ソサイエティ特別企画
BK-1. 論文の書き方講座(セッションとしての予稿あり)
(通信ソサイエティ編集会議研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.
3月10日 9:45〜11:30 Webinar 2 座長 西森健太郎(新潟大)
講演時間:指定以外各40分
座長挨拶:5分
BK-1-1 |
論文の書き方(50分)
笹森崇行(北海学園大) |
論文の最も基本となる目的は,読者に対し,論理的に積み上げていくことで,その論文の主張を導くことである.しかし,そのような論文を書くことは難しく,論文の書き方の上達にはある程度の時間と継続的な執筆指導の努力が必要である.通信ソサイティでは,論文の書き方を広く深く会員に浸透させるために,2009年 3月から大会に合わせて「論文の書き方講座」を開催してきた.参加者から継続的に開催することを希望する声を多く頂き,「論文の書き方講座」を開催することにした.この講座が学生あるいは若手研究者の一助となれば幸いである.
休 憩(10分)
BK-1-2 |
英文論文の書き方のポイント
長谷川 剛(東北大) |
本講演では、電子情報通信学会英文論文誌をターゲットに、論文の書き方について述べる。
パネルセッション
BP-1. 進化し続ける5G技術と6Gに向けた展望
(無線通信システム研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.
3月11日 13:00〜17:00 Webinar 1 座長 旦代智哉(東芝)
講演時間:各25分
BP-1-1 |
楽天モバイルの5G完全仮想化ネットワーク
千葉恒彦(楽天モバイル) |
BP-1-2 |
通信インフラネットワークのオープン化とインテリジェント化
渡辺伸吾(KDDI) |
BP-1-3 |
インダストリー領域への5G適⽤の可能性
柳橋達也(ノキアソリューションズ&ネットワークス) |
楽天モバイルでは、完全仮想化モバイルネットワークを4Gおよび5Gの商用で実現している。本講演では、4Gおよび5Gにおける完全仮想化ネットワークの取り組みとRCP(Rakuten Communications Platform)について背景を含めて説明する。
日本でも2020年3月に5Gが商用化され、これから5Gの普及・発展が進んでいく。その先には、Beyond 5G/6Gに続いていくことが期待されている。
本稿では、このような通信方式そのものの進化ではないが、5Gや6Gの普及・発展とともに進んでいくことが予想されている、通信ネットワークのオープン化やインテリジェント化について紹介する。
現在提供されている5Gサービスは主にコンシューマユーザに対して新しいブロードバンド体験を提供するものである。一方で、本来5Gが持つ適用の可能性はコンシューマサービス領域に限定されるものではなく、産業領域への適用も大いに期待されている。本パネルセッションでは、今後のセルラー技術の進化が辿る道筋を解説しながら、産業領域など新しい市場への適用の可能性を探っていく。
休 憩(15分) 座長 岡本英二(名工大)
BP-1-4 |
Beyond 5Gに向けたHAPS移動通信システムの研究開発
○長手厚史・太田喜元・星野兼次(ソフトバンク) |
BP-1-5 |
5G/6Gで実現するDX最前線
及川洋光(富士通) |
BP-1-6 |
6Gに向けたユースケースと要求条件
○永田 聡・須山 聡・岸山祥久(NTTドコモ) |
休 憩(15分)
パネル討論(60分)16時から開始です。
超広域のカバーエリア、災害に強いネットワークを実現する新たな移動通信プラットフォームとして成層圏プラットフォーム(HAPS: High Altitude Platform Station)への期待が高まっている。今後急速な普及が予想されるドローンや空飛ぶクルマが飛行する上空エリアへの通信プラットフォームとしても有望であり、我が国のBeyond 5G戦略の一環としても期待される。本稿ではHAPS移動通信システムの概要、および研究開発動向を述べる。
昨今、リーマンショック、東日本大震災、米中貿易摩擦、新型コロナウィルス感染症など、不確実性の高い世界が当たり前のようになってくる。そして、不確実性の高い世界を生き残る為にデジタルを活用した「企業変革力」が求められる。しかし、現時点で日本のデジタル活用レベルは、グローバルな視点で見るとそれほど高いとは言えない。一方、新型コロナウィルスの影響で、テレワークをはじめとするデジタル化が一気に加速した事実があったり、日本政府がデジタル庁を発足させたりと、日本のデジタル化戦略が見えてきた。
本セッションでは、5Gおよび6Gを活用したデジタルトランスフォーメーションで、どのように世界が変わって行くのかをリアルタイムデモを通じて体感頂く。
2020年近辺により商用サービスが開始された5Gでは、高速大容量、高信頼低遅延、多接続をキーワードに4Gまでのマルチメディア通信サービスの高度化とともに、これからの産業や社会を支える基盤技術として新たな価値を提供することが期待されている。本稿では次世代に向け、考えられるユースケースや要求条件の展望について述べる。
チュートリアルセッション
BT-1. よくわかる6Gに向けた先進技術
(無線通信システム研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.
3月10日 9:00〜11:40 Webinar 1 座長 前原文明(早大)
講演時間:各35分
座長挨拶:5分
BT-1-1 |
期待値伝搬法による多次元信号検出の基礎
○衣斐信介(同志社大)・高橋拓海(阪大)・岩井誠人(同志社大) |
BT-1-2 |
大容量バックホールを実現するミリ波帯OAMモード多重伝送技術
○佐々木英作・平部正司・善久竜滋・宮元裕章・生田耕嗣(NEC) |
本稿では,期待値伝搬法 (EP: Expectation Propagation) の基本動作原理を解説するとともに,EPの近似としてPDA (Probabilistic Data Association) が導出できることを紹介する.さらに,PDAによる近似の影響を補償する方策として深層学習の一種である深層展開を適用し,データ駆動最適化により検出精度を改善する手法を提案する.
5Gスモールセルバックホールのような見通し内短距離大容量無線伝送システムを実現する手段として,OAM(軌道角運動量)モード多重伝送方式の開発を行った.本稿では,OAMの原理とその実現手段,及び実時間信号処理によるOAMモード・偏波多重機能を実装したE帯、及びD帯試作機による評価結果について報告する.この評価において,16多重(8OAMモード×2偏波)256QAM信号の40m(E帯),100m(D帯)伝送を実現し,実用的な距離の伝送が可能であることを実証した.
休 憩(15分) 座長 西村寿彦(北大)
BT-1-3 |
無線ネットワークのための機械学習
山本高至(京大) |
BT-1-4 |
6Gに向けた無線スケジューリングと基地局間協調技術の基礎
三木信彦(香川大) |
機械学習の基礎(教師あり回帰,深層学習,強化学習)と,無線ネットワークへの応用を述べる.本稿では機械学習を網羅的に紹介するのではなく,筆者らが取り組んだいくつかの応用例と基礎的な事項との関連を明確にしながら紹介する.
本稿では,LTE/LTE-Advanced,5G New Radioにおける無線スケジューリング・協調技術について説明した後,少しではあるが 6G に向けた展望について述べる.
BT-2. ICTとサイバーセキュリティ
(情報通信マネジメント研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.
3月9日 13:00〜16:25 Webinar 5 座長 鶴 正人(九工大)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BT-2-1 |
サイバー空間における脅威事例とサイバーセキュリティ
宮坂 肇(NTTデータ先端技術) |
BT-2-2 |
ICTアセットの管理不備によるリスクと現実的な対策
○神薗雅紀・伊藤大貴・髙田雄太(デロイトトーマツサイバー) |
新型コロナウイルス感染症(COVIT-19)の感染拡大の影響により、国民一人一人は在宅を中心とした活動が中心となっており、リモートワークやオンラインショッピングの活用など生活様式が変化している。このようにICT利用環境が急速に変化しているなか、セキュリティ事案が増加傾向にある。2020年のサイバー空間上での脅威の事例などを踏まえたサイバーセキュリティについて一考察する。
昨今,事業体を維持するため,さらに企業がサービスを提供する際に様々なICT技術が利用されているが,その構成や設定などの把握不備により,予期せぬリスクに晒されるケースがある.実際のインシデント事例を踏まえ,どのように対峙していけばよいか研究成果を利用した現実的な対策をご提案する.
休 憩(10分)
BT-2-3 |
IoTセキュリティの課題と対策
吉岡克成(横浜国大) |
BT-2-4 |
インシデントの発生を見越したサイバーセキュリティ対策
鳥居 悟(富士通研) |
休 憩(10分)
パネル討論(60分)15時25分から開始です。
IoTのサイバー攻撃の現状やセキュリティ課題、対策について紹介する。カメラやルータといった機器がサイバー攻撃を受け、マルウェア感染しているということはよく知られているが、重要施設に設置された遠隔監視装置などのセキュリティも十分でない場合がある。マルウェア感染した機器や脆弱な機器を発見して注意喚起する取り組みなどについても触れたい。
守りを固めるこれまでの要塞型セキュリティ対策だけでは対応が困
難であり,すでに侵入されていることを前提として,攻撃の痕跡す
なわちセキュリティインシデントの発生を早期に検知し,出来る限
り被害を最小限に抑えることが重要である.
本講演では,これまで筆者らが取り組んできた,インシデントの把
握と評価に関する技術を紹介する.次に,被害軽減の施策を行うた
めの意思決定を支援する技術について紹介する.最後に,富士通に
おける情報セキュリティ人材の育成に関する取り組みを紹介する.
