2021年
電子情報通信学会
ソサイエティ大会

オンライン開催
2021年9月14日(火)〜17日(金)

ご挨拶

大会委員長の挨拶

  2021年電子情報通信学会ソサイエティ大会にご参加いただき誠にありがとうございます.本大会は,当初,熊本大学での開催を計画し,関係各位に多大なるご尽力をいただいてまいりましたが,新型コロナウイルス感染拡大を受け,残念ながら全てのセッションをオンラインで開催することとなりました.
 ソサイエティ大会は,学会を構成する複数のソサイエティの中で,基礎・境界,NOLTA,通信,エレクトロニクス各ソサイエティが合同で行っているものです.今回,公募講演(一般講演とシンポジウム講演)として1056件の論文投稿をいただきました.これは昨年のソサイエティ大会を50件以上上回り,引き続くコロナ禍においても会員の皆様からの積極的なご投稿をいただきましたことを大変心強く思います.また,27件の企画セッション(講演総数,133件)を開催するに至りました.企画セッションの中には,ご好評いただいている省庁連携セッション「第6期科学技術・イノベーション基本計画から読み解く我が国が向かおうとする方向」や,5Gの次なる世代である6Gに関するセッションをはじめ,デバイス,システム応用の最前線から将来展望まで,様々な切り口でICTに関するトピカルな話題が提供されます.
 27件中16件の企画セッションが一般公開となっており,非会員の方でも無料で聴講ができます.有料セッションについては,総合大会に引き続き,論文のダウンロード権なしの場合,会員非会員を問わず学生の皆さんは無料といたしました.昨年度発足したジュニア会員(小中学生,高校生,高等専門学校生,大学学部3年生までを対象)の参加も無料です.
 昨年度に引き続いて2年度目のオンラインによるソサイエティ大会となりましたが,学会としては「アフターコロナ」,「ポストコロナ」の社会を見据えて,オンラインによる学術集会の新たな可能性を追求しています.たとえば,ポスターセッション等に適した新たな遠隔会議システムであるV-CUBE社のEventInを導入すると共に,その機能開発に協力しています.また,今回のソサイエティ大会から,事前に許可を得た企画セッション等は録画を行い,講演・聴講参加申込者は大会終了後の翌々週から1週間の間視聴できるようにする予定です.これによって,同一時間帯のために参加することができなかったセッションについても後日講演が聴講可能になります.これらの新たなサービスの導入によって,多くの皆様がバーチャルならではの良さが体験できるのではないかと思っています.参加者の皆様におかれましては,本大会が新たなオンライン大会の出発点となることを願っております.

大会委員会 委員長
東京工業大学
植松 友彦


基礎・境界ソサイエティ / NOLTAソサイエティ会長の挨拶

 基礎・境界ソサイエティ(ESS)では,電子情報通信に関する基礎的な分野や境界領域の研究を担うサブソサイエティと研究専門委員会が活発な活動をしています.また,基礎・境界ソサイエティから2014年10月に独立したNOLTAソサイエティ(NLS)は,非線形理論とその応用の研究を担っております.現在,ESSとNLSは比肩して共同運営がなされ,相互協力のもと,これら研究分野の推進に取り組んでおります.
 本大会におきましても,ESSとNLSは共同で多くのプログラムを構成しております.両ソサイエティにより,合計で19分野の一般講演が企画され,144件の発表が予定されております.また,ソサイエティ特別企画セッション/依頼シンポジウムの開催も予定されています.
 ソサイエティ特別企画セッション「(ANK-1)基礎・境界ソサイエティ,NOLTA ソサイエティ共同贈呈式」では,FR誌ベストオーサー受賞者 谷本洋先生(北見工業大学名誉教授)に「対称性を利用した回路 ― 差動対のはなし」と題して特別講演をお願いしております.さらに,この特別企画では,本年度に両ソサイエティ活動に貢献された会員に対する特別功労賞/功労賞/貢献賞の表彰も行います.  依頼シンポジウムセッションとして, 「(AI-1)極限環境の計測を支える回路とシステム技術」,「(AI-2)AI倫理とシステム数理」,さらに公募シンポジウムセッションとして「(AS-1)Explainable AI (XAI) と VLSI 設計技術」が開催されます.
 これらのセッションや企画を通じて活発な情報の交換・討論を行い,多くの知見を得られる有意義な機会としていただければ幸いです.また,今回は前回に引き続きオンラインによる開催となりましたが,各企画を通じ,可能な限り親交を深める場として本ソサイエティ大会がお役に立てることを期待しています.
 最後になりましたが,本ソサイエティ大会の準備を進めて頂きました大会委員会,実行委員会,プログラム編成委員会の皆様に深くお礼申し上げると共に,基礎・境界ソサイエティ / NOLTAソサイエティの企画を準備して頂いたサブソサイエティ/研究専門委員会およびご講演頂く会員の皆様のご協力に感謝致します.

