注目が集められている。本講演においては、量子コンピュータ、量子アニーリングマシンと関連ハードウェア(コヒーレントイジングマシン、CMOSアニーリングマシン、デジタルアニーラなど)の最新研究開発動向について解説を行う。
現在、量子コンピュータの実現に向けて超伝導量子回路の集積化が重要な課題となっている。特に、2次元的な量子ビット配列を構成し、量子誤り訂正可能な量子デバイスを実現するためには, 超伝導量子回路に対して3次元的な配線を実現することが必要不可欠となる. 本発表では, 同軸ケーブルによる同心円型超伝導量子ビットへの垂直アクセスを基本とした超伝導量子回路の集積化手法について述べる. また, 量子コンピュータの大規模化に向けた各構成回路の設計や実装上の課題についても議論する.
休 憩(10分) 座長 堤 卓也(NTT)
CI-4-4 |
コヒーレントイジングマシンによる組合せ最適化
○武居弘樹・稲垣卓弘・稲葉謙介・生田拓也・本庄利守(NTT) |
CI-4-5 |
CMOSアニーリングマシンの概要
山岡雅直(日立) |
CI-4-6 |
組合せ最適化問題を高速に解くデジタルアニーラ技術とその応用
竹本一矢(富士通研) |
コンピュータの進展が飽和しつつある現在、物理システムを用いて従来のデジタル計算機が不得手とする問題を効率良く解く計算機の研究開発が盛んとなっている。特に、制御可能な人工スピン系を用いてイジングモデルを模擬することで組合せ最適化問題を効率良く解く計算機が注目されている。本講演では、縮退光パラメトリック発振器(DOPO)群を人工スピンとして用いてイジングモデルの基底状態探索問題を解くコヒーレントイジングマシン(CIM)の研究開発の現状を報告する。
ナチュラルコンピューティングの考え方を取り入れ、組合せ最適化問題を効率よく解く手法として、半導体回路を用いてイジングモデルを模擬するCMOSアニーリングマシンを提案した。このCMOSアニーリングマシンのプロトタイプを試作し、実際に組合せ最適化問題が解けることを確認し、また、FPGAを用いた第二世代および第三世代のCMOSアニーリングマシンのプロトタイプを試作し、より複雑な組合せ最適化問題が解けることを確認した。
デジタルアニーラはイジングモデルにマッピングされた組合せ最適化問題を高速に解くためのハードウェアアーキテクチャである。ビット間が全結合、多階調で接続されており、多様な組合せ最適化問題を表現可能な点が大きな特徴である。第一世代は1,024ビット規模であったが、現在は既に8,192ビットの第二世代チップを用いたクラウドサービスが開始されている。本講演ではデジタルアニーラ技術について、その原理と高速化技術について説明した後、いくつかの具体的な活用事例について紹介する。
CI-5. IoTで実現するアプリケーションとデバイスの未来
(集積回路研専)
3月20日 13:00〜17:00 53号館 304教室 座長 古田善一(デンソー)
講演時間:各45分
CI-5-1 |
極低消費電力IoT機器実現に向けたBLE/AD-PLL回路技術
岡田健一(東工大) |
CI-5-2 |
IoTを支える低電力アナログ・デジタル集積回路技術
宮原正也(KEK) |
IoT技術は、さまざまな身の回りの物をインターネットに接続するための技術であり、センサやアクチュエータを備えた小型無線端末が必要とされている。用途拡大のためには、自立電源によるバッテリーレス動作や、10年以上のバッテリー交換を不要とする極低消費電力IoT端末が必要である。本講演では、クロック生成や無線通信のためのBluetooth Low-Energy(BLE)無線機の低消費電力化を実現する回路技術について紹介する。
休 憩(10分) 座長 田島英幸(ルネサスエレクトロニクス)
CI-5-3 |
デバイスから見たIoTアプリケーションとエナジーハーベスティングの可能性について
奥 良彰(ローム) |
CI-5-4 |
無線センシング実証事例の取り組み
佐藤武史(村田製作所) |
