ソサイエティ特別企画
BK-1. 論文の書き方講座(セッションとしての予稿あり)
(通信ソサイエティ編集会議)
3月18日 9:45〜11:30 総合科学部 K棟1F K110講義室 座長 西森健太郎(新潟大)
講演時間:指定以外各40分
座長挨拶:5分
BK-1-1
論文の書き方講座(50分)
笹森崇行(北海学園大)
休 憩(10分)
パネルセッション
BP-1. アンテナ・伝搬分野における相関係数の理解と適切な利用
(アンテナ・伝播研専)
3月18日 13:30〜15:55 総合科学部 K棟2F K209講義室 座長 本間尚樹(岩手大)
講演時間:各20分
座長挨拶:5分
BP-1-1
MIMOアンテナの相関特性
○本間尚樹・村田健太郎(岩手大)
BP-1-2
アレーアンテナの素子間相関
○陳 強・今野佳祐(東北大)
BP-1-3
移動通信伝搬路の相関特性 ―マルチパスフェージング伝搬路の空間・周波数・時間相関―
岩井誠人(同志社大)
BP-1-4
アレー信号処理における相関行列の物理的意味
菊間信良(名工大)
パネル討論(60分)14時55分から開始です。講演者全員による討論となります。
[アンテナ・伝搬分野における相関係数の理解と適切な利⽤]
MIMO (Multiple-Input Multiple-Output) システムの伝送容量はアンテナと伝搬路により決定される.伝搬特性はアンテナの置かれた環境により決定されるが,アンテナは設計・最適化が可能な部分である.MIMOアンテナシステムの性能評価には,従来の利得やSパラメータの他,相関特性が用いられる場合がある.しかし,相関係数の定義は一つではなく,誤解・混乱が生じているようである.そこで,本稿ではMIMOアンテナシステムで用いられる,信号相関,チャネル相関,フェージング相関,複素指向性相関の定義について整理し,その違いについて述べる.
アンテナ・伝搬分野における相関係数の理解と適切な利用
移動通信伝搬路では幾つかの「相関」が定義されており、ダイバーシチやMIMOなどの無線通信技術の性能を決める指標として用いられている。本稿では、これらの相関特性の中から、マルチパス伝搬路の空間相関特性、周波数相関特性、時間相関特性、について概説する。
無線通信やレーダの発展を支える技術の一つに,アレーアンテナを用いた信号処理がある.その代表的なものとして,アダプティブアレーによるビームフォーミングや到来方向推定が知られている.これらの技術は,アレーアンテナの指向性合成に基づく空間フィルタリングを基本原理とする.その実現には,受信信号の振幅および位相の情報が必要であり,アンテナ素子間の受信信号の複素相関が重要な情報源となる.その素子間の受信信号の相関値を要素とする行列が相関行列である.従って,この相関行列がアレーアンテナの信号処理において重要な役割を果たすことになる.本稿では,相関行列の物理的な意味を,アダプティブアレーや到来方向推定を通して説明する.
BP-2. Society 5.0を支えるIoT技術
(短距離無線通信研専)
3月17日 13:30〜16:35 総合科学部 K棟3F K311講義室 座長 田野 哲(岡山大)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BP-2-1
国際無線通信規格Wi-SUN FANの動向
柏木良夫(日新システムズ)
BP-2-2
ソニーのLPWA「ELTRES」の技術と最新動向について
北園真一(ソニーセミコンダクタソリューションズ)
BP-2-3
横須賀市「ハイブリッドLPWAテストベッド」の取組みについて
○柘植 晃・萩原 大(YRP研究開発推進協会)・塙 小百合(横須賀テレコムリサーチパーク)・安井哲也(YRP研究開発推進協会)
BP-2-4
IoTや5Gなど情報通信分野に関する施策について
福田克己(総務省中国総合通信局)
休 憩(10分)
パネル討論(50分)15時45分から開始です。講演者全員による討論となります。
【 マルチホップ通信技術がIoTを変える!~Wi-SUN FANが "世界" で注目される理由を解説~ 】
自営網としてのLPWAが既に一巡した中で、国際標準規格 Wi-SUN FAN が注目される理由とその特長についてご紹介します。
ソニーはこれまでにAV技術で培って来た様々な技術を駆使し、IoT向けに小容量のデータを送信する技術としてELTRESを開発した。2017年4月に技術開発発表を行って以降、サービスに向けての通信実験を重ね、2019年9月から限定エリアではあるが商用サービスを開始している。
本稿では、ELTRESの技術の紹介と、その特長を活かした通信実験や応用例および最新の動向について述べる。
スマートシティを始め、農林水産業、防災、医療、交通などあらゆるIoTサービス分野でセンサーデータを無線で送信したい場合に、省電力で広域カバー可能なワイヤレスセンサーネットワークに適した各種LPWA (Low Power Wide Area) 方式が今後ますます期待されてきている。既に複数のLPWA方式が提案・導入されているが、それぞれの方式ごとに特徴があり、IoTサービスアプリケーションごとに異なる要件に適した方式を選択する必要がある。本稿では、実際に複数の方式を様々な条件で実験評価可能で、オープンで誰でも利用可能な横須賀市における「ハイブリッドLPWAテストベッド」[1]の取組みについて述べる。
総務省が行っている情報通信施策(5Gを含む)について、令和2年度予算(案)を含む状況について
チュートリアルセッション
BT-1. 機械学習がもたらす新たなアンテナ・伝搬技術
(アンテナ・伝播研専)
3月19日 13:30〜15:40 総合科学部 K棟2F K211講義室 座長 今井哲朗(東京電機大)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BT-1-1
無線通信分野への応用に向けた機械学習の基礎
西尾理志(京大)
BT-1-2
機械学習の電波伝搬分野への応用
中林寛暁(千葉工大)
BT-1-3
固有モード電流と人工ニューラルネットワークを用いたアレーアンテナの故障診断
○今野佳祐・Xing Wang・陳 強(東北大)
BT-1-4
機械学習と超広帯域レーダによる非接触心拍計測
○阪本卓也・武 淑瓊・佐藤 亨(京大)
BT-1-5
浅いニューラルネットワークによるアレーアンテナ励振係数推定および近傍界設計への応用
○飴谷充隆・黒川 悟(産総研)
無線通信分野においても機械学習応用への関心が高まっている.機械学習は大きく分けて,教師なし学習,教師あり学習,強化学習があるが,本稿では教師あり学習について解説する.
陸上移動通信の伝搬損失は,これまでに数多くのモデルが提案され特性化されてきた.特性化法として重回帰分析や解析的手法が用いられてきたが,近年はそれらの問題を解決するため,機械学習を用いた手法が提案されている.