これらをひとつの題材として,サイバーセキュリティ被害の軽減に
資するような議論となれば幸いである.
BT-3. 情報指向ネットワークを実現する技術と応用
(情報指向ネットワーク技術特別研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.
3月11日 13:00〜14:55 Webinar 4 座長 武政淳二(阪大)
講演時間:各25分
座長挨拶:3分
BT-3-1 |
オンプレミスネットワーク環境におけるIP・CCN共存型遠隔授業システム実証実験
◎大岡 睦・速水祐作・朝枝 仁(NICT)・矢野祐二(阪市大)・山田 空・井上一成(明石高専) |
BT-3-2 |
IoT・スマートシティ領域におけるICNの適用検討紹介
○金井謙治(早大)・松園和久(NICT)・中里秀則・甲藤二郎(早大)・朝枝 仁(NICT) |
ニューノーマル時代に必須となる遠隔授業システムにおいて,従来の映像や音声の途絶・乱れ等のネットワークに起因する問題に対処するために,我々は情報指向ネットワーク技術を用いたオンプレミスネットワーク環境における高品質遠隔授業システムを提案する.本ネットワークシステムは,Internet Protocol (IP) 網と共存可能なContent-Centric Networking (CCN) 実装であるCefore,FPGAによるCCNルータ実装,タブレット用アプリケーションにより構成される.これにより,マルチキャストやネットワーク内キャッシュを効果的に利用可能なシステムが実現出来る.本稿では,本提案システムの紹介に加え,現在計画中の遠隔授業実証実験に関する紹介を行う.
本稿では,IoTやスマートシティ領域でのICN適用として,SMIによるICN-Push型通信,ICNによる自律駆動型SFCについて紹介する.
休 憩(12分)
BT-3-3 |
情報指向ネットワーク技術に基づくソーシャルメディア時代の災害通信アーキテクチャの設計
◎小泉佑揮(阪大)・北川沢水(静岡大)・笹沼涼介(阪大)・大木哲史(静岡大)・河辺義信(愛知工業大)・西垣正勝(静岡大)・長谷川 亨(阪大) |
BT-3-4 |
NDNルータの転送テーブル集約効果向上のためのコンテンツ配置制御
上山憲昭(福岡大) |
円滑な災害対応には、救助隊間のみならず、被災者やボランティアの間でも十分な情報伝達をサポートすることが重要である。しかし、大規模災害時には、電話網の障害や輻輳により119番などの緊急通信が利用できないことがあり、パケット網上の災害通信アーキテクチャが必要である。一方で、ソーシャルメディアは、人々の情報伝達の手段として日々の生活に浸透しており、災害時には災害情報の共有や救助要請を表明をするインフラとして重要な役割を果たしつつある。本稿では、情報指向ネットワーク技術をを応用し、ソーシャルメディアを統合した災害通信アーキテクチャを提案する。
コンテンツやIoTデータを効率的に配信できる新しいネットワークとして,情報指向ネットワークNDNが注目を集めている.しかし多くの場合,コンテンツの名称は場所に依存しないため,NDN ルータの 転送テーブル(FIB: forwarding information base)のエントリ集約は困難である.一方,インターネットではCDN (content delivery network)が,ユーザの配信品質を向上しネットワーク内のトラヒック量を削減する技術として広く用いられているが,CDNのこれらの目的はNDNにより達成される.そこで本稿では,CDNをNDNのオリジナル提供プラットフォームとして位置づけ,CDNのキャッシュサーバにコンテンツのオリジナルを,ICNルータのFIBのサイズを効果的に削減するよう配置することを提案する.Webコンテンツの配置に関する測定データを用いた数値評価により,提案方法がFIBのサイズを平均で約45%程度,削減できることを示す.
依頼シンポジウム
BI-1. 電波信号/画像へのAI利用に関する現状と展望
(宇宙・航行エレクトロニクス研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.
3月9日 13:00〜16:40 Webinar 2 座長 灘井章嗣(NICT)
講演時間:各25分
BI-1-1 |
L-band合成開口レーダーデータによる全球長期モニタリング
○中村良介・杉本 隆・堤 千明・山口芳雄(産総研) |
BI-1-2 |
干渉/偏波合成開口レーダ データのAI処理と社会利用のためのデータ構造化
廣瀬 明(東大) |
BI-1-3 |
機械学習によるリモートセンシング画像解析の最前線
横矢直人(東大/理研) |
近年の多発する自然災害や都市災害の減災・防災のため、災害状況のモニタリングや災害につながる状況の自動監視に対する技術開発がこれまでに増して強く望まれている。人工衛星や航空機搭載の合成開口レーダによるデータ取得がその根幹をなす。本講演は、AI(人工知能)技術との融合による干渉/偏波合成開口レーダ データのAI処理と社会利用のためのデータ構造化のトピックスを取り上げ、その将来を展望する。
大規模な地球観測データの解析には,機械学習に基づく自動処理が必要不可欠である.深層学習は,土地被覆分類・物体検出・変化検出などの画像認識や,画像の高解像度化・ノイズ除去・欠損修復などの画像再構成において,従来手法を上回る性能を示してき.ただし,深層学習には十分な学習データが必要であり,精度向上はデータ整備における多大なる努力と併せて進められてきた.多くの現実問題では,十分な学習データを整備することが難しく,学習データの不足は最重要課題である.本稿では,機械学習に基づくリモートセンシング画像解析において,学習データの不足に対応する最新動向について4つの話題を紹介する.
休 憩(10分) 座長 山田寛喜(新潟大)
BI-1-4 |
ミリ波レーダと機械学習を用いた睡眠時無呼吸の非接触検出技術
○阪本卓也・香田隆斗(京大)・奥村成皓・瀧 宏文(マリ)・濱田 哲・陳 和夫(京大) |
BI-1-5 |
深層学習による地中レーダ画像識別において少数の正解ラベルしか得られない場合の識別率向上
○木本智幸・夛賀大貴(大分高専)・園田 潤(仙台高専) |
BI-1-6 |
衛星放送電波の受信レベル変動の機械学習による推定
○西村竜一・鄭 炳表・久利敏明(NICT) |
本研究では、ミリ波レーダおよび機械学習による睡眠時無呼吸の自動検出技術を開発する。呼吸器内科において睡眠時無呼吸症候群の検査入院を行う複数の被験者をレーダによりモニタリングし、呼吸運動を非接触計測する。提案技術では、レーダ受信信号を時間周波数解析によりスペクトログラム画像に変換し、機械学習アルゴリズムを用いて睡眠時無呼吸の有無を自動判定する。睡眠ポリグラフ検査データをもとに検査技師により手動抽出された無呼吸イベントのマーカーを正解ラベルとして学習させ、人の判断を介さない無呼吸イベントの自動検出を試みる。提案技術を実験データに適用し、その精度や性能を詳細に検討する。
地中レーダは、近年問題になっている社会インフラ内の空洞などの劣化状況を非破壊でセンシングするのに有効であるが、反射画像から埋設物を判断することは難しくディープラーニングによる学習で識別モデルを作ることが考えられる。学習画像には何が埋まっていたかの正解ラベルのセットが大量に必要であるが、正解ラベルを知るには掘って調べるしかなく、大量には手に入らない。本研究では、少数の正解ラベルの少ない画像のみを用いたり、正解ラベルの分からない画像を有効利用したりして識別性能を向上させる手法を報告する。
衛星放送電波の受信レベルは降雨により減衰し、その関係性が研究されている。現在多くの家庭に衛星放送アンテナが設置されていることから、これをセンサーアレイとして用いることで、降雨の空間分布状況を把握できる可能性がある。ただし、降雨以外の要因でもレベルが変動するため、降雨推定に利用するには、それらを除去する必要がある。実際の受信レベルの時間変化を見ると、特に顕著なものに、日周期変化の存在が挙げられる。この周期構造は、完全な線形性を有しているわけでは必ずしもない。そこで、機械学習を用いることで、推定することを試みた。機械学習の推定精度に影響を及ぼす要素のうち、時間(短期・中期)的要素と空間的な要素について、その影響を評価した。
休 憩(10分) 座長 田中 真(東海大)
BI-1-7 |
深層学習による伝搬損失推定におけるパラメータ選択方法の一検討
○岩﨑 慧・呉 聖屹・ギルバート・シー チン・吉敷由起子(構造計画研) |
BI-1-8 |
機械学習を利用したGNSS反射波検知モデルの構築と測位への利用
◎田中晋平・辻井利昭(阪府大)・成岡 優(JAXA) |
伝搬推定方法には,レイトレース法を用いたシミュレーションによる推定や,実測値から推定式を構築する方法などがある.また近年,深層学習を用いた伝搬推定方法の検討も増えてきている.構築するモデルの推定精度は,深層学習の学習に用いるパラメータにどんな特徴を選択するかに影響を受ける.構築したモデルの推定結果と特徴量の相関から寄与度をみることが可能だが,パラメータが増えると最適な組合せを見つけることが難しくなる.今回伝搬推定式を説明するために良く用いられるパラメータから,深層学習で用いる特徴量の組合せを遺伝的アルゴリズムによる最適化を行い,モデルの推定精度について検討を行った.
