2022年 9月7日 (水) 午後
Zoomによるオンライン開催
回路とシステム研専
内閣府の第5期科学技術基本計画の中でSociety5.0は,サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより,経済発展と社会的課題の解決を両立する,人間中心の社会(Society)と定義され,我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱されています.Society 5.0で実現する社会は,IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり,様々な知識や情報が共有され,今までにない新たな価値を生み出すことができるスケールフリーネットワーク上で成立すると考えられています.このスケールフリーネットワーク上では,互いに関係のない多様な要素同士が偶然つながり,まったく新しい切り口が生まれる可能性があります.そして,弱小な節点のどれかで臨界点を超えると一気に変化するパーコレーション(ネットワーク上で何かが浸透する)現象が起きやすく,すなわち,イノベーションが遠いところのつながりから起きやすくなります.また,ニーズは顧客自身が決める世界となっていることが知られています.一方,XR(クロスリアリティ)とは,VR(バーチャルリアリティ),AR(拡張現実),MR(複合現実),SR(代替現実)などの仮想現実を構築する技術を総称するものであり,人間を場所や時間の制約から解放して,モノ・コトと繋ぐインターフェース技術です.この背景を踏まえ,本企画セッションでは,人々を今までよりもさらに,場所や時間の制約から解放して, IoTの有するスケールフリーネットワーキングを発展させるための問題など(例:ビッグデータの取り扱い方法,情報の安全性,通信の帯域幅と消費電力の省エネ化,スケーラブルネットワーキング,使いやすい設計・組み込みソフトウエア)を解決し,IoTとXRを進化しうる回路とシステムについて討議していきたい.6GにおけるIoTとXRおよびSoceity 6.0の在り方を検討するうえでの重要な議論を展開したい.