3月11日 13:00〜16:45 Meeting 20 座長 神野健哉(東京都市大)
N-1-1 | カオスニューロンによるエコーステートネットワークの性能向上 ◎江波戸雄大・北川蓮也・信川 創(千葉工大) |
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N-1-2 | 3DカオスニューラルネットワークリザバーIC特性の離散単語認識を用いた評価 ◎工藤海斗・福田佳祐・堀尾喜彦(東北大)・清山浩司(長崎総合科学大) |
N-1-3 | Time-Shared FPGA Implementation of Ring-type Reservoir Neural Network ○Dien Hoang(Renesas Design Vietnam)・Yoshihiko Horio(Tohoku Univ.) |
N-1-4 | FORCE学習法によって訓練されたリカレントニューラルネットワークのグラフ理論的解析 ◎藤本ありさ・山本英明・守谷 哲・佐藤茂雄(東北大) |
N-1-5 | STDP神経回路網におけるサブネットワーク形成とその構造解析 ○加藤秀行(大分大) |
◎江波戸雄大・北川蓮也・信川 創(千葉工大)
カオスニューロンは実際のニューロンがもつ不応性や時間履歴性を考慮したニューロンモデルである.近年,機械学習において利用されるEcho State Network(ESN)は,このような時間履歴を伴うダイナミクスの最適化により,性能の向上が期待できるとされている.しかしながら,ESNには時間履歴性を持たない形式ニューロンが使われている.そこで本稿では,ESNの時系列データ予測のタスクで,形式ニューロンを使う場合とカオスニューロンを使う場合で性能を比較する.
◎工藤海斗・福田佳祐・堀尾喜彦(東北大)・清山浩司(長崎総合科学大)
リザバーニューラルネットワークでは,一般に簡素な学習アルゴリズムが用いられるため,小型・低電力ハードウェアでの学習システムの実装に適している.カオスニューラルネットワークリザバー(CNNR)は,複雑で豊かなダイナミクスをリザバーニューラルネットワークに導入するための手法として提案された.我々はこのCNNRを3次元 LSIとして実装することを目指しており,これまでにプロトタイプチップを試作し,その特性を実験により評価した.
ただし,少数のニューロンのみを集積回路化したプロトタイプチップでは,大規模なシステムを構築することができない.そこで本稿では,3D CNNR LSIの実応用に向けた検討を,離散単語認識タスクを用いて行う.
○Dien Hoang(Renesas Design Vietnam)・Yoshihiko Horio(Tohoku Univ.)
A reservoir neural network (RNN) overcomes difficulties in recurrent neural network learning by training readout layer only. This learning scheme also leads to a simple structure of the reservoir neural network. However, for complex time-series processing, RNN would require high computational resources depending on applications. In this paper, we propose an efficient FPGA implementation technique of RNN with a ring-type reservoir. We use fixed-point arithmetic and LUT-based activation function to reduce hardware cost. In addition, we introduce time-sharing computing scheme. Japanese discrete word recognition task is implemented in the FPGA to evaluate the proposed technique.
◎藤本ありさ・山本英明・守谷 哲・佐藤茂雄(東北大)
感覚運動制御は,哺乳類の大脳皮質で実現される最も基本的な情報処理の一つである.これまで,動物実験などを通じてその神経基盤の解析が進められ,また,その数理モデルとして再帰結合により時空間情報を保持できるリカレントニューラルネットワーク(RNN)を用いた研究が進められてきた.RNN は通常,初期状態としてランダムネットワークが用意され,その後 backpropagation through timeやFORCE法といった最適化アルゴリズムを用いて訓練されるが,これらの学習によって RNN の結合行列がどのような特徴を持つように変化するのかは明らかにされていない.そこで,本研究では結合行列の固有値解析を通じて,学習による結合行列の性質変化を調べた.
○加藤秀行(大分大)
脳は多数の神経細胞から構成される巨大な回路網であり,非常に複雑な配線構造を有していると考えられている.本研究では,発火時刻依存シナプス可塑性により神経間競合が生じる回路網構造を複雑ネットワーク理論を用い詳細に解析した結果を報告する.
休 憩(14:30 再開) 座長 加藤秀行(大分大)
N-1-6 | コンタクトの特徴がテンポラルネットワーク上での情報拡散に与える影響の解析 ◎ジョ ロエン・澤田和弥(東京理科大)・島田 裕(埼玉大)・池口 徹(東京理科大) |
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N-1-7 | 複数の再構成アトラクタを用いたニューロンへの共通入力の推定 ◎三浦 英・澤田和弥・池口 徹(東京理科大) |
N-1-8 | 音声のスペクトラル包絡と微細構造に着目した雑音除去手法の提案 ◎布川大知・神野健哉(東京都市大) |
N-1-9 | MIMによる日本語指文字認識率の向上 ◎安室誠直・神野健哉(東京都市大) |
N-1-10 | SVRによるモーションキャプチャの欠損データの補間 ◎岡 晴香・神野健哉(東京都市大) |
◎ジョ ロエン・澤田和弥(東京理科大)・島田 裕(埼玉大)・池口 徹(東京理科大)
近年,人を頂点,人間関係を枝とした静的なネットワーク上での情報拡散に関する研究が盛んに行われている.一方,現実世界には,静的なネットワークだけでなく,人と人とのコンタクトを枝とするような構造が時間的に変化するテンポラルネットワーク(TN)も数多く存在する.我々は既に,実世界のTN上において,コンタクトの密度と情報拡散の間に関連性があることを報告している.しかし,コンタクト密度が情報拡散にどの程度影響を与えるかについては明らかになっていない.また,両者のコンタクト回数と密度が等しい場合でも,コンタクトの順番が異なれば,拡散の効果も異なると考えられる.そこで本稿では,我々が提案した情報への関心度に着目した情報拡散モデルを用いて,TN上でのコンタクトの密度と順番が情報拡散に与える影響を調査する.