基礎・境界ソサイエティ会長
高橋 篤司

NOLTAソサイエティ会長
斎藤 利通


通信ソサイエティ会長の挨拶

 通信ソサイエティでは、社会インフラとして人々の生活に不可欠な存在となっている情報通信に関し基礎から応用まで幅広い技術分野の研究成果を発表します。多分野にわたる一般セッションに加え、7つのシンポジウム:「アンテナ・伝搬分野における最新のシミュレーション技術」・「新たな通信領域開拓に向けたアンテナ伝搬技術」・「5Gの更なる発展と6Gに向けた先進技術」・「ネットワーク技術特別ポスターセッション」・「持続可能な社会を支える電力変換技術」・「Network and Service Design, Control and Management」・「水中無線技術が創る未来社会」を予定しています。合計664件もの発表が行われ最新の研究成果に対する活発な議論が期待されます。
 特別企画セッションも多数予定しています。3つの一般公開チュートリアル「コロナ禍で加速化した遠隔教育・研究へのICT活用とマネジメント」・「分散協調機械学習チュートリアル」・「情報指向ネットワーク技術の新たな課題と可能性」では各分野の最新技術動向を効率的に把握することができます。また、今ホットな話題となっている6Gに関して「6Gに向けた非地上系ネットワーク技術の展望」・「6G時代に向けた周波数共用の現状と将来展望」・「6Gを志向した短距離無線通信技術」を開催します。特に学生や若手研究者の皆様には「論文の書き方講座」へのご参加をお勧めします。論文投稿の基本と勘所を学べる毎年人気の高いセッションです。ここでご紹介しきれませんが、その他にも各分野の貴重な情報が得られる9つの特別企画セッションを開催しますので奮ってご参加下さい。
 今回もオンライン開催を余儀なくされたため大変残念ですが通信ソサイエティ総会は取りやめとしました。ソサイエティ活動にご尽力された方々への表彰式のセレモニーも行いません。直接感謝を申し上げる機会を持てないことは大変申し訳なく思いますがご容赦下さい。この場をお借りして深く感謝申し上げます。
ご参加の皆様に直接お目にかかれないことは残念ですが「セッションの出入りが容易なこと」はオンライン開催のメリットです。ご興味に応じ自由なスタイルで多くのセッションにご参加下さい。皆様の活動にプラスとなる情報が必ず得られるものと確信しています。
 最後に、本ソサイエティ大会の準備を進めて頂きました大会関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。通信ソサイエティの企画を準備して頂いた研究専門委員会およびご講演頂く皆様のご尽力に心より感謝致します。

通信ソサイエティ会長
葉玉 寿弥


エレクトロニクスソサイエティ会長の挨拶

 2021(令和3)年度のソサイエティ大会を開催するにあたり、ご挨拶を申し上げます。残念ながら総合大会を含め3回連続のオンライン開催の大会となり、Face-to-faceでの発表・質疑応答を期待されていた参加者の皆様には申し訳なく感じております。また、従来の運営ができずオンライン開催独特の準備と当日の運営にご苦労を強いられた事務局、ソサイエティ・研専の関係者の皆様のご尽力に感謝申し上げます。
 COVID-19感染拡大により学会発表や研究活動のみならず日常生活全体に大きな影響が出ておりますが、その中には他国に比べて遅れていた行政、金融、医療サービスなどに関する最新ITシステムの導入を促進するトリガーとなる事象も含まれております。またオンライン会議システムも発展途上であり、今後様々な利用形態に応じた特化や、リアル会議に劣らないリアリティ(映像、音声、距離感など)の向上などの研究開発が必要です。ITの発展には試行錯誤による改良が必須ですが、研究者は技術に詳しいのでともすると「そんなことはユーザが慣れれば十分。また、利用法を覚えればよい」と考え、改良点に気付かないかも知れません。不自由を強いられるオンライン会議に参加し、情報弱者の身になって使いにくい点の荒探しをしていただき、お近くの委員まで遠慮なくご連絡頂ければ幸いです。
 閑話休題、今回のソサイエティ大会に関しましては、発表者数の減少を心配しておりましたが、昨年と比較して約40件増加しております(昨年は206件のところ今年は244件)。申し込みされた研究者・学生の皆様に感謝申し上げます。オンライン会議では、スクリーンが見づらい・声が聴きにくいなどの問題はなく、リアル会議よりも良い点があります。一方で、会場の雰囲気が読めず発言ボタン(挙手アイコン)を押して質問するのに勇気が必要かも知れません。一人が質問をすれば次の質問がしやすくなり、全体としてセッションが盛り上がります。遠慮せず質問をするよう心掛けて頂ければ幸いです。
 また、一般講演に加えシンポジウム「CS-1 プラズモニックデバイスの電磁界解析とその応用」を企画いたしました。さらに、エレクトロニクスソサイエティのプレナリーセッションでは、各種賞の表彰式に加え、特別講演会「アフターコロナ時代の情報通信とエレクトロニクスへの期待」を開催いたします。
 ・コロナが加速した世界半導体産業(湯之上隆氏、微細加工研究所)
 ・アフターコロナ時代における情報セキュリティ(伊東寛氏、情報通信研究機構)
 ・コロナ時代の医療ビッグデータシステム(喜連川優氏、国立情報学研究所)
の3件の招待講演で、今後のエレクトロニクスの研究者が目指すべき方向性をお示しいただく予定です(プレナリーセッションは一般公開でどなたでも参加できます)。皆様の研究テーマ探索の1つとしてご活用頂けるのではないかと思います。
 熊本での開催がかなわず大変残念ではありますが、出張不要の利点を生かして多くの皆様にご参加いただき大会を盛り上げていただくとともに、参加者の皆様にとって重要な研究情報収集・意見交換の場としてご活用頂ければ幸いです。

エレクトロニクスソサイエティ会長
高橋 浩

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