GNSSを利用した測位は場所を問わず利用できる利便性から, 様々な移動体で利用されている. しかし, 都市部では建物などに反射した信号を受信してしまうことにより, 測位精度が大きく劣化することになる. GNSS測位を補強する手法の一つとして, 慣性航法装置(INS)を用いた, GNSS/INS複合航法が挙げられる. GNSS/INS複合航法は, ドローンの自動運転などにも用いられている手法ではあるが, 測位精度がGNSS測位に依存しており, 都市部ではうまく機能しない場合がある. そこで, 本研究では, 機械学習を利用し, GNSS反射波検知アルゴリズムを構築することで, GNSS単独測位の精度の改善を試みた. さらに INSと複合し, 反射波環境で移動体実験を行い, 測位精度を評価した.
BI-2. 耐災害システムとしての衛星通信の役割と将来展望
(衛星通信研専)
3月10日 13:30〜16:45 Meeting 27 座長 石川博康(日大)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BI-2-1 |
衛星通信を搭載した「自己完結型通信システム車輛」の活用事例
○岩丸宏明・生田大朗(シスコシステムズ) |
BI-2-2 |
災害現場における通信ニーズと衛星通信の活用
○遠藤 晃・福家直樹(KDDI) |
BI-2-3 |
ソフトバンクの衛星通信と災害対策への取り組み
田近明彦(ソフトバンク) |
BI-2-4 |
NTTにおける災害対策衛星通信システムと将来システムの検討
○柴山大樹・原田耕一・嶋 正樹・松井宗大・山下史洋・鬼沢 武(NTT) |
弊社では災害対応も含む多目的で利用可能な「ネットワーク体験車輛(CNEV)」を運用しており、衛星通信設備を搭載している。本大会では、CNEV車輛の紹介、CNEV車輛の災害訓練を含む今までの活動、災害被災地でどのように利活用できるかに関して、課題も交え、衛星通信設備と車輛、ITネットワークの観点から発表します。
携帯電話サービスは、今や多くの国民が日常的に連絡手段として利用されることの他、災害時等においては家族等との安否確認や、緊急通報、防災情報の取得などに使われることに加え、自治体などの防災機関、医療機関、インフラ関係機関などの災害時に重要通信を扱う機関においても広く利用されている。こうしたことから、携帯電話設備が被災し、通信サービスが途絶した場合は一刻も早く復旧させる必要がある。しかしながら、通信ケーブル等が被災した場合、復旧作業は道路が使えることが前提条件となるが、同時に道路も被災しているケースがしばしばあり、道路啓開には数時間から数日間要する場合がある。こうした事態に備え、衛星通信を他の通信システム、運搬機材と組み合わせることでさまざまな災害現場に対応できるよう取り組んでいる。本講演では、これまでに導入した通信システムに加え、現在開発を進めている新たな通信技術の紹介と、それらを用いた実証実験の様子について紹介する。
ソフトバンクでは2010年頃より帯域共有による衛星通信に取り組んでおります。
この技術は2011年の東日本大震災でも活用され、現在世界中でデファクトスタンダードとなっています。
この技術の背景、技術解説とこれらによりもたらされる効果についての説明です。
NTTは通信サービスの安定性と信頼性の確保を社会的使命としており,災害に強いネットワーク作りと早期復旧手段の整備に取り組んでいる.無線システムは災害発生時に通信インフラを迅速に復旧,構築に向けて有用であり,NTTアクセスサービスシステム研究所では,可搬型端末を用いた災害対策用無線システムを開発し,導入してきた.その他,NTTグループには衛星携帯電話を用いた衛星移動通信システムもあるが,本稿では主にNTT東日本・西日本で利用されている,避難所等への災害時用公衆電話を提供する災害対策衛星通信システムにフォーカスして,その概要と将来像について述べる.
休 憩(15分) 座長 井家上哲史(明大)
BI-2-5 |
災害対応の観点からみたWINDS運用成果とETS−Ⅸへの期待
○鄭 炳表・高橋 卓(NICT) |
BI-2-6 |
SAGINとUAV×MEC技術による新たな耐災害通信システムの実現に向けて
川本雄一(東北大) |
BI-2-7 |
衛星通信用送受信機のソフトウェア無線化
○末松憲治・亀田 卓(東北大) |
災害対応に有効な衛星通信を目指し,小型車載局を高度化すると共に,地方自治体,消防等の緊急対応機関の協力を得ながら実証実験を重ねてきた.他に2016熊本地震が発生した時には,熊本県高森町へWINDS用の車載局と職員を派遣し,鹿島宇宙技術センター経由でインターネット衛星回線を提供した.
本稿では,災害対応の観点からNICTとJAXAが開発したWINDSの運用成果と次期技術試験衛星9号機(ETS-IX)への期待について紹介する.
通信網が欠かせないインフラとなった現在,災害発生時における早急な通信環境の展開は,レジリエント社会の実現には必要不可欠である.他方,高度な計算処理を要するアプリケーションの多様化が進んでおり,災害時に非常に有用なものも多い.このような状況を踏まえ,我々の研究グループは災害時に通信環境と計算環境を同時に効率的に提供可能なシステムの構築に注目し,その実現に必要となる各要素技術の研究開発を進めている.本発表ではこれまでの取り組み内容の一部を紹介しつつ目指すシステム像の在り方について議論する.
大規模な自然災害により地上系通信インフラが被災した際のバックアップ回線として,衛星通信が,再認識されてきた。しかし,同じ周波数帯を使う場合でもシステムが異なると,それぞれに対応したVSAT局がそれぞれ必要となり,避難所などにせっかく1台の可搬VSAT局を配備したとしても,現場の通信要望に応えられない。また,衛星通信機器には長い製品寿命が求められるが,その変復調や通信制御が更新されるたびに,その製品寿命に関係なく,ハードウェアの置き換えが必要となる問題もある。これらの問題点を解決する方法として,ハードウェアの更新・変更を伴わずに,変復調,通信制御を更新・変更することができるソフトウェア無線機が注目されている。本稿では,筆者らが取り組んできた衛星通信用送受信機のソフトウェア無線化について紹介する。
BI-3. ニューノーマル時代のEMC設計・評価技術
(環境電磁工学研専)
3月10日 13:00〜15:50 Meeting 28 座長 福本幸弘(九工大)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BI-3-1 |
大規模マイクロ波解析
武居 周(宮崎大) |
BI-3-2 |
集積回路から車載電子機器までEMCマクロモデリング
和田修己(京大) |
BI-3-3 |
EMC上流設計とその課題
○村山敏夫・荒木健次・冷岡浩一・栗原輝紀(ソニーGM&O) |
BI-3-4 |
SI/PI/EMC解析連携の進化とエレメカ協調によるシステムレベル検証
吉島憲輔(図研) |
休 憩(5分)
パネル討論(40分)15時10分から開始です。
筆者らは,並列有限要素法に基づく大規模マイクロ波解コード:ADVENTURE_FullWaveを開発し,オープンソースソフトウエアとして公開している.本ソフトウエアは,BerengerのPMLを適用している.BerengerのPMLに対して方向性を省略し,コーナー部に各層の導電率の平均値を与える簡略化手法を開発し,十分な吸収性能が得られた.また,ダイポールアンテナの指向性評価による精度検証において,波長の1/20を最大辺長とし,数値解と理論解の誤差率は9層のPMLを用いた場合,1.70[%]程度であり非常に高精度であり,ADVENTURE_FullWaveの有効性が確認できたため,ここに報告する.
ディジタル機器やパワエレ機器、車載ECUや車載ネットワークなどのEMC性能評価は、システムの複雑化と高速高周波化に伴い、適切な実測ベース評価が困難になり、設計段階でのEMC・システム性能確保のための評価法は、最終製品の実測評価からシミュレーションを活用したユニットベース、モジュールベースの評価へと移行しつつある。本稿では、EMC設計・評価におけるモデリングとモデルを用いた設計、特に「マクロモデリング」とは何かを再考し、マクロモデリングの意義について実例を交えて考える。
電子機器の設計は、上流過程でのEMCをはじめとした対策、最適設計が重要である.此節のCovid-19の拡大による設計環境の変化もあり、EMC対策設計にもこれまで以上に数値解析等を活用した上流での最適設計が求められている.本稿では、このような状況で上流におけるEMC対策設計についてその課題と対策について述べる.
CR-8000 Design Force はエレキデータのみならず、メカデータを含めたシステムレベルの検証環境を実現し、またこれらのデータをワンストップで ANSYS や Keysight、Femtet と言った各種解析環境とスムーズに連携し、解析検証の効率を劇的に⾼めます。⾼機能化/省電⼒化/⼩型⾼密度化が進む現在、電⼦機器設計に求められる解析検証のカバレッジは更に広がっており、本セッションではこれらに対応した次世代の検証環境の最新機能と将来計画をご紹介いたします。
※会社名および製品名等は、各社の商標または登録商標です。
BI-4. ウィズ・アフターCOVID-19における情報ネットワーク研究教育に関する議論
(ネットワークシステム研専)
3月10日 9:00〜11:45 Meeting 29 座長 中尾彰宏(東大)
講演時間:各20分
座長挨拶:10分
BI-4-1 |
ネットワーク基礎技術教育のオンライン授業による効果の一事例
上田清志(日大) |
BI-4-2 |
オンライン講義を終えて教員・学生の感じていること
○小島英春・村上正行(阪大) |
BI-4-3 |
リモート環境における検証の取組み
中西 隆(NTT) |
「コロナで勉強進まず損してる」とか「ネットワークは難しい」など聞くことはないであろうか.COVID-19の感染拡大防止のため,大学教育は急遽オンライン授業に変更せざるをえない状況となった.学生は対面授業での講義,実験,演習,実技を受けられず,学生間の情報交換やコミュニケーションが難しかった.教員も対面授業での学修到達レベルを維持するためにオンライン授業コンテンツの作成などで多大な労力を費やした.一方で,一般的にネットワーク技術は初心者には難しく敬遠されがちで,教育者は学生に興味と関心を持たせることに苦心してきた.COVID-19による生活様式の変化は,デメリットだけではなく,初心者には理解しづらいネットワークの基礎技術を学修するうえでオンラインのオンデマンド授業を展開することにより,より高い教育効果を得られた.本稿では,その事例を報告する.