◎三浦 英・澤田和弥・池口 徹(東京理科大)
ニューロンの出力信号を観測することに比べて,ニューロンへの入力信号を観測することは容易ではない.本稿では,複数のニューロンより得られる発火間隔(ISI)時系列から再構成したアトラクタを用いることで,ニューロンへの共通入力の推定を行う手法を提案する.
◎布川大知・神野健哉(東京都市大)
音声認識システムは前工程として雑音を含む信号から音声信号のみを抽出することで解析性能を向上させている。音声が性質の異なる成分の畳み込みで構成される特性に着目し、スペクトラムをスペクトラル包絡と微細構造に分離する雑音除去手法を提案する。分離後のスペクトラム潜在変数を介してスペクトラムを再現するオートエンコーダで雑音を取り除き、スペクトラル包絡と微細構造のスペクトラムを再合成する。
ケプストラム分析またはLPC分析によりスペクトラル包絡と微細構造へ分離する提案手法により、音声スペクトラムの再現能力が僅かに低下と引き換えに、音声信号の雑音除去の性能が向上する可能性があることを確認した。
◎安室誠直・神野健哉(東京都市大)
本研究では手話認識の実現を目指している。手話認識 の基礎となる指文字認識にはいくつかの方法が提案されている 。文献 [1] では「LeapMotion」で手の動 きをキャプチャしているが、この方法には特殊な機材が 必要である。文献 [2] では深度情報を含む RGB-D 画像 を CNN で 41 の指文字に 98%の認識精度で分類できる。 RGB-D 画像は深度情報ができるが一般的な RGB 画像 は深度情報が利用できないことに起因し、手の抽出は困 難である。本研究では、深度情報を持たない RGB 画像 での指文字認識を目指す。
◎岡 晴香・神野健哉(東京都市大)
モーションキャプチャとは、人や物の動きをデジタルデータに変換する技術である。一般的に高精度なキャプチャには特殊な装置が必要になるが、2次元の単一視点の動画からの姿勢推定の技術としてOpsenPoseが注目されている。
しかし動画から姿勢情報の検出を行った際、検出に失敗し、データが欠損する場合がある。
ここではサポートベクター回帰を用いて、データが欠落したフレームの手前の数フレームから欠損した箇所を補間する実験を行った。そのMSEを用いて評価することで、姿勢推定の精度を高めることを目指した。
休 憩(16:00 再開) 座長 佐藤茂雄(東北大)
N-1-11 | 半教師学習のためのクラスタリング評価指標の考察 ◎内山敦博・神野健哉(東京都市大) |
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N-1-12 | ZSSRとSRCNNとの比較 ◎浅野 風・神野健哉(東京都市大) |
N-1-13 | 慣性項付き記憶制限準ニュートン法を用いた深層強化学習のTensorflowへの実装 ○田中和真・マハブービ シェヘラザード・二宮 洋(湘南工科大) |
◎内山敦博・神野健哉(東京都市大)
本研究では機械学習において半教師付き学習に注目し、ラベルなしデータを分類する手法でああるクラスタリングを用いて、半教師付き学習のためのクラスタリング手法を考える。 クラスタリングは教師なし学習であり、その結果を評価する必要があるため、クラスタ内の凝集性とクラスタ間の離散性を評価するDB indexを使用した。Moon datasetsを用いてクラスタリング結果を評価したところ、クラスター数が多いため各クラスターのバラツキが少なくなり、また平均値が小さいため評価値が低くなった。そこで平均値に頼らないmodified-DB indexを用いて再度評価したところ、クラスターの数に伴った評価値を算出することに成功した。今後、半教師学習に適したクラスタリング評価指標を検討することが課題である。
◎浅野 風・神野健哉(東京都市大)
低解像度画像の高周波成分を推定し高解像度画像を生成することを超解像という。
超解像手法として近年注目されているのが学習型超解像である。これまでに畳み込みニューラルネットワーク(CNN)によるSuper-Resolution Convolutional Newral Network(SRCNN)が提案されている。
しかしSRCNNは大量のトレーニングデータが必要であり処理時間の増加が問題である。
これら克服が本研究の目的である。
○田中和真・マハブービ シェヘラザード・二宮 洋(湘南工科大)
近年,ゲームなどの複雑かつ大規模なデータの学習を可能にした深層強化学習(Deep Q-Network, DQN)に注目が集まっている.DQNは強化学習と深層学習(DNN)を組み合わせた手法である.一方,近年GPU環境を明示的なプログラミングの必要がなく使用が可能な機械学習フレームワークであるTensorflowにも注目が集まっている.本研究では,記憶制限準ニュートン法に基づく学習アルゴリズムをDQNに導入しTensorflowへの実装を試みる.
