2020年 3月18日 (水) 午後
工学部 講義棟1F 102講義室
環境電磁工学研専
電磁両立性(EMC)を追求する環境電磁工学においては、理論的な道具としての電磁気学や電気回路論を総合的に理解し適用することが求められる。たとえば、回路からの不要放射を考える際に、本来の電気回路の動作だけでなく筐体とケーブルのコモンモードによるアンテナ動作を、別の等価回路でモデル化して理解することが重要となる。しかし、従来、電磁気学と電気回路論とを橋渡しする部分に十分な教育資源が割り当てられてきたとは言い難い。また、電磁気学や電気回路論にはいくつものパラドックスが存在し、それらを理解しようとする者を悩ませる。一方、電磁界や回路には各種保存則や定理、不変量が存在し、対象や現象の理解の拠り所となる。そこで、電磁気学と電気回路論の基礎に立ち返りつつ、従来の教育で十分議論されていない電磁気学と電気回路論の視点、盲点、橋渡し領域などについて、EMC基礎講座の場を設け、理論、応用、教育面での議論を深めたい。