大阪大学では,2020年3月に教育担当理事を統括として“COVID-19に関わる新学期授業支援対策チーム”を発足して,
オンライン授業に関するさまざまな支援を行ってきた.
この支援対策チームがオンライン授業の実態を把握することを目的として,
2020 年度の春・夏学期終了後に,全学を対象にオンライン講義に関連したアンケートを実施した.
アンケートの内容は,学生38項目,教員15項目から構成され,オンライン講義を受講し終え,
受講してどう感じたか,どう思ったかなどについて尋ねている.
本稿では,第一著者が支援対策チームからアンケートデータの提供を受け,
学生と教員がオンライン講義をどのように感じたかについて分析した結果について報告する.
2020年はCOVID-19(新型コロナ)の影響でこれまでの生活様式が一変した年であった.春先に緊急事態宣言が発出されると接触機会を減らすため通勤を抑制,オフィスでの集合機会を極力減らしてリモートで実施可能な業務は在宅で実施する等の対応を実施した.出社頻度は週に1,2回程度の状況が現在も継続中であり,本原稿執筆時においても第三波到来と言われ感染者数が増加しており,コロナの影響は想像以上に長期化しそうな状況である.このようにこれまで以上にリモートワークが利用される中,通信インフラの重要性はますます高まっており,実際にユーザに利用される通信装置がどのような性能で,どのような使用方法に耐えられるかを,事前に調べる(検証する)ことが重要になってきている.
本稿では,コロナ禍の中で我々が実施してきたリモート環境下での開発検証の取組みについて紹介する.
休 憩(5分)
BI-4-4 |
COVID-19におけるキャンパスシステム・ネットワーク運用
阿多信吾(阪市大) |
BI-4-5 |
コロナ禍における情報通信の研究:情報通信の研究による情報通信の研究の継続
中尾彰宏(東大) |
BI-4-6 |
リモート社会のビジョンとBeyond 5G
下西英之(NEC) |
休 憩(5分)
総合討論(25分)11時20分から開始です。
2020年の新型コロナウィルスによる爆発的な感染拡大とそれに伴う感染拡大防止措置により、国内多数の大学において大学における対面による活動が制限され、オンライン授業等の遠隔による活動へと対応することとなった。本稿では、大阪市立大学における遠隔授業、テレワークにおける対応状況と、キャンパスネットワークへの影響等について総括する。
本講演では、2030といわれるBeyond 5G時代におけるリモート社会のビジョンと、NECが考えるBeyond 5Gについてのビジョン、そしてそれを実現するために重要な技術について述べる。
BI-5. 機械学習に基づく通信ネットワーク監視・予測・制御技術
(ネットワークシステム研専)
3月12日 13:00〜14:40 Meeting 29 座長 篠原悠介(NEC)
講演時間:各20分
BI-5-1 |
映像配信制御を活用した建設機械による遠隔施工の効率改善
○吉田裕志・甲斐夏季・吉本達也(NEC) |
BI-5-2 |
移動通信基地局向け超広帯域AIデジタル制御GaN増幅器
○小松崎優治・山中宏治(三菱電機) |
BI-5-3 |
光ネットワークにおける機械学習応用
廣田悠介(NICT) |
BI-5-4 |
アプリケーション品質の保証に向けた学習型通信システム
○岩井孝法・篠原悠介(NEC) |
BI-5-5 |
デジタルトランスフォーメーション時代における自律型ネットワークプロビジョニング
○小河太郎・牧野友和・新井健二(日立) |
重大な人身事故が全産業の30%を占める建設業界では,安全性の向上が喫緊の課題である.特に,建機による危険な作業を安全な遠隔地から実施する遠隔施工は,前述の課題に対する有力な解決策である.しかしながら,現場の映像を見ながら建機を遠隔操縦する遠隔施工では,通信に起因する映像の遅延や画質劣化の影響で作業効率が大幅に低減することが報告されている.そこで,本稿では,通信スループット変動予測に基づいて映像ビットレートを適応的に制御することで低遅延かつ高品質な映像配信を実現する映像配信制御技術を活用した遠隔施工システムを提案する.さらに,土木工事で一般的な作業である油圧ショベルによる土砂の掘削と埋戻し作業を実施し,提案システムによって作業効率を2.1倍に改善できることを示す.
5G/ Beyond 5G世代を見据え、主要な移動通信用の周波数帯を1つの基地局で運用するとともに、基地局装置の設置性を高めるというニーズに応えるために、6GHz以下の複数の周波数帯に1台の増幅器で対応できる超広帯域デジタル制御GaN増幅器を開発した。本増幅器はアナログで動作するGaN増幅部と、増幅部の動作モードを制御する入力信号を生成する機械学習機能を備えたデジタル制御部を組み合わせた新たな発想の増幅器である。試作の結果、1.4-4.8GHzの比帯域110%という広帯域にわたり、効率45%以上で動作することが確認できた。
ネットワークを流れるトラヒックの増大や低遅延通信への需要増加に伴い,大容量通信が可能な光ネットワークへの期待は高まっている.光ファイバやデバイスのみならずスイッチングや光ネットワーク制御に関する研究もより重要なものとなってきている.
他方,深層学習による画像認識を代表として様々なところで機械学習の有用性が明らかになってきており,様々な分野へ機械学習を利活用するための研究開発が進められている.本稿では,光通信ネットワーク分野においてどのように機械学習適用が研究されているかをまとめるとともに,著者の取り組みを中心に個別研究事例について述べる.
多種多様なデバイスがネットワークに接続されるIoT (Internet of Things) の普及に伴い,様々な分野でネットワークを介した遠隔制御や協調動作する情報サービスの高度化が期待されている.特に5GやLTEなどの無線通信の活用が期待されている.5Gの重要ユースケースとして,自動運転社会に向けた安全運転支援,遠隔管制への適用に注目が集まっている.無線通信ユーザのネットワークに対するニーズは,従来のスループット等の通信品質から,通信を使うサービスの満足度に関わるアプリケーション品質を重視する傾向に変化してきた.本稿では,我々がアプリケーション品質の向上を目指し開発してきた学習型通信システムの概要と,それらを自動運転社会へ応用した例について紹介する.
本発表では、サービス要件からネットワーク要件を策定する作業にAI技術を適用することにより、ユーザ要望の変化により柔軟に対応可能となるネットワーク要件の自動策定技術の実現に取り組みについて発表する。
BI-6. 大規模災害・パンデミック時に役立つ情報伝搬・情報ネットワーク技術とその課題
(情報ネットワーク研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.
3月9日 13:00〜15:50 Webinar 6 座長 石田賢治(広島市立大)
講演時間:各25分
座長挨拶:10分
BI-6-1 |
人との接触機会に関する研究とその応用に向けた課題
藤原明広(千葉工大) |
BI-6-2 |
CEPを用いたセンシング情報に基づく避難経路情報可視化システム
○大田知行・野上拓雅・角田良明(広島市立大) |
BI-6-3 |
大規模災害時に真に利用可能な避難支援システムの実現に向けて
笹部昌弘(奈良先端大) |
2019年後半に発生した新型コロナウィルスは,初期対策の失敗により
急速に感染拡大し,2020年に入って世界的大流行となった.
長期災害は不可避となり,世界中で緊急事態宣言などの感染拡大防止の
為の移動制限や,人との交流のオンライン化が急激に進む等,日常生活
が激変した.コロナ禍の影響を全く受けていない人は地球上には存在し
ないと思われる.
一方,この緊急事態を科学技術を使って乗り越えようとする動きも
生まれた.ワクチン開発は最重要課題だが,情報通信技術を用いて
感染者や濃厚接触者を検出する自動化技術が急速に実用化された.
本稿では主に人との接触機会に関する研究を紹介し,その技術的課題
について議論する.
端末を持つユーザの動きから得られるセンシング情報に基づいて,避難経路情報を共有し可視化するシステムを開発している.本システムでは端末から送信されるセンシング情報をCEP (Complex Event Processing)により共有情報として判断し,ユーザ端末の地図情報上に避難経路情報として可視化する.
地震などの大規模災害発生時には迅速かつ安全な避難が求められる.情報通信技術(Information and Communication Technology: ICT)の発展はこうした迅速かつ安全な避難の実現への貢献が期待されている.特に,2019年時点で,国内におけるスマートフォンの普及率は83.4%,携帯電話網(3G/LTE/4G)の人口カバー率は99.99%となっており,避難支援へのICT活用のための基盤は着実に整えられつつある.一方で,2011年の東日本大震災においては,通信インフラの被災による通信の途絶や避難支援システムの普及の遅れにより,災害発生直後,被災者が避難に必要な情報を円滑に取得・共有できなかった事例がある.これに対し,本来,避難支援システムは,時間・場所・人を選ばず利用できることが求められる.本稿では,このような大規模災害時においても真に利用可能な避難支援システムの実現に重要となる要素技術を三つの観点(避難誘導の自動化,通信環境に適応的な制御,リスク考慮型経路・避難所選択)から体系的に紹介する.