3月12日 9:00〜11:45 Meeting 20 座長 徳田 功(立命館大)
N-1-14 | ピアース発振回路を用いた雑音誘起位相同期実験 ○竪山湧太・LIM Jemin・石村憲意・徳田 功(立命館大) |
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N-1-15 | 2次元共振回路アレイにおける局在モードの近似解に関する一検討 ◎杉田昌太郎・木村真之・土居伸二(京大) |
N-1-16 | 磁気結合2自由度振動子列における移動型局在振動の数値的検討 ○木村真之・Jung-Jin Lee・土居伸二(京大) |
N-1-17 | 多相同期AGV群を利用したワークセルの配置に関する一考察 ◎岩本優希・小西啓治・原 尚之(阪府大) |
N-1-18 | 遅延結合した非同一発振器に振動停止現象を誘発するパラメータ領域の導出 ◎水上慎祐・小西啓治(阪府大)・杉谷栄規(茨城大)・原 尚之(阪府大) |
○竪山湧太・LIM Jemin・石村憲意・徳田 功(立命館大)
2 つ以上の振動子に共通のノイズを入力することによって、位相が揃う現象を雑音誘起位相同期と呼ぶ。 先行研究として、水晶振動子の代表例であるピアース発振回路に様々なノイズを印加する研究が行われたが同期は確認されていない。本稿では、2つの同一のピアース発振回路にホワイトノイズを印加し、回路の抵抗値を変更することで各々の振動子が同期するかを検討した。その結果、制御抵抗が大きい抵抗値よりも低い抵抗値の方が同期しやすいことがシミュレーション、実機実験ともに確認することができた。
◎杉田昌太郎・木村真之・土居伸二(京大)
本研究の目的は, 平面状に配列された送電コイルアレイにおける局在モードの周波数変動を抑制可能な設計手法の確立である.その端緒として, 本報告では, 2次元正方格子状の送電コイルアレイにおける局在モードの近似解を構成する. 結果、2次元共振回路アレイの最近接近似モデルに対し, 局在モードの解析解を導出することに成功した. 今後は, 完全結合モデルにおける局在モードの数値解との比較や, 近似の精密化を行い, 周波数変動抑制に向けた設計手法の確立を目指する局在モードの近似解を構成する.
○木村真之・Jung-Jin Lee・土居伸二(京大)
各振動子が2自由度の結合振動子系において,端点加振による移動型局在振動の生成を数値的に試みた。
まず,磁気結合2自由度振動子列をモデル化し,バンド端の周波数を導出した。
その周波数に基づき端点加振の周波数を決定し,数値的な実験を行った。
その結果,移動型局在振動が次々に生成されることが確認された。
また,生成された移動型局在振動が崩壊せずに移動することが観察され,2自由度振動子列においても移動型局在振動が安定である可能性が示唆された。
◎岩本優希・小西啓治・原 尚之(阪府大)
近年の工場では,工程間の素材/部品の搬送にAGV(Automated Guided Vehicle)が活用されている.しかし,工場の多様な環境変化に対して,多数のAGVを適応させることは容易でない.先行研究[Ito et al., Proc. IEEE CDC, 2018]では,ワークセルの素材/部品の在庫に関する閾値の制御方策により,AGV群の混雑・渋滞が自己組織的に解消されることが報告されている.ただ,ワークセルの配置に不確かさが伴う状況は想定されていなかった.本報告では,ワークセルの配置が不確かさを有する状況を考慮し,次工程の在庫量がオーバーフローしない条件を解析的に導出した.また,この解析結果の有効性を,数値シミュレーションで確認した.
◎水上慎祐・小西啓治(阪府大)・杉谷栄規(茨城大)・原 尚之(阪府大)
複数の発振器に遅延結合を施すと,振動停止現象が誘発される.先行研究では,一対の「同一の発振器」に振動停止現象を誘発する結合パラメータ領域の解析的な導出がなされている.一方,「同一でない発振器」におけるパラメータ領域の導出は,部分的に行われているだけであり,完全な導出がなされていなかった.本報告では,一対の「同一でない発振器」に振動停止現象を誘発する結合パラメータの完全な導出を行う.この成果により,同一でない発振器に対する結合パラメータの設計が可能となる.
