パネルセッション
HP-1. 食と情報処理のこれまでとこれから -食メディア研究会の活動を振り返りながら語る未来-
(食メディア研究会)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月20日 13:30〜17:10 総合科学部 K棟2F K203講義室 座長 井上勝文(阪府大)
講演時間:各25分
オーガナイザー挨拶:10分
HP-1-1 |
FoodLogの10年
相澤清晴(東大) |
HP-1-2 |
HCI分野におけるHuman Food Interaction研究の広がり
鳴海拓志(東大) |
HP-1-3 |
AI x Gastronomy Challenges by Sony
○Masahiro Fujita・Michael Spranger(Sony) |
もともとは、食事記録のためのマルチメディアツールであるFoodLogは、大学のライフログの研究プロジェクトの一部であった。食事に焦点をおいていたことが、大きな興味を呼び、foo.log(株)という事業体が生まれ、ツールを広く公開するに至り、10年余りになる。機能の向上、プラットフォームの整備、新機能の構築を繰り返してきた。Webベースのシステムから、スマートフォンベースのシステムに代わり、機能的にも個人に適応した画像認識を組み込んでいる。プラットフォーム上では、個人の食事記録だけでなく、食事調査などにも利用できる機能が汎用的に利用できる。昨年には、管理栄養士のためのツールも公開し、アスリートなどの利用者を指導するためのコミュニケーションツールも実現した。これらの10年間の間に変化してきたFoodLogを振り返り、今後の展望を述べる。
情報技術によって人と食物とのインタラクションを拡張する研究領域はHuman Food Interactionと呼ばれ,情報技術によって人の生活を大きく変えうる分野として近年HCI分野において大きな注目を集めている.世界最大の計算機科学に関する学会であるACMでも,計算機科学が今後ポテンシャルを発揮する分野を探索するFuture of Computing Academyという活動において,ヘルスケア等と並んで食をテーマに取り上げている.本講演では,こうしたHuman Food Interaction研究の広がりと可能性を紹介するとともに,ACM Future of Computing of Food Workshopを通じてまとめられたFuture of Computing and Food Manifestoを紹介し,今後の食と情報との関わりのあり方について議論する.
We present Sony's challenges for Gastronomy. Sony as Creative Entertainment Company has been developing technologies and businesses in Game, Movie, and Music domains. In those Entertainment domains, there are Creators who create contents, and End-Users who enjoy the contents. We propose Gastronomy Entertainment as an analogy to those Entertainment domains. Chefs are Creators, who create recipes as contents and cook with cooking skills.The cuisines are the contents that deliver stories created by chefs. End-User enjoy the cuisines that chefs created. We believe that AI and Robotics will argument Chefs creativities and skills to create novel recipes and cooking methods.
休 憩(10分) 座長 道満恵介(中京大)
HP-1-4 |
ソフトマターの3DプリンティングとOpen Meals
古川英光(山形大) |
HP-1-5 |
クックパッドにおける研究開発
原島 純(クックパッド) |
休 憩(5分)
パネル討論(50分)16時00分から開始です。美濃導彦(理研)、佐野睦夫(阪工大)、中村裕一(京大)、井手一郎(名大)、山肩洋子(東大)による討論となります。
全体討論(20分)
ソフトマターの3Dプリンティングとして、高強度ゲルや食品の研究を進めている。その社会実装として2014年には米沢のお祭りで、タブレット上で描画した通りにインクが出る食品プリンタを披露した。その取り組みは「米沢いただきます研究会」の活動として、地元の商工会議所、地元企業、市役所の協力の元で進め、商品化にも成功した。米国SXSW2018ではOpenMealsというオープンイノベーションの取り組みで食の転送の概念を打ち出した。YouTubeで好きな動画を探すように、好きな食品のデジタルデータをダウンロードして、作り出し、それを楽しんだり味わったりする食の未来だ。このような食のプラットフォームを日本発のエコシステムとして開発することを目指している。
チュートリアルセッション
AT-1. 量子情報処理の展開
(情報理論研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月20日 13:30〜16:20 総合科学部 K棟2F K204講義室 座長 松本隆太郎(名大)
講演時間:各30分
IEICE総合大会チュートリアルセッション「量子情報処理の展開」では量子情報処理の理論面に関する4名の研究者にそれぞれのご研究またはご研究分野を講演していただく。量子情報の基礎的な数学はあまり馴染みが無いので、その部分をいちいち説明していると講演時間の消費が激しく、数学的な基礎を説明せずに省略すると深い議論ができない。そこでどの講演にも共通する基礎部分を最初に説明して、その後の講演で基礎部分を繰り返し説明せずに済ますことが本講演の目的である。本講演の内容は定番の教科書のごく一部である。
近年、公開鍵暗号のみでなく共通鍵暗号についてもその耐量子安全性が詳しく研究されている。
本講演では、共通鍵暗号への量子計算機を用いた攻撃に関する研究の近年の発展を概観し、今後の展望を述べる。
量子暗号は,いかなる盗聴手段を講じても破れない,「絶対に安全な」暗号方式である.