休 憩(15分) 座長 波戸邦夫(インターネットマルチフィード)
BI-6-4 |
ネットワークインフラにおける連鎖被害, 相互依存性, レジリエンス, 自己修復に対する諸課題
林 幸雄(北陸先端大) |
BI-6-5 |
KDDIおよびKDDI総合研究所の災害対応と研究開発
○若林康央(KDDI)・北辻佳憲(KDDI総合研究所) |
総合討論(20分)15時30分から開始です。
電力、通信、物流など、現代社会は多くのネットワークシステムで支えられる一方、それらには共通の繋がり構造が存在する。またそれらのシステムが相互依存する中で特に、遠隔制御や情報管理を担う通信網が要となるが、その共通構造に潜む本質的な脆弱さ故に大規模災害等による連鎖的で広範囲な停電や通信障害が世界各地で頻発してるのが現状である。これら諸課題を打開するには、脆弱さの起因となる効率偏重の基本的な考え方を改め、レジリエンスという新概念に倣うことで、強固な耐性かつ効率も低下させないネットワークの自己組織化や自己修復の実現可能性について提起したい。
災害時に通信システムの障害が発生し,電話・通信が利用できないエリアが発生する場合があり,早期の通信復旧が通信事業者の課題となっている.
また,2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)における17の国際目標に,「11. 住み続けられるまちづくりを」,「13. 気候変動に具体的な対策を」があげられており,災害への対策は社会全体の課題となっている.本稿では,KDDIグループにおける災害対策の取り組みを紹介するとともに,KDDI総合研究所にて評価を進めている,飛行隊基地局の取り組みについて紹介する.
BI-7. 量子情報処理の新展開(セッションとしての予稿あり)
(通信方式研専)
3月10日 9:00〜11:50 Meeting 32 座長 松本隆太郎(東工大)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BI-7-1 |
量子技術イノベーションに向けた我が国の取り組み
佐々木雅英(NICT) |
BI-7-2 |
我が国の量子暗号ネットワーク・グローバル化に向けた取り組み
藤原幹生(NICT) |
BI-7-3 |
量子暗号通信技術の関連標準化動向
谷澤佳道(東芝) |
量子コンピュータや量子暗号,量子通信,量子計測・センシングなどの量子技術は,様々な分野に生産性革命を引き起こし新たな産業を創出するとともに,安心・安全で豊かな社会の創生に貢献する技術と期待されている.また,国家的覇権をも左右する技術と予想されることから,各国政府や大手企業は競って多額の予算を投入し量子技術の研究開発,産業化を推進している.量子技術の概要と現状,特に我が国おける国家戦略,産業界の取り組みを紹介し今後の展望を議論する.
情報理論的安全な通信を可能とする量子暗号とそのネットワークが世界各国で整備されつつある.NICTでは東京100 km圏にTokyo QKD Networkを2010年より運用し,世界で最も実績のあるネットワークである.我が国では世界初となる,認証・データ伝送・保管・復元・完全性検証を情報理論的安全に実施できるシステムを当該ネットワーク上に構築した.我々はこのネットワークを“量子セキュアクラウド”と命名し,重要データの保管・安全な2次利用を可能とするシステムとして研究開発を進めている.さらにサービスエリアを劇的に拡大できる衛星量子暗号の研究は,中国が先行しているが,我が国でも始められており,ファイバ網と衛星を組み合わせての将来像を紹介する.
量子暗号通信技術は,そのネットワーク構成方法,暗号鍵利用インタフェース,評価基準,等の標準化が,各種標準化団体にて進められている.本講演では,ITU-T, ETSI, およびISO/IEC JTC1において進められている量子暗号通信関連技術の標準化の動向について紹介する.
休 憩(15分) 座長 梅原大祐(京都工繊大)
BI-7-4 |
量子インターネットへ向けた量子中継ネットワーク
小坂英男(横浜国大) |
BI-7-5 |
宇宙業界からみる衛星量子鍵配送の可能性
田中賢太郎(スカパーJSAT) |
量子通信・量子ネットワークの実用化が始まっているが、現状のシステムで真に
量子を伝送可能な実際の距離は100㎞程度に限られる。量子中継とは、量子テレ
ポーテーションを基本原理とし、原理的には距離制限のない真に量子的な中継を
可能とするものである。しかしながら、その実現には個別の論理演算が長時間量
子メモリーの開発、光子から量子メモリーへの量子状態転写(量子メディア変
換)だけではなく、量子もつれ測定(完全ベル測定)、量子誤り訂正など、量子
コンピュータ同様の多くの機能と99%を遥かに超える高い忠実度の量子操作の実
現が不可欠である。本講演では、ダイヤモンドNV中心を用いたこれらの量子中継
技術の最新状況について紹介し、ビットレート向上に向けたナノデバイス開発の
挑戦についても触れる。
2020年6月、約5年振りに政府の宇宙基本計画が改定された。同計画は今後10年間の日本の宇宙政策の基本方針を定めるものである。今回の改定では「衛星と地上との間での実用的な量子暗号通信の実現」との記載がなされ、更には同計画改定時に安倍首相(当時)が衛星量子暗号通信について言及されるなど宇宙業界において衛星量子暗号通信への期待が高まっている。また、近年では先進諸国でも衛星量子鍵配送の実用化へ向けた取り組みが次々と始まっている。本講演ではこのような宇宙政策および衛星量子鍵配送が注目されてきている背景について紹介する。
BI-8. デジタルコヒーレント光伝送技術の研究開発動向
(光通信システム研専)
3月10日 13:00〜15:45 Meeting 34 座長 佐野明秀(立命館大)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BI-8-1 |
総務省プロジェクトによるデジタルコヒーレントDSP研究開発
木坂由明(NTT) |
BI-8-2 |
デジタルコヒーレント光伝送における多値変調技術
岡本聖司(NTT) |
100Gbit/s以上の大容量光伝送システムの実現に不可欠なデジタルコヒーレント光伝送技術とその主要機能を実現するDSPの研究開発を、総務省受託研究において複数組織参画によるオープンイノベーション方式により短期間で実現したプロジェクトについて報告する。
光の振幅および位相の情報を利用して信号の高度な変調や歪の補償を実現するデジタルコヒーレント光伝送技術により,フォトニックトランスポートネットワークシステムの伝送容量は飛躍的に増大してきた。我々はこれまでオープンイノベーションを標榜する国家プロジェクトを通して、1波あたり100 Gbit/sから600 Gbit/sの大容量光通信用デジタルコヒーレントDSP(Digital signal processor)の開発を行ってきた。本稿ではデジタルコヒーレント光伝送において可能となった高い周波数利用効率を実現する変調技術について、コヒーレントDSPの世代ごとに述べ、最後に今後の展開についてまとめる。
休 憩(10分)
BI-8-3 |
光通信用誤り訂正符号化技術
○石井健二・吉田英夫・吉田 剛・平野 進・藤森崇文・小西良明(三菱電機) |
BI-8-4 |
高多値度デジタルコヒーレント伝送に向けた歪み補償技術
斉藤 卓(富士通) |
BI-8-5 |
大容量コヒーレント光伝送を支えるクロストーク抑圧技術
○佐藤正規・野口栄実・安部淳一・松井淳一郎・Emmanuel Le Taillandier de Gabory(NEC) |
インターネットトラヒックの急増に対応するため,光通信では400Gb/s超級システムの商用化が開始されている。これら通信システムの大容量化に伴う信号帯域の拡大や高多値変調方式の適用にあたっては,信号の信頼性を高める誤り訂正 (forward error-correction code: FEC) 符号化技術が極めて重要となる.本稿ではまず光通信に適用されてきた誤り訂正符号について紹介し,次に近年のデジタルコヒーレント光伝送に適用される誤り訂正符号化技術の動向として著者等の最近の研究成果を報告する.
100Gbit/s以降の光基幹ネットワークには全てデジタルコヒーレント方式が採用されている.今後の更なる大容量化には,デジタルコヒーレント伝送の高速化と高多値化が必要となるが,これに伴い光送受信器や光伝送路で生じる波形歪みや雑音が顕著となり,伝送特性を大きく劣化させてしまう.このため,高速化と高多値化に対応する次世代DSPの実現には,波形歪みを高精度に補償しつつ回路規模の増大を抑えるアルゴリズムと実装技術の開発が必要となる.本稿では,歪み補償技術に関する研究開発の状況と今後の動向について述べる.
高速大容量光信号伝送には, 高密度なマルチキャリア多重を行い, その際に生じるマルチキャリア間のクロストークを抑圧することが重要となる. マルチキャリア間クロストーク抑圧技術は,変調方式の適応的な変化やキャリア分割数の変化に対応する信号処理方式が望ましい. 周波数利用効率, 回路規模, 高度変調方式への対応容易性の観点から, ボーレート間隔程度のマルチキャリア多重では, 回路オーバーヘッドの無いスーパーナイキストMMSE方式, ボーレート以下の超高密度なマルチキャリア多重に対しては, 周波数利用効率の向上ならびに高度変調方式への対応が容易なオーバーラップ多重マルチキャリア間MIMO方式を検討した結果を報告する.