休 憩(10:30 再開) 座長 小西啓治(阪府大)
N-1-19 | 強化学習を用いたマイコン制御ロボットアーム間の物体移動評価 ◎山岸善治・金子竜也・百瀬 啓・赤井 恵・浅井哲也(北大) |
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N-1-20 | マーク付点過程からの状態空間再構成について ○澤田和弥(東京理科大)・島田 裕(埼玉大)・池口 徹(東京理科大) |
N-1-21 | 単語の使用頻度と言語ネットワークの構造的特徴の関係 ◎眞岸祈平・松本朋子(東京理科大)・島田 裕(埼玉大)・池口 徹(東京理科大) |
N-1-22 | 遺伝子制御ネットワークにおけるネットワークモチーフの組織特異性に関する調査 ◎常 峰閣・島田 裕・重原孝臣(埼玉大) |
N-1-23 | 結合推定問題における未観測頂点の検出に関する検討 ◎△榊原有貴・島田 裕・重原孝臣(埼玉大) |
◎山岸善治・金子竜也・百瀬 啓・赤井 恵・浅井哲也(北大)
強化学習は機械学習の1つである。強化学習は、正解が分からない問題や直接定義できない問題でも学習可能であることや、環境の前知識がなくても学習可能であることが最大の特徴と言える。しかし強化学習は、未だ多くの課題を抱えているため、私たちの日常に普及するまでに至っていない。その課題の1つに、今世界中で進められている強化学習の研究のほとんどがソフトウェア指向であることが挙げられる。私たちはハードウェア指向を用いることにより、巨大なCPUやGPUを必要としない、エッジコンピューティング向けの強化学習を構想し、マイコン制御のロボットアームで実装した。
○澤田和弥(東京理科大)・島田 裕(埼玉大)・池口 徹(東京理科大)
我々はこれまでに,非線形力学系理論に基づいた因果性検出法のconvergent cross mappingを拡張することで,
点過程データ間の因果性を検出可能な手法を提案している.
提案手法は,再構成状態空間の情報に基づいて因果性を検出する.
マークのない点過程については,
すでにイベント間隔からの状態空間再構成手法に関する議論がある一方で,
マーク付点過程からの状態空間再構成については,十分に検討されていない.
そこで本稿では,マーク付点過程からイベント間隔(IEI)とマーク値を用いて状態空間を再構成し,その妥当性を検証した.
具体的には,元の力学系のアトラクタ上の2点間距離分布と
マーク付点過程のIEIとマークの値から再構成したアトラクタ上の2点間距離分布の間の類似度をJS情報量で評価した.
結果として,イベント間隔とマーク値を用いた状態空間の再構成が埋め込みとなる可能性が示唆された.
◎眞岸祈平・松本朋子(東京理科大)・島田 裕(埼玉大)・池口 徹(東京理科大)
我々は既に,複雑ネットワーク理論の観点から言語を解析することで,同一文書であっても記述する言語に依存して,ネットワークの構造的特徴が異なるものとなることを明らかにした.
しかし,文書のどのような特徴がネットワークの構造的特徴に反映するのかについては未解明である.
そこで本稿では,文書の特徴の1つと考えられる単語の使用頻度とネットワーク構造の定量化指標との関係性について調査した.
その結果,言語の種類に関わらず,単語の使用頻度と次数中心性・媒介中心性・近接中心性の間に相関があることが明らかとなったので報告する.
◎常 峰閣・島田 裕・重原孝臣(埼玉大)
細胞内では様々な遺伝子が互いの発現量に影響を与えている.その様子を有向グラフで表したものが遺伝子制御ネットワーク(GRN)であり,GRNの構造は組織・細胞ごとに異なる.先行研究では,ヒトの組織ごとに遺伝子間の制御関係を調査し,GRN中に組織特異的な辺が存在することを明らかにした.しかし,2つの遺伝子間の制御関係だけではGRNの組織特異性が導かれるメカニズムを理解することは難しいと考えられる.本稿では,GRNの構造と組織特異性の関係を明らかにするための第一歩として,各組織のGRNに現れる3頂点からなる部分グラフの出現頻度を比較し,特定の組織に多く現れる部分グラフが存在するか調査した結果を報告する.
◎△榊原有貴・島田 裕・重原孝臣(埼玉大)
ネットワーク上の各頂点の状態が観測可能なとき, 観測時系列データのみからネットワーク構造を推定する問題をネットワーク構造推定問題という.
従来の研究ではネットワークを構成する全ての頂点の状態が観測可能であることを仮定することで, 観測時系列データのみからネットワークの構成要素間の結合形態を推定できることが示されている. しかし, これらの研究では, 状態が観測できない頂点の存在は考慮されていない.
本報告では, 状態が観測可能な頂点から得られる時系列データのみから状態が観測されていない頂点の存在を検出する手法を提案する.