本発表ではまず,量子暗号の基本的な考え方,既存方式(現代暗号)と比べた際の長所と短所,今後の課題について説明する.つづいてとくに,安全性の考え方と,その証明手法について詳しく解説する.また量子暗号の知見を活用した乱数生成器(量子乱数生成器)についても解説する.以上の解説の随所で,発表者自身の最近の研究成果についても紹介する.
休 憩(20分)
AT-1-4 |
量子ネットワークの量子通信路容量について
武岡正裕(NICT) |
AT-1-5 |
量子情報幾何学再論 --距離概念と計量概念を巡って--
長岡浩司(電通大) |
量子情報、量子エンタングルメントを配信し様々な応用に活用する量子ネットワークの実現に向けた研究開発が本格化する中で、量子通信路やそのネットワークにおける量子通信の性能限界(通信路容量)解明の重要性が高まっている。本講演では、量子ネットワークにおける量子通信路容量に関する最近の研究について、実用上重要となる光通信路に関する成果を中心に紹介する。
量子状態の成す多様体上の幾何学的構造を考える量子情報幾何学について、特に距離概念と計量概念に焦点を当て、その概要と課題について紹介する。
AT-2. IoTシステムにおけるハードウェアセキュリティ最前線
(ハードウェアセキュリティ研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月18日 13:30〜17:00 工学部 講義棟1F 106講義室
講演時間:各60分
座長挨拶:10分
AT-2-1 |
IoT化が進みつつある自動車におけるセキュリティの現状
矢嶋 純(富士通研) |
近年の自動車はCANやLINといった車載ネットワークで電子制御されている.また自動運転に向け,外部ネットワークに接続するコネクテッドカーが増加しており,自動車を一つの装置と見立てたIoTシステムが確立されつつあることを意味している.近年,車外から外部ネットワーク経由で車内に侵入し,車載ネットワークに攻撃メッセージを注入して自動車を自在に操る遠隔操作攻撃が懸念されている.実際2015年にはMillerらが遠隔操作攻撃に成功し,140 万台のリコールに至る大問題に発展した.
本発表ではMillerらの攻撃を振り返り,自動車セキュリティに関する各種標準について紹介する.そして,セキュリティ対策の全体像について説明し,近年の自動車セキュリティの研究動向を紹介する.