BI-9. Beyond 5G時代のコミュニケーション品質とは?
(コミュニケーションクオリティ研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.
3月9日 13:00〜17:00 Webinar 1 座長 ヒランタ アベセカラ(NTT)
講演時間:各25分
BI-9-1 |
「情報通信の民主化」と公衆網情報通信による革新技術の「協創」
中尾彰宏(東大) |
BI-9-2 |
実世界情報と無線NWの融合による無線コミュニケーション品質管理
○工藤理一・高橋馨子・岩渕匡史・大宮 陸・村上友規・小川智明(NTT) |
BI-9-3 |
Beyond 5G時代の産業を支えるRAN知的制御技術
高橋英士(NEC) |
5G やWi-Fi 6 をはじめとした無線通信技術の発展により、様々なモノが無線を介して接続され、ネットワークにあらゆるものが接続されつつある。深層学習の発展は、モノが認識する位置情報などの自己状態や、カメラ/センサ情報から、意味情報を取得することを容易にしており、これら実世界情報と無線通信との関係性を、機械学習によりモデル化する技術を紹介する。
Beyond 5G時代には,モバイルネットワークの産業活用が更に進展し効率化・自動化ニーズが大きい産業制御システム(Operational Technology: OT)及びそのInternet of Things(IoT)化を支えるインフラとして定着する.そこではOTとネットワークの双方を理解する人工知能(AI)が,知的且つ自動的に通信を制御しネットワークの存在を感じさせることなくOTアプリケーションを高い性能で利用可能とする.このような世界を国際的に普及しやすい透明性の高いアーキテクチャで如何に実現していくかを考察する.
休 憩(15分) 座長 山中広明(NICT)
BI-9-4 |
20XX年の情報通信サービスとQoE
林 孝典(広島工大) |
BI-9-5 |
コネクティッドで広がる新たなモビリティ社会に向けた取組み
今井孝志(トヨタ) |
BI-9-6 |
次世代情報通信網について -IOWN構想-
川端明生(NTT) |
休 憩(15分)
座長 平栗健史(日本工大)
パネル討論(60分)16時から開始です。
政府は2050年頃の社会のあるべき姿としてSociety 5.0というコンセプトを提唱し,Beyond 5Gの情報通信技術はそれを支える生活基盤として期待されている.本稿では,Beyond 5G時代に想定される情報通信サービスを取り上げ,それらを適切に設計・運用・制御していくための評価指標について考察する.
約100年前、T型フォードの登場は街の形式や人々の生活を大きく変えてきた。そして現在、スマートフォンやクラウドサービスの様な新商品は、街の光景や人々のライフスタイルだけでなく、自動車産業のビジネス構造そのものも変える潮流となりつつある。それは自動車製造販売からモビリティサービスへのシフトと言うだけでなく、電動化、情報化そして人工知能化の集約をも意味しており、これらの技術進化を活用して新たなモビリティ社会を提供することがこれからの使命と考える。
本講演では、自動車のコネクティッド化による車両データ活用の現状を報告し、車両制御インターフェースを搭載したコネクテッドカーおよびモビリティサービスプラットフォームにより、シームレスで快適な交通を実現しうるスマートモビリティ社会の展望を示す。
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想であり、2030年の実現をめざして、研究開発を始めています。
BI-10. ニューノーマル時代のフォトニックネットワーク最新研究と新たな研究スタイル
(フォトニックネットワーク研専)
3月9日 13:00〜16:30 Meeting 19 座長 柳町成行(NEC)
講演時間:指定以外各30分
座長挨拶:5分
BI-10-1 |
400G-PONを実現する低コスト光トランシーバの一検討
○鹿嶋正幸・湊 直樹・神田祥宏(OKI) |
BI-10-2 |
効率的なネットワークを実現する光アクセスの仮想化制御技術の検討
○更科昌弘・鹿嶋正幸(OKI)・名倉健一・小崎成治(三菱電機)・井内秀則・中尾彰宏(東大) |
BI-10-3 |
オールフォトニクス・ネットワーク実現に向けた長距離伝送技術の研究動向
○関 剛志・宮村 崇・前田英樹(NTT) |
機能拡張された5GやBeyond-5Gのフロントホール・バックホールにPONシステムを適用できるように,デジタルコヒーレントによる光アクセスの大容量化(400Gbps級)の研究開発に取り組んでいるので、広線幅DP-16APSKによる単一波長100Gbpsの低コストトランシーバ技術の開発状況を紹介する.
5G/IoT 時代のPON スライス技術(資源割当技術とマルチDBA 技術)の検証として,プロトタイプによる動作結果を示した.今後はラインレートの高速化も検討し,本格5G やBeyond-5G におけるフロントホール,ミッドホール及びバックホールの光配線への適用,AI による最適化などの検討を行う.
オールフォトニクス・ネットワークに必要となるペタビット級/Fiber光伝送システムの実現に必要となる技術として、1波長あたりの大容量化に加え、波長多重数の拡大、空間多重による多重数の拡大適用の3つの観点で説明する。1波長あたりの大容量化として、変調方式の多値化、変調速度の増速に関する説明とリアルタイム伝送実験の動向について、波長多重数の拡大として、C+Lバンド伝送実現に向けた技術について、空間多重による多重数の拡大として、マルチコア、マルチモード適用について説明を行う。
休 憩(10分) 座長 三澤 明(千歳科技大)
BI-10-4 |
フォトニックネットワーク分野の教育・研究のオンライン化~名古屋大学の場合~(25分)
長谷川 浩(名大) |
BI-10-5 |
ウィズコロナ時代における外部連携とオープンAPIを活用した共同実験(25分)
吉兼 昇(KDDI総合研究所) |
BI-10-6 |
iPOP2020 Showcaseから見えてきたマルチクラウド環境におけるネットワーク制御管理システム(25分)
杉山秀次(レッドハット) |
総合討論(30分)16時から開始です。
2020年初頭よりのCOVID-19流行により、通信キャリア各社からは通信トラフィック量が大きく増え、国内全体では前年度比約5割増となったことが報告された。短期的な増加トレンドにはテレワークやオンライン会議・授業等が寄与していることは明らかであるが、対人接触を避ける上でのネットワーク経由でのショッピングや行政サービスが浸透していることも背景にあると考えられる。実際、ショッピング関係のEコマースが前年比約5割増となり、新規利用者も大幅に増えているという報告も有る。
一方、21世紀に入ってからの国内の大学での研究・教育に関しては、予算や論文数(総数・Top 1/10%論文数) を取っても世界的に後退を続けている。現在のCOVID-19流行に伴う渡航・移動制限は、国を問わず大学での研究活動を難しくしており、この困難を効果的に乗り越えるための工夫やアイデアが必要となる。本学での学生教育・研究オンライン化の実情について触れた上で、オンライン環境で進展した検討内容について触れる。
本稿では,ウィズコロナ時代におけるネットワーク研究形態の一例として,リモート環境における共同研究機関との共同実験形態について紹介すると共に,その得失について述べる.また,今後の課題についても触れる.
昨年コロナ禍で開催したiPOP2020ショーケースでは、クラウドネイティブなSDN制御管理プレーンを実現することで、ショーケース環境をスムーズに構築することができた。複数の制御管理システムがCNF(クラウドネイティブネットワーク機能)化され、各制御管理系コンテナアプリケーションがユーザートラフィックを伝送するマルチレイヤートポロジネットワークを構築して、All Optical Network上のネットワークインフラストラクチャを制御していた。
本セッションでは、iPOP2020ショーケースで実現したようなマルチクラウド環境におけるディスアグリゲートされたネットワーク制御管理システムを設計する際の課題をまとめ、それらの課題を解決するために注目を集め始めているSkupperなどのマルチクラウド通信技術について紹介する。
BI-11. サイバー・フィジカル・システム実現に向けた電波エミュレータの現状と将来展望
(スマート無線研専)
3月11日 13:00〜16:45 Meeting 11 座長 石津健太郎(NICT)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BI-11-1 |
仮想空間における電波模擬システム技術の高度化
布施田英生(総務省) |
BI-11-2 |
サイバーフィジカル融合による電波模擬システム技術の高度化に向けた研究開発
○原田博司(京大)・松村 武・児島史秀・原井洋明・寳迫 巌(NICT)・高田潤一(東工大) |
BI-11-3 |
サイバー・フィジカル・システム活用での生活イノベーション
小林佳和(山形大/MCPC/NEC/NECネッツエスアイ) |
BI-11-4 |
無線環境エミュレーションを活用した時空間情報流通基盤研究の推進
○池永全志・野林大起・塚本和也(九工大) |
総務省では,無線システムの周波数帯・通信方式や当該無線システムの利用環境等を仮想空間上で大規模かつ高精度で模擬することにより,実機による試験コストの削減や,実環境の環境変化に影響されない性能評価が可能な電波模擬システム(電波エミュレータ)の実現に向けた取組を2020年度から行っている。
電波エミュレータは,Society 5.0の実現に資するとともに,日本のワイヤレス産業の競争力向上を図るものであり,本講演では電波エミュレータ事業の概要を紹介する.
本稿では,Society5.0時代の基盤技術として今後様々な分野での活用が期待される,無線通信システムを仮想空間上で高速かつ大規模に検証することを目的とした電波模擬システムの研究開発の概要について述べる.