3月12日 13:00〜15:15 Meeting 20 座長 中野秀洋(東京都市大)
N-1-24 | 位相同期と移動エントロピーにより推定されたカオス結合系における機能的結合の分析 ◎△戸部真弓菜・信川 創(千葉工大) |
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N-1-25 | カオス時系列とノイジーな準周期解の判別 ○金丸志生・Nina Sviridova(東京理科大)・島田 裕(埼玉大)・池口 徹(東京理科大) |
N-1-26 | 最長周期軌道に着目したデジタルスパイクマップの解析 ◎木嶋佑堅・斎藤利通・澤野悠哉(法政大) |
N-1-27 | 光電入力昇圧コンバータの2目的最適化問題 ◎藤川龍太郎・斎藤利通(法政大) |
N-1-28 | 太陽電池を有するDC-DCコンバータにみられる分岐構造に関する一考察 ◎英 慎一朗(岡山理科大)・高坂拓司(中京大)・内野翔太・青木諭志・麻原寛之(岡山理科大) |
◎△戸部真弓菜・信川 創(千葉工大)
脳の機能的接続を調べるための方法として,様々な指標が使われている.その中でも,Phase Lag Index(PLI)という位相の同期を用いた指標がある.また,他の指標として,近年,情報量の伝達性を定量化する指標であるTransfer Entropy(TE)に注目が集まっている.特性の違いにより,2つの指標間には相補的な関係があるのではないかと予想される.本研究では,PLIとTEの関係性をレスラーモデルを用いることで分析した.TEとPLIの関係の比較より,両指標間には非線形な特性があることが分かった.またこの両指標の特性の違いにより,両指標には相補的な関係性にあることが確認できた.
○金丸志生・Nina Sviridova(東京理科大)・島田 裕(埼玉大)・池口 徹(東京理科大)
非線形時系列解析手法の一つに同方向的近傍プロット (IDNP) がある. IDNPはアトラクタ上の近傍関係と軌道の同方向性を時間情報を保持したまま, 2次元の白黒画像へと可視化する手法である. ただし, IDNP上の黒画素の割合は, IDNPを構成するリカレンスプロット (RP) と同方向性リカレンスプロット (IDRP) の閾値に依存する. 我々はこれまでにRPとIDRPの閾値を変化させることによるIDNPの変化を定量的に調べることで, 解析対象の時系列の特性を判別する手法を提案している. しかしながら, 決定論的カオス時系列と準周期解にダイナミカルノイズが印加された時系列の判別は未検討である. そこで, 本稿では, 決定論的カオス時系列と準周期解にダイナミカルノイズが印加された時系列の判別が可能であるかを調査した. 結果より, これらの判別が我々の提案手法によって可能であることが示された.
◎木嶋佑堅・斎藤利通・澤野悠哉(法政大)
様々な周期スパイク列を生成するデジタルスパイクマップを,簡素な特徴量を用いて解析する.
◎藤川龍太郎・斎藤利通(法政大)
光電入力昇圧コンバータにおける最大電力抽出と安定性に関する2目的最適化問題を考察する.
◎英 慎一朗(岡山理科大)・高坂拓司(中京大)・内野翔太・青木諭志・麻原寛之(岡山理科大)
太陽電池を有するDC-DCコンバータにみられる分岐現象を解析した研究成果は多くみられる.この種の回路の分岐構造は,電源に直流電圧源を有するDC-DCコンバータ(従来回路)と同様の構造であるとの研究成果が報告されている.一方,先に我々は,本回路には従来回路には見られない新たな分岐構造が生じる可能性を示したが,詳細な解析結果は未報告である.本稿は,リアプノフ指数に基づく安定性解析を通して,本回路の分岐構造を検証する.
休 憩(14:30 再開) 座長 齋藤利通(法政大)
N-1-29 | 差分進化による分岐点探索手法の検討 ◎安達 良・松下春奈(香川大)・黒川弘章(東京工科大)・高坂拓司(中京大) |
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N-1-30 | PSOに基づく周期倍分岐集合の同時探索 ◎川口弘太郎・斎藤利通(法政大) |
N-1-31 | ソフトな時間枠制約付き配送計画問題に対する少数ニューロンを用いたカオス探索法の性能調査 ◎萩原和徳・木村貴幸(日本工大) |
◎安達 良・松下春奈(香川大)・黒川弘章(東京工科大)・高坂拓司(中京大)
力学系において分岐現象の解析は非常に重要であり,様々な分岐点導出法が提案されている.その中でも,勾配情報を用いない分岐点導出法として,入れ子構造型粒子群最適化(NLPSO)が提案されている.NLPSOは勾配情報を用いないメタヒューリスティックな最適化手法である粒子群最適化(PSO)から構成されている.勾配情報を用いない最適化手法はPSO以外にも存在し,その中でも,強力なものとして有名な差分進化(DE)を用いて,新たな分岐点探索手法入れ子構造型差分進化(NLDE)を提案する.
◎川口弘太郎・斎藤利通(法政大)
PSO を分岐集合探索へ応用する問題を, 分岐ニューロンの周期倍分岐を例題として考察する.
◎萩原和徳・木村貴幸(日本工大)
先行研究では,大規模な時間枠制約付き配送計画問題 (Vehicle Routing Problems with Time Windows:VRPTW) に対応するための,少数ニューロンを用いたカオス探索法を提案している.この問題は時間枠制約をハードなものとして扱っているが,一方,ソフトな時間枠制約を設けたVRPTWに対して,カオス探索法の探索性能がハードのそれよりも向上することが報告されている.そこで本稿では,ソフトなVRPTWに対して,少数ニューロンを用いたカオス探索法の探索性能の調査を行う.
