無線通信と量子計算は一部が数学的に類似している。無線研究者にとって比較的理解しやすいと思われる形式で、量子計算や量子アルゴリズムの基礎、および、無線通信応用を3分間で紹介する。

本発表者はこれまで, 空間ビッグデータ活用と無線通信の境界領域の研究課題へ取り組んできた. 本発表では, 現在の主要な研究テーマである分散連合機械学習のための無線設計および無線環境の可視化の2つについて紹介する.

5Gなどのネットワーク技術やAI技術の進歩を背景に，IoTデバイスは増加し続け，デジタルデータは爆発的な増大を続けている．一方で，データセンタや各デバイスでの消費電力増大や設備コストの甚大化，プライバシセンシティブなデータ収集への抵抗感などといった課題も顕在化してきている．この課題に対して，講演者は，取得・転送・処理するデータ量を低減し，コストや消費エネルギー，安全性などの面でIoTシステムの持続可能性を向上させる研究開発を進めている．特に，企業との連携により社会実装への取り組みを行っている．本発表では，関連する取り組みの一部を紹介する．

情報の名前に基づいて通信する「情報指向ネットワーク技術 (Information Centric Networking: ICN)」の概要と応用研究に関して述べる。

Graphics Processing Unit (GPU) を用いた Artificial Intelligence (AI) 推論処理では，複数のジョブをバッチ化することで，ジョブ一つ当たりの処理時間やエネルギー効率が大きく改善することが知られている．本発表では，このような GPU に基づく AI 推論処理サーバをバッチ処理待ち行列モデルとして定式化して解析することで平均遅延時間に関する単純な陽形式近似公式が得られることを紹介する．また，得られた近似公式と実機での計測値の比較結果を示す．

インターネットにおける通信の遅延はユーザのQoEに直結することから、この遅延を短くするために様々な取り組みが行われてきた。こうした取り組みのひとつとして、AS間接続におけるBGPのトラフィックエンジニアリングがある。本研究ではBGPにおけるトラフィックエンジニアリングによる遅延の低減効果を明らかにするため、BGP Egress Peer Engineeringと呼ばれる技術を用いて、3つのトランジットASに接続し43のASとピアするネットワークから、全てのBGP pathを経由したインターネット全体に対する遅延の計測実験を行なった。本講演ではその結果について報告する。

Information Centric Networking (ICN) のパケット転送は、コンテンツの名前に基づく経路の保持に必要なメモリ消費量、ならびに、経路の検索時間の長さが課題である。本稿では、プログラマブルスイッチと汎用計算機を組み合わせて、10億程度の名前プレフィクスから成る経路の保持と10 Tbps のパケット転送速度を実現可能な ICN ルータの構築法を紹介する。

IoTでは無線ネットワークで繋がれた様々な機器が連携し、AI技術を活用した多様なアプリケーションの実現が期待される。特に異なるセンシングデータを活用した高度な機械学習モデルの効率的な訓練や、ネットワーク上の機器が連携して推論処理を行うことで、データ・計算・通信の異種リソースの有効活用が期待される。本講演ではその実現に向けたマルチモーダル機械学習応用、連合機械学習や分散推論などに関する取り組みについて紹介する。

本発表では、私が今まで従事してきたFuture Internetに関する研究概要を述べる。また、最新のトピックとして新しいInternetアーキテクチャの導入可能性に関する解析結果を紹介する。