実空間と仮想空間が連携したシステムの利用は、私たちの生活にどんどん浸透しようとしています。その利便性や
生活貢献度を向上させるのに、複数の通信の連携利用が要となる技術の1つです。その要技術の発展に、日本の技術
や政策さらに有効に活用されるよう、利用者目線からの“現状認識”と“今後への期待”を本稿で整理します。
IoT/CPS技術の発展により,実空間で発生するデータの利活用が進むものと期待される.我々の研究グループでは,現実世界から大量に生成される情報のうち,情報が生成された場所や時間に依存する情報を時空間情報と定義し,この情報を活用するための情報流通基盤の研究を進めている.本稿では,無線通信エミュレーション機能を有するテストベッド環境を活用して,時空間情報流通システムの性能評価を行う事例を紹介することによって,実アプリケーションを使用して詳細な性能評価を可能にするエミュレーションテストベッド環境の可能性を示す.
休 憩(10分)
BI-11-5 |
サイバーフィジカル融合による電波模擬システム技術のための電波伝搬モデル
高田潤一(東工大) |
BI-11-6 |
Beyond 5Gを志向した電波模擬統合プラットフォーム
○松村 武・沢田浩和・児島史秀・原田博司(NICT) |
BI-11-7 |
大規模先進無線ネットワークエミュレータの構築
○原井洋明・宮地利幸(NICT) |
本稿では,サイバーフィジカル融合による電波模擬システムにおける電波伝搬環境モデル構築の考え方について述べる.
本稿では,著者らが検討する高度電波模擬システムの中で,仮想環境に接続する疑似無線機で構成される電波模擬統合プラットフォームの概要を述べる.本プラットフォームは100台以上の疑似無線機の高周波アナログ信号(RF信号)をデジタル信号に変換し,大規模仮想環境検証基盤の無線リンクエミュレータに入力して各リンクの電波模擬を実行する.Beyond 5G(B5G)に対応するため,ミリ波帯,準ミリ波帯への適用と,最大信号帯域幅400 MHzでの運用を実現する計画である.
本稿では、我々が研究開発する、仮想空間上で無線システムを模擬可能な先進無線ネットワークエミュレーションシステムの概要を述べる。
BI-12. ローカル5Gの最新動向と今後の展望
(短距離無線通信研専、スマート無線研専、無線通信システム研専 共催)
3月10日 13:00〜16:55 Meeting 10 座長 水谷圭一(京大)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BI-12-1 |
ローカル5Gの更なる普及に向けた取組状況
江原真一郎(総務省) |
BI-12-2 |
ローカル5Gの意義と期待される役割
三瓶政一(阪大) |
BI-12-3 |
へき地診療所における中核病院による遠隔診療・リハビリ指導等の実現
金田 賢(NTTデータ経営研究所) |
2020年12月にローカル5Gの新たな制度整備を行い、遮蔽物に強く通信範囲の広さに特長を持つSub-6帯の使用が可能となった。今後は、ローカル5Gの柔軟な運用を可能とする制度整備や低廉かつ容易に利用できる仕組みを構築することで、ローカル5Gの更なる普及につなげていくことが重要である。本セッションでは、様々な分野におけるローカル5Gの実証実験に関する取り組み、ローカル5Gの普及に向けた政策の最新動向と今後の展望を紹介する。
ローカル5Gは,5Gの時代のIoTシステムの構築が可能な高性能自営無線アクセス技術であり,Society 5.0の基盤として,工場,オフィス,さらに地域への展開が期待されている.ローカル5Gに期待されている点は,人の作業や判断を代行できる機能の実現にあり,産業分野では,social distanceを維持しつつ組織のディジタルフォーメーションを実現すること,地域においては,人手を抑制しつつ,ローカル5Gによる人に代わる機能の実現で住民サービスを向上させることが期待されている.そこで本稿では,ローカル5Gの概要と意義を説明した上で,その期待される役割について説明する.
総務省「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の一環として、愛知県新城市における医療課題に着目し課題解決システムの実証を行う。新城市では、予防医療を担う医療従事者(総合診療医、リハビリ専門医、リハビリ専門職等)の不足、山間部等のへき地へ医療従事者を派遣する負担の増加等の課題を抱えており、これらの課題解決システムとして、ローカル5Gを模擬したキャリア5Gおよび4K等高精細カメラを用いた映像伝送・診療システムを構築した。本実証試験により得られた、医療分野におけるローカル5Gのユースケースや導入に向けた諸課題について共有する。
休 憩(10分) 座長 野田華子(アンリツ)
BI-12-4 |
ローカル5Gを用いた防災業務の高度化及び迅速な住民避難行動の実現
○乾 千乗・上舞祐司・小竹完治(地域ワイヤレスジャパン) |
BI-12-5 |
工場分野でのローカル5G実証事例と地域中小工場等への横展開検討
○浅野欽也・金丸忠宏・浜口雅春(OKI) |
BI-12-6 |
NTT東日本のローカル5Gの取り組み
門野貴明(NTT東日本) |
休 憩(10分)
パネル討論(60分)15時55分から開始です。
栃木市においてローカル5Gを活用した地域防災の課題解決に向けた実証実験を実施しました.栃木市の巴波川と永野川にローカル5Gの無線ネットワーク環境を構築し、4Kカメラを用いた河川の遠隔監視・河川画像のAI分析による監視サポート・防災情報ダッシュボードによる一元的な情報可視化を行うことで、自治体の迅速・的確な避難情報の発令に貢献します.また、ケーブルテレビのコミュニティチャネル等の複数の媒体を通して河川映像をリアルタイムに地域へ配信し、住民の防災意識の向上と適切な避難行動の促進を図ります.さらには、設置したローカル5Gの無線ネットワークを、地域住民向けに高速インターネット接続サービスとして提供することで、今後のビジネスモデルの面においても持続可能な仕組みを目指します.
OKIは,ローカル5Gを検証するためのテストベッドを自社本庄地区に構築し,工場分野(製造業)における実証実験に着手した.本稿では,OKI本庄工場でのローカル5Gの実証実験状況と,地域の中小工場等への横展開に関する検討状況を紹介する.
NTT東日本におけるローカル5G の取り組み全般に関して説明させていただきます.
・ローカル5Gオープンラボ
・ローカル5Gの取り組み
- パートナーとの取り組み事例
- 総務省実証事業への取り組み事例
- その他の取り組み事例
・今後の展望
BI-13. 光電磁界計測応用の新たな展開
(光応用電磁界計測特別研専)
3月12日 13:30〜16:50 Meeting 9 座長 佐々木愛一郎(近畿大)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BI-13-1 |
中間周波数帯における電磁界ばく露量測定のための光電界センサの利用
○清水悠斗(NICT)・於保英志(東京農工大/NICT)・ジェドヴィスノプ チャカロタイ・和氣加奈子(NICT)・有馬卓司・宇野 亨(東京農工大) |
BI-13-2 |
広帯域アンテナ・センサを用いたESD過渡電磁界測定
○石上 忍・加藤健人・川又 憲(東北学院大)・藤原 修(電通大) |
BI-13-3 |
5G Sub-6GHz周波数帯における植込み型心臓ペースメーカEMI推定を目的とした電気-光変換による干渉誘起電圧測定
○日景 隆・大塚敦生(北大)・石岡諒汰・東山潤司・鈴木恭宜(NTTドコモ) |
近年,発展が著しい電気自動車等の充電用大電力無線電力伝送(Wireless Power Transfer; WPT)システムは,中間周波数帯(300 Hz~10 MHz)で動作し,システム近傍で比較的強い漏洩電磁界を生じさせるため,人体防護の観点から電磁界ばく露評価が必要である.10 MHzまでのばく露評価においては,体内誘導電界がばく露評価量として定められており, 100 kHz以上では,生体への電力吸収量である比吸収率(Specific Absorption Rate; SAR)もばく露評価量として加わる.SARは生体中の電界強度の二乗に比例することから,中間周波数帯におけるばく露評価においては体内電界を測定することが重要となる.そこで,本報告では,中間周波数帯における生体等価液剤中の誘導電界を測定するための光電界センサの利用を想定し,WPTシステムで利用される周波数の1つである6.78 MHzにおいて生体等価液剤中で標準電界法を用いた電界センサの較正手法の検討を行ったことについて報告する.
本論文では,上述のESD過渡電磁界特性を測定により検討するため,放電電極近傍については低侵襲性の光電界センサを用いて,また遠方界については新たに開発した広帯域折返しアンテナを用いて過渡電界波形の測定を行う.その際,放電電極に球電極を用い,マイクロギャップESDに伴う過渡電界波形の距離特性とその特徴について調べ,これまで予想されてきたESDによって発生する電磁界について,ダイポール放射モデルの妥当性について検証する.
本稿では,小型化した変換器を疑似的なペースメーカ筐体内部に挿入し,実機と同じリードを接続した干渉誘起電圧測定装置の開発,および,第5世代移動通信システム(5G) のSub 6における干渉誘起電圧測定系の構築を目的とした基礎検討について述べる.