3月9日 13:00〜15:45 Meeting 20 座長 成瀬 誠(東大)
N-2-1 | High-Density Wireless Networks based on Asynchronous Pulse Code Multiple Access (APCMA) ○Ferdinand Peper・Kenji Leibnitz・Konstantinos Theofilis(NICT)・Mikio Hasegawa・Chiemi Tanaka・Kentaro Honda・Aohan Li(Tokyo Univ. of Science)・Naoki Wakamiya(Osaka Univ.) |
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N-2-2 | Random Walk-based Search for Improved 5-Pulse APCMA Codes ○Kenji Leibnitz・Ferdinand Peper(NICT)・Naoki Wakamiya(Osaka Univ.) |
N-2-3 | 非同期パルス符号多重通信APCMAの基本特性評価 ○若宮直紀(阪大)・ライプニッツ 賢治・ペパー フェルディナンド(NICT)・長谷川幹雄(東京理科大) |
N-2-4 | Massive IoTにおけるAPCMA方式の実装と性能評価 ◎本多顕太郎・田中智恵美・李 傲寒(東京理科大)・Ferdinand Peper・Konstantinos Theofilis(NICT)・若宮直紀(阪大)・長谷川幹雄(東京理科大) |
N-2-5 | マイクログリッドによる電力網のレジリエンス向上の一検討 ○本多泰理(東洋大) |
○Ferdinand Peper・Kenji Leibnitz・Konstantinos Theofilis(NICT)・Mikio Hasegawa・Chiemi Tanaka・Kentaro Honda・Aohan Li(Tokyo Univ. of Science)・Naoki Wakamiya(Osaka Univ.)
The development of high-density wireless networks will be essential for the realization of applications in which many devices are packed in a limited space. This paper describes the development of such networks in which devices are low-cost, yet able to transmit data simultaneously on a single channel. Such low-cost devices need to have a very simple hardware architecture and low energy consumption, and they need to work without a dedicated network infrastructure to allow for flexibility and low cost. This research uses a brain-inspired scheme, in which information is encoded as the silent intervals between successive pulses in pulse trains.
○Kenji Leibnitz・Ferdinand Peper(NICT)・Naoki Wakamiya(Osaka Univ.)
In previous work, we introduced the Asynchronous Pulse Code Multiple Access protocol, in which information is encoded as the distances between 4 pulses. Due to the possible overlap of pulse sequences received from different nodes, there is a non-negligible probability that received pulses are misinterpreted, and form messages that were not transmitted by any node. This probability can be decreased by increasing the number of pulses in each codeword. In this paper, we investigate how 5-pulse codes can be generated through a random walk-based search.
○若宮直紀(阪大)・ライプニッツ 賢治・ペパー フェルディナンド(NICT)・長谷川幹雄(東京理科大)
高密度IoT環境ではメッセージの衝突などによる通信品質の低下や電力消費が大きな問題となる.そこで我々の研究グループでは高干渉環境向けの効率的かつ高信頼な無線通信技術として,符号化にパルス間隔を用いた非同期パルス符号多重通信方式(APCMA)を提案している.本稿ではAPCMAの新しい符号について10-10000台規模のネットワークにおける性能評価を行い,その有効性を検証した.シミュレーションによりデバイス数によらず従来の符号やLoRaWANよりも高いスループットを達成できることを明らかにした.
◎本多顕太郎・田中智恵美・李 傲寒(東京理科大)・Ferdinand Peper・Konstantinos Theofilis(NICT)・若宮直紀(阪大)・長谷川幹雄(東京理科大)
IoTデバイスは低消費電力であることが求められるが,既存の多重通信方式(CSMA,TDMAなど)では,キャリアセンスや同期等が必要となる.Asynchronous Pulse Code Multiple Access (APCMA)方式[F. Peper et al., The Brain & Neural Networks, 25, 157-164, 2018.]は,キャリアセンスや同期をしなくても低消費で通信の多重化が可能である.また,先行研究[C. Tanaka et al., Proc. of NOLTA, 346-349 ,2020 ]では,APCMA方式を用いた10台までの多重通信実験に成功している.本稿では,より大規模なIoT環境におけるAPCMAの性能を検証するために,100台の無線機をFPGAと微弱無線モジュールを用いて実装し,実機による性能評価を行う.