本報告では,機械学習の電波伝搬分野への応用として伝搬損失推定を取り上げ,これまで提案されている代表的な複数の伝搬モデルを融合した機械学習により,単数の伝搬モデルによる伝搬損失推定に比べ,高精度な推定が可能となることを示す.
本報告では,アンテナ分野における機械学習の応用について,アレーアンテナの故障診断という逆問題への応用成果を中心に述べる.まず,Maxwell方程式を用いた従来の逆問題の解法と人工ニューラルネットワークを用いた解法の特徴や違いを述べる.次に,人工ニューラルネットワークとアレーアンテナの固有モード電流を組み合わせたアレーアンテナの新たな電流分布推定法について述べる.アレーアンテナの故障診断の数値シミュレーションを行い,本手法で得られた結果を従来法の結果と比較することで,本手法の有効性を示す.
近年,超広帯域レーダによる非接触生体計測に注目が集まっている.レーダによる非接触心拍計測は従来の接触型センサと異なり,皮膚のかぶれや不快感なく遠隔からバイタル情報を簡便に測定できるという特徴がある.ところが,非接触で心拍を計測するためには皮膚表面の微少な変位を高精度に計測することが求められ,そのハードルは高い.これまでに様々なアプローチで非接触心拍計測の高精度化が試みられてきたが,そのいずれも性能に限界があった.とくに,呼吸に代表される大きな体動が小さな心拍成分に重畳し,計測精度が低下することは大きな課題であり,実用化を阻んでいた.本稿では,我々が開発してきた畳み込みニューラルネットワークを用いた非接触心拍計測技術を紹介し,呼吸の有無に依存しない高精度計測が可能であることを示す.
アレーアンテナにおける素子毎の励振係数の推定は,アレーアンテナの故障診断において重要な課題である.筆者らはこれまでに,2層のニューラルネットワークを用いて,事前に素子毎の近傍界の測定結果からアレーアンテナの励振係数を推定するネットワークを機械学習により構築することで,事前に学習したモデルを利用して少ない測定ポイント数でアレーアンテナの励振係数を推定できる故障診断アルゴリズムを開発した.2層ニューラルネットワークによって構築されたネットワークは,近傍界からアレーアンテナの励振係数を求める疑似関数として働くことから,その性質を利用し,任意の近傍界分布を設計し、生成するためのアレーアンテナ励振係数を求めることを考えた.本稿では,浅いニューラルネットワークの構築方法、アレーアンテナ故障診断への応用、所望の近傍界設計への応用について解説を行う。
BT-2. いよいよスタートする5Gの標準化最前線
(無線通信システム研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月18日 9:30〜12:05 総合科学部 K棟3F K314講義室 座長 前原文明(早大)
講演時間:各35分
BT-2-1
5G NR概要と,スケジューリング及びHARQ技術
◎松村祐輝(NTTドコモ)・郭 少珍・王 静(ドコモ北京研)・永田 聡・浅井孝浩(NTTドコモ)
BT-2-2
NRにおける初期アクセス及びモビリティ技術
○武田大樹・小原知也・柿島佑一・原田浩樹(NTTドコモ)
第5世代移動通信システム (5G)の商用サービス開始に向け,移動通信システムの標準化活動を行っている3GPP (3rd generation partnership project)において,5Gの無線アクセス技術 (NR: New Radio Access Technology)の標準仕様がRelease 15仕様として策定された.本稿では,Rel.15の物理レイヤ仕様の概要と,スケジューリング及びHARQ (Hybrid Automatic Repeat reQuest)技術について述べた後,関連するRel.16拡張5G NRの仕様について述べる.
2018年6月に5G NR(New Radio)の最初の仕様であるRelease 15の仕様策定が完了し,2019年4月には米国と韓国でほぼ同時にスマートフォン向け商用5Gサービスが開始されると,2019年中に中国や欧州各国でも5Gサービスが開始され,また日本でも2020年のサービス開始に向けた5Gプレサービスが開始されるなど,世界市場で5Gが急速に広まっている.本稿では,Release 15 5G NR仕様を中心として,5Gの初期アクセス及びモビリティ技術について概要を説明するとともに,Release 16におけるその機能拡張や,今後の展望について述べる.
休 憩(15分)
BT-2-3
NRにおけるMIMO及びビーム制御技術
○高橋宏樹・星野正幸・山田昇平(シャープ)・罗 超(シャープユニバーサルテクノロジー上海)・横枕一成(シャープ米国研)・今村公彦(シャープ)
BT-2-4
NRにおける超高信頼・低遅延通信技術
○山本哲矢・岩田綾子・鈴木秀俊(パナソニック)
MIMO技術は,4Gまでの移動通信規格において通信路容量の拡大による高速・大容量通信を実現する主要技術として採用されている.5Gでは,更なる高速・大容量通信のためにMIMO技術の拡張が行われると共に,5Gで対応可能となったミリ波帯におけるカバレッジ確保のためにビームフォーミング技術を活用し,端末の移動に合わせて適切なビームを適用するビーム制御技術が規定された.本講演では,5G NRの初期リリースであるRelease 15で採用されたMIMO技術及びビーム制御技術を中心に,その発展として2019年12月に策定が終了したRelease 16における拡張技術及び2020年1月から開始するRelease 17の標準化展望について紹介する.
第5世代移動通信システム(5G)は,大容量超高速(eMBB),多数機器間接続(mMTC)および超高信頼低遅延通信(URLLC)により,多種多様なニーズに応じて,柔軟な無線通信を提供する.3GPPでは,5G無線インタフェースの1つとして, eMBBに加えて,URLLCをサポートするNew Radio(NR)の規格標準化が進められてきた.本稿では,NRにおけるURLLC実現の基盤となる技術に焦点を当て,Release 15およびRelease 16において規格化された主要無線アクセス技術,およびRelease 17における技術課題について解説する.
BT-3. ディジタルトランスフォーメーションに向かって変化する情報通信マネジメント
(情報通信マネジメント研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月18日 13:30〜17:15 総合科学部 K棟2F K207講義室 座長 野村祐士(富士通研)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BT-3-1
DX(デジタルトランスフォーメーション)と情報通信技術への期待
青山幹雄(南山大)
BT-3-2
スマートシティ実現に向けた実証実験から見える課題
衿木高広(NTT西日本)
BT-3-3
丸の内データコンソーシアムの取り組みについて
○奥山博之・小松原 綾(三菱地所)
ディジタルトランスフォーメーション全体を俯瞰し、ICT技術に関する期待を述べる
ディジタルトランスフォーメーションに向かって変化する情報通信マネジメント
丸の内データコンソーシアムに関する取り組みに関して事例を元に知見と課題を共有する。
休 憩(10分)
BT-3-4
IoTが創出する新たな価値とその実現に向けた課題
澤井彰久(KDDI)
BT-3-5
IT Infrastructure Trends for Digital Transformation
Takao Matsuda(NTT Neomeit)
パネル討論(60分)16時15分から開始です。講演者全員による討論となります。
講演形式:チュートリアルセッション
発表分野:BT-3ディジタルトランスフォーメーションに向かって変化する情報通信マネジメント
It is necessary to realize digital transformation (DX) by revamping existing enterprise systems using new digital technologies (e.g., IoT, big data, RPA, AI, and blockchain), in order to overcome "Japan’s 2025 Digital Cliff". Enterprise systems need to be able to respond quickly to changing requirements due to changing environments.