休 憩(15分) 座長 日景 隆(北大)
BI-13-4 |
光ファイバ無線技術を応用した航空機監視技術
○大津山卓哉・本田純一・角張泰之(電子航法研) |
BI-13-5 |
身の回りの電磁界の可視化技術
○佐藤 健(八戸高専)・上村佳嗣(宇都宮大) |
BI-13-6 |
磁界標準のためのCs原子を用いた交流磁界センサの研究開発の初期検討
石居正典(産総研) |
航空機の安全運航のために,航空交通管理を支えるレーダを主とした航空機監視システムが使われている.この監視システムでは対象物の検出に使われる電波の送信方法として,対象物からの反射を用いる一次監視レーダと航空機に搭載されているトランスポンダからの応答信号を用いる二次監視レーダの2種類がある.そして,これらのレーダによって得られる情報を組み合わせることによって効率的な航空管制を行っている.
本論文では,航空機監視システムを構成する一次監視レーダおよび二次監視レーダに光ファイバ無線を適用した応用例について述べる.
近年、オール電化住宅や電気自動車の普及が進むにつれ家庭用電気機器や電気設備から発せられる電磁界による健康への影響が懸念されている。こうした中、手軽に電磁界の分布の様子を知る手法が必要になる。本稿ではAR技術を利用して空間的な分布を分かりやすく表示する方法や、比較的安価な測定器を使ってより手軽に測定を行う方法についてなど最近の研究例を紹介する。
産総研では,kHz帯以上の高周波数帯の交流磁界の測定に特化した,高精度な交流磁界センサの実現を目指した研究開発を行っている.現在,我々が研究開発中の交流磁界センサでは,セシウムの気体原子,レーザー,電磁波の間での共鳴現象等の相互作用を常温で利用しており,本報告では,これまでに得られた初期検討の結果についてを報告する.
BI-14. デジタルイノベーションを支えるプラットフォーム技術
(デジタルサービス ・プラットフォーム術特別研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.
3月10日 13:00〜16:00 Webinar 2 座長 今井悟史(富士通研)
講演時間:各40分
座長挨拶:5分
BI-14-1 |
デジタルプラットフォーム市場の競争構造と今後の展開
松島法明(阪大) |
BI-14-2 |
APIエコシステムにおけるプラットフォーム効用の最大化戦略
○荒川伸一・杉浦満美・村田正幸(阪大) |
情報通信技術の進展により電子空間上で売り手と買い手をつなぐ仲介企業、いわゆるプラットフォーム企業が隆盛している。各種プラットフォーム企業によって従来では困難だった取引を円滑にしている一方で、支配的地位にあるプラットフォーム企業による独占力行使が問題視されている。本報告では、デジタルプラットフォーム市場の競争構造と今後の展開について簡単な考察を行う。
ネットワーク仮想化技術の進展を背景に、企業等が抱える情報処理やデータ提供そのものを(マイクロ)サービスとしてAPI 化し、APIを用いてサービスを連結し新たな価値を生み出すAPI エコシステム /デジタルエコシステムが注目されている。今後はネットワーク化されたサービスを連携させ、新たなサービスを創発するネットワークシステムの構築が期待される。本稿では、マーケットの活性化を目指したプラットフォーム提供者の事業戦略の1 つとしてAPI 評価者の取り込みに着目し、サービス提供者・コンシューマー・API 評価者からなるAPI エコシステムを多面的市場モデルを用いてモデル化し、プラットフォーム提供者によるAPI 評価者取り込みの最適戦略を明らかにする。
休 憩(15分)
BI-14-3 |
クラウド/エッジ連携処理の実装を容易化するフレームワークCross-site Edge Framework
○中田 侑・木下雅文(日立) |
BI-14-4 |
アイデンティティ流通基盤を活用した本人確認手続きの最適化
◎井上昴輝・今井悟史(富士通研) |
エッジとクラウドに処理が横断するエッジコンピューティングが注目されている。しかし、処理の場所ごとに異なるアプリを開発し連携させる必要があり、アプリ開発・保守のコストが大きい。そこで、開発者がビジネスロジックの開発に集中できるアプリフレームワークCross-site Edge Framework(CEF)を提案する。CEFの特徴は、開発者が全ての環境の全ての処理を、1つの環境で実行されているアプリであるかのように、単一のファイルまたはプロジェクトとして実装できることである。本発表では、CEFのアーキテクチャおよび性能評価と共に、エッジのデータ活用の容易化により可能となるユースケースについても議論する。
IDYXで実現するサービスの一つである“事業者間ID連携”は,個人ユーザのID情報に関する第三者証明にもとづいて本人確認を施行する仕組みを提供する.本稿では,どの事業者に対してユーザ自身で本人確認手続きに赴き,その本人確認済みID情報の証明をどの事業者からどの事業者へ連携させれば処理が完了するか,その上で,ユーザ自身による手続きのコスト(時間) を可能な限り小さくする,というスケジュール問題を扱う.
BCI-1. 次世代大容量通信を支える光及び電気の接続技術の最新動向
(光ファイバ応用技術研専、機構デバイス研専 共催)
3月9日 13:00〜15:45 Meeting 33 座長 上野貴博(日本工大)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BCI-1-1 |
平衡PIM測定系用非接触コネクタの設計
◎室伏竜之介・久我宣裕(横浜国大)・花山英治(職業開発大) |
BCI-1-2 |
コネクタトルクの減少が接触境界の高周波素子に与える影響
○林 優一・藤本大介(奈良先端大) |
BCI-1-3 |
差動伝送線路の信号品質劣化及び不要電磁放射とその対策技術
萓野良樹(電通大) |
MSLの電流偏在影響を考慮可能な平衡非接触PIM測定測定系が提案されている.本測定系は,平衡化したMSL被測定試料(DUT)を非接触コネクタ基板二枚で挟み込むことにより,MSLの電流偏在の影響を考慮可能で,かつ非接触PIM測定を可能にしたものである.測定系の平衡化に伴い,MSLの地導体を排除することができ,非接触コネクタについては信号導体のみを考慮すればよくなっている.平衡測定系を用いて,同一DUTに対し不整合系と整合系の両方でPIM測定を行うことができれば,整合測定系と不整合測定系でのPIMの関係を明らかにするうえで有用である.本稿では,平衡非接触測定系に用いる非接触コネクタを提案し,その設計について示すことを目的とする.
相互接続された電子機器のコネクタ部に接触不良が生じた場合、イミュニティが低下し、周辺の電磁環境に影響を与える可能性がある。過去の報告にて、コネクタの緩みによって高周波素子が増加し、放射電磁雑音を増加させることが示されている[1,2]。しかし、緩みの程度と接触面の高周波素子の増加の関係に関しては十分な議論がなされていない。本報告は、緩みの指標としてコネクタの締め付けトルクを用い、トルクを変化させた状態での接触面の高周波素子の測定することでコネクタの締め付けトルクの変化が接触面の高周波素子に与える影響について検討し、高周波素子の変化からトルクの変化による導体の接触状態の変化について考察する。
本稿では,PCB内配線及び電子機器間の接続技術として差動伝送技術に着目し,差動伝送線路の信号品質劣化及び不要電磁放射とその対策技術に関して検討した例について紹介する.
休 憩(10分) 座長 長瀬 亮(千葉工大)
BCI-1-4 |
自己形成導波路によるシリコンフォトニクスの光接続技術
◎齊藤洋平・鹿間光太・土澤 泰・西 英隆・荒武 淳・佐藤昇男(NTT) |
BCI-1-5 |
マルチコアファイバの接続技術
○森島 哲・齊藤侑季・島川 修・真鍋 賢・中西哲也・佐野知巳・林 哲也(住友電工) |
BCI-1-6 |
大規模データセンター向け多心光コネクタの技術動向
○中間章浩・中根純一・菅野修平・高橋茂雄・石川隆明(フジクラ) |
シリコンフォトニクス(SiPh)を用いた次世代の光インタコネクトに向け、それに資する高精度位置決め不要な新規光接続技術の確立が期待される。高精度位置決め不要な光接続技術として、自己形成導波路による光接続技術が存在する。しかし、自己形成導波路による光接続に不可欠な可視光のSi導波路伝搬が難しく、SiPhへの適用は困難であった。我々はSiPhに集積可能なSiONを用いた新規構造により、自己形成導波路のSiPhチップ端面からの形成を実現した。また、それにより汎用光ファイバとSiPh間の低損失かつ高精度位置決め不要な光接続を確認したので報告する。
大規模データセンター等のネットワーク光スイッチにおける伝送容量改善に向け,高ch密度光コネクタが潜在的に求められており,マルチコアファイバ(MCF)を用いたMCFコネクタ技術はその解決手段の一つとして期待される.一方,MCFはクラッドの中心以外にコアを有するため,MCFコネクタの実現には以下の2つの本質課題がある.すなわちMCFの回転角度を合わせる回転調心技術,及びPC接続のために必要なコネクタ押圧力の抑制である.本稿では上記2つの課題に対する我々の取り組みを中心に,開発した単心MCFコネクタ(SC/LC),多心MCFコネクタ(MT/MPO)について紹介する.
データセンター内のネットワークを高密度且つ低コストで構築する技術として,複数の光ファイバを一括で接続できる多心光コネクタが広く導入されている.近年,データトラフィックの増大に伴い,データセンターは大規模化しており,経済的な構築に向けた検討が日々行われている.データセンターにおける課題としては,消費電力の削減,ネットワーク構築部材及び施工の低コスト化,ネットワークの高密度化等があり,これらに対し,多心光コネクタにおいては,低損失化,繰り返し着脱再現性,多心化が主に検討されている.本稿では上述の検討項目に対する,技術動向について報告する.