○本多泰理(東洋大)
気候変動が顕著になりつつある近年、大規模自然災害による社会インフラへの影響の懸念が高まりつつある。本稿では電力インフラ、とりわけマイクログリッド技術に着目し、それの活用を想定し、問題をある種の最適化問題に帰着することで、大規模災害時において電力が遮断されてしまう世帯数の期待値を最小限に抑えるための手法を検討する。
休 憩(14:30 再開) 座長 若宮直紀(阪大)
N-2-6 | 無線双方向時刻比較を利用した遅延保証無線ネットワーク ◎山﨑雄輔・ショヴェ ニコラ(東大)・志賀信泰・安田 哲・滝澤賢一(NICT)・堀﨑遼一・成瀬 誠(東大) |
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N-2-7 | 自律分散型強化学習を用いたチャネル選択手法の異種IoTシステム混在下における実験評価 ◎北川諒真(東京理科大)・長谷川 聡(NICT)・李 傲寒(東京理科大)・金 成主(慶大)・長谷川幹雄(東京理科大) |
N-2-8 | Laser Chaos Decision Makerにおける負の自己相関の有効性解析 ◎岡田典大(東京理科大)・成瀬 誠・ニコラ ショヴェ(東大)・李 傲寒・長谷川幹雄(東京理科大) |
N-2-9 | 動的競合Multi-Armed Bandit問題へのTug-Of-Warダイナミクス応用 ◎浦邉郁実・李 傲寒・伊藤友輔(東京理科大)・金 成主(慶大)・長谷川 聡(NICT)・長谷川幹雄(東京理科大) |
N-2-10 | Laser Chaos Decision MakerによるMassive MIMOの超高速ビーム選択法 ◎魚住昂央・岡田典大(東京理科大)・成瀬 誠・Chauvet Nicolas(東大)・李 傲寒・長谷川幹雄(東京理科大) |
◎山﨑雄輔・ショヴェ ニコラ(東大)・志賀信泰・安田 哲・滝澤賢一(NICT)・堀﨑遼一・成瀬 誠(東大)
時刻同期を前提としていない現在の無線通信における媒体アクセス制御手法(CSMA/CA)では通信遅延の上限を厳密に保証できず,時として膨大な通信遅延を生じうる.一方で,ポスト5Gを見据えた通信ネットワークにおいて,信頼性の高い情報伝達を実現するには,通信遅延の上限保証が重要な課題となる.
そこで本研究では,無線双方向時刻比較により無線LAN内の各端末が時刻同期されるという新たなパラダイムのもと,無線通信の媒体アクセス制御の新手法を提案する.時刻同期の利用により,従来と比較しより簡便な制御機構で各端末に平等な通信機会をもたらし,帯域使用率によらず通信遅延の上限を保証できることを示した.
◎北川諒真(東京理科大)・長谷川 聡(NICT)・李 傲寒(東京理科大)・金 成主(慶大)・長谷川幹雄(東京理科大)
近年,Internet of Things (IoT)を利用したアプリケーションの需要が急増している.多数のIoTデバイスが密集して設置されたMassive IoT環境では通信の衝突が深刻な問題となり,限られた周波数リソースを効率的に使うための動的なマルチチャネル選択法が求められている.本稿では,複数のMABアルゴリズムを用いた自律的なチャネル選択手法を実機実装し,複数の異種LPWAシステムが混在する環境下での実験を行った.結果として,TOWアルゴリズムが優位性を持つことが判明し,チャネル状態の変化への重要性が示された.
◎岡田典大(東京理科大)・成瀬 誠・ニコラ ショヴェ(東大)・李 傲寒・長谷川幹雄(東京理科大)
レーザカオス時系列による意思決定法は,GHzオーダーの超高速かつ高性能な意思決定を可能にすることが示されている.本稿では,この手法を多本腕のMulti-Armed Bandit(MAB)問題に適用し,負の自己相関の有効性を解析する.正の自己相関,無相関,負の相関を持つガウス分布の時系列信号を生成し,それぞれを用いて4本腕のMAB問題を解いた時の性能を比較する.自己相関係数に対する性能を比較した結果,負の自己相関が性能を改善することを示す.
◎浦邉郁実・李 傲寒・伊藤友輔(東京理科大)・金 成主(慶大)・長谷川 聡(NICT)・長谷川幹雄(東京理科大)
近年,IoTを利用したアプリケーションの需要が急増している.IoT アプリケーションでは,高密度に設置された無線 IoT 端末間もしくはサーバとのリアルタイム通信が不可欠である.その際,端末間干渉による通信性能の低下を回避するためにマルチチャネル通信が利用される.マルチチャネル通信では,各 IoT 端末で利用可能なチャネルを適切に選択することが重要であり,これは Competitive Multi-Armed Bandit (CMAB) 問題として表すことが出来る.本研究では,IoTデバイスにも実装可能である軽量なMAB アルゴリズムのTug-Of-War (TOW) ダイナミクスをより現実に近い環境を想定した動的なCMAB問題に対して適用し,他のアルゴリズムとの比較を行った結果を報告する.
◎魚住昂央・岡田典大(東京理科大)・成瀬 誠・Chauvet Nicolas(東大)・李 傲寒・長谷川幹雄(東京理科大)
MIMOシステムにおけるBeam Alignment(BA)をMulti-Armed Bandit(MAB)アルゴリズムによって最適化する手法が提案されている[1,2]. 文献[1]では,IEEE802.11adよりもBA遅延を大幅に減少可能であることが示されている.一方,Laser Chaos Decision Maker[3,4]は,MABアルゴリズムを数十p秒オーダで動作させることが可能である.本稿では,BA問題にLaser Chaos Decision Makerを適用した超高速なビーム選択手法を提案し,その有効性を検討する.