休 憩(10分)
AT-2-2 |
IoT機器向け省リソース暗号技術の動向
吉田博隆(産総研) |
サイバー物理システム(CPS)は、情報を物理オブジェクトと接続するシステムである。
これらのシステムの例は、自動車、工場の自動化、エネルギーハーベスティング、医療機器など、ような広範な産業分野で見られる。これらのシステムのセキュリティは安全性が重視されるため、暗号技術者にとって興味深い技術課題である。さらに、セキュリティ技術の展開では、これらの技術を標準化することがしばしば必要になる。
2006年以来、講演者は、ISO / IEC JTC 1、ITU-Tなどの標準化プロジェクトに携わってきた。
NIST SHA-3およびNIST LWC、この講演では、CPSセキュリティテクノロジーに関するいくつかのアクティビティを要約します。ギャップを埋める際に特定できる問題に対処する公開されている結果と実際の展開との間で
軽量暗号化。要件指向のビューと暗号スタックの使用は、問題の解決への鍵となることを解説する。
休 憩(10分)
AT-2-3 |
CPSを支えるフィジカルサイドセキュリティ
○三宅秀享(東芝)・友枝裕樹(東芝インフラシステムズ) |
近年、Internet of Things(IoT)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、サイバーフィジカルシステム(CPS)といったキーワードが注目を集めている。これらの仕組みが普及するとともに、サイバー攻撃による脅威が増大しており、情報システムだけでなく制御システムやサービスへも広がりを見せている。本講演では、CPSのフィジカル側(エッジ側)におけるセキュリティ技術について紹介する。
依頼シンポジウム
AI-1. 回路とシステムの応用としての農業
(システムと信号処理サブソサイエティ、回路とシステム研専 共催)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月19日 13:30〜17:30 工学部 講義棟1F 114講義室 座長 佐藤弘樹(ソニーLSIデザイン)
講演時間:指定以外各30分
座長挨拶:5分
AI-1-1 |
施設植物生産現場におけるセンシング・AI応用の歴史・現状・課題(45分)
星 岳彦(近畿大) |
プラスチックハウス・温室・植物工場等の施設植物生産へのコンピュータ応用研究は1970年代から活発化した。しかし、導入価格・単位施設規模などの点から、日本の生産現場へ成果の普及はそれ程進展しなかった。近年、ICTのコストパフォーマンスの劇的な向上と、日本の施設面積と農業従事者の減少に対抗する持続的生産性達成への期待から、施設植物生産現場へICT導入の期待が高まっている。苛烈な放射・塵埃・結露環境に晒されるセンシングシステムのロバスト設計・保守容易化、対象生物と需給関係に固有の遅延性・非線形性・慣性・カオス的特性への対応、現場生産者へのICTリテラシーの啓蒙など、当該技術の生産現場への普及には、課題も山積している。演者らが実施している研究開発を紹介するとともに、過去から未来に向かっての技術の進展を俯瞰してみたい。
休 憩(10分) 座長 中村洋平(日立)
AI-1-2 |
画像情報を用いた植物生育特徴量の計測と利用
○岡安崇史・伊藤次郎・野村浩一・安武大輔(九大)・政井隆之・田中泰洋(キヤノンITソリューションズ)・岩尾忠重(富士通)・尾崎行生(九大)・有田大作(長崎県立大) |
AI-1-3 |
Arduinoを活用した施設園芸向けセンサユニットの開発と製造
黒崎秀仁(農研機構) |
AI-1-4 |
深層学習を用いたスマート林業機械の開発 - 架線集材の自動化に向けた挑戦
鎌田智也(アイエスエス) |
AI-1-5 |
Edge AI技術によるウシ行動推定
○伊藤浩之・Li Chao・Korkut Kaan Tokgoz(東工大)・竹田謙一(信州大) |
休 憩(10分)
座長 山口 基(テクノプロ)
パネル討論(50分)16時40分から開始です。講演者全員による討論となります。
我が国の農業は異常気象の頻発,農家の高齢化,消費者嗜好の多様化などを背景に,栽培管理の高度化と経営戦略の見直しが喫緊の課題となっている.これらの課題解決を目的に,IoTやAIを活用した「スマート農業」の実証研究が全国規模で展開されている.中でも,画像処理・解析に関する技術の進歩は著しく,栽培管理の最適化に画像情報を利用する研究も盛んに実施されている.本稿では,AIによる植物生育画像の解析事例や廉価なIoT機器を用いた植物フェノタイピングシステムの製作と,それを用いた植物生育情報の計測と利用方法に関して紹介する.
施設園芸分野での環境センシングは普及の兆しを見せている。しかし、これらの機器が大々的に普及すれば、今後は経年劣化した装置のメンテナンスとサポートに多大なコストがかかることが懸念されている。そこで、センサユニットをユーザーが自作することで低コストに供給する方法を検討した。近年は電子部品の入手が容易で、個人向けプリント基板製造サービスなども充実しており、安価に小ロット製造が可能である。制御部分には設計情報が豊富に公開されているArduinoを活用して部品点数の削減をはかった。これらを活用して施設園芸向けのセンサユニットの開発と製造を行い、製造コストと精度を検証した。
架線集材の安全性と生産性の向上を目指した次世代林業機械の開発における深層学習技術の応用事例について紹介するもの
本プロジェクトでは,酪農・畜産における飼育管理の大部分をIT化することにより,環境やアニマルウェルフェアの状態を定量化しながら,これらと経済性・生産性・効率性を半自動的に向上させ,かつ生産者と消費者の繋がりを深めて畜産復興や倫理消費を推進する仕組みや技術の構築を目指している.この中核になるのは,牛舎飼いや放牧といった飼養方式を問わずに,これまで気付くことが難しかったウシの状態変化をリアルタイムに計測するシステムである.本発表では,このシステムにおけるEdge AI技術を用いたウシ行動推定の研究開発について紹介する.