This paper describes the IT infrastructure requirements of enterprise systems which are needed to realize DX. Furthermore, in on-premises infrastructure and public cloud, modern technologies (mainly Open Source Software (OSS)) are introduced classified by the enterprise system requirements.
BT-4. 情報指向ネットワーク技術が創造する未来社会
(情報指向ネットワーク技術特別研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月18日 13:30〜15:55 総合科学部 K棟2F K204講義室 座長 小泉佑揮(阪大)
講演時間:各30分
座長挨拶:5分
BT-4-1
ICNへのネットワークトモグラフィ適用可能性について
○川原亮一(東洋大)・田行里衣・池上大介(NTT)
BT-4-2
分散型ICNの構造化に向けて
吉田紀彦(埼玉大)
本稿では,Information-Centric Networking (ICN)へのネットワークトモグラフィの適用について述べる.従来のIPネットワークにおいてあるコンテンツを受信したい場合はコンテンツ名からIPアドレス(ネットワーク上での位置を表す識別子)に変換してから通信を行うのに対し,ICNではコンテンツ名やコンテンツIDを直接指定して通信を行う.そのため,ネットワークの始点・終点ノードペア毎の品質測定値を入力とする従来のネットワークトモグラフィの適用が困難になると考えられる.そこで著者らはICNへのネットワークトモグラフィ適用方法を検討してきた.本稿では,これまでの検討内容をまとめ,ICNへのネットワークトモグラフィ適用時の課題,提案手法,および今後の課題について報告する.
情報指向ネットワーク(Information Centric Networking, ICN)について、現状の課題と思われる事項を、名前付け、構造化、実用化など幾つか掲げ、特に、構造型P2Pの技術を応用した分散型ICNの実現について、取り組んでいる研究の内容を簡単に紹介する。
休 憩(20分)
BT-4-3
情報指向ネットワークと連携するサービス機能チェイニング基盤
○松園和久・速水祐作・平山孝弘・朝枝 仁(NICT)
BT-4-4
Multi-Access Edge Computing時代の通信プロトコルとしてのICN
○植田一暁・杉山浩平・田上敦士(KDDI総合研究所)
5Gの導入やセンサーやアクチュエータといった様々なIoT機器の普及に伴い、多種多様なサービスが創出され、ネットワーク内コンピューティングに対する要求事項の高度化が進む。本稿では、情報指向ネットワーク(ICN/CCN)と機能連携可能なサービス機能チェイニング(SFC)基盤を提案する。SFCのデータ転送基盤にて、ICN/CCNが提供する機能を利用することで得られるメリットを述べ、更にIETF標準に準拠したSFC基盤へのICN/CCN実装方式について述べる。
分散配置された計算リソースを活用してサービスを実現するエッジコンピューティングの研究開発が進められている. 本稿では, エッジコンピューティング環境に適した通信プロトコルとして, ICNのメリットと適用可能性について検討を行う.
依頼シンポジウム
BI-1. 衛星と5G・IoTの連携技術への期待
(衛星通信研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月18日 9:30〜12:10 総合科学部 K棟1F K106講義室 座長 筋誡 久(NHK)
講演時間:各30分
BI-1-1
衛星通信と5G/Beyond 5Gの連携に関する検討会の活動報告
○三浦 周・辻 宏之・吉村直子・大倉拓也・阿部侑真・土谷牧夫(NICT)
BI-1-2
衛星通信と携帯通信の連携に関する諸項目
福家直樹(KDDI)
BI-1-3
5G NTN標準化動向と航空機・IoT通信多重方法の検討
○西尾昭彦・大内幹博・湯田泰明・山本哲矢・外山隆行(パナソニック)
5G における衛星通信の役割が注目され,欧州のプロジェクトの活動や3GPP での標準化が進展する状況を踏まえて,国内関係機関の参加を得て2019 年8 月~2020 年2 月に「衛星通信と5G/Beyond5Gの連携に関する検討会」を開催した.本検討会では,衛星通信と5G を連携させることによる有効なユースケース,必要な技術課題と実現方法,評価とデモンストレーション,標準化等について具体的に検討を実施した.検討結果は報告書にまとめ公開する予定である.
衛星通信、ドローン、HAPS(高高度疑似衛星)等を活用した新しい通信インフラ構築の構想が進んでいる。これらの通信インフラを活用することにより、地上系ネットワークでカバーできない場所からのデータ収集を可能にするほか、災害時になどにも通信が継続できるなど、IoTのインフラとして大きな役割を果たすことが期待されている。一方、地上ネットワークでは、高速・大容量に加え多接続・低遅延を特徴とする第5世代の移動通信システムである5Gの展開も想定されており、衛星通信、ドローン等と連携することによる新しい通信サービスの実現も検討されている。今後様々な分野での活用が期待される衛星通信、ドローン等とIoTおよび5Gとの連携について、その最新技術・動向や応用例について講演する。
3GPPにおいて5G無線インターフェースとしてNR (New Radio) の仕様策定が行われている.また,5G NRを衛星通信などの非地上系通信(Non-terrestrial Network:NTN)へ適用するための検討が行われている.5G NTNにより航空機や船舶等への高速通信サービスの提供やへき地での環境計測等のIoT通信サービスの提供が可能となる.本稿では3GPPにおける5G NTN標準化動向を解説する.また,航空機とIoT通信の多重方法を検討し非直交多重(NOMA)による容量改善効果を明らかにする.
休 憩(10分) 座長 齋藤将人(琉球大)
BI-1-4
3GPPにおけるPPP-RTKの標準化動向
○平 明徳・廣川 類・内田 繁・谷 重紀・能田康義・佐野裕康・有賀 博(三菱電機)
BI-1-5
Sigfox Satellite Hybrid Service
○Nicolas Witnauer・Gaku HIBI(SIGFOX)
2019年4月より3GPP RAN2ワーキンググループにおいてセンチメータ級の測位精度を広域で実現するPPP-RTK(Precise Point Positioning Real Time Kinematic)の規格化作業が開始された.当社はPPP-RTK標準化に参加しており,本稿においてリリース16におけるRAN2のPPP-RTKの標準化動向を説明する.