3月10日 9:00〜11:15 Meeting 20 座長 鈴木智也(茨城大)
N-2-11 | 非同期セルオートマトンを用いた18自由度6脚ロボットの制御 ◎横山順哉・鳥飼弘幸(法政大) |
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N-2-12 | 非同期セルオートマトンに基づいたVan der Pol蝸牛モデルの2音抑制について ◎久保田一季・鳥飼弘幸(法政大) |
N-2-13 | 腫瘍の免疫療法モデルの解析とFPGAへの実装について ◎堀江直人・鳥飼弘幸(法政大) |
N-2-14 | ネットワーク上における文化の伝播 ○野澤駿也・塩谷 勇(法政大) |
◎横山順哉・鳥飼弘幸(法政大)
非同期セルオートマトンを用いた18自由度6脚ロボットの制御について考察する。
◎久保田一季・鳥飼弘幸(法政大)
非同期セルオートマトンに基づいたVan der Pol蝸牛モデルの2音抑制について考察する.
◎堀江直人・鳥飼弘幸(法政大)
腫瘍の免疫療法モデルの解析とFPGAへの実装について考察する.
○野澤駿也・塩谷 勇(法政大)
本研究では、Axelrodの文化の流布モデルを複雑ネットワーク上において実験したとき、文化がどのように広がるかをみる。ここでは文化とは個人の特徴を示すものとする。各個人はつながりをもつ他者の特徴が自分の特徴と類似していると、自分の特徴を他者の特徴に変化させる振る舞いをすると仮定して実験を行う。用いたグラフはランダムグラフ、WSグラフ、BAグラフである。グラフのノードを個人とし個人の文化は数字のリストで表した。各グラフで実験を行ったところ、グラフの種類によって文化地域の発展に変化が生まれた。
休 憩(10:15 再開) 座長 鳥飼弘幸(法政大)
N-2-15 | ヒステリシスリザバーコンピューティングの周期特性 ◎△齋藤 吏・神野健哉(東京都市大) |
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N-2-16 | オートエンコーダの異常検知による行動経済学的特性の抽出 ◎川田瑛貴(茨城大)・田中 陸(大和アセットマネジメント)・鈴木智也(茨城大) |
N-2-17 | 国内投資信託における資金流出入要因の極性分析 ◎吉田遼平・中道拓馬(茨城大)・近藤洋平(大和アセットマネジメント)・鈴木智也(茨城大) |
N-2-18 | 機械学習による全国中古車オークション会場の割安特性 ○鈴木智也・工藤大輝(茨城大)・黛 広樹(プロトコーポレーション) |
◎△齋藤 吏・神野健哉(東京都市大)
リザバーコンピューティング(RC)は,再帰的ニューラルネットワークの一種であり,時系列情報を学習することができる.RCのリザバー層のニューロンは,入力に応じて様々な時系列パターンを生成する.RCの能力は,リザバー層のニューロンが入力に応じて様々な時空間パターンを生成することに起因している.一方、発振器の結合系は入力に応じて様々な時空間パターンを生成する.特に,ヒステリシスニューロン(HN)が一様に結合したシンプルヒステリシスネットワーク (SHN)は,入力に応じて様々な周期解等を生成し,カオス的な応答も生成する. 本稿では,リザバー層にSHNを用いた新しいRCシステムを提案し,リザバー層が周期的な解を生成する場合に焦点を当てる.
◎川田瑛貴(茨城大)・田中 陸(大和アセットマネジメント)・鈴木智也(茨城大)
オートエンコーダの復元誤差に基づいて行動経済学的特性 (群衆心理による過大・過小反応) を抽出し,その後に予想される株価変動を踏まえて運用戦略を構築した.その結果,市場インデックスや回転売買コストを超える運用益が得られ,行動経済学的特性に着眼する有効性を確認した.
◎吉田遼平・中道拓馬(茨城大)・近藤洋平(大和アセットマネジメント)・鈴木智也(茨城大)
国内投資信託への資金フローに影響する要因について,Lasso 回帰により線形的な直接効果を検証し, LightGBMにより非線形的な総合効果を検証した.さらに交差項を付与したLasso 回帰により非線形モデルを導入する妥当性を確認した.これらモデルによる偏回帰係数やSHAP (Sharpley Additive exPlanation) 値を参照することで,各要因の重要度やポジネガ極性を評価した.
○鈴木智也・工藤大輝(茨城大)・黛 広樹(プロトコーポレーション)
我々の先行研究において,全国のオートオークションで落札された中古車ビッグデータに基づいて,非線形モデルのXGBoostにより個車価格推定モデルを構築し,さらに機械学習の説明力を高める工夫としてSHAPを導入し,落札価格には季節性や地域性が存在することを確認した.さらに本研究では価格推定モデルの応用として,オートオークション会場毎の割安・割高特性を検証し,裁定取引等への応用可能性を紹介する.