AI-2. 組合せ最適化専用イジングマシン周辺技術の現状と展望
(VLSI設計技術研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月18日 13:30〜16:55 総合科学部 K棟1F K103講義室 座長 粟島 亨(豊田通商)
講演時間:指定以外各30分
座長挨拶:5分
AI-2-1 |
イジングマシン分野の研究開発の現状と今後 〜ハード・ソフト・アプリケーション・理論〜(40分)
○田中 宗・戸川 望(早大) |
AI-2-2 |
イジングマシンにおける共通ソフトウェア基盤開発
松田佳希(フィックスターズ) |
AI-2-3 |
温度効果を用いたイジングマシンにおける埋込アルゴリズム
○白井達彦・田中 宗・戸川 望(早大) |
組合せ最適化問題専用の新しいタイプの計算技術としてイジングマシンが注目を集めている。組合せ最適化問題は「膨大な選択肢の中から、制約条件を満たし、かつベストな選択肢を探索する問題」を指す。イジングマシンを用いる際には、組合せ最適化問題の目的関数や制約条件を、物理学の理論モデルの1つである「イジングモデル」を用いて表現することにより、組合せ最適化処理を行うことが可能になる。いま、イジングマシンのハードウェア開発、ソフトウェア開発、アプリケーション探索が活発に進められている。また、イジングマシンに関連する理論研究も数多く行われている。本講演では、イジングマシン分野の最新の研究状況の概観と今後の展望について紹介する。
量子アニーリングマシンを始めとして、組合せ最適化問題に特化したイジングマシンが注目を集めており、近年盛んに研究開発が進められている。最近では量子アニーリングに限らず様々な原理に基づいて動作するイジングマシンが日本国内を中心に発表されている。一方で、現実的な課題における組合せ最適化問題とイジングマシンのハードウェアには大きな乖離があり、その間を埋めるにはソフトウェア環境の整備が必須である。本研究では、イジングマシンの適用可能範囲の拡充と、利便性能向上を目指し、ハードウェアとソフトウェアの中間層としてミドルウェア群や共通API等によって構成された共通ソフトウェア基盤の開発を行う。これにより、ユーザは各々のイジングマシンの詳細仕様を意識することなく使用することが可能となり、イジングマシンを用いた応用探索の加速が期待される。
組合せ最適化問題は、膨大な選択肢から、制約を満たした上で、目的関数を最小にする問題であり、実社会の様々な場面に内在する重要かつ困難な問題として知られている。近年、組合せ最適化問題を高速かつ高精度で解法することが期待されるハードウェア「イジングマシン」の開発が盛んに行われている。本稿ではイジングマシンを用いて組合せ最適化問題を解法する際に必要となる埋込みという操作に焦点を当てて議論を行なう。統計物理学を用いた理論的な考察に基づき導出された埋込アルゴリズムを紹介し、既存手法に対し提案手法がどのような場合に有効であるかについて説明する。
休 憩(10分) 座長 田中 宗(早大)
AI-2-4 |
グリッド配線問題に対するQUBO定式化手法
◎川村一志・田中 宗・戸川 望(早大) |
AI-2-5 |
イジングマシン共通ソフトウェア基盤の開発加速を意図した評価データセットおよび環境の整備
○高田淳司(ネクスティエレクトロニクス)・髙橋俊輔(豊田通商) |
AI-2-6 |
イジングマシンに関する豊田通商の取り組みと狙い,およびアカデミアへの期待
◎粟島 亨・高橋俊輔(豊田通商) |
イジング計算機を用いて組合せ最適化問題を解く場合,元問題をQuadratic Unconstrained Binary Optimization (QUBO)に変換するQUBO定式化の工程が必須となる.本稿では,組合せ最適化問題のひとつであるグリッド配線問題に対するQUBO定式化手法を提案する.本問題をQUBO定式化する過程では,三次多項式関数を同等の基底状態を持つ二次多項式関数へと変換する次数削減の工程が必要となる.本稿にて2種の次数削減手法を提案し,自動ツールにより次数削減した際の結果と比較する.