LPWA(低消費電力、長距離伝送)ネットワークを展開するSigfoxが予定するIoT向け低軌道衛星サービスの概要説明。
既に世界65か国に構築されている陸上ネットワークと2020年夏に打ち上げ予定の衛星によるハイブリッドサービスの実現により、僻地(山間部や海上)のみならず、都心部や屋内においても利用可能なネットワークとなります。
通信デバイスは、小型かつ電池での運用が可能であるため、農業や物流(グローバル・サプライチェーン・マネイジメント)、エネルギー分野での新たな需要に対応可能です。
BI-2. EMC技術者のための電磁気学・電気回路論の視点と盲点
(環境電磁工学研専)
3月18日 13:30〜16:30 工学部 講義棟1F 102講義室 座長 西方敦博(東工大)
講演時間:各40分
座長挨拶:10分
BI-2-1
電信方程式は正しく認識されているか!?
上 芳夫(電通大)
BI-2-2
コンデンサのエネルギーはどこに消えたか?
中村 隆(電通大)
BI-2-3
電荷の振る舞いは怖い?
藤原 修(名工大)
休 憩(10分)
座長 古賀隆治(岡山大)
パネル討論(40分)15時50分から開始です。講演者全員による討論となります。
ヘビサイドが提唱した電信方程式は多くは電気回路論の上級科目の伝送回路、マイクロ波回路の教科目において学習する場合がほとんどであり、電磁波工学的な視点に欠けて理解している場合が非常に多い。このためEMC問題に遭遇したときの考え方や対処法が理論的に疑問符を付けざるを得ない事例がある。電信方程式の回路的な見方のみならず電磁波論的な見方を示し、電圧や電流の概念は電界磁界の特殊な条件下での定義であること、それらも波動方程式を満足すること、エネルギーはポインティングベクトルが運んでいること、などを確認しながら、陥りやすい誤解について述べる。
スイッチを切ると何故火花が飛ぶか? 電圧の違うバッテリをつなぐと何故熱くなるか? これらは電気回路では解けない禁断の問題であるが,ノイズ発生の核心でもある.電気の様々なパラドックスからEMCの諸問題を電磁波論的に捉え,「グランドは帰路でない」,「電圧電流の実体は電界磁界」,「線路からはみ出た電磁界が放射波」であることなどを明らかにする.
電荷,電流,電波は,水の態変化に因んで電気の三態といわれる.氷が融けて水となり,それが沸騰して水蒸気となるように,電荷が動くと電流が流れ,電流が動けば電波がでる.とくに,電荷は,電気を担(荷)うものとされ,静電気のクーロン力で存在を認識できるも,その振る舞いはEMC(Electromagnetic Compatibility)的には怖い.ここでは,静電気の帯電と放電の現象に対して,電荷の振る舞いを考えてみたい.
BI-3. IoT時代の多様な産業を支えるエッジコンピューティング技術
(ネットワークシステム研専)
3月20日 13:30〜16:25 工学部 講義棟1F 116講義室 座長 石田仁志(日立)
講演時間:各25分
座長挨拶:15分
BI-3-1
エッジコンピューティング利活用のための管理型自己組織化リソース制御手法
○荒川伸一・村田正幸(阪大)
BI-3-2
Implementing Application-Specific Edge Computing Network Architecture for 5G Networks
○杜 平・中尾彰宏(東大)
BI-3-3
エッジコンピューティング2階層アーキテクチャの研究開発
○山中広明・寺西裕一・河合栄治・原井洋明(NICT)
エッジルータが自己組織的に動作することで、全体のトラヒック情報などを把握する必要がなく、実世界変動に即時性のある制御を可能とすることを目的として、リソース需要を表現するポテンシャル場を用いた動的リソース制御手法を述べる。
In this paper, we present an application-specific Multi-Access Edge Computing (MEC) network architecture by leveraging the Control and User Plane Separation (CUPS) in mobile core networks to offload data traffic from different applications to different edge servers for application-specific processing. We first apply deep-learning to classify traffic into application-based EPS bearers. Then, to physically isolate EPS bearers of the same PDN connection, we slice the PDN gateway (P-GW) into multiple physically distributed P-GW slices so that its attached edge server can be distributedly deployed on- demand. We prototype the proposed application-specific MEC network architecture using modified OpenAirInterface LTE/5G software. Our modification is 3GPP-compatible so that it could be acceptable by mobile network operators. It is applicable in both non-standalone (NSA) and standalone (SA) 5G networks.
IoT 時代の到来により,多数の様々な「モノ」(センサ,家電,ロボット,自動車等の様々な端末)がインターネットに接続される.端末から送信されるデータの処理に基づき,ICT サービスを様々な場面で提供することで,高い水準の社会生活の実現が期待される.現在普及しているクラウドコンピューティングでは,地理的に広い範囲にある端末からデータがデータセンタに送信される.膨大なデータ送信の集中によるネットワークの帯域圧迫,データセンタとの距離に起因する端末への長い応答遅延,クラウドでのデータ集中管理によるセキュリティリスクが問題になる.エッジコンピューティングにより,これらの問題の解決が期待できる.ただし,設備コスト,サービス配置,可用性の課題がある.本稿では,我々が取り組んでいる「エッジコンピューティング2階層アーキテクチャ」について,ユースケースと共に述べる.
休 憩(10分)
BI-3-4
エッジコンピューティングによるIoTを支える軽量・高速なソフトウェアの設計
◎藤野知之・田中裕之(NTT)
BI-3-5
エッジコンピューティングを活用する分散コンピューティングプラットフォーム
○雨宮宏一郎・一角健人・久保田 真(富士通研)・中尾彰宏(東大)
BI-3-6
エッジコンピューティング技術の産業分野への応用
○緒方祐次・石井大介・奥野通貴(日立)
製造業をはじめ,様々な産業において多数のデバイスがネットワークを通じて相互に情報を交換し,業務の可視化や効率化を行うIoT システムの普及が進んでいる.また,IoTシステムの設計において様々な理由からエッジコンピューティングが用いられる.エッジコンピューティングを用いたIoT システムにおいて,限られたリソースの中で十分な機能を提供することが設計者の課題となる.本発表では課題を解決するための実践的なアーキテクチャとそれを支えるソフトウェア群の設計について提案を行う.