IoT社会におけるアプリケーションをハードウェアであるデバイスの観点から言及する。デバイスについてもふれた後に、幾つかのアプリケーション事例や取り組み事例を紹介し、将来の電源技術になり得るエネルギーハーベスティングについても考察する。
休 憩(5分) 座長 兼本大輔(山梨大)
CI-5-5 |
AI時代における"IoTデバイス/集積回路 × データサイエンス"の展望
村上和彰(チームAIBOD) |
「デジタル化された半導体ビジネス」により今後次々と創造されると思われる新しいプロダクト、サービス、アプリケーション、顧客価値について考察する。特に、本講演のタイトルにある「IoTデバイス/集積回路×データサイエンス」なる新しい半導体ビジネスを提案し、そのビジネス上の可能性、将来性を展望する。
CI-6. 光学特性を制御した透明ポリマーとその応用
(ポリマー光回路特別研専)
3月22日 9:00〜12:00 54号館 101教室 座長 興 雄司(九大)
講演時間:指定以外各30分
座長挨拶:5分
CI-6-1 |
透明ポリマーの屈折率制御(45分)
谷尾宣久(千歳科技大) |
CI-6-2 |
逆可塑剤および分子配向によるポリカーボネートの光弾性係数制御
信川省吾(名工大) |
ポリマーは、規則的な繰り返しの構造単位からできている。ポリマーの光学特性は繰り返し単位の化学構造と関係がある。また、高分子鎖のパッキング状態や構造的不均一性などの高次構造も光学特性に影響を及ぼす。ポリマーの光学特性を制御し、高性能化させるためには、化学構造と高次構造の両面からのアプローチが必要になる。ここでは、透明ポリマーの屈折率制御のための構造制御法について述べる。また、屈折率制御材料の開発動向についてまとめる。
ポリカーボネート(PC)は液晶ディスプレイなどの光学材料に広く応用されている。本研究では、PCの光弾性複屈折に対する低分子添加剤および分子配向の影響について調査した。その結果、前者の低分子添加剤はPCの弾性率を向上させるとともに、光弾性係数が低下、すなわち光弾性複屈折が抑制されることが判明した。一方、PCフィルムを加熱延伸し、分子配向させることで、延伸方向の光弾性係数が抑制できることも明らかとなった。2つの結果は、ともに光弾性則に従っていることから、光弾性係数の抑制は共通したメカニズムによると結論づけられる。
休 憩(10分)
CI-6-3 |
ハイパーテックの開発と応用 -高屈折率コーティング材料-
上杉 理(日産化学) |
CI-6-4 |
光学フィルムの屈折率制御と用途展開
石原次郎(日本ゼオン) |
CI-6-5 |
屈折率調整や光学機能性付与フィラー
村口 良(日揮触媒化成) |
CI-6 - 光学特性を制御した透明ポリマーとその応用
日本ゼオンでは「ゼオノア」樹脂を用いてディスプレイ用光学フィルムであるゼオノアフィルムを製造しております。ゼオノア樹脂の設計・製造、溶融押し出し法によるフィルムの製膜、位相差フィルムを製造するための延伸プロセスを組み合わせることにより、お客様の多様な要求に応えられる体制を作り上げています。配向方向の屈折率が大きいポリマーであるゼオノア樹脂においては延伸方向の屈折率が大きくなる特徴を生かし、延伸プロセスを組み合わせることで用途に合わせた屈折率楕円体形状を制御しています。ゼオノアフィルムはVA液晶ディスプレイの視野角補償位相差フィルムやOLEDの反射防止フィルムとして使用されております。
TVやモニターなどの液晶ディスプレイや、スマホ、タブレット等のタッチパネルディスプレイなどは省スペースや携帯性のニーズに合わせ、薄型化、軽量化に寄与する光学樹脂フィルムが広く用いられている。光学フィルムに傷付き防止や屈折率調整などの機能を付与するため、ハードコート層や反射防止層が設けられるが、機能付与が樹脂成分だけでは不十分な場合、無機ナノ粒子などの光学フィラーが用いられる場合がある。無機ナノ粒子を有機樹脂中に透明性を確保しながら適用することができれば、光学樹脂だけでは発現できない新たな機能を付与することができる。ここでは光学機能性付与フィラーについて実例を示し、その可能性について紹介する。