NEDOプロジェクト「イジングマシン共通ソフトウェア基盤の研究開発」の一環として、評価データセットと閲覧環境を整備したので報告する。ここで、イジングマシンとは量子アニーリングマシンを含むイジングモデルに基づくコンピュータの総称であり、組み合わせ最適化問題の高速な解法として期待されている。現時点までで、公開されている整数計画問題のベンチマークリストや当社が実施しているモビリティサービスから抽出した評価データセットを整理し、その閲覧環境としてのウェブサイトを構築した。
イジングマシン活用に関する豊田通商の取り組み、考え得る実用化要件、アカデミアの期待について報告する。デジタル化・ネットワーク化に伴う計算要求は指数的に増大しつつあり、一方古典コンピュータの性能進化は鈍化している。特に次世代モビリティサービスのようなリアルタイムシステムでは極めて高速な最適化計算が求められており、量子アニーリングを含むイジングマシンへの期待は大きい。本稿では、イジングマシンに対して具体的な実用化要件について整理し、アカデミアへの期待を述べる。
AI-3. 機械学習に基づく信号処理の深化
(信号処理研専、電気学会 制御・信号処理の技術融合と応用分野拡大に関する調査専門委員会 共催)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月20日 9:30〜11:35 総合科学部 K棟3F K307講義室 座長 相川直幸(東京理科大)
講演時間:各25分
AI-3-1 |
ニューラルネットワークによる機械学習
○大松 繁・木下拓矢・山本 透(広島大) |
AI-3-2 |
深層学習時代のコンピュータビジョンと画像認識
玉木 徹(広島大) |
AI-3-3 |
スパースフィルタ設計における機械学習の利用
○中本昌由・井谷太郎(広島大)・相川直幸(東京理科大) |
AI-3-4 |
繁殖成績向上のための機械学習を用いた肉用牛栄養管理システム
◎名取隆廣・餌取直輝(東京理科大)・鍋西 久(北里大)・相川直幸(東京理科大) |
AI-3-5 |
CNNによる口元画像の正面変換を用いた斜め視点リップリーディングに関する検討
◎小梶金志郎・杉田泰則(長岡技科大) |
本論文は機械学習をニューラルネットワークで構成するもので、原理は階層型ニューラルネットワークによる階層構造を利用したものである。
近年の深層学習の発展に伴い,様々なコンピュータビジョンと画像認識のタスクが提案されている.本稿ではそれらのタスクとデータセットを紹介し,これまでの研究の発展を概観する.
近年,乗算器の数を削減するためにスパースフィルタを設計する手法がいくつか提案されている.スパースフィルタとは,フィルタ係数に0係数を多く含むフィルタである.0係数が含まれることによって乗算器数が削減され,低消費電力化が可能となる.本研究では囲碁の「どこに石を置けば勝率の向上につながるか」という最適化問題が,スパースフィルタの設計において,「どの係数を0にすれば無制約の状態から誤差値の悪化が最も抑えれるか」という最適化問題に類似していると考えた.そこで,様々な種類の最適なスパースフィルタを教師データとしてニューラルネットワークで学習し,時間をかけることなくスパースフィルタを設計する手法を提案する.
日本の肉用牛における繁殖成績は横這い傾向であり,更なる向上のためには栄養充足率の過不足やバランスを適切に管理することが望ましいとされている.ここで,牛の栄養度を10段階評価した栄養度と呼ばれる指標が高い牛は初回交配日数が短くなる傾向があり,適切な栄養度になるように給餌量をコントロールできれば繁殖成績の向上が期待できる.そこで本稿では上記に鑑み,(i)牛をカメラを用いて自動撮影し,(ii)画像よりその牛の栄養度を機械学習により判別可能な繁殖成績向上のための栄養管理システムについて提案する.