ソフトウェア化されたインフラを基盤とし、ネットワークインフラ層、プロセッシング層、データ層それぞれに対して遅延およびネットワーク帯域を自動制御する機能が組み込まれた分散コンピューティングプラットフォーム、そして各層において低遅延やネットワーク帯域削減を実現する技術について提案する。
様々なモノがインターネットに接続し,情報を収集・利活用するIoT (Internet of Things)時代においては,インターネットに接続するデバイスが爆発的に増加している.産業分野においてもIoT技術の応用が加速しており,収集した大量のデータを生産機器の監視・制御,製品の品質管理,作業員の作業管理,トレーサビリティ,工程の最適化等様々な方法での活用検討・実装されている.本稿では,産業分野におけるエッジコンピューティング技術の活用と5Gの導入について検討する.
BI-4. つながるクルマのセーフティ・セキュリティを支える技術
(情報ネットワーク研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月17日 13:30〜17:30 総合科学部 L棟2F L201講義室 座長 井上伸二(広島市立大)
講演時間:各45分
委員長挨拶:5 分 岸田 卓治(NTTアドバンステクノロジ)
BI-4-1
自動車を取り巻くセーフティとセキュリティの現状と課題
松原 豊(名大)
BI-4-2
コネクティッドカーにおけるサイバー攻撃の脅威と対策
高橋順子(NTT)
自動車制御システムの大規模化・複雑化に伴うセーフティとセキュリティの状況と課題について、最新動向を踏まえて解説する。
本稿では、近年の自動車に対する安全性評価に関する研究を基に、コネクティッドカーに対するサイバーセキュリティのリスクに関して述べる。 近年、自動車が車載通信機器を介してインターネットに接続し、新たなサービスを提供する コネクティッドカーが出現している。 一方で、その出現に伴い、サイバー攻撃に対する脅威が重大な問題となっている。本稿では、コネクティッドカーを取り巻く環境を、自動車内・自動車とバックエンドシステムとの通信・バックエンドシステムの3つの領域に分け、実車を用いた安全性評価の研究を基に、各領域のセキュリティリスクを考察する。
休 憩(10分) 座長 松井健一(NTT)
BI-4-3
マツダにおける先進運転支援システム/自動走行システムの取り組み
山本雅史(マツダ)
BI-4-4
通信事業者の視点から捉えるコネクティッドカーのセキュリティー・プライバシー・トラストに関する課題
○磯原隆将・窪田 歩(KDDI総合研究所)
・マツダの技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」(クルマの持つ魅力である「走る歓び」によって、「地球」、「社会」、「人」それぞれの課題解決を目指す)の紹介
・「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」実現に向けた、万が一のドライバーのミスにも事故被害を防止・軽減する技術(i-Activsense)の取り組み
・マツダの自動運転の考え方「Mazda Co-Pilot Concept」の紹介
・「Mazda Co-Pilot Concept」に基づいた、ドライバ異常時対応システム(ドライバーが正常に運転できない状態と判断した時には、クルマがオーバーライドして危険を回避する)の取り組み
つながるクルマを安心して利用できる社会の実現に向けて、通信事業者が捉えている課題を、セキュリティ/プライバシー/ トラストの観点から論じ、併せて関連する研究開発等の取り組みを解説する。
座長 石田賢治(広島市立大)
BI-4-5
エッジコンピューティングを活用した安全運転支援の実現に向けて
牧戸知史(豊田中研)
高度安全運転支援や自動運転などの高度化に向け、車での通信利用が益々重要となってきている。運転支援のようなセーフティに関連するアプリケーションでセンシングや制御に通信を活用しようとした場合、通信ネットワークの遅延がサービスの限界を決めると言っても過言でない。
今後、実用化が見込まれる5G では無線部の遅延は数ms以下と言われているが、実際には、コアネットワーク、インターネットなどの遅延が付加されたものとなるため、我々は、エッジコンピューティングの活用が必要不可欠であると考えている。
講演では、車での通信利用に関する動向と、協調型の自動運転の弊社での検討事例について紹介するとともに、エッジコンピューティング活用の可能性についても言及したい。
BI-5. 自由空間光伝送技術の最新研究動向
(光通信システム研専)
3月19日 13:30〜16:55 総合科学部 K棟3F K307講義室 座長 谷澤 健(玉川大)
講演時間:指定以外各25分
座長挨拶:5分
BI-5-1
空間光伝送技術の基礎と応用(35分)
高山佳久(東海大)
BI-5-2
空間光と高周波無線を融合した情報通信ネットワークの可能性
○山本直克・梅沢俊匡・Tien Dat Pham・菅野敦史(NICT)
BI-5-3
パルス位置変調による高受信感度コヒーレント光空間通信
○松田恵介・越川翔太・吉田 剛・鈴木巨生(三菱電機)
空間光伝送に関して、特有の難しさ、これまでの研究状況および最近の動向について紹介する。
空間光を用いたデータ伝送の100Gbps級大容量化、光と高周波を調和的に利用するハイブリッド無線技術、さらに空間光を用いた極限環境パワーグリッド形成について、簡単ではあるが示した。空間光は気候等の環境に強く影響を受けるほか、光の指向性に起因したアライメントの課題など、実用化には多く課題はある。しかしながら、空間光と高周波を調和的に利用することで、それぞれの電磁波的な特徴を加味したメリットを活かし、利便性の高い大容量情報通信ネットワークが構築できると期待される。
深宇宙通信で使われるパルス位置変調(PPM)と,コヒーレント信号である4値位相変調(QPSK)を組み合わせた4PPM-QPSKを実験的に評価した.5.6Gbaudの条件にて同じ周波数利用効率の変調方式であるハミング符号化QPSKに対して,4PPM-QPSKの受信感度が1.1dB優れることを示した.
休 憩(15分) 座長 品田 聡(NICT)
BI-5-4
ALANコンソーシアムにおける水中光無線通信技術の検討
○鈴木謙一・高橋成五・島田雄史(トリマティス)・安達文幸(東北大)
BI-5-5
海中光ワイヤレス技術
吉田 弘(JAMSTEC)
BI-5-6
光無線給電 - IoTからモビリティまでの応用に向けて
宮本智之(東工大)
BI-5-7
可視光半導体レーザーによるIoT照明ステーション -LiDARから光無線給電、照明まで-
○山本和久・石野正人(阪大)
日本を取り巻く広大な海洋およびその資源を活用する機運が高まっており,ALANコンソーシアムでは,水中環境を一つの生活圏として捉え,水中に地上並みのLANを構築することを目指し,水中光無線通信をはじめとした水中光無線技術の検討を行っている.本稿では,特に水中光無線通信の課題について述べると共に,ALANコンソーシアムにおける水中光無線通信技術の検討状況について報告する.今後水中無線通信の適用による水中でのデータ転送,ローカル5Gとの連携などや水中通信ネットワークのプラットフォームの構築によって,水中と地上とのシームレスな通信環境の構築を目指す.