リップリーディングとは、視覚情報から音声を推定する技術であり、自動字幕生成や騒音下での音声認識への応用がある。近年、ニューラルネットワークの適用により、性能が大幅に向上しているが、多くの研究は正面視点での認識のみを対象としており、正面以外では認識精度が低下してしまう問題がある。本稿では、斜め視点に対するリップリーディングの認識精度向上を目的として、CNNによる視点方向変換を前処理として用いる方法を検討する。CNNを用いて口元画像を正面視点画像へ変換することで、正面視点のみで学習されたリップリーディングモデルを用いた斜め視点の認識が可能となる。実験では、従来法との認識精度比較により提案法の有効性を示す。
AI-4. データ科学への統計物理からのアプローチ
(システム数理と応用研専)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月17日 13:30〜16:40 工学部 講義棟1F 114講義室 座長 金澤尚史(阪大)
講演時間:各45分
AI-4-1 |
確率的情報処理への統計物理学的手法の応用
片岡 駿(小樽商大) |
AI-4-2 |
ボルツマンマシンのグラフマイニングへの応用
安田宗樹(山形大) |
確率的情報処理とは確率的な枠組みを利用して情報処理をおこなうもであり,ノイズや要素間の関係性といった不確実的な要素を確率を用いて自然な形で取り扱うことが可能なため,これからの社会において重要な情報処理技術の一つとして期待されている.
確率的情報処理の考え方自体は古くから存在していたが,同時にその計算困難性も指摘され,本格的な情報処理の問題に適用される例はそこまで多くはなかった.この枠組みが実際の情報処理問題で実行可能となった背景には計算困難の問題を回避する効果的な近似計算法の開発がある.
本発表では確率的情報処理の枠組みやその計算量的な問題点を解説し,それを解決する統計物理的な近似計算法について説明する.
本講演では、統計的機械学習の中の重要トピックの一つであるボルツマンマシンを扱う。
ボルツマンマシンはマルコフ確率場と呼ばれるグラフィカルモデルの一つであり、統計力学のモデルと深い関係をもつ。
まず、ボルツマンマシンのモデルの詳細を紹介し、次いでボルツマンマシンに対する統計的機械学習について議論する。
ボルツマンマシンの厳密な学習アルゴリズムは NP 困難であり、何らかの近似アルゴリズムを必要とする。
本講演では、効果的な近似アルゴリズムの一つである「空間モンテカルロ積分学習」を紹介する。
最後に、ボルツマンマシンのグラフマイニング問題への応用について議論する予定である。
休 憩(10分) 座長 片岡 駿(小樽商科大)
AI-4-3 |
高次元確率モデルの扱いについて:統計物理の視点から
小渕智之(京大) |
AI-4-4 |
量子揺らぎによる確率的情報処理
荒井俊太(東北大) |
近年の機械学習の勃興に見られるように、複雑な数理モデルを用いて、現実の現象をモデル化・予測・解釈することへの需要が、様々な分野で高まりつつある。そのような複雑な数理モデルを扱う際、そのモデルから出てきた結果をどう解釈するか?どこまで信頼できるのか?ということが、しばしば問題となる。本講演では、この問題に対して最近我々が行ってきた研究を紹介する。基本となる考え方は数理統計と物理学に基づく。これらがどのように信頼性評価に利用されうるのか、という点について議論する。
量子揺らぎを用いた組合せ最適化問題に対するヒューリスティックな手法として, 量子アニーリングというものがある.
本講演では量子アニーリングを確率的情報処理の問題に適用した際の性能解析を紹介する.
主に扱う問題としては通信で扱われているCDMAや誤り訂正符号の一種であるソーラス符号である.
CDMAやソーラス符号はあるパラメータ領域で1次相転移を持つことが知られており,通常の量子アニーリングでは効率的に解を得ることが難しい. そこでリバースアニーリングと呼ばれる手法を用いることで, 1次相転移を回避する. 事前に得た解の性質によって,リバースアニーリングを使った復調の性能は変化する. この性能の変化をレプリカ法を用いて解析し数値実験で得られた解と比較を行う.