本稿では,過去12年あまり,筆者が取り組んできた海中光ワイヤレス技術をベースにして,今後,日本の海中産業のひとつつとするべく,海中光ワイヤレスシステムの実現のために,取り組まなくてはならないであろう課題について,筆者の考えをまとめる
通信の無線化に続き,給電の無線化が望まれている.その方式に光源と太陽電池に基づく光無線給電が魅力的である.光を用いた無線給電は,遠隔給電可能,高効率光源と単色光による太陽電池の高効率動作,DC駆動のため電磁ノイズ発生無,という特徴がある.光無線給電は各種機器への利用が期待され,家庭内などの一般的機器の他,膨大な数となるIoT端末や,自動化の進むモビリティなどへの適用が期待される.本技術は,その研究開発が活発化し始めたばかりで,適切な構成や必要なデバイスなどがまだ十分に検討されていない.機器やシステム,サービスまでもを革新する可能性をもつ本技術について,最新動向と今後の展開に必要な取組を議論する.
赤、青、緑の3原色半導体レーザーが製品化され、様々な用途に展開されている。我々は可視光半導体レーザーを用い、これを走査するIoT照明ステーションを提案している。LiDAR機能を有し、光無線給電、照明、表示などが同一構成で可能となる。本講演ではIoT照明ステーションの基本構成、特徴と原理実証について述べる。
BI-6. 将来のフォトニックネットワークとそれを支える最新デバイス技術
(フォトニックネットワーク研専)
3月18日 13:30〜16:50 総合科学部 K棟2F K205講義室 座長 石井健二(三菱電機)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BI-6-1
低遅延光ファイバ技術
◎寒河江悠途・松井 隆・中島和秀(NTT)
BI-6-2
光海底ケーブルにおけるマルチコア光増幅器省電力化の取り組み
○柳町成行・竹下仁士・松本恵一・野口栄実・エマニュエル ル・タヤンディエ・ドゥ・ガボリ(NEC)
BI-6-3
シリコン光スイッチ技術
○鈴木恵治郎・鴻池遼太郎・須田悟史・松浦裕之・並木 周・河島 整・池田和浩(産総研)
BI-6-4
1Tbit/s/ch超を実現するコヒーレントDSP研究開発の最新動向
岡本聖司(NTT)
光通信ネットワークサービスの多様化に伴い、大容量化に加え通信遅延の低減に対する要求も高まっている。通信遅延は伝送装置内、および伝送路で発生する遅延に大別できるが、長距離通信では伝送路で発生する遅延も無視できない。本稿では光ファイバの群遅延時間低減に向けて検討されている充実コア型および中空コア型低遅延光ファイバの研究動向について報告する。
インターネットトラフィックの増大とともに、大陸間を大容量で結ぶ光海底ケーブルの需要が旺盛である。将来の大容量化には空間多重技術が期待されており、その中核技術となる光増幅器の省電力化に関し、省電力化の動向、および、NECの取り組みについて報告する。
データセンターが扱う膨大な情報を処理するため、スイッチ用ASICはムーアの法則を上回るペースでそのスイッチング容量を拡大している。このスイッチング容量の拡大は消費電力の増大も伴っており、すでに300 Wを超えるようなASICも商用になりつつあると見られ、ICの冷却能力の限界に迫っている。この消費電力によるボトルネックを解消しながら扱えるデータ量の拡大を持続的に達成していくために、光スイッチは重要な技術の一つと認識され、近年活発に研究開発が進んでいる。本発表ではそれらの中でも集積性や量産性に優れたシリコンフォトニクスを用いたスイッチに着目し、その現状の特性について述べる。
光の振幅および位相の情報を利用して信号の高度な変調や歪の補償を実現するデジタルコヒーレント技術により,フォトニックトランスポートネットワークシステムの伝送容量は飛躍的に増大してきた。我々はこれまでオープンイノベーションを標榜する国家プロジェクトを通して、1波あたり100Gbit/sから600Gbit/sの大容量光通信用デジタルコヒーレントDSPの開発を行ってきた。本稿ではデジタルコヒーレント伝送の基礎技術に加え、これまでの開発の成果、そして次世代の1Tbps超を実現する大容量デジタルコヒーレントDSPの要素技術について述べる。
休 憩(15分) 座長 杉崎隆一(古河電工)
BI-6-5
Beyond 5G時代のモバイル基地局を収容する低遅延レイヤ2ネットワーク技術
久野大介(阪大)
BI-6-6
ペタビット級空間チャネルネットワークノード技術
○品田 聡・Ruben S. Luis・廣田悠介・古川英昭(NICT)
パネル討論(30分)16時20分から開始です。講演者全員による討論となります。
将来のフォトニックネットワークとそれを支える最新デバイス技術
本論文では,波長分割多重(WDM)レイヤと空間分割多重(SDM)レイヤを分離した階層化ネットワーク・ノードアーキテクチャに基づく空間チャネルネットワーク(SCN)を模擬し,22コアのマルチコアファイバ(MCF)と44×44 MEMSスイッチをベースとしたSCNノードを構築する.1 Pbit/sを超えるSDM/WDM信号を用いて,空間バイパス,空間プロテクション,波長バイパス・波長Add/drop,空間分岐の4つのスイッチングシナリオについて評価し,ペタビット級SCNノードを実証する.