AI-5. Society 5.0時代の計測・制御と通信
(高信頼制御通信研専、ワイドバンドシステム研専 共催)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月20日 13:30〜15:50 総合科学部 K棟2F K205講義室 座長 岡田 実(奈良先端大)
講演時間:各20分
座長挨拶:5分
AI-5-1 |
WBS研・RCC研などの研究会創設意図と今後の魅力的な学術とビジネス創生に提言
河野隆二(横浜国大) |
AI-5-2 |
Society 5.0実現のための無線通信技術
片山正昭(名大) |
AI-5-3 |
情報システムにおける無作為化比較対照試験
原 晋介(阪市大) |
講演者が多数の研究会、WBS研(旧SST研)、ITS研、SW研(旧SR研)、MICT研、RCC研(旧RRC研)や国際会議ISSSTA、ICUWB、ISMICTなどを創設し、先頭に立って活動してきた意識、意図、自分と意識を共有できる仲間たちと共に活動する成功と喜びについてお話ししたい。さらに、今後の魅力的な研究開発、持続可能な社会サービスやビジネスに必要な法制化、標準化などを、未だ成功の保証も見返りも期待できない中でも、リスクを恐れずチャレンジするやり通す気概をもって進むことの意義、価値を伝えたい。定年をまじかに控えた年寄りのウザイ説教と疎まれることも覚悟で、現役世代の皆さんに未踏の先に見える光を目指してチャレンジすることをお話ししたい。特に、国内外の産官学にわたる様々なコミュニティに足を運び、深く関わり、それぞれの分野や領域、国、コミュニティによる多様な価値観を理解し、その先にともに目指す何かを見出すことに価値があることも語りたい。
情報収集や機器制御のための通信における,要求性能,制御と通信の融合,階層を越えた最適化の一部を紹介する.また,新たな無線通信の手段のいくつかを考え,また単一の方式ではなく複数の方式の混合による解決を考えるための糸口を紹介する.
休 憩(15分) 座長 林 和則(阪市大)
AI-5-4 |
ワイドバンドシステムの研究動向
岡田 実(奈良先端大) |
AI-5-5 |
データサイエンスと高信頼制御通信
林 和則(阪市大) |
AI-5-6 |
高信頼な制御のための通信設計
石井光治(香川大) |
ワイドバンドシステム研究会で取り扱っている研究動向について紹介する。
データサイエンスはデータに基づいた問題解決の数理的な枠組みであり,サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムによって実現されると考えられるSociety 5.0の重要な要素技術として注目されている.本講演では,データの計測から収集,解析,実社会へのアクチュエーションによって構成されるデータサイエンスのサイクルと制御通信の関係について議論し,Society5.0の実現における制御通信の役割や研究の展望について考える.
高信頼な無線ネットワーク化制御を実現するために必要な技術を通信技術者からの視点で紹介し,今後の課題や発展なども紹介する。
ADI-1. 量子計算と暗号の発展
(情報セキュリティ研専、コンピュテーション研専 共催)
一般公開:本企画の聴講は無料です.直接,会場へお越し下さい.
3月17日 13:30〜16:50 総合科学部 K棟3F K306講義室 座長 安永憲司(阪大)
講演時間:各45分
座長挨拶:5分
量子計算をクラウド的に利用する場合に問題となるのが安全性と健全性である。つまり、計算内容をクラウドに秘密にしたまま量子計算が委託できるか(安全性)?という問題と、クラウドが正しい量子計算をしているかどうかをチェックできるか(健全性)?という問題である。2009年あたりからこれらについての研究が盛んに行われてきている。本講演では、それらの内容について基礎と最先端の結果について解説する
本講演では,量子計算機を持つ敵対者に対する暗号プロトコルの安全性概念に関連した近年の研究動向についての解説を行う.特に量子ランダムオラクルモデルや量子情報通信に関して,量子敵対者を想定した場合に起こる量子情報特有の安全性概念上の問題点をいくつか紹介し,その解決方法について解説する.
休 憩(15分)
ADI-1-3 |
量子攻撃・量子構成の下界について
草川恵太(NTT) |
ADI-1-4 |
同種写像に基づく耐量子計算機暗号
高島克幸(三菱電機) |
量子計算機を用いた場合の暗号方式への攻撃のクエリ計算量について解説を行う。また、量子計算機を用いて暗号方式を構成する場合のクエリ計算量についても解説を行う。
大規模な量子コンピュータが出現すれば,これまで広く使われてきた公開鍵暗号が破られる危険性が指摘されている.それに対する対策として,量子コンピュータでも効率的に解けない数学問題の計算困難性に基づいて,新しい暗号を提案する研究が活発に行われている.本講演では,その候補である同種写像暗号について紹介する.その暗号演算には,超特異楕円曲線同種写像からなるグラフ上のランダムウォークが使われているので,そのグラフの数理的な性質が,暗号の性能・安全性を理解する上で重要になる.それら数理的側面と共に,同種写像に基づく鍵共有や署名という暗号技術についても紹介する.最後に,本研究分野での私の最近の研究成果にも触れる予定である.