BI-7. 次世代産業に向けた光ファイバ応用計測技術の進展
(光ファイバ応用技術研専、光応用電磁界計測特別研専 共催)
3月17日 13:30〜16:50 総合科学部 K棟1F K109講義室 座長 古川 靖(横河電機)
講演時間:各25分
座長挨拶:5分
BI-7-1
次世代産業を支える高精度・高機能光ファイバセンシング
田中洋介(東京農工大)
BI-7-2
ヘテロコア技術を用いた光デバイスと社会実装への展開
○渡辺一弘・関 篤志・山崎大志・西山道子(創価大)・近 哲也・佐々木博幸(Core System Japan)
BI-7-3
FBG圧力センサーを用いた波浪中を航走する船舶の非定常圧力面分布計測
岩下英嗣(広島大)
次世代通信5G普及への動きが進み、本格的IoT実用化への取り組みが加速する中、モノやその周辺環境の物理量、化学量を計測するためのセンサ開発への期待は大きい。センサは個人の生活空間、製造現場、各種社会インフラまで広範囲で使用される。現在、多種多様な動作原理のセンサが研究、開発、実用化されている。この中で、他のセンシング手法にないユニークで高精度、高機能な計測が可能な「光ファイバセンサ」は、次世代産業創出を支える大きなポテンシャルを備えている。本講演では、光ファイバセンサの進展と最近の動向を概観し、今後の産業との関係を考察すると共に、我々の研究室での取組みを紹介する。
橋梁・トンネル・鉄塔・ビルなどの大型構造物、河川・法面・急傾斜地などの地形的環境は異常気象のたびに災害をもたらし、時として多くの人命が失われる。社会インフラの点検は喫緊の課題とされながらも、その取り組みの歩みは明確ではなく遅々としている。日本がこれから目指す社会としてSociety 5.0が挙げられる。いわば、社会環境の状況・変状をIoT(Internet of Things)として掌握し、サイバー空間上に反映し、社会的課題の解決を図る時代である。ここではそのツールとして、ヘテロコア技術という光ファイバセンシングを紹介し、その社会実装への実現性について述べたい。
近年、船型開発において適用が進んで来ているCFDの検証用データとして、また部分模型実験による波浪荷重計測法に代わる新しい計測法として船体表面の圧力の面分布計測法の確立は長年の課題であった。光技術の進展により、これが可能になって来ている。本研究では、企業との共同研究により、FBG技術を用いた貼付型の圧力センサーを開発し、これを船体模型表面に340点ほど貼付して波浪中を曳航試験することで、船体表面の非定常圧力の面分布計測法を新たに開発している。本論文では、その計測法の詳細と、取得した非定常圧力の精度検証結果を中心に紹介する。
休 憩(20分) 座長 水野麻弥(NICT)
BI-7-4
光応用計測技術のノイズ計測への活用
○土屋明久(KISTEC)・柳澤幸樹(多摩川電子)・菅間秀晃(KISTEC)・須賀良介・橋本 修(青学大)
BI-7-5
光応用高周波電磁界計測技術と5G/インフラ非破壊診断への応用
村田博司(三重大)
BI-7-6
ミリ波・テラヘルツ波可視化技術の産業応用
○宮地邦男・及川陽一・東條 誠(シンクランド)・西村航太・杉山武史(日本特殊陶業)・久武信太郎(岐阜大)
BI-7-7
有無線融合ネットワークの将来と光ファイバ伝送の役割
○川西哲也(早大)・菅野敦史(NICT)
光電磁界計測技術を利用したノイズ計測は、高い絶縁性を保つことができるため、外来ノイズによる影響を受けずに測定が可能である.特に長波・中波帯において同軸ケーブルは外導体を介してグランドループが形成され、外部からのノイズによって測定に影響を及ぼす可能性がある.今後、電波暗室などの外来ノイズを遮蔽した空間内での評価と合わせて、電子機器を設置する環境下でも評価を必要とされることから、外来ノイズがある環境下においても正確に測定する技術が求められる.
本報告では光電磁界計測技術を利用したノイズ計測技術の概要について述べ、外部ノイズがある環境下におけるノイズ測定の事例として、光給電RoFシステムを用いたノイズ計測について報告する.
著者のグループは,かねてから高周波無線技術とフォトニクス技術とを融合させた新しいマイクロ波フォトニクス技術の研究開発と,これを用いた高精度高周波電磁界計測技術,高密度ユーザー環境5G無線技術,インフラ非破壊診断技術等への応用に挑戦している.本発表では,最近の成果と今後の可能性について議論する.
5G通信(28GHz)や自動運転のためのミリ波レーダー(79GHz)など、最近は高い周波数の電磁波の産業応用がますます進んできている。我々は1GHzから600GHz程度までの電磁波の空間分布を可視化する装置開発を行ってきた。本装置を用いることで、車載搭載されたミリ波レーダなど、シミュレーションモデルを正確に生成することが困難あるいは不可能な状況における電磁波の振る舞いを実験的に知ることができる。本講演では、特に自動車分野における実例を交えて、本計測技術の産業応用について紹介する。
Beyond 5Gを支えるネットワークとして、光ファイバ、ミリ波、テラヘルツ波を組み合わせたシームレスネットワークへの期待が高まっている。本発表では、ミリ波・テラヘルツ波を用いた高速伝送技術の研究動向と、光ファイバで無線波形を転送するための技術であるファイバ無線技術について概観する。光ファイバを用いて安定したローカル信号の配信と、広帯域中間周波数帯信号の伝送が可能である。
BI-8. 極限環境コミュニケーション 〜 こんなところに通信技術!?(セッションとしての予稿あり)
(センサネットワークとモバイルインテリジェンス研専、通信方式研専、コミュニケーションクオリティ研専、スマート無線研専 共催)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月18日 13:30〜17:30 総合科学部 K棟2F K203講義室 座長 石原 進(静岡大)
講演時間:各40分
座長挨拶:5分
BI-8-1
深宇宙通信・宇宙機内センサ通信電力伝送
川﨑繁男(JAXA)
BI-8-2
海中における電波利用について
滝沢賢一(NICT)
BI-8-3
医療分野における人体内通信
伊藤公一(千葉大)
「はやぶさ2」などの惑星探査衛星では、5億キロにも及ぶ超遠距離の深宇宙通信が行われており、また、ペイロード低減のため、宇宙機の通信系は固体化が進み、さらにワイヤレスセンサの組み合わせで小型軽量化が加速されている。これらを組み合わせた、センサ情報、データ通信、および、ワイヤレス給電を含む宇宙情報通信エネルギー伝送技術を用いて、ワイヤーハーネスフリーの軽量化した超小型衛星システムが実現できる。このようなオールワイヤレス化衛星システムである“Space-by-Wireless”が推進されているので、これらを紹介する。
海中における電波応用として、無線通信とセンシングについて実証例を含めて紹介する。
近年,ワイヤレスカプセル内視鏡の研究開発が盛んである.また,臓器移植の分野では,移植直後の臓器に関するワイヤレスモニタリングが関心を集めている.さらに,人体内に埋め込まれたdrug delivery devices (DDD) のワイヤレス制御についても研究が進んでいる.これらは,いわゆる人体内通信の一例であるが,人体内には異なる組織あるいは臓器が存在し,状況によっては体動および血流も考慮する必要がある.加えて,様々な人体安全性を確保することも必須となる.これらのことから,人体内通信は一つの極限環境通信とも言え,使用する小形アンテナの設計開発,高信頼性の確保,さらには評価方法などに多くの課題が残されている.
ここでは,幾つかの具体例について,それらの概要,問題点および今後の動向等について紹介する.
休 憩(15分) 座長 中里秀則(早大)
BI-8-4
災害対応・福島原発廃炉のための遠隔操作ロボットと通信技術
○淺間 一(東大)・羽田 靖(工学院大)
BI-8-5
高速鉄道向け光・電波融合ネットワーク技術
菅野敦史(NICT)
総合討論(20分)17時10分から開始です。講演者全員による討論となります。
福島原発の事故対応・廃炉においては,高放射線環境での作業が多く,遠隔技術・ロボット技術の利用は必須となっている.日本は,地震,津波,台風,火山爆発など,様々な災害が多発する災害大国である.また,橋梁やトンネルなどの社会インフラや,石油化学プラントなどの事故も起こっている.災害や事故時には,人間が立ち入ることが困難,危険,不可能な環境が多く,ロボットの投入が期待されているが,環境が無限定なため,通信を用いた遠隔操作が要求される.
そこで本講演では,災害対応,福島原発の事故対応・廃炉などで活用された遠隔操作ロボットと通信技術を紹介するとともに,そこでの問題点,今後の課題などについて議論する.
時速200km/hを超える高速鉄道へのギガビット級通信を実現する光・電波融合技術について概説する。5G等でも利用される中央制御・集約型ネットワーク構成を、光ファイバ無線ネットワークと大容量ミリ波アクセスを融合することにより実現し、ハンドオーバーを極力少なくすることで高いスループットを実現した。本技術について基礎的な研究からフィールド実証試験まで紹介する。
BI-9. ダイナミック周波数共用システムとその実装技術の最新動向
(スマート無線研専)
3月17日 11:00〜17:20 総合科学部 K棟3F K305講義室 座長 亀田 卓(東北大)
講演時間:指定以外各30分
座長挨拶:15分
BI-9-1
欧米におけるダイナミック周波数共用の取組
飯塚留美(マルチメディア振興センター)
BI-9-2
諸外国における社会実装事例から見るダイナミック周波数共用技術の研究開発のポイント
澤井 亮(ソニー)
5G時代はIoT化に伴って無線通信ニーズが多様化し、周波数のより一層の効率的利用が求められます。そのため、周波数の利用形態の軸足が占有から共用へと移行し、時間、空間、周波数の三つの次元において、干渉・混信・混雑なく周波数をダイナミック(動的)に共用できる電波の高密度利用が進展していくことが予想されます。本講演では、欧米で導入・検討が進んでいる周波数共用システムの動向について政策的・技術的な観点から紹介します。
諸外国におけるダイナミック周波数共有技術に係る、法改正、規格化、システム・機器認証、社会実装導入の事例として、欧米のTV band white spaces方式から、昨年、公衆網4G LTEならびにローカル/プライベート4Gによる実運用が開始されたCBRS(Citizens Broadband Radio Services)方式を題材に、今後、国内での方式検討に重要となるであろう研究開発のポイントについて紹介する。
休 憩(75分) 座長 有吉正行(NEC)
BI-9-3
我が国のダイナミック周波数共用の実現に向けて(40分)
平野裕基(総務省)
BI-9-4
ダイナミック周波数共用システム:コグニティブ無線技術からのアプローチ(40分)
原田博司(京大)
5Gや自動運転,ドローン等の新たな電波利用の進展等に伴い,周波数の逼迫が一層進み,これまで周波数移行や再編により新たな移動通信システム等の導入を進めてきたが,もはや周波数再編等による専用の周波数の確保が困難な状況になっている.このため,近年は複数の無線システムに同一の周波数の電波を共同利用(共用)させる例が増加している.ただしその場合には,相互に電波干渉が生じないようあらかじめ基準を定め,地理的な離隔距離を十分保つことで共用しているのが現状である.5Gの普及等,電波利用の今後の更なる拡大に対応するためには,一層の周波数の有効利用を進める必要がある.具体的には,地理的に密な共用に加え,時間的な共用も考慮に入れた,より柔軟でダイナミックな周波数共用の実現が求められている.ここでは,ダイナミック周波数共用システムに係る電波政策の現在の課題や検討状況等について述べる.
本稿では,このDSS,DSAを支えるコグニティブ無線技術をまとめる.
休 憩(15分) 座長 石橋功至(電通大)
BI-9-5
異システム間のダイナミック周波数共用実現に向けた研究開発
○山崎浩輔・林 高弘・天野良晃・岸 洋司(KDDI総合研究所)
BI-9-6
研究開発との共創における効果的な IT システム構築手法
○太田俊輔・横山 仁・佐々木和典・皆川恵一(IBM)
異システム間での動的な同一周波数共用(ダイナミック周波数共用)について、その実施意義やシステムアーキテクチャ提案、実現に向けた技術的な課題について紹介する。
総務省にて異システム間の周波数共用技術の高度化についての事業が進められており,IBMはこの事業のうち社会実装を担う調査検討役務において運用調整を行うITシステム(以下,システム)の開発を請け負っている.この調査検討役務に並走する形で,周波数共用に関する複数の要素技術についての研究開発役務が進行しており,IBMはこれらの研究開発成果をシステムに取り込む前提で役務を進めている.本稿では,研究開発成果を社会実装に結びつけるために行われている本事業での取り組みや工夫について説明する.
休 憩(15分) 座長 田久 修(信州大)
BI-9-7
ダイナミック周波数共用の実現に向けたフィールド実証環境の構築
○村上 誉・石津健太郎・伊深和雄・川崎 耀・松村 武・児島史秀(NICT)
BI-9-8
ソフトウェア無線向け新たなHW/SWの紹介
○戸部英彦・野上昌雄(アイダックス)
新規無線システムに新しい周波数帯を確保するのは困難になってきており、すでに他システムに割り当てられている周波数帯を共用可能とする技術の確立と社会実装の確立が急務となっている。そこで、現在行われている周波数共用に対し、時間的に細かな粒度で、また空間的により緻密に通信エリアを推定した共用を実現する「ダイナミック周波数共用」技術の研究開発がすすめられ、並行して社会実装のための技術検証を進めている。
本稿では、このダイナミック周波数共用の技術検証や性能評価のために構築するテストフィールドの構築について紹介し、またルーラルエリアにおける想定検証シナリオ例について述べる。
無線研究に多く取り入れられているソフトウェア無線技術の新たな潮流を2つ紹介します。一つはハードウェアに進化について、Xilinx社のRFSoCと呼ばれる超高速A/D & D/Aを内蔵したFPGA(デバイス)です。A/Dは、4GHzサンプリング, 12bit, 8chであり、D/Aは6.5GHzサンプリング, 14bit, 8chと非常に高速なサンプリングを多チャンネルで、且つ、CH間完全同期したデータを実現します。RFSoCは、Massive-MIMOなどの研究装置に向いたデバイスです。もう一つは、移動体通信のコア・ネットワーク(CN)のソフトウェアを提供するコミュニティ:OpenAirInterfaceを紹介します。OAIは、LTEにおけるEPC(Evolved Packet Core)やeNB,UEをLinuxのPCで実行するソフトウェアをオープンに提供しています。5GのNSAでの対応も進めており、SAも